その日も私はゲームで零二君と対戦していた
「いい加減諦めろよ!何回切り刻まれるつもりだ!」
「「もう一度勝つまでです!(だよ!)」」
零二君だって手の内は無限じゃない、いつかはネタ切れを起こすはず!
「極大魔法!極滅獄炎!(アルティマヘルフレア!)」
「魔法は効かねーよ!」
思った通り御魂喰らいの剣で吸収してきた
「解放(フルバースト!)」
「あこちゃん!お願い!」
「聖域結界!」
ギリギリで攻撃を防ぐ
「バカの一つ覚えお疲れ様」
その声が聞こえたのと同時に画面にゲームオーバーの表示
「また勝てなかった…」
「残念だったね、無敗記録じゃなくて惨敗記録更新中だよ」
「次は負けません!それはそうと、LIVEの時はお願いしますよ!」
「わかってる、一応ボディーガードでしょ?」
Roseliaは人気のバンドであるためにかなりのファンもついているし少しアレなファンもいるだろうし用心に越したことはないらしいRoseliaのサポートとして一緒に行動することを約束しているので俺の仕事という訳だ
「しっかし、あいつら俺が怖くないのかよ、燐子は歩み寄ってくれたけど、俺の力で誰かを守れるのか?人を怖がらせるために力を求めたんじゃないのに」
俺は拳を握って額に当てる
''あの時''の光景がフラッシュバックし手が震える
俺は友をそして兄だった人を殺したのに…
俺は頭を振り切り替える
「ダメだダメだ過去は振り返らない!そう決めたんだ!
今の俺は音楽とゲームと共に生きる烏間零二だ!」
そして俺は拳でコツコツと額を叩いてから眠りについた
次の日、LIVEの準備を手伝うために早めにcircleに来て準備を手伝っていたLIVEは2日に渡り少々大規模にやるらしい
それから少ししてRoseliaの皆がやってきた
「こんにちは皆」
「零二君!こんにちは、早いですね!」
「早めに来てセッティングとか手伝おうと思ってさ、ちょっと身体動かしたい気分でもあったし」
「そうなんですか、でも、おかげで早めにリハができそうですね」
「そうね、零二、楽しみにしていて」
「もちろん!LIVEでRoseliaの演奏が聞けるの楽しみだったんだ」
そうしてRoseliaの皆が控え室に向かったのを確認して俺は手伝いを再開して一通りの準備が終わったので店長のまりなさんに声をかける
「まりなさん、一通り終わりました」
「ありがとう、手伝ってくれたおかげで思ったよりも早く終わったよ、男の子の手があると助かるね、このままバイトしてくれたりしない?」
「たまに手伝うくらいなら全然いいんですけど、本格的にってなるとちょっと」
「そっか、でも、たまに手伝うくらいならってことは人が足りない時とかは頼りにしていいのかな?」
「用事がなければ」
「じゃあ、今日と明日はお願いしようかな?臨時スタッフって事で」
「わかりました」
そうして話した後俺はRoseliaの皆に飲み物を差し入れてから少し早いが客席に移動しRoseliaのLIVEが始まるのを待った
そうしてLIVEが始まる
「Roseliaです!今日は2日に渡るLIVEの1日目に来てくれてありがとう!早速1曲目に行くわ!LOUDER」
そうして1曲目からかなりの盛り上がりを見せるLIVEで俺自身も気持ちの昂りを感じていた。
そうして1曲目が終わり2曲目3曲目と曲が進んでいき4曲目が終わりそしてカバー曲を2曲程挟みラストにFIREBARDが演奏されその日のLIVEは終了となる
俺は一足先に客席を後にして入口でLIVEに来てくれた人達を見送って終了後の片付けをしてRoseliaの皆と一緒に帰宅する
そして俺が帰宅すると珍しく父さんと母さんがいた
「珍しいね、父さん達がいるなんて」
「たまたまだ、普段はそう休みなんぞ取れるものじゃない」
「そうね、私も教室の方が定休日でも、次の日の授業内容の確認だったりで家にいないからね」
「だよね、だから珍しいなって」
「まぁ、ごく稀にこんな時もあるさ、それよりも、最近よく出掛けているようだが、どこに行っているんだ?」
「学校以外ならcircleってLIVEハウスかな?ほら、俺ギターもやるし、練習スタジオもあってさ!」
「一緒にやる仲間が出来たのか?」
「まぁ、そんなとこ、とは言ってもあの事は話せないけどね」「あれはお前は悪くない、正当防衛が認められて不慮の事故として処理されただろ」
