『G』の日記   作:アゴン

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今回は地味回、軽い気持ちで読んでください。


その176

 

 

 

♪月δ日

 

以前から記しているかもしれないが、竜馬さん達ゲッターチームと戦うのは本当に恐ろしい事だというのが、今回の一件で骨身に染みた。

 

竜馬さんの意識を目覚めさせる為にゲッター線を浴びせた號君。そのゲッター線に釣られて襲来するインベーダーとゲッター線に呑まれた竜馬さんが真ゲッターと共に大暴れ、周囲の地形が更地になった程度で済んだ事が今でも信じられない程で、暴れまわる真ゲッターと竜馬さんに自分は一瞬だが萎縮してしまった。

 

イヤだってマジで怖いんだって。初めて会った時から怖くて苦手意識を持っていた自分だけど、今回のゲッターを通して伝わってくる竜馬さんの迫力は、隔絶宇宙でガチで殺り合った時よりも数段増しで怖かった。一瞬ビビった程度で後は意識を切り替えられた自分を誰か誉めて。

 

で、先にも述べた通り当時の戦場には夥しいインベーダーの大軍が迫ってきており、しかし竜馬さんが相手で戦力を割く訳にはいかず、やむを得ず自分が竜馬さんと真ゲッターの相手をする事となり、残りの皆はインベーダーの相手をする事となった。

 

甲児君は自分の所為で竜馬さんを怪我させたのだから自分が相手をするべきだと勇んでいた。マジンガーの防御力は頼もしいし正直前衛を任せたいと思ったが、D.O.M.E.で目にしたあの映像を見た後では彼に任せる訳にはいかなかった。

 

マジンガーとゲッター、この二機には自分が考えている以上の深い関わりがあるのではないか? 時獄戦役でもマジンガーZは一度ゲッター線をマトモに浴びたと聞く。もしこの二機が何らかの要因で共鳴し、進化し合ったりしたら───その瞬間地球終了のお知らせである。

 

だから自分は甲児君とマジンガーZを極力真ゲッターに近付けない様に配慮し、全面的に真ゲッターの相手は自分が務める事になった。なったのだが………どうやら、ゲッター線は自分とグランゾンに興味を引かれたらしく、真ゲッターの力は地球上では出してはいけない所にまで高まり、その一撃を迷うことなく振り下ろした。

 

確か、ファイナルトマホークだっけ? 本来なら真ドラゴンと連結する事で初めて繰り出せる必殺技を真ゲッター単機で繰り出すとは、どうやら真ゲッターも竜馬さんも真化の一端に触れたようだ。

 

星すら両断する真ゲッターの一撃、流石にグランゾンのままでは抑えきれないのでネオ化して対応、手にしたワームソードと巨大化したトマホーク、二つの得物が衝突した瞬間辺りは消し飛び、グランゾンと真ゲッターを中心に大地は陥没、後少し自分の次の行動が遅れていたら、その被害は更に酷い有り様になっていただろう。

 

真ゲッターの一撃を食い止め、力の緩急………その一瞬の隙を突いてその攻撃を撥ね退け、真ゲッターの間合いに入り込んだ自分はグランゾンの拳でゲッターの腹部を強打。

 

その衝撃のお蔭か、それとも一緒に真ゲッターに搭乗していた隼人さんや弁慶さんの呼び掛けのお蔭か、竜馬さんは意識を目覚める事に成功、無事に真ゲッターの暴走を食い止める事が出来た。

 

本人は覚えていなかったけど、どうやら迷惑を掛けたなと軽く謝罪してその勢いのままインベーダーの掃討戦に乱入、先程の暴れっぷりと大差ないような戦い方に自分は決意した。もう二度と竜馬さんの相手はしないと。

 

もう本当に疲れた。字面ではあまり伝わって来ないと思うが、真ゲッターがあの巨大トマホークを振り回した瞬間、軽く死ぬ覚悟したからね? それくらいの迫力と殺意がその時の竜馬さんには有った。今になって思うけど、俺ってばよくあんな竜馬さんと正面から渡り合ったよな。やはりこれ迄の経験が自分を成長させてくれたのだろう。そう思えば、これまでの体験も悪くは無かったかもしれない。

 

しかし、一つ引っ掛かる事がある。グランゾンで真ゲッターを殴った際───所謂接触した瞬間、何やら奇妙なビジョンが頭に流れ込んで来たのだ。

 

それはD.O.M.E.で見た巨大ゲッターロボ、星すら破壊しながら尚進化を続けるゲッターの艦隊。その司令塔と思われる男からの意味深なメッセージ。

 

“お前がそうか………いつか、ここに来るのを待っている”

 

朧気ながらも男から告げられるその一言だけは耳に残っている。あれは自分に向けられた言葉なのだろうか。竜馬さんに似ていたあの男性、一体何を待ちわびているのだろうか。

 

まぁ、気にした所で大した意味も無いだろう。そもそも自分が理解できる範疇を越えている。竜馬さんは無事に意識を取り戻し真ゲッターも元に戻ったのだ。今は余計な詮索はせずその事実に喜ぼう。

 

────決してゲッター線に魅入られてヤベーとか思ってないから、決してあの映像に近付きつつあるんじゃないのかとか怯えてないから。その現実から目を背けているわけじゃないから!

