『G』の日記   作:アゴン

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長くなりそうでしたので分割。

今回のタイトルは別名“重力講座その1”です。


また、今回は後書きにあるネタバレがあるので、見る際は気を付けて下さい。


その62 前編

 

 

『ネオ・グランゾン……だって?』

 

静まり返る宇宙、戦場である筈のその場所で、誰かがそんな事を呟いた。

 

戦場の中央に佇む蒼い機体。魔神と呼ばれていたその機体は、日輪を背負い、これまでとは全く異質の姿となってそこに応現していた。

 

前よりも一回り大きくなった魔神、ネオ・グランゾンと呼ばれるその機体は搭乗する主の操縦に従い、銀河の支配を目論む蟲の女王へと近付いた。

 

バジュラの女王に寄生するグレイス=オコナーは息を呑む。嘗ては科学に携わった事がある彼女がその頭脳で以ってしても、目の前の魔神が何なのか理解出来なかった。

 

ただ理解していることは一つだけ、これ以上目の前の存在に関わるのは危険だという事のみ。女王を通して兵隊のバジュラ達に目の前の魔神を消し去るよう指示を出すと、バジュラ達は何の疑いも持たず魔神に群を為して押し寄せていく。

 

超時空生命体バジュラ、その生態と脅威度の高さは人類の天敵と呼ばれる存在。しかし、彼らの司令塔でもあるバジュラ女王を手中に収めれば、人類の天敵は自分の忠実な隷となる。

 

物量で魔神を攻め落とせ、目障りな奴を思うまま蹂躙せよと命ずるグレイス=オコナー、その表情は歓喜とも憎悪とも呼びがたい異質なモノへと化していた。

 

そんな彼女の表情が───。

 

『ワームスマッシャー』

 

次の瞬間、凍り付く事になる。魔神を操る魔人が呟いた瞬間、現在ZEXIS達のいる宙域を覆う程に出現したバジュラの群が……一瞬の内に光の槍に貫かれ、爆散し、消え失せていく。

 

鎧袖一触。いや、事実触れてさえいない魔神に一瞬にして全滅させられたバジュラ達。あれだけの数のバジュラが屠られた事に、グレイス=オコナーは……いや、“グレイス”達は更にその表情を怒りと苛立ちで歪ませる。

 

自分は神に等しい存在だ。バジュラを支配し、次元時空を越えられる存在となった自分達は、まさにこの銀河の支配者なのだ。そう信じて疑わない彼女達は更にバジュラ達を戦場に投入した。

 

再び星を覆うほどの数となるバジュラの軍勢、中には大型戦艦を模したバジュラの姿も見かけるが、魔人は構うものかとグランゾンを動かす。

 

いっそ目の前にいる邪魔なデカブツ(バトルギャラクシー)も一緒に沈めてしまおうか、そんな事を考えていると……。

 

『待ってくれ!』

 

『?』

 

突然隣に現れるバルキリーに意識がそちらに向く。何だと思い振り向くと、モニターに必死な形相で訴えてくる早乙女アルトの姿が映し出されていた。

 

『今あのデカブツの中にはランカがいるんだ! 俺が必ず助け出すから、どうかそれまでアイツには手を出さないでくれ!』

 

『…………』

 

必死に頼み込んでくるアルトに魔人蒼のカリスマは無言で頷く。それを見届けるとアルトは済まないと邪魔をしたことに対する謝罪をし、バトルギャラクシーに向けて吶喊していき、それを皮切りに戦場が再び動き出す。

 

『また性懲りもなく!』

 

そこにギャラクシー船団に改造されたサイボーグ、ブレラ=スターンが阻もうとする。肉体の大半を機械にしたことで自ら機体と一体と化したVFー27γ“ルシファー”が物理法則を無視した機動でアルトに迫る。

 

並のバルキリーでは手に負えない機動と加速。あのトールギスⅡと同等以上の性能を誇るルシファーにアルトは苦戦を強いられていた。このままではいずれ追いつめられてしまう。そうなる前にバトルギャラクシーに取り付きたいのに、立ちはだかるモノが多すぎる現状では、それも叶わない。

 

