『G』の日記   作:アゴン

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時々思う。このボッチがありふれた日常を送るとしたらどんな日々を送れたのだろうと。

幼馴染みに振り回される日々か

もしくは退屈だが充実した平凡な毎日か。

それとも───。



さぁ、始めよう。ゲームであって遊びではない。新世界の体験を。

《S.A.O. in ボッチ》

9月9日。連載開始(リンクスタート)


相も変わらず、ハチャメチャな毎日か。



という嘘満載の予告を思い付きで書いてみた。
すみません、ネタが思い付かなくて……。


その199

 

Ω月β日

 

インダストリアル7にある工業施設、メガラニカ周辺で起きた出来事から翌日、サイデリアルの襲撃も退けてネオ・ジオンとの和解も成功し、今はミネバちゃんの演説を聞きながらこの日記を書いている。

 

多くの侵略者や秘密結社との決着を着けた事で、後に残されるのは地球に居座る新地球皇国────もとい、サイデリアルの連中を叩き出す事だけなのだが、取敢えず今までのおさらいという事であの後に起きた事でない事を簡潔に纏めて記しておこうと思う。

 

まずZ-BLUEをメガラニカ諸ともコロニーレーザーで消滅させようとしたクロノの連中なのだが、どうやらそっちの方はブライト艦長とシュナイゼルの奴が上手くやってくれたらしく、今は政府機関の中で厳しい取り調べを受けているらしい。

 

何故そこでシュナイゼルが出てくるのだろう? クロノの拿捕を目的に動いていたブライト艦長なら兎も角、シュナイゼルの奴が出てくるのに疑問に思った自分だが、よく考えれば元とはいえアイツはブリタニアという超大国の宰相だった男だ。アイツの立場ならクロノに関連する情報は耳に入ってくるだろうし、恐らくコロニーレーザー発射に関する情報もブライト艦長を通して俺達に教えてくれたのだろう。

 

相変わらず用意周到な男だが、今回はその計算高さに乗ってやるのもいいだろう。何せアイツが事前にその事を教えてくれたからコロニーレーザーの発射を阻止することができたのだ。………まぁ、無粋な事を承知で言ってしまうと、別に撃たれた所でどうとでも対処出来るんだけどね。具体的に言えばワームホールでそのまま打ち返すとか。

 

けれど、コロニーレーザー自体はまだ利用価値のある代物だ。今後またいつ宇宙怪獣が地球に攻めてくるか分からないし、その規模が大きかったりするとZ-BLUEだけでは対処は難しくなってくる。

 

無論、その時は自分も率先して前に出るけど、何事も絶対とは行かない。もしもの時の保険というものは必要になってくるだろう。そうなった時、コロニーレーザーの力は頼りになる筈だ。………まぁ、アムロさんや宇宙世紀の世界出身の人達にとっては複雑な話だと思うのであまり強くお勧めはしないが。

 

しかし、何も戦争に使う事だけがコロニーレーザーの使用目的ではない。兵器として使いたくなければ、生活の場所として扱えばいいのだ。規格も他の住居型のコロニーとそんなに変わらないし、戦う必要性が無くなった世界でグリプス2というコロニーレーザーを人の住める環境として変えてしまう。

 

勿論簡単にはいかないと思うが、これまで世界を悲劇に彩られてきたコロニーレーザーを居住型のコロニーに変えてしまえば、人類の歴史という観点から見てもそんなに悪いことではないと思う。まぁ、あくまでこれは個人的な意見であって押し付けるつもりは無いんだけどね。

 

ただ、こう言う意見もあるんだよーって事を伝えるためにシャア大佐とミネバちゃん、ハマーン様に資料を提出しただけ、この資料も即興で作った物だから粗さが目立つモノだが、参考程度になればと思いこれを三人に渡した。

 

三人の反応はどれも一緒で何とも言えない顔をしていたから、あまり期待は出来ないだろう。もしコロニーレーザーを破壊するのであれば自分が責任もって実行すると最後に告げた。

