『G』の日記   作:アゴン

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漸くリアルが一段落したので、これからは少し更新速度を上げていこうと思います。


その103

 

 

 

ネオ・ジオンとの戦いを終え、時の牢獄を破壊する事に成功したZ-BLUE。エタニティ・フラットの完成を阻止した事により時の針を進める道を選んだ彼等の前には、果てしなき戦いの渦が迫っていた。

 

“アンチスパイラル”再世戦争の頃よりその存在を顕わにしていた彼の者が、遂に地球に対して宣戦布告を告げた。時の牢獄を打ち破った事により宇宙怪獣を初めとした脅威に晒される事になった地球は、直ちに軍の再編成を計り、戦力の増強に勤しむ事になった。

 

外宇宙からの脅威に立ち向かう為、そしてアンチスパイラルに対抗する為、地球連邦政府はこれらに対抗できる唯一の部隊Z-BLUEに、アンチスパイラルの拠点に向かう様指示を出した。

 

そして地球人類の全てを担う事になったZ-BLUE、背負ったモノの大きさに押し潰される事なく、刻一刻と迫る出発の時間を待ち続けた。

 

超弩級宇宙航空戦艦“カテドラル・テラ”改め超銀河ダイグレン。嘗て陰月だった戦艦からZ-BLUEの旗艦となった艦の中枢付近、そこにある格納庫エリアにてそれぞれの機体に搭乗しているZ-BLUEの面々は、アンチスパイラル拠点に向かうまでの最後の時間を、通信越しで会話を楽しんでいた。

 

『……所でさぁ、アンチスパイラルの拠点に行くのは分かったけど、具体的にはどうやって行くんだよ』

 

『話を聞いていなかったのワッ太、さっきから何度も螺旋王さんが説明したじゃないか』

 

『だってあのおっさんの話長い上に難しいんだもん。俺小学生だぜ? そんな専門用語連発されても分かる訳ないじゃん』

 

先程から何度も話をしているだろう元螺旋王の説明を、分からないで切って捨てるワッ太。同級生の度胸ありすぎるその台詞に、正太郎は頭が痛くなるのを感じた。

 

相変わらず思った事をそのまま口にする奴だと正太郎は呆れるが、同時にそんなワッ太に共感する人達もいた。ボスや甲児、シンジといった中高生組や、赤木をはじめとした一部の大人組も、元螺旋王の専門的すぎる説明に今一つ理解出来ないでいた。

 

アンチスパイラルのいる場所は通常の空間とは異なる、隔絶宇宙と呼ばれる自分達とは違う宇宙に在る。その為、普通の手段ではその場所を特定する事は疎か、どうやってそこまで向かうのかすら定かではない。

 

宇宙とは曖昧なモノ、認識出来なければその存在すら把握出来ない事実に一見手詰まりの様に思えるが、ここである意外なモノが、その隔絶宇宙の認識に繋がる特異点となった。それがメッセンジャーであるニアの薬指に填められた指輪である。

 

シモンから結婚指輪として送られた指輪、それがアンチスパイラルの拠点へ繋がる基点となり、Z-BLUEが奴らの拠点に乗り込める要因となり得た。

 

と、本来ならこの位の説明で事足りたのに、元螺旋王の人格かそれとも親切心からなのか、ワザワザ専門的な話へ発展し、複雑な理論が噛み合ったモノへと変化してしまった。

 

超時空理論を理解している者ならば納得も理解も出来そうだが、生憎ワッ太は小学生、加えて他の中高生組もそんな専門的知識など持ち合わせておらず、Z-BLUEの約半数は困惑の只中にいた。

 

『なに、そんなに難しく考える必要はありませんよ。要するにシモンさんとニアさんの絆がアンチスパイラルの拠点へ繋がるトンネルとなった。と、いう風に理解していただければ十分ですよ』

 

『つまり、愛よ。愛』

 

そんな時、混乱するワッ太達に蒼のカリスマことシュウジが色々省いて改めて説明し、トドメにリーロンが大雑把に纏め上げた。これまで専門的に丁寧に説明していたつもりだったロージェノムは少し複雑そうにするが、成る程と理解したワッ太達を見てまぁいいかと押し黙る。

