自分は冥界の女主人といっしょに砂集めに興じていました。(白目)
アハハ、クリスマスは最高やでぇ(SAN値0)
♯月♪日
宇宙怪獣。宇宙を終わらせる
バスターマシンとして目覚めたノノちゃんと共にこれ等を撃破したZ-BLUE、しかし宇宙怪獣の侵攻は留まる所を知らない。このままではZ-BLUEは全滅してしまう─────そんな時に現れたのが、これまで宇宙怪獣の亜種と思われてきた太陽系限定種の宇宙怪獣……いや、バスターマシンの群れだった。
これまでトップレスが宇宙怪獣と思い込んで戦ってきた宇宙怪獣、それが自分達を守る地球の守護者だったという真実にZ-BLUEは勿論、トップレスの面々は強すぎる衝撃を受けた。
けれど、ノノちゃんの一喝とZ-BLUEのやる気に感化された彼女達はそれ以上動揺する事なく、後から現れた宇宙怪獣を殲滅してみせた。
その後、嘗て宇宙怪獣と思い込んできたバスターマシンと和解出来たZ-BLUEは、外宇宙から侵攻してくるバアルを迎え撃つ為にその戦域から離脱。彼等を見送りながら、Z-BLUEは近い内に待ち構えるバアルとの戦いに決意を新たにしていた。
で、その後はヒビキ君達によるノノちゃんへの質問攻撃、しかしノノちゃん自身はまだよく分からない事が多く、彼等の質問のその殆どに答える事ができなかった。
所詮は天然キャラかと呆れられるヒビキ君達に酷いですー!と涙するノノちゃん。実に微笑ましい光景だが、個人的に思い当たる節が一つある。
地球帝国宇宙軍。バスターマシン7号として目覚めたノノちゃんが咄嗟に口にした言葉、聞く所によると、それはガンバスターの乗り手であるノリコちゃんが属していた組織の名称なのだとか。
ノリコちゃんは、バスターマシン7号であるノノちゃんとガンバスターとは全く違うから、きっと無関係だと言ってはいるが、恐らくはそう言う事なのだろう。
技術体系と言うのは時間が、時代が経つに連れて大きく変化する。街一つの電力を補う発電所が軈て手の平サイズになるように、ガンバスター並の馬力を出せる機体が人間サイズにまで縮む様に。
それを可能としているのが、人間の可能性と、永遠にも等しい時間だ。人は時間さえあればどんなモノも生み出せる力を持つ。
多分、ノリコちゃんも本能的に気付いているのだろう。トップレスの皆がいた世界が、ノリコちゃんの遥か先の時代だという事に。しかしそれを断言しないのは、別にノリコちゃんがその事実に受け入れられないとか、そんな単純な理由ではない。
多分、ノリコちゃんはノノちゃんやトップレスの子達に遠慮しているのだろう。今まで敵対していた太陽系限定種が、実は自分達を守ってくれていたバスターマシンで、彼等を一方的に敵視していた事。それだけでも大きい真実だと言うのにそれ以上の情報を口にしてしまえば、きっと彼女達は混乱する。だからこそノリコちゃんはそれ以上口にすることはなかったのだ。
彼女がそう決めている以上、自分が兎や角口にする必要はない。真実が明らかになる時は近い内に来るだろうし、その頃になれば彼等も、その真実を受け止めきれる程には成長している事だろう。
今、この事を知っているのは、自分を除けばシャア大佐しかいない。彼も他言無用である事を了承していたし、これ以上余計な詮索はされる事はないだろう。
ともあれ、今回で一つの戦いは幕を下ろした。太陽系限定種改め、バスター軍団はノノちゃんの説得の下自分達は敵ではないことを認識して、今後は────いや、これからも、だな。彼等は地球人類の心強い味方であってくれる事だろう。
そしてこれは余談だが、今回の戦いは相手が宇宙怪獣だった事もあり、久し振りにグランゾンで大暴れする事が出来た。そのお陰か現在のグランゾンは落ち着きを取り戻し、今は他の機体と共に格納庫で休ませている。
戦いの最中、射線上に味方がいないことを確認した上で放ったディストリオンブレイク。真化を果たした影響か、やはりこれまでより強化されたこの一撃は、戦域を埋め尽くしつつあった宇宙怪獣の群れ、その四割を消し飛ばした。
スッキリした。グランゾンが放ったその一撃に言いし難い爽快感に身を浸していた自分、その時何故か一瞬戦場が静まり返った。バスター軍団も戸惑った様子で此方を見ていたし、自分が何かしたのだろうか? シャア大佐に訊ねても引き吊った笑みを浮かべるだけでなにも言わないし、て言うか目を合わせてくれないし。
で、その後は微妙な空気になりながらも宇宙怪獣を撃破、スッキリしたものの、個人的には何故かしっくり来ない一幕でしたとさ。
そんでもってこれから地球に迫るミカゲに追撃をするのだが……ぶっちゃけアイツの相手ってもう飽きたんだよね。
だって何を言っても話が変わらないんだもの、この間のミケーネの連中を一緒になってボコった所為か多少反応は変わったけど、相変わらず自分達を翅無しと見下し扱き下ろしてくる。正直、自分にとって奴は脅威というか、ただ鬱陶しいだけ。
だから、もし次の戦いで不動さん辺りが出て来ないで自分達に成り行きを任せようとするならば、自分は率先して奴を叩きに行こうと思う。アポロ君達や不動さんには申し訳ないが、最悪ミカゲはアクエリオン諸とも消えてもらうことにしよう。
故に今から謝っておく。アポロ君、不動さん、ごめんね。
♯月*日