 

で、そのコロニーレーザーと因縁深いネオ・ジオン、彼等に付いての話だが、彼等の容態はバルビエルのスフィアから解放された事でほぼ全員が無事で、残りの数名は今も各々の艦の医務室で休んでいる。

 

彼等の処遇はフロンタルに預ける事になった。というのも今回の件でフロンタル自身も何か思う所があったのか、拘束を解いた後の彼の態度は控えめで、ただネオ・ジオンの事は私に任せて欲しいと言ってきた。

 

彼の言葉にZ-BLUEの多くは懸念の声が挙がったが、意外にもカミーユ君は信じても良いのではないかとフロンタルを擁護した。彼が言うには今のフロンタルからは悪いモノは感じられず、邪気の類いもないと言う。

 

ただ、やはりまだ人類を信じきってはいない様で、今のフロンタルは迷っている状態にあるという。まぁ、どんなに時空修復を用いたところでその先にある宇宙の大崩壊からは逃げられないと知ったなら、自分の行動に疑問を持つのも仕方ないのかもしれない。

 

今のフロンタルにネオ・ジオンを預けるべきか、本来ならメガラニカで決着を着けるべき相手だった為にネオ・ジオン、Z-BLUEの両者から戸惑いの声が出てくる。

 

そんな時、カミーユ君に続きシャア大佐もフロンタルを擁護した。ニュータイプとして高い感受性を持つカミーユ君を信じ、またフロンタルの中に芽生え始めた変化に賭けて見ようと。

 

そんなシャア大佐に続きミネバちゃんとバナージ君、アムロさんと、フロンタルを信じようと言う声が増え、最後にハマーン様が認めた事で、ネオ・ジオンはフロンタルに今一時だけ託す事にした。

 

フロンタルは言った。今も自分の中には人類に対して強い疑念の思いがあると、幾度も戦いを続ける人類を、何度奇跡を目にしても戦いを止めない人が、本当に未来を担うに足る存在かどうかを。

 

だから、これから見つめていこうと思う。自分を人だと言ってくれた人間を、もう一度………と。

 

詰まる所、ネオ・ジオンとの決定的な決着はまだ終わってはいないのだ。今後、地球政府が間違いを犯せば彼等はまた戦いを仕掛けてくるだろう。それに、これまで多くの恨み辛みを重ねてきた彼等が今すぐそれらを呑み干せるのは無理と言う話だし、今後ふとした事でまた状況は変化するだろう。事実、フロンタルの部下の多くはまだ納得出来てはいない。

 

しかし、前に進めた。戦うしかないとされたネオ・ジオンと和解と言う一つの着地点(テーブル)に辿り着く事ができた。宇宙世紀の歴史から鑑みても、これは小さくはない変化ではないだろうか。

 

現在行われてるミネバちゃんの演説が終われば、いよいよZ-BLUEは新地球皇国と最後の戦いに挑む事になる。

 

そこで俺は奴等のトップ、皇帝アウストラリスと直接闘う事になるだろう。既にその為の作戦がルルーシュ君の立案で話が進んでいる。その内容は自分にだけ未だに伝わってこないが、今はただその時が来るのを落ち着いて待つだけだ。

 

皇帝アウストラリス。奴を倒し、サイデリアルを地球から追い出して初めて地球は宇宙の大崩壊に向き合える。故に────いいや、だからこそここで誓おう。

 

勝つ。そして今度こそシオさん達に会うんだ。

 

皆に謝る為に、これ迄の感謝と、精一杯の気持ちを伝える為に────シュウジ=シラカワ、頑張ります。

 

あ、そうそう。ついでに思い付いたんだけどアムブリエルの身柄は現在ヒビキ君の預かりとなっている。彼女も最初は敵側だった為、Z-BLUEも中々受け入れ難がったけど、ある理由が切欠で結構早く受け入れられるようになった。

 

なんと、スズネ先生が戻ってきたのだ。これまでアムブリエルに上書きされたと思われたスズネ先生の魂が、ふとした事で表に出てきたのだ。

 

くしゃみ。そう、あのくしゃみで、だ。なんとスズネエル(今命名した)はくしゃみ一つで人格を切り替える特殊人間になったのだ。これには流石のヒビキ君も苦笑い。

 

いやね、俺もそれはどうかと思ったよ? でも次元力の影響か実際そうなってしまったのだから仕方ないじゃない。くしゃみ一つで人格が変わるとかどっかで聞いた事のある話だぞ?