 

『ふっ、まさかお前が絆という言葉を口にするとはな、違和感がありすぎてシュールだな』

 

C.C.の捻れまくった皮肉がシュウジに投げ掛けられる。基本ボッチ行動が原則となってしまっている彼に、C.C.のその一言は心の底に突き刺さる勢いがあった。

 

通信越しに「グフゥ」というくぐもった声が聞こえる。それが蒼のカリスマの短い悲鳴だと知っているルルーシュはまたかと仮面の奥で嘆息し、スザクは苦笑いを浮かべていた。

 

『ま、まぁらしくはないというのは自覚してますよ。私自身ある種の抵抗を感じている位ですしね』

 

『だが、本当にその程度の認識でいいのか? これから相手をするのはこれまでの敵とは規模的にも桁違いなんだろ? もう少し専門的な知識を蓄えた方がいいんじゃないのか?』

 

次に通信越しに声を掛けてきたのは、超銀河ダイグレンの艦長を務めているダヤッカからだった。これから相手をするのはこれまで戦ってきた相手とはその強さの度合いが違う。嘗てない戦いを前に少しでも準備をしておくべきだと語る彼の言葉に、シュウジは確かにと同意する。……しかし。

 

『ダヤッカさん。貴方の考えている事は理解していますし、同意もします。しかしこれから相手をするのは我々の理解から大きく逸脱した相手、下手に認識を固めすぎると、いざ相手をする際に致命的な隙を見せる事になりますよ』

 

現在の部隊内においてアンチスパイラルと戦った事のあるのは、嘗て螺旋の戦士だったロージェノムを除いてシュウジただ一人。アンチスパイラルという強大な敵を相手に戦い、生き延びた彼の言葉は、対アンチスパイラル戦において何よりも重要な情報だ。

 

しかし、シュウジは語らない。いや、語る事が出来ないと言った方が正しい。それは別にシモン達に対して不義理を働いている訳ではなく、どんなに言葉を尽くした所で無駄だからだ。

 

再世戦争の頃に戦ったアンチスパイラルの軍勢、その規模は星の数よりも多く、また星よりも巨大なモノ、そこに戦略も戦術も意味を為しはしない。

 

文字通り、敵の拠点まで一直線に突っ切るのみ、グレンラガンのドリルの様に敵陣の真っ只中を一点に突き進む事こそが唯一有効な手段と言える。

 

その事を既に他の艦長達に話した自分にもう語る事はない。後はこれから起きる戦いに備えて静かに待つのみである。誰もがその時が来るのを待っていると………。

 

『超螺旋索敵完了、アンチスパイラルのいる隔絶宇宙を捉えることに成功した』

 

『よぉし、超螺旋エンジン起動! 各艦離れるなよぉ!』

 

ロージェノムの合図を基に、ダヤッカが各艦にワープする際の準備を呼び掛ける。既に超銀河ダイグレンと隣接している各艦の艦長らが乗組員達に指示を飛ばし、戦闘準備の旨を伝える。

 

シュウジもグランゾンのコックピット内でゆっくりと目を開け、組んでいた腕を解き、操縦桿を握り締める。

 

いよいよ奴等との決戦が始まる。再世戦争から続く因縁に決着を付けるべく決意を固めると同時に、超銀河ダイグレンの前にある空間に孔が開き、その向こう側には多元世界の宇宙とは別の空間が広がっていた。

 

あれがアンチスパイラルの拠点、隔絶宇宙。敵の本拠地とそこで待ち受ける決戦を前にZ-BLUEの面々は息を呑む。

 

最早、誰も待ったを掛ける者はいない。あるのはアンチスパイラルとの戦いに打ち勝ち、人類を生き延びさせる事だけ。全員の想いが一つになったのを感じ取ったダヤッカは超銀河ダイグレンの発進を促した。

 