「だとしても、俺の手は血で汚れてる本来なら守る力なのに叩き潰す力になってる」
「零二、久々に組手しないか?」
「もちろん!ルール無用のバーリトゥードでいんでしょ?」
「あぁ!」
そうして俺達は外に出て組手を始める
俺は警棒を手に父さんに向かっていくが父さんは体勢を変えてひらりと躱すが予測済み
「そこ!」
「甘い!」
俺は身体を捻り警棒を振り抜くがそれもひらりと躱す
「まだまだ!」
俺は体勢を低くして父さんの足を払いに掛かるが父さんは一瞬だけジャンプして俺に蹴りを見舞う
「こんなもんじゃ無いよ!」
俺は父さんの蹴りの反動を利用して拳を放つ
「まだまだ〜!」
俺は蹴りや拳を放つが父さんは受け流す
「父さん反撃しないの?最初の蹴り以来攻撃ないけど」
「あぁ、いや、お前の手数の多さに驚いてた、トレーニング怠らなかったんだな」
「もう日課だからね!それに父さん相手の時しか本気出せないし」
「みたいだな!力を上手く使っているようだな」
「どうだろうね」
俺は動きを止めて立ち尽くす
「俺さ、なんでかわかんないけど、殺すとか言われると自分の中で抑えが効かなくなるんだ」
「…それは、許せないからじゃないのか?」
「え?」
「俺はお前に命を絶つ事の重さを教えたつもりだ、だからこそ命を軽んじる発言を許せないんじゃないのか?」
「そうだとしても、こう言ったらあれかもだけど、不良連中の中じゃ日常茶飯事な発言だしさ!それに、自分が傷つくことすら厭わなくなる、それが怖いんだ」
「あの時も、そうだったのか?」
「うん!あの時もそうだった、そして気付いたらあの惨状だった」
「そうか…それは多分お前の中のもう1人の強い自分なんじゃないのか?」
「強い自分…」
「試してみるか?」
「え?」
父さんは1呼吸置いて話し出す
「どうした?一撃も与えられないならお前は死ぬしかないし、守りたいものすら守れず殺されるぞ、嫌なら命乞いしてみろ!」
「…っ!」
その発言を聞いて俺はふつふつと怒りが込み上げてきた
ふざけるな…俺は弱くない!
「本気の本気でやってやるよ!」
そう言うと俺は警棒をもう一本手にして2本で殴りかかる
型も何も無いがそれが父さんを苦しめる
そして体勢を崩した瞬間に蹴りをいれて更に体勢を崩すがそれを建て直し俺の体勢を崩しにかかるが俺は自分から体勢を変えそれを回避する
「ほほう」
「感心してる場合かよ!」
そうしてかなりの時間立ち回り結局俺の負けだった
「お前なりに強さを求めた結果だ、誇れ!」
父さんはそれだけ言って家に入って言った
俺も少しして息を整えて家に戻り入浴と夕飯を済ませ眠りについた
そして次の日LIVE2日目
俺は今回も早めに来て細いセッティングを手伝いRoseliaの
リハを見学してから客席に行きLIVEを見学する
そしてなんの問題もなくLIVEが終了し俺はRoseliaの皆が戻ってくるのを待っているといつかのナンパ野郎共が俺を囲んだ
「よぉ、俺らの事覚えてるか?」
「どちら様でしょうか?」
「相変わらずいけ好かないガキだぜ!ちょっとツラ貸せよ!」
「お断りします。用事がありますので」
「俺らが許すと思うか?」
「まぁ、ですよね、なら、今回も自分が勝ったなら二度と僕の前に現れないでください」
「勝てたらな!今回は俺達だけじゃねーんだよ!しかもお前をボコれば金くれるってんだからやらない手はないよな」
「結局金目当てですか、まぁ、いいですけどね」
「じゃあ来いよ!」
そうして俺はその不良連中の後を着いていき使われてない廃倉庫に連れてこられた
そしてそこにいたのはさっきの不良連中を含めて10人ともう1人俺と同じクラスの男子だった
「君は、同じクラスの男子だね、名前は知らないけど」
「本城だ!本城勝司(かつじ)なんでお前みたいなのが」
「なんの事かな?」
「白金さんだよ!」
「燐子?」
「呼び捨てにするな!白金さんは俺のものだ!」
俺はその言葉を聞いて独占欲か所有欲の延長かと思った
「結局は自己満か」
「なんだと?」
「君と燐子の関係は知らないけど彼女はものじゃない!独占欲か所有欲か知らないけど、それを押し付けるな!」
「うるさい!お前がいなければ、白金さんは僕のものになるんだ」
「勝手な解釈ご苦労さま、さて、雇われの不良さん!始めようか?こっちはそいつと話してるだけでイライラするんだ」
「わ〜ったよ!やるか!」
そうして俺は10人の不良連中を相手取る
