『G』の日記   作:アゴン

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天獄篇のPV第二弾を見てテンションが高くなった勢いで書いております。


幕間その1(仮)

 

 

 

 

?月!日

 

ガイオウ……いや、再世戦争と呼ばれる戦いが終わってから数ヶ月。現在自分がいるこの世界は、慌ただしくありながら平和な日々を送っている。

 

闘うべき相手がいないという事でZEXISもその組織を解体し、元ZEUTHのメンバーだった人達はネオ・プラネッツの付近にある“アビス”と呼ばれる時空の穴を通って彼等は帰って行った。

 

互いが互いの世界へと戻り、きっとまた会えると約束しながら別れる彼等の姿は、きっと儚くもあり尊いものなのだろう。

 

俺はその場にいなかったから分からなかったけどな!

 

いやだってガイオウと最後にやりあった直後、何故か俺だけ地球に吹き飛ばされたんだもの。しかも太平洋のど真ん中、お陰で戦いが終わった皆との挨拶も碌にできなかった。

 

もしかしてガイオウの奴、最期の力を振り絞って俺を地球まで吹き飛ばしたのだろうか? だとしたらアイツは死ぬ間際まで俺に嫌がらせをしていたと言うことになる。

 

ホンッと、ムカつく奴だ。最期の最期で勝ち逃げしやがって、これでは借りを返したくても返せないではないか。お陰でルルーシュ君達とも顔を合わせ辛くなったし、ほんと余計な事をしてくれたよ。

 

まぁ、奴に対する愚痴は言っても無駄なので今回は最近起きた出来事をまとめていきたいと思う。

 

自分が地球に戻ってきて数日後、恐らくはZEUTHとZEXISが別れた頃、突然世界は大きな時空振動に見舞われてしまった。当時はグランゾンのコックピットにいた自分だが、次元境界線の異常な歪曲反応に焦り、リモネシアを守る為に近くの海底に潜んでいた程だ。

 

で、その時空振動が起きた結果に出来たのがZEUTH側とZEXIS側、二つの世界が入り混じった異質な世界だった。

 

……うん、言いたい事は山程あるが、取り敢えず要点だけ説明すると、大きな時空振動が起こり、二つの地球が一つに纏まった。という事だ。

 

……絶対何者かの意志が拘わってるだろコレ。なんでこんなタイミング良く時空振動が起きてタイミング良くこの二つの世界が融合しちゃうんだよ。おかしいだろ色々。

 

お陰で宇宙にはコロニーやらアクシズやらが出てきているし……や、それ自体は別にいいんだよ? 観光名所が増えたと思えばそんな悪い気はしないしね。リモネシアやシオさん達も無事みたいだし、これについて自分からは特に文句はない。

 

ただ、先も記した通りこの世界が“何者かの意志”が拘わって出来たものだとするなら、文句はなくとも胸中は少し複雑な心境というのが正直な話だ。

 

二つの世界の融合、コレまでにない大規模な時空振動に当然現地球連邦は慌てたが、各官僚の人達も流石に時空振動には慣れた所為か、この事態に対し向こうの政府とも上手く話し合いをし、政府機関を統一する事で話はまとまった。

 

人々も最初は驚きこそしても、政府の対応が迅速だった為にさほど混乱せず、今は平穏に過ごしている。

 

UCWとADW、二つの世界が融合した事により生まれた世界は今の所、平穏な日々を続けている。

 

因みに分かり易く言うとUCWがZEUTHのいた世界で、ADWがZEXISのいた世界という風に区別されている。こういう理屈でいうと自分はどうやらADW出身の人間のようだ。

 

……これで、蒼のカリスマの印象が少しでも薄まればいいんだけど。未だに賞金首として指名手配されているとか、どゆことなの?

 

 

 

?月α日

 

今日、バイトの給金を貰えた自分は世間が注目しているとある映画を観に行った。面白そうな題材を主軸にしており自分も楽しみにしていたが、各映画館は毎日満員御礼、席も殆どが予約制になっており中々観る事は叶わなかったが、今日は運良く一席空いていたので自分は観る事が出来た。

 

題材となっているのはZEXISが宇宙からの侵略者やアロウズといった連中と戦い、勝利していくという映画で、内容は兎も角ZEXISがメインとなっていると知って、ずっと気になっていたのだ。

 

そして上映が始まって三時間、感想の方はというと……まぁ、実際こんなモノだよな、て感じだ。

 

200メートル級の光の巨人となるマジンガーが敵を薙ぎ倒し、バルキリーも殆どが量産型みたいなモノで、着ぐるみみたいな格好でマシンガンをバカスカ撃っていた。

 

これだけでも突っ込み所満載なのに、ソレスタルビーイングの面々のキャスティングが出てきた時は、はっきり言って度肝を抜かれた。

 