そして、そんなアルトに更なる壁が立ちはだかる。魔神の登場により一時的に混乱していたバトルギャラクシーが、再び活動を始めたのだ。弾幕をまき散らしながら暴れ回るバトルギャラクシー、そして背後から押し寄せてくるルシファーにアルトは遂に追い詰められようとしていた。

 

味方の援護も届かない。既に戦闘を再開する今では、自分の力でどうにかするしかない。

 

迫り来るバトルギャラクシーの攻撃、コックピットに鳴り響くロックオンアラート。このままではやられるとアルトが表情を曇らせた時。

 

『やれやれ、この程度で音を上げてどうするのです。ランカ=リーを助けるのでしょう?』

 

───止まる。停止する。見上げるほどに巨大な質量の塊である筈のバトルギャラクシーが、機械の悲鳴を鳴らせて無理矢理停止されている。……いや、バトルギャラクシーだけではない。今まで恐ろしい速さで追尾していたルシファーまでもが、何の動きも出来ずにその場で停止している。

 

『……ば、バカな』

 

『あまり抵抗しないほうがいいですよ。今の私は気が立っていますからね。今余計な事をされると勢い余って────プチッと潰しちゃうからな』

 

言葉の端で素へと戻る蒼のカリスマ。巨大な質量の塊を片手間でありながら強制的に抑え込むその光景は、見ている者全てを唖然とさせていた。

 

『呆けている場合ですか。そら、早く行きなさい。大事な人が待っているのでしょう?』

 

『あ、あぁ、悪い。助かった!』

 

背後にいる魔神に対し言いたい事も聞きたい事も山程あるが、今はランカを助け出すのが先決。アルトはバトルギャラクシーの胸元に弾を撃ち込み、バトルギャラクシー内部へと突入する。

 

このままアルトがランカを連れ出すまで抑え込んでおこうか。バトルギャラクシーの背後で佇むバジュラの女王の動きを観察しながら、蒼のカリスマは次の行動をどうするか悩んでいた時、背後から巨大なオレンジ色の閃光がグランゾンに降り注いできた。

 

『…………』

 

グランゾンを包み込む歪曲フィールド、それによってオレンジ色の閃光が直撃する事はない。しかし、次の瞬間には再び巨大な閃光がネオ・グランゾンに向けて放たれてきた。

 

先程とは比べものにはならない威力、衝撃によってコックピット内が揺れ動く中、蒼のカリスマは静かに閃光が来る方角を見つめていた。

 

光の先に見えるのは超大型艦であるソレスタルビーイング。その艦に搭載された超大型荷電粒子砲による攻撃だと分かった瞬間、再びバジュラ側から攻撃が再開した。

 

左右からの同時攻撃。飽和状態となったその場でグランゾンは動きを止めていると、それを見て身動きが取れないでいると勘違いをしたイノベイド達が揃って攻撃を開始した。

 

『アッハハハハ! 見なよリボンズ、アイツあんな大口叩いておきながら身動き一つ出来ないでいるよ!』

 

『貴様の存在は目障りだ。ここで落とさせて貰う!』

 

降り注がれる光の矢、雨となって降ってくる光学兵器の攻撃にグランゾンは爆発の中へと消えていく。このままあの魔神が終わってしまうのか、……いや、それはない。

 

───イヤな予感がする。すぐにこのグランゾンから離れた方がいいと判断したゼロは、スメラギを通してグランゾンの周囲にいるZEXISに退避命令を下す。混乱しながらも指示に従い、グランゾンからZEXISが離れた時、それは起こった。

 

『───分子間引力をも超える高重力、耐えられるかな? グラビトロンカノン』

 

まるでZEXIS達が自分から離れる事を待っていたかの様にグランゾンは動き出す。広範囲に渡って広がる高重力の嵐によって、バジュラ達や特攻兵器、イノベイド達の機体は悉く圧壊されてゆく。

 

光学兵器も歪曲し、重力の圧力に耐えきれず消滅し、ソレスタルビーイングから放たれる荷電粒子砲も有無を謂わさず遮られてしまう。

 

出鱈目過ぎる。そう誰もが思っても、魔神の反撃は止まる事はなかった。

 