 

お蔭でヒビキ君は二人の女性を常に相手にしなければならないわけか。いや、文面だけ見れば凄く羨ましい状況に置かれている訳だからあまり同情しないけどね。それに、先の時間逆行の件で何だか追い詰められていたみたいだし、これも彼にとってはいい気分転換になるのではないだろうか。

 

………まぁ、他人事だから軽く見ているだけなんだけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラース・バビロン。新地球皇国(ガイアエンパイア)の最重要拠点、Z-BLUEとの最後の決戦が行われるであろうこの地で、一人の男が絶叫する。

 

「何故だ! どうして俺を行かせてくれない!?」

 

慟哭の如く叫びを上げるのは怨嗟の魔蠍のスフィア所有者、バルビエル。苦悶の表情で出撃を懇願する彼の姿はその顔に施された化粧と相まってより道化に見える。

 

「何度も言わせるなバルビエル、もうじきZ-BLUEがこの地へ攻めいってくる。お前も一応戦力の一人なのだから勝手な真似は慎め」

 

「上から目線でモノを言うなよ尸空、いつから俺はお前の部下になった」

 

何時にもなく口数多めで尸空はバルビエルを宥めようとする。が、それはただの火に油を注ぐだけで終わり、彼の激昂を止めるには至らない。

 

「Z-BLUEに用があるのはあたしらも一緒さ、そしてそのZ-BLUEは間もなくここへやってくる。ただ待つだけで良いってのに何が不服なんだい?」

 

エルーナルーナにとって宿敵であり決着を着けるべき相手はいる。エルーナルーナにとってランドこそがその相手だというのならバルビエルにとってセツコこそが何としても決着を着けなければならない相手なのだろう。

 

だが、そのセツコ=オハラもじきにZ-BLUEと共にこの地に向かってくる。焦る必要はない、その時がくるまで力を蓄えればいい。

 

今の地球の支配者は自分達だ。揶揄でも比喩でもなく、事実として彼等はそう認識している。事実、彼等の力を以てすれば地球の侵略はもっと早く完了できたのだ。そうしなかったのは唯一つ、地球にいるスフィアリアクター達を窮地に追い込んで力を育てる為である。

 

全ては自分達の目的の為に………しかし、バルビエルは違った。

 

「俺はバルビエル=ザ=ニードルだ! 怨嗟の魔蠍のスフィアリアクターだぞ! 天意に認められ洗礼を授かった選ばれた存在だ! このままアイツに、シュウジ=シラカワに、虚仮にされたままで終われるかぁ!」

 

彼は、バルビエルは違った。天意というモノに認められた事に誇り………否、執着し、己の存在証明にだけ全てを費やすことを決めていた彼に二人の言葉は届かない。当然だ。何故ならサイデリアルのスフィアリアクターの中でバルビエルだけが天意からの洗礼を受け入れているのだから。

 

彼は全てを棄てた。過去を、昔の仲間を、守りたかった未来を、天意に捩じ伏せられ、天意に従い、彼は御使いの奴隷となった。洗礼を受け入れ、人としての矜持すらも捨て去った。

 

「俺は負けてない。負けてないんだ! 俺はバルビエル、天意に認められたスフィアリアクターなんだ!」

 

そして、残ったバルビエルという名前に執着するだけのモノとなった彼に二人は最早言葉を掛けようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