旗艦である超銀河ダイグレンを筆頭に追随する各艦。背後にある地球に振り返る事をせず、必ず帰るという誓いを胸にZ-BLUEはアンチスパイラルの拠点、隔絶宇宙へ乗り込むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、見渡す限りの大宇宙だった。多元世界の斑模様の宇宙とは別の異質に包まれた空間、星々が煌めく隔絶宇宙に一同は一瞬呆けてしまう。

 

そんな時だ。超銀河ダイグレンのブリッジにアーテンボローの声が響いた。

 

『は、裸のデッカい女ァっ!?』

 

アーテンボローのその声にそんなバカなと視線を向けると、そこには磔にされた巨大な女性───ニアが一糸纏わぬ姿でそこにいた。

 

当然、アレが本物のニアである筈がない。何かに侵食されるかのように体の節々が消えている彼女を見て、激昂に震えたシモンが声を張り上げる。

 

『出て来いアンチスパイラル! ニアに何をしやがった!』

 

体の所々が何かに侵食された様に欠損している。それを受けて苦しんでいる彼女を前に、シモンはこの宇宙の主に声を飛ばす。するとその直後、何もない筈の空間から黒い人影が姿を現した。

 

『……待っていたぞ、螺旋の戦士達よ。お前達が来るのを待ち望んでいた』

 

黒い人影、その底知れぬ雰囲気を見に纏うその存在の登場にZ-BLUEの全員が戦慄し、そして理解した。

 

コイツだ。コイツこそがアンチスパイラル、陰月という星を地球に落とし、地球を壊滅直前まで追い詰めた張本人。

 

未曾有の怪物を前に各艦長らは他メンバー全員に出撃命令を下す。既に戦いは始まっていると判断した彼等はすぐに戦闘体勢をとり、各々の武装をアンチスパイラルに向けた。

 

アレは人の形をした怪物、嘗てのガイオウ以上の化け物だ。誰もが緊張に包まれた時、アンチスパイラルは一人の男に目を向ける。

 

『お前とも久し振りだな。蒼のカリスマ……いや、シュウジ=シラカワと呼ぶべきか?』

 

『好きに呼べよ。どちらも俺である事に変わりはないんだからな』

 

怖気のする虚空の視線を向けられながら、尚平然と受け取るシュウジ。そんな彼の態度にアンチスパイラルはニヤリと口元を歪める。

 

『あの時の約束の通り、今度はこっちから出向いてやったぞ』

 

『あぁ、そして漸くあの時の続きが出来る。お前達という不確定要素を消し去り、今度こそこの宇宙に安寧を取り戻してやろう』

 

そう言いながらアンチスパイラルが手を横に揮うと、それまで無かった空間にこれまで彼が遣わしてきた軍勢が姿を現した。

 

ムガン、ハスタグライ級、パダ級、そしてアシュタンガ級、他にもインベーダーや宇宙怪獣といった、無限に広がる宇宙を埋め尽くさんと次々現れる超弩級の敵にZ-BLUEは驚愕する。

 

だが、今更この程度で折れる彼等ではなかった。もとより覚悟の上、全てを承知の上でここに立っている彼等は、迫り来る軍勢を前に一歩たりとも後退してはいない。

 

『全機、攻撃開始ぃぃぃっ!!』

 

部隊のまとめ役であるブライトの合図によりZ-BLUEは一斉に攻撃を開始した。アークグレンと合体したアークグレンラガンを筆頭にZ-BLUEが前進する中。

 

『……ここまで来たのなら出し惜しみはしない。最初から飛ばしていくぞグランゾン、マハーカーラ解放!』

 

“───オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ”

 

一人部隊から離れたシュウジが、グランゾンの力を解放させるのだった。

 

 

 

 

 




時獄篇もいよいよ佳境、はたして主人公はどうなるのか、それぞれが決意と想いを固める中、遂に時獄篇最後の戦いが始まる。

次回、Gの日記『ボッチの夢』(嘘)

君は、ボッチの涙を見る。




次回もまた見てボッチノシ





Q主人公にとってキタンとはどういう人。

A主人公を生き延びる為に最初に鍛えてくれた恩人、また多元世界に来て初めての兄貴分ですのである意味トレーズ並に親しみを感じています。
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