だって、刹那君役の子が凄い熱血なんだもの。マイケルって名前で出てたけど、赤木さんもかくやって感じの熱血ブリだった。

 

ティエリア君はムサいおっさんになってたし、ロックオンさんはメガネの博士君みたいな感じになってて、アレルヤ君に至っては可愛い女の子キャラになっていた。

 

トドメにはダブルオーライザーも何だか勇者ロボみたいになってたし、実際を知る者としてはすっごい複雑な心境となってしまった。

 

違うから、トランザムライザーは皆の力を貰って放つ技じゃないから。というか技じゃなくて武器だから! そんな自分の心の叫びは上映終了まで止むことはなく、映画館から出る際は酷く疲れてしまっていた。

 

……因みにこれは噂だが、どうやらZEXISのあの映画にはスピンオフ作品が存在しているらしく、しかもその映画は蒼のカリスマが主人公とされているらしいのだ。

 

まさか自分が主人公となっている映画があるとは思わなかったが、現在もテロリストとして恐れられている蒼のカリスマが銀幕デビューを飾るのは些か問題があるとされ、殆どの映画館では上映されていないとの事。

 

まぁ、そりゃそうだよね。幾ら情報が報じられて人々に真実が伝わる様になっても蒼のカリスマがテロリストである事実は変わらない。自分もそこら辺の自覚はあって割り切っているから別に構わないのだが、なんとどこかの裏路地ではその映画が上映されているらしく、マニアの中では既にチケットにプレミアが付いているとの事。

 

つか、マニアって何だよ。それはZEXISのマニアって事で俺のマニアじゃないんだよな? そんな疑問に思う自分に受付の人は何を勘違いをしたのか、特別と称して自分にその映画のパンフレットを渡してきたのだ。

 

今はパラパラと捲っただけでそんなに詳しく見てないからなんとも言えないが……なんというか、この映画もZEXISの奴と同様相当胡散臭いものである。

 

自分をモデルにした主人公は金髪朱眼のどこぞの吸血鬼みたいな風貌だし、人物紹介のページにはスタイリッシュなポージングを取っている。

 

そして蒼のカリスマたる肝心の仮面の方もなんか石みたいな材質で作られてるし、どこら辺が蒼? って此方も突っ込み要素満載である。

 

つーか何? 俺って吸血鬼扱いなの? パンフレットを見ている限りではどうやら普段は裏世界を牛耳る悪で俺は仮面を被って吸血鬼と化しており、グランゾンはそんな自分を守る為の眷属兼剣というらしいのだ。

 

それで色々悪事を働く悪者を俺より悪事働いてんじゃねぇー! って感じで敵を倒していくのが、この映画の話らしい。……なにこのツンデレキャラ。

 

んで、もしこの二つの映画が好評だった場合、今度はこの二つの映画を一つにまとめて三部作の長編を制作しようという噂が、既に映画業界に出回っているとの事。

 

………正直に言わせて貰う。止めた方がいい。

 

 

 

?月※日

 

今日、久し振りに知り合いから連絡が届いた。

 

“シュナイゼル=エル=ブリタニア”嘗てのブリタニア帝国の宰相閣下は現在は連邦の相談役として活動しており、暇なんだか忙しいんだか分からない日々を送っているらしい。

 

そのシュナイゼル、俺の友達はどこから情報を得たのか分からないが、俺が現在働いているバイト先に直接電話してきやがった。まぁ普通は驚く所だろうが、相手がシュナイゼルという事で納得し、彼の話を聞いた。

 

何でも、現在の地球連邦には“地球至上主義”という一派が水面下で色々と暗躍しているらしく、他にも“アマルガム”とかいうテロ組織や宇宙でも様々な組織が静かにだが動き出しているとの事だ。

 

“アマルガム”そう言えば再世戦争の頃、あまり見かけない機体が時々強襲仕掛けてきたっけ。当時は世界なんたら解放戦線の残党が自分の首を狙ってきたものだと思っていたけれど、もしかしたら違っていたのかもしれない。

 

地球至上主義に関しては……正直どうでもいい。どうせそいつ等だって背後にいる連中の言われるがままの状態だろうし、奴らを幾ら調べた所でトカゲの尻尾切りをさせられるのがオチだろう。尤も、連中がリモネシアに関わるというのならその限りではないが。

 

……世界が動き出す。相変わらずこの言葉には不穏な空気しか感じられないが、やれる奴がいるならばやるしかないのだろう。

 

近い内に俺も動いた方がいいのかもしれない。物凄く怖いし不安だが……まぁ、なるようになるしかないだろう。

 

このバイトもそろそろ潮時かもしれない。ボン太くんの着ぐるみは割と好きだったんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、そろそろ休憩終わりだぞー」

 

「ふもっふ!」

 

 

 

 




まだ連獄篇と天獄篇もプレイしてないのであくまで今回の仮。
本編は天獄篇をプレイして暫くしたら書いていこうと思います。

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