二人の制止を振り切って己の機体に乗り込んだバルビエルはスフィアの導きのままにラース・バビロンから飛び出していく。

 

Z-BLUEを倒す。セツコを殺しシュウジも倒す。自ら憎しみとして奮い立たせ、スフィアの力を増大させる。そんな彼の前に一人の存在が立ち塞いだ。

 

『っ!? アウストラリス……っ!』

 

宙に佇み、瞑目して腕を組む皇帝にバルビエルはたじろいだ。

 

『お前も、お前も俺の邪魔をするのか!? サイデリアルのトップのお前が、天意に認められた俺のぉっ!』

 

もう、バルビエルに正常な思考能力は皆無だった。過去を棄て名に縋り、魔人に悉くそのプライドを蹂躙されたバルビエルに最早寄る辺と呼ばれるモノは無くなっていた。

 

闇雲に憎悪を撒き散らし、所構わず破壊し尽くす。そんな暴走状態にあるバルビエルとアン・アーレスを───。

 

「眠るがいい、火の文明の残滓よ。お前達の無念は俺が引き受けた」

 

皇帝アウストラリスは打ち抜いた。ただの腕の一振りで、アン・アーレスをバルビエルごと打ち抜いて見せた。

 

『あ、あぁ……』

 

どうして、自分はこんな所にいるのか何処で間違えてしまったのか、どんなに考えてもその答えは見付けることは出来ず。

 

『セツコ、僕は………』

 

バルビエル────嘗て遠い世界の地球で一人の人間だった男は最期まで自分が何者だったのか思い出せず、空虚のまま愛機と共に爆散して逝った。

 

アウストラリスの手の中に光があった。それはスフィアと呼ばれる存在で元はある人造の神だったモノ、それを内側に取り込み、新地球皇国の皇帝はZ-BLUEの………魔人のいる宇宙を見上げる。

 

「さぁ、いよいよだ。待ちわびた時が、決着の時が遂に来た。Z-BLUE、シュウジ=シラカワ、お前達を倒した時、俺は更なる高みへ至れる。その時こそ」

 

“────俺は、全てを凌駕する力を得られる”

 

その目は野心と呼ぶには剰りにも眩しく、純真と呼ぶには剰りにも荒々しく、皇帝アウストラリスは闘志を漲らせてただその時を待った。

 

 

 

 

 

 

 




因みに前書きの話のテロップは頭にだけなら幾つか組上がっている模様。

ボッチとデスゲームとか、ボッチのボッチによるボッチ補正とか、茅場とボッチとか、色々妄想だけはしてたりして……。

そんな余計な妄想ばかり膨らませて脱線しかける自分ですが、これからも宜しくお願いします。



Z-BLUEから見たボッチpart5

ガンダム組の場合(SEED編)

キラ
「悪い人じゃないんですよ。はい、全然。寧ろ良い人で、僕も色々と助けて貰ったりしてます。………ただ、まぁ、その………ねぇ?」

アスラン
「悪人ではないな。うん、ただ………いや、これ以上は止めておこう。藪を突付いて蛇処か魔神が飛び出すのも嫌だしな。うん」

シン
「俺もあの人には何度かシミュレーションで勝負した事があるけど、今のところ一度も勝ってないんだよなぁ。アムロさんが勝ってる場面は何度か目にしてるんだけど、追い詰める事はあっても勝った試しがないんだよ。まぁ、負ける度に自分の腕も上がっているのが実感出来るからあんまり悔しくはないけどな、いつか一度でも良いから勝ってみたいもんだ」

ルナマリア
「まぁ、良い人だとは思うわよ? えぇ、それは間違いないわ。ただ自重するのを止めているだけで。えぇ、悪人ではないはずよ。うん」

レイ
「俺はあまり彼とは面識がないから上手く言えないが、悪意ある人間ではないという事は確かだな。整備士としても一級だし、兵士としても一流だ。もし彼がザフトにいたら、彼を中心に一大派閥が出来たやもしれない」



それでは次回もまた見てボッチノシ



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