逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ! 作:アマノジャック
私はウマ娘で実装されている中だと2000年のテイエムオペラオー、実装されていないのだと2005年のハーツクライのですかね…。
オグリキャップ、トウカイテイオー、グラスワンダーのも好きなのですが…正直、甲乙がつけ難い…。
最後のおまけでタイトル回収をします!
ではどうぞ!
1999年12月26日/G1/有馬記念
『スタートを切りました。
注目の先行争い…先頭はゴーイングスズカ。
2番手はエルコンドルパサー。
グラスワンダーとラウンドピーチはかなりの後方。
スペシャルウィークは最後方でのスタートなりました!』
………
『最後の直線、ナリタトップロードをかわし、先頭に立ったはエルコンドルパサー!
このまま逃げきれるか!?
ここでグラスワンダー!
グラスワンダー来たっ!
外の方からスペシャルウィーク!
スペシャルウィーク!
内からラウンドピーチ!
ラウンドピーチ来た!
テイエムオペラオーも伸びている!
ファレノプシスとメジロブライトは伸びないか!?
先頭は粘るコンドル!
しかし、内から迫るラウンド!
外からはスペシャルとグラス…最後はこの4頭!
綺麗に並んでゴールイン!
なんてレースだ!!
最強の牡馬3頭と最強の牝馬の大接戦!
これは審議のランプ…結果はどうなるのでしょうか?』
勝者:???
ーーー
目標9:有マ記念で1着
今日は『有マ記念』…ピーチのシニア級での最後のレースだ。後にも先にも俺がここまで強いウマ娘を育てるなんてことはほぼ出来ないだろう。それだけラウンドピーチはこの3年で強くなった。
「トレーナー?」
「ん?」
「何でもう泣いてるの?」
「…本当だ。まだ早かったな…ピーチ!トゥインクルでの最後のレースの前に聞きたいことがある!…俺が担当で良かったか?」ゴシゴシ
「そんなこと?勿論だよ!それに…ドリームでもトレーナーは私の担当でいてくれるのでしょ?なら、私が不満に思うことは何も無いよ!」
「良かった…。よし…じゃあ、行ってこい!」
「うん!」
………
「ピーチちゃん!」
「ファレちゃん!」
「こっちこっち!…ほら、隠れないの!」
「???」
「とりゃ!」トンッ
「きゃっ!…あっ!」スタッ
「キングちゃん!」
「その…久しぶりね。貴女の海外での活躍を見てたわ。」
「ありがとう!だから…今日も勝っちゃうね!」
「そこはキングも譲らないわ…じゃなくて!」
「もー、そこは『またピーチちゃんと走れて嬉しい』でいいのに…」
「ファレノさん!?」
「そうだったんだ…キングちゃん、大好き!」ダキッ
「こらっ!レース前よ!ふざけないの!」ジタバタ
「ごめんごめん…、でも私もキングちゃんとまた走れて嬉しいよ。知ってると思うけど私は、この有マ記念の後はドリームへ挑むんだ…キングちゃんはまだ来る予定は無いんだよね?」
「えぇ…まだ、一流の走りが出来てないから…」
(ワァァーー!!)
「何事…え?」
「嘘!?」
「おい、あの勝負服とマスクって…」
「エルコンドルパサーだよな?」
「凱旋門の後はドリームに行くと思っていた…」
「みなさん!ブエノ!何故ここにエルがいるか、それは当然…有マ記念に出走するからデース!」
「まさかエルちゃんも参加してくるなんてね…」
「ファレちゃん、私はエルコンドルパサーさんが凱旋門に出てたことすら知らなかったからね。」
「いや、そこは知っときなさいよ!」
「だってトレーナーが教えてくれなかったし…