『G』の日記   作:アゴン

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皆さんは今回の福袋の結果は如何でした?

自分は槍玉とイバラギンの宝具レベルが上がったのでまずまずでした。
というか、ホームズピックアップなのになぜタマモ(術)が来る。
あれか?ケモノフレンズ二期への伏線かなにかか?



その159

 

 

 

 

──蒼のカリスマが生きていた。これ迄半信半疑で曖昧としていた情報、それが前回のヒビキ達の報告とターミナル・ベース攻略の際に得た情報で確定と断定したZ-BLUEは、ターミナル・ベースで救出したオルソンと共にこれからの行動について話し合っていた。

 

「蒼のカリスマが生きていたか」

 

「頼もしい味方が出来たと喜ぶべきか、厄介な奴が出てきたと頭を抱えるべきか」

 

「判断に悩むね」

 

これからの自分達の行動を決めるべく、各艦長達がマクロス・クォーターのブリッジで協議を行っている最中、格納庫に待機しているパイロット達は感慨深そうに各々の思惑を吐露していた。

 

ガンダムマイスターであるロックオン、アレルヤ、ティエリアもその例に漏れず、特に破界事変の頃から魔人のその異質さを目の当たりにしてきた彼等にとって、蒼のカリスマの復活は複雑な内容だった。

 

特に当時のティエリアにとって、蒼のカリスマの存在は化け物染みていた。此方の行く先々にその姿を表し、場合によっては介入してくる。ヴェーダにも解析不能とされてきた蒼のカリスマの動きは、ティエリアにとって天災の様なイメージを受けていた。

 

「けど、なんだろうな。不思議と怒りとか憎しみとか感じさせないよな。普通敵対した奴が生きてると知ればこの野郎! みたいに少なからず思ったりするもんだが…………」

 

「僕も…………かな。流石に最初聞いた時は驚いたけどね」

 

「そうだな。僕も二人と似たような感想だな。尤も、妙な嫌悪感はあったが」

 

それは言葉にすれば台所に突如現れた黒いGを目の当たりにしたような「うげっ!?」という感覚、以前は蒼のカリスマと耳にする度にまたあいつかと苦虫を噛み潰した様な表情になるティエリア、その事を思えば随分柔らかくなったとアレルヤは苦笑う。

 

時獄戦役の終盤、アンチスパイラルの本拠地である隔絶宇宙で行われた、蒼のカリスマとその愛機グランゾンとの最終決戦。

 

突然の裏切り、最初から味方ではないと断じる蒼のカリスマに誰もが戸惑い、憤慨した。しかし、何故か憎いとは思わなかった。思えるだけの材料が無かった。

 

突然過ぎたのもそうだが、自分達と敵対してきた理由が余りにも不明瞭だった。自分達が成長するのを待っていたとか、アンチスパイラルを倒すために必要な橋渡しだったとか、それらしい事は口にしても、確信と呼べるものは何一つ語らなかった。

 

その事に対する違和感もそうだが、何よりアムロやカミーユという、ニュータイプの中でも人の機微に対し鋭い感受性を持つ二人が、蒼のカリスマに何か異変が起きたのではないかと仮説を立てているのが大きい。破界事変から何だかんだと関係を続けていた蒼のカリスマ────シュウジ=シラカワの人となりも、紅月カレンやヨーコ=リットナーから聞かされている。

 

他にも、彼と一時期行動を共にしたルルーシュやスザク、C.C.や、今ではアクエリオンパイロットの一人となったジン=ムソウも、彼の人格について殆ど同じ評価を下している。

 

曰く、一般人の皮を被った怪物。人の人格評価にしてはあんまりな話だが、しかしその内容は決して悪いものではない。突拍子もなく、やること成すこと通常の人の範疇を大きく外れているが、基本的には善人であり、価値観はともかくその感覚は、間違いなく普通の人間のソレであることを決定付けていると。

 

ならば何故自分達とわざわざ敵対したのか、それとも敵対せざるをえない理由があったのか、仮説は立てても確証を得ることが儘ならない現状は、今彼の事情を最も知っている筈だろうC.C.の言葉を待つ他無い。

 

「しかし、そのC.C.も今は頑なに口を閉じている」

 

「あのお嬢さんは蒼のカリスマに負けず劣らず不思議な所があるからなぁ、いつ口を開くのか分からねぇぞ?」

 

「だとしても待つ他無いよ」

 

アレルヤの言葉に「分かってるよ」と短く返すロックオン、分かっていながら待つしかない現状に、少しばかり落ち着きが無くなっていた。

 

辺りを見渡せば、誰も彼もが蒼のカリスマの話題で盛り上がっている。未だ蒼のカリスマを危険視する者がいれば、そんなことはないと少数ながら熱弁する者もいる。蒼のカリスマと面識を持たない者達はその人物像に恐れ、畏怖を覚えていたりしている。

 

キリコやヒイロはそもそも話題に興味がないのか、黙々と自身の機体の整備を行っている。不安があるのなら動くしかない、そう背中で物語る二人に少しばかり出歯亀根性が過ぎたなと反省したロックオンは、溜め息を吐きながら己の機体へと戻った。

 

「…………そう言えば、サクヤはどうした? いつもこの時間は彼女が差し入れを持ってきてくれたのに、今日は来ていないのか?」

 

「なんだいロックオン、木星に彼女がいるのに心変わりかい?」

 

「まったく、ちょっかいをかけるのも程ほどにしておくんだぞ?」

 

「ちょ、違うから、そんなんじゃないから」

 

ふと感じた違和感、口にした途端ティエリア達からのからかいに反論するも、二人は聞く耳を持たずに己の機体へ戻っていく。

 

自分の話を聞かない二人に若干拗ねるロックオン、既に彼の違和感は消えてなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、私に何のご用です? C.C.さん?」

 

人気の無くなった通路、誰も近付かないであろうその場所で、C.C.はサクヤに対し無言で銃を突き付ける。

 

「正直に話せ、貴様…………何者だ?」

 

話さなければ引き金を引く。普段の彼女とは違う本気の眼差し、そこには一切の冗談はなく、彼女の瞳には確かな敵意があった。

 

C.C.から発せられる本気の殺意、しかし目の前の女性はそんな彼女を前に平静でいながら、その口元を三日月の形に歪めるのだった。

 

 

 

 

 

 




今回はかなり短め、その頃のZ-BLUEその一を書いてみました。
更新遅いくせにすみません。
次回はもう少し中身のある話にするよう頑張ります。

PS.
ストレンジジャーニーリメイクキタァーっ!!

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