何人かは道具を手に俺に向かってくるが父さんとの組手を思い出してひらりと躱したりしつつ受け流す
「ひらひらとかわしやがって!死ね!」
俺は相手の鉄パイプを掴む
「おい!今なんて言った?」
「聞こえなかったのか?なら言ってやる死ねって言ったんだ」
「死は尊いものだ!軽々しく使っていい言葉じゃない!」
俺は鉄パイプごと相手を引き寄せ殴る
そうして俺は10人を相手取っていた頃
Roselia視点
帰りの準備を終えて店の外に出ると零二君がいなかった
「零二君がいない…」
「でも、先に帰るとかのメッセージも無いわよ」
「御手洗でしょうか?」
「だとしたら入れ違いだけど、違う気がする」
「あこもそう思う」
私は零二君に連絡するが繋がらない
私が困惑していると1人の女の子が話しかけてきた
「あの!もしかしてさっきまでここにいたcircleのスタッフさんを探してませんか?」
「どうしてそれを?」
「さっき見たんです!知り合いには見えなかったんですけど、なんか不良って感じの人達に連れていかれました」
「どこに行ったかとか分かりますか?」
「すいませんそこまでは」
そう話していると私のスマホに着信が入る
「もしもし、零二君?」
(こんにちは、白金さん)
電話越しに聞こえたのは零二君の声じゃなかった
「どちら様ですか?」
(僕ですよ!本城勝司です!)
「なぜ零二君の番号から掛けてるんですか!?」
(彼は絶賛奮闘中でして、とは言っても多勢に無勢、僕が雇った兵隊さん達相手にしてますから)
「零二君はどこにいるんですか?」
(あなたの現在地から位置情報を辿ってくれば会えますよ、その頃にはボロボロになってるかも知れませんがね)
そうして通話が切れた
「燐子?」
「零二君が騒動に巻き込まれたみたいです!私、探して連れ戻します!」
「待って!一応警察呼んでおいた方が良くない?」
「お願いします!」
「とりあえず追いましょう!」
全員で零二君の所へ急ぐ
零二side
不良連中と交戦してる俺はかなり不利な状況だった
「多勢に無勢で満身創痍ですか?大したこと無いですね」
「うるさい!それに、俺のスマホから誰かに連絡しただろ?
ふざけるな!これ以上他の奴らを巻き込むな!」
「あなたが消えてくれるならそれもいいでも、俺の気は収まらないですから」
「そうかよ!」
この人数相手に躱すのも限界があるがこいつらだって息はあがってきてるしもう一押しだ
そう思っていた時
「零二君!」
「燐子!なんで?」
他の皆も一緒だった
「あなたを探していたのよ」
「なんかえらい上玉が来たじゃねーの!」
「こいつやったらお楽しみかな?」
俺はその言葉を聞いて完全にキレる
「おい!そいつらに手出してみろ!後悔させてやる」
「やってみろよ!」
俺は道具で殴りかかってくる不良の1人の顔を掴んで勢いのまま地面に叩きつけ気絶させる
「後悔させてやるって言ったぜ!」
俺は不良連中を倒していき半数が気絶する
「あと半分!」
「死ねや!」
そう言って突き出してきたナイフを手のひらに突き刺し受け止め蹴り倒した時背中側下腹部に痛みが走る
ナイフが刺さっていた
俺はナイフを刺してきた不良を殴り倒してからナイフを引き抜き血塗れの手で髪をあげる
「なんで俺のところにはお前らみたいのが集まるかな〜俺は静かに好きな事やって生きていきたいのにさ!」
俺の言葉に不良の1人が反応する
「前にも似たような事言ってたけどよ、お前元々こっち側だろ?それによ、お前の髪あげた姿見てどっかで会った気がしてる、お前、名は?」
「烏間…烏間零二!」
「納得だよ!名前聞いてようやく合点がいった!お前元チームRAVENのツートップの片割れの血濡れ烏だろ?」
「懐かしいな、その呼び名!俺を知ってるってことはお前も元々はどこかのチームか?」
「元チーム龍虎のNo.2虎神真司(こがみしんじ)
お前らとは散々やりあったんだけどな」
「覚えてるよ!確かにお前とはやりあった事はなかったな!」
「なぁ、ボロボロのとこ悪いけどよ、タイマン張らねーか?」
「いいぜ!その代わり他の奴らには手出しさせんな!」
「了解!て訳だオーナー!良いよな!」
「彼を倒してくれるならなんでもいいですよ!」
そうして俺達のタイマンが始まった
お互いガチの殴り合い蹴り合いで一歩も引かない
俺の方は手の感覚がなくなってきてるのと足の動きが鈍りつつあるけど、決めにかかるわけにはまだいかない!