不動さん、もしかして俺の日記コッソリ覗き見してんじゃね? そう思えてしまう位には不動さんの出てくるタイミングは神がかっていた。
地球に向かって侵攻するミカゲ、それを阻もうと地球皇国軍の最高司令であるエルーナルーナが率いるネオ・ジオン軍。サイデリアルと手を組み、本格的に奴等の庇護下に入ろうとする現在のジオンの総統であるフル=フロンタルの考えが透けて見えるその状況に、それに付き合わされるジオンの兵士の皆さんには正直同情した。
これではギュネイ君がジオンから離れるのも無理はない。今度あったら何か美味しい食べ物でもご馳走してやろうと考えた自分は、成り行きのままジオン軍と堕天翅軍を相手にするZ-BLUEと一緒に戦場を駆けた。
ジオン軍のMSにはパイロットが死なない程度に攻撃し、その勢いのままミカゲが操るアクエリオンに突貫、これまで良いように暗躍していた奴に、自分は思い切りグランゾンの拳を叩き込んだ。
攻撃する度に悲鳴を上げるミカゲ、いっそ憐れにすら思える程に宣っているが、構うものかと自分はワームスマッシャーを奴に叩き込んだ。奴の憎愛によって力も大きさも膨れ上がったアクエリオンだが、逆を言えばそれだけ攻撃しやすい箇所が増えただけの的に成り下がっただけで、奴が因果を逆転して攻撃を当ててきても、今のグランゾンを止めるには力が足りなかった。
憎しみ憎しみと奴は言うが、そんな事は此方の知った事ではない。奴が俺達に怨恨の言の葉を吐こうが奴の態度に此方はいい加減うんざりしてきたのだ。
動揺しながらも反撃をしてくるミカゲに自分は無言で拳で殴り、剣で斬り付け、ワームスマッシャーで抉ってやった。奴の力は確かに強大なのかもしれない。だがそれは所詮奴個人のモノ、アポロ君達が操るアクエリオンの強さを知ってる自分としては、そんなもの歯牙にも掛ける必要はない。
そろそろ奴の回復が追い付かなくなって来た。このまま押しきってやろうかとグランゾンのギアを上げようとした直後、背後から待ったを掛ける娘がいた。ミコノ=スズシロちゃん、彼女がミカゲと話をさせて欲しいと自分に声を掛けてきた。
日記を読み返して思ったが、自分って結構こういう風に呼び止められる事多いよね。まぁZ-BLUEには迷惑掛けたし、ミコノちゃんに頭を下げられてまで頼まれたのであれば断るわけにもいかないし……。
正直、あまり気は進まないが、ミカゲの事はミコノちゃんに任せる事にした。もしミカゲがミコノちゃんの優しさに付け込んで何かしようと言うのなら、今度こそネオでもゼロにでもなって奴を消してやる。そう思っていたが、次に現れた人物によって自分の思惑は大きく外れる事になる。
不動ZEN、今まで行方知れずだった不動さんが今更になってこの場に現れたのである。何でもこれまで次元の迷宮に囚われていたと語る不動さん。その神出鬼没振りに最早驚かないが、その直後に彼が起こした奇跡に流石に自分は息を呑んだ。
なんと、遠い次元の壁の先にいたアポロ君達がミカゲからアクエリオンを取り戻し、太陽の輝きを取り戻してみせたのだ。甦る機械天使、ミカゲはそんなバカなと狼狽するが不動さん曰く陽はまた昇るという納得の一言に、そう云うもんかと自分も思わず感心してしまった。
その後はアポロ君達のアクエリオンとアマタ君達のアクエリオンによる逆転劇、サイデリアルの総司令であるエルーナルーナも退けて、見事勝利をもぎ取って見せた。
唯一不満があるとすればミカゲを逃がした事くらいだが、それは不動さん達に任せる事にしよう。奴の憎しみを物理的に消す事を除いてミカゲの憎しみを何とか出来るのはあの人達位のものだ。
去り際に此方に視線を向けてくる不動さん。恐らくは自分に何かを伝えるつもりだったのだろうが、目を伏せるだけで特に何も言っては来なかった。
けれどそれで充分。彼には労いの言葉なんて似合わない。精々次会った時はお互い気持ちよく話をしたいものだ。そんな訳で自分達は無事に今回も乗りきって見せたの─────
「こらぁシュウジ! いい加減こっち手伝え! アクエリオンをこんなにボロボロにしたのお前なんだろうが!」
遠くでアクエリオンを整備しているアポロ君から声が掛かる。そう、あの戦いの後どうやら自分が与えたダメージは不動さんの力を以てしても完全には回復仕切れておらず、アクエリオンはそれはもう酷い有り様となってしまっていた。
真化を果たしたグランゾンの攻撃には流石のアクエリオンも堪えたのか、未だ修復仕切れていない箇所は多い。次の戦いも控えている為、大急ぎで修理に当たっている整備班の中にはアポロ君達も混じっていた。
折角の逆転勝利、折角の再会だというのに締まらない終わり方、まぁ、自分がやらかした事だから仕方無いと割り切るしかない。
けれど悪いことばかりではない。アクエリオンに触れ、アポロ君達と話をする事で自分は少し彼等と仲良くする事が出来たと思うのだから。
だけどそれに反して────。
「やぁミコノちゃん。今から食事かい? 良ければ私が何か作ろう。何が食べたい?」
「あ、あのあのあのあの、すみません! ごめんなさい! 許してくださーい!!」
何故か、ミコノちゃんから暫く無茶苦茶避けられるようになりました。顔を合わせる度に泣かれるし、アマタ君やカイエン君達他のエレメンタルの子達からは、目すら合わせてもらえなかった。
何故だ!?
「そりゃ堕天翅を一方的にボコッたら怖がられもするよね」
ジン君からの冷ややかな指摘にグゥの音も出ませんでした。
◇
「許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない! 翅無し共もアポロニアスも、絶対に許さない」
愛に裏切られ、憎しみの権化と化したミカゲ。その怒りは留まることを知らず、その無念は怨念と化して小さい慟哭となってその胸中を満たしていた。
最早彼の無念を晴らす術はない。彼の憎しみは収まる事はない。愛が深い程にミカゲの抱く憎しみも深く、濃くなっていく。周囲の空間すら捻じ曲げるミカゲの憎しみ、しかしその空間に場違いな声が響き渡る。
「あぁ、何て瑞々しいのでしょう。これ程の深い愛とまさかこんなにも早く巡り会えるなんて……」
「お前はっ!?」
自分以外にはいない筈の空間に振り返ったミカゲはその目を大きく見開かせる。鬣の如く揺れる金の長髪、その顔には常に笑みが張り付いており、その目はミカゲを捉えて離さない。
「しかし、それ故に残念です。ミカゲ、貴方はこんなにも愛に満ちていたのに何故憎しみという勘違いをしてしまったのです?」
「………なに?」
「そうです。愛はただそれだけで成り立つモノ、愛憎を同一視する輩がいますが、それは間違いであると私は断言します」
分からない。ミカゲは分からなかった。目の前の存在が自分の憎しみを勘違いだと両断する事に、それをまるで些細な事だと言い切るその姿勢に。
怒りや憎しみ処ではない。完全なる思考停止、軈てミカゲの感情が怒髪天を衝き、怒りに吠えようとした瞬間。
「だって、貴方は間違っているんですもの」
「なんだと?」
「愛とは慈悲、慈悲とは寛容、寛容とは即ち────受け入れる事。其処に憎しみなどが割り込む余地はありません」
ゾクリ。
「貴方は受け入れるべきだった。貴方を裏切ったアポロニアスを、アポロニアスを裏切らせたセリアンを、貴方はその総てを愛するべきでした」
だって────。
「その総てを受け入れて、初めて貴方の愛は愛足らしめているのだから」
足元が沈む。溶けて、混ざり、自身が自身でなくなっていく。その感覚に生まれて初めて恐怖を覚えたミカゲは嫌だと叫んだ。
「い、嫌だ! 嫌だ! アポロニアス、助けてくれ! アポロニアスゥゥッ!!」
「怯える事はありません。貴方の愛は総てを私が受け入れましょう。本来なら愛に憎しみなど入る余地などありませんが、貴方のその深い愛に免じてかのアポロニアスも連れてきましょう。勿論、そのセリアンも一緒に」
「あ、あぁ………」
「大丈夫、私は総てを受け入れます。貴方の心もきっと愛で満たされる筈です」
「あぁ……アポロ……ニアス……」
溶けていく。自分が、己が形成されていた全てが。成す術無く消えていく───いや、取り込まれていく。
「だって、私達は総て───愛で繋がっているのだから」
───トプン。
「故に、今は眠りなさい。愛しい翅の子よ。貴方の愛は必ず報われますよ」
蕩けるような笑みを浮かべてソレは消えていった。跡形も無く、最初から其処に無かった様に。
Q.ミカゲの愛と─────の愛ってどう違うの?
A.私を裏切って許さない! がミカゲの愛
アポロニアス?セリアン? 両方纏めてバッチコイ! が───の愛。
両者の愛がどれくらい違うかと言うと
ラブライブサンシャインとストナーサンシャイン位違います。
それでは次回もまた見てボッチノシ