 

 

 

♪月β日

 

何か宇宙組と合流したらハマーン様がいたで御座る。地球にいるZ-BLUE分隊から別れて再び宇宙に滞在している分隊と合流した自分は、取り敢えずの流れでハマーン様に挨拶する事となった。

 

何でもハマーン様は以前から自身の心に迷いがあったらしく、その迷いに決着を着けるべくZ-BLUEに挑み、バルビエルからの横槍がありつつもセツコさんのスフィアとハマーン様の強い意思でこれを打ち破り、その後も何やかんやありながらも迷いを振り切ったハマーン様はネオ・ジオンから離脱し、Z-BLUEに協力する事を決めたのだとか。

 

いやぁ、ギュネイ君に続いて心強い御方が仲間になってくれたものだ。彼女の実力は自分も良く知っているから宜しくと挨拶をしたのだが、どうやら余り良くは思われていないらしく、彼女の自分に向ける視線は妙に刺々しかった。

 

どうやら自分が仮面を被っている事が不満らしい。そう言えば着けたまま忘れていた自分は仮面を外して軽く謝罪する。すると彼女は柔らかく微笑み、ギュネイ君の事でお礼を言ってきたのだ。

 

ギュネイ君は強化人間という経緯から多少人格に問題があったが、それが矯正されて歴戦の強者と呼べるまで成長した。今ではシャアやアムロ、カミーユとまで渡り合える程に腕を上げていると自分の事の様に語るハマーン様、その要因となった自分に直接顔を合わせて礼を言いたかったと語るハマーン様に自分は思う。

 

────ハマーン様、カリスマヤバくね? え?なんでこの人ネオ・ジオンの総統じゃないの? フル=フロンタル何かよりよっぽどリーダーシップあるよ。下手したらシャア大佐よりもネオ・ジオンの事を考えてくれてるんじゃないの? 話題に上がったギュネイ君も嬉しそうに照れてるし、何でこの人フル=フロンタル何ぞに顎で使われてたの?

 

そう思える程にハマーン様のカリスマ性がヤバかったです。純粋なカリスマ性ならトレーズさんに迫るんじゃねぇのこの人。

 

で、その後フル=フロンタルの思惑に巻き込まれたと思われるプラントに近付いた自分は、リディ君が率いるクロノの部隊とフル=フロンタルの息が掛かったネオ・ジオンの部隊を迎撃、途中参戦してきたアスラン君とレイ君と共にこれを撃破。

 

つーか前も思ったけど何でリディ君クロノと一緒になってんの? 軽く質問しても家の血がーとか、お前には分からないーとか言ってたけど、話をする気が全く無かったので、取り敢えず黒いユニコーンの四肢をワームスマッシャーで撃ち落として大人しくさせて話をする事にした。

 

後ろでバナージ君が遣りすぎですよ! とか言ってたけど、興奮状態の相手に話をさせるにはこれくらいの荒療治は必要だ。故にバナージ君の言葉をスルーし、自分は秘匿回線でリディ君に訊ねた。何故、自分達と敵対する?と。

 

反ってきたのはどうせお前達ではクロノに敵わない、というもの。ラプラスの箱に秘められた秘密を知れば、そう語るリディ君に自分は思わず口にした。

 

「それって、宇宙生活で新たな人種が生まれたらその人達に政権を委ねるみたいな話?」

 

「それとも、地球人類は宇宙に進出した瞬間からクロノの支配下に置かれていた事?」

 

この二つをそれとなく口にした瞬間、リディ君の表情は固まった。………いや、だってこれは前々から分かってた事だし、前者だってその当時の事を考えたら割かし思い浮かぶ内容だよ? そんなに驚く様な話ではないと思うんだけどな。

 

つーか、それとリディ君が自分達と敵対するのは別の話じゃない? 口ではリディ君はそう言うけれど絶対他にも理由があるでしょ。しかしそれ以上彼が口を開く事はなく、リディ君は黒いユニコーンのバーニアを噴かせて戦場から離脱。

 

追撃して捕まえても良かったが、今のリディ君を捕まえた所で爆弾を抱える様なもの、せめて彼に取り付いている邪念が振り払われるまで様子を見守ることにしよう。

 

………そう言えば、アドヴェントの野郎の腰巾着達、クロノの別派閥の部隊は今頃何をしてるのだろう? 奴は既に取り込まれ、取り込んだ本人も部下を付き従えている様子は無かった。

 

もしかして何処かで待ち構えているのかもしれない。その事をオットー艦長とブライト艦長、そしてギルターにそれとなく伝えた自分はひとまず休むことにした。

 

そう言う訳でお休みなさい。

 

 

 

 




ボッチと幼馴染………二人の再会まで、あと────。


それでは次回もまた見てボッチノシ

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