「満身創痍にタイマンは辛いか?」
「あぁ、辛いよ、けどな楽しんだ!お前みたいな奴久々でよ!」
「そう来なくちゃな!血濡れ烏さんよぉー!」
そうして殴り合い蹴り合いの結果ズタボロではあるが俺が立っていた
「タイマンに手出し無用とは言ったけど、まだやるか?
お前らの中でこいつが1番強いんだろ?そいつを倒した俺に勝てるか?」
俺がそういうと他の不良連中は逃げるように去っていった
そして俺はズタボロの身体を引きずって本城のところに歩み寄る
「待て!待て!こいつらがやられた以上手出しはしない!きみに二度とちょっかいかけないと誓おう!なんなら金を出す!」
俺は本城の顔を掴んで言った
「その口閉じろ!そんでもって歯を食いしばれ!」
そう言って1発殴ったあと顎を蹴り上げると本城は気絶した
「自分で喧嘩も出来ねーくせに人を物呼ばわりするんじゃねーよ!次来てみろ!死ぬほど後悔させてやる!」
そう言って俺は遠巻きに見ていたRoseliaのみんなに声をかける
「大丈夫?怪我ない?」
「大丈夫よそれよりもあなた、そんなに強かったのね」
「元不良なんだね」
「軽蔑した?」
「そんな事ありませんよ」
「そうですよ!」
燐子は俺の元に歩み寄りハンカチを俺の手に巻いてくれたがその手は震えていた
「燐子、俺が怖い?」
「はい、今の零二君はとても怖いです!でも、私達のために怒ってくれた零二君を軽蔑したりなんかしません!」
「あこもあこも!零兄ぃの事怖くないよ」
「そっか…よかった…」
俺はふらつきかけるが何とか耐える
「限界のようね、燐子、肩を貸してあげなさい病院へ行くわよ!警察は呼んであるし、後で事情説明する必要はあるけど、今は手当が先よ!零二、警察沙汰にした事怒らないわよね?」
「こんな事になってごめんって感じなのに怒らないってむしろRoselia的に大丈夫?」
「それなら、問題ないわ、ファンの子に友人を助けるために警察沙汰にする事は伝えたもの」
「まぁ、それならいいけどさ」
俺は燐子に肩を借りながら病院へ行き手当を受けその後病院に来た警官に事情を説明していると父さんがやってきた
「父さん!」
「零二!お前か!騒動の原因は」
「ちょっとやらかした!でも、初めて守るために使えた気がするよ自分の力を」
「そうか…まぁ他の連中からの聴取だとお前を襲えって雇われたらしいからな、お前は被害者だろ」
「だと良いけどね、あの時とは違うけど、あの時も似たような感じだったからな〜」
「零二…悪いが外にいる警官に伝えてくれるか?帰っていいと、後は俺が全員送るからと」
「わかった」
そうして俺は身体を引きずるようにして外に向かった
Roselia&零二の父視点
「君達が最近零二と仲良くしてくれいる子達だね」
私達はそれぞれ自己紹介する
「零二が最近楽しそうなのは君達のおかげか」
「零二君は私達にとって必要な存在ですから」
「そう言ってくれて嬉しいよ、でも、零二の今日の事を含め今後零二の周りに集まるああいう連中が君達にとって良くない事を巻き起こすかもしれないよ」
「私達は零二を見捨てないわ、何より1番最初に彼に歩み寄った燐子が彼を孤独にはしないと思います」
「そうか、なら、零二は怒るかもしれないが話しておこう
零二の過去を、ヤンチャしていた頃のとある事件の事を」
「事件?」
「零二は昔大きな諍いに巻き込まれて兄のように慕っていた人を亡くしてるんだよ、しかも、零二が直接手にかけたようなものでね」
「そんな…」
それから零二君のお父さんはぽつりぽつり話し出す
零二君の過去について…
鮮血の剣士と無敗のウィザード8話目になります。
一気に書いても良かったんですが今回はここまでとします
次回は主人公の過去を書いていきますのでお楽しみに
次回「零二の過去と守れなかった友」