『さて、リボンズ=アルマーク。賢しい事を考える貴方の事だ。どうせ遠く離れた所から攻撃すれば手も足も出ないと思ったのでしょう。小賢しいとは思いますが……事実、それは正しい判断です。その位置に陣取られてしまえば、並の攻撃では届く事はありません。アクエリオンや射程のある攻撃を持った機体にも、そんな暇を与えなければ意味はない。確かにそれはZEXIS達と戦う上で必要な手段でしょう』

 

『…………』

 

蒼のカリスマのその言葉にリボンズは押し黙る。ソレスタルビーイングはバジュラの母星から少しばかり離れた位置に存在する為、ZEXISの攻撃が届かない位置にある。故に、彼らが艦に取り付いてこなければ自分達の勝利は揺るぎないものだった。

 

しかし、それを目の前の魔神はその有用性を簡単に打ち消してしまう。

 

『しかし、このグランゾンにはそもそも射程という概念が存在しません。……何故なら』

 

瞬間、ソレスタルビーイングに搭載された荷電粒子砲の砲台が光の槍によって刺し貫かれてしまう。爆散し、宇宙に散り行く虎の子の砲台。それを目の当たりにしたリボンズは驚愕に目を見開き、次の瞬間にはその表情を憤怒の色に染め上げる。

 

『私の攻撃が届くのは私が認識出来る範囲全てとなっています。距離を開けて時間稼ぎをしても無駄ですよ』

 

目の前の大型艦から放たれる鋭い殺気、それを受けながらも魔人は淡々とした態度を崩さない。と、そんな時、バトルギャラクシーの中から一機のバルキリーが飛び出してきた。

 

『此方アルト、ただ今ランカを救出! マクロス・クォーター、着艦の許可を!』

 

ランカを抱え、バトルギャラクシーから飛び出していく。歌姫が連れ去られた事で怒ったのか、バトルギャラクシーは更なる弾幕を広げ、周囲にいるバジュラ諸共攻撃を開始した。

 

唯でさえ針鼠の様な弾幕が隙間が無くなるほどに狭まっていく。鋭く、そして分厚くなったバトルギャラクシーの弾幕に、グランゾンは再びバジュラ側に向き直る。

 

『さて、歌姫がいなくなった事ですし、私も本腰を入れることにしよう。───さぁ、暴れるぞ。グランゾン』

 

日輪を背負う蒼き魔神の眼が妖しく輝く。瞬間、グランゾンの胸部が展開し、そこには破界事変以来見ることのなかった黒い球体が生成されていた。

 

『多数の特異点から生まれるロシュ限界は、万物悉く原子の塵へと化します』

 

頭上に掲げられる黒い球体、それは蒼のカリスマの咒言に思われる言霊により、大きくなり、強大なモノへと変わっていく。

 

『さぁ、事象の地平に消え去りなさい。ブラックホールクラスター……発射!』

 

魔神から放たれる黒き球体。ソレがバトルギャラクシーに触れた瞬間、バトルギャラクシーは分解し、圧壊し、消滅してゆく。やがて、バトルギャラクシーが事象の地平に消え去った事で、背後に聳えるバジュラの女王が魔神の前に引きずり出される事になる。

 

『これで、貴方の顔がよく見える様になりましたね。…成る程、寄生虫らしい醜い姿だ。貴方という存在に相応しい格好だ』

 

『シュウジ=シラカワ、貴様!』

 

『おや? 怒りましたか? それは申し訳ない。私としては事実を口にしただけなのですが、………けれど』

 

 

“頭にキているのは、こっちも同じなんだよ”

 

 

怒れる魔神の猛攻はまだまだ終わらない。

 

 

 

 

 




魔装機神F 漸くクリア。


プレイしての感想。

……今回、ペッタンコキャラ少なくね?

気が付けば女性のカットインばかり見ていた気がする。

皆さんはどんなキャラが一番の好みですか?

自分はエリシアたんとフィリス(エロVer)ですね。

バルンバストハァハァ

私の股間がクロスマッシャー。

冬コミあつくなるでぇ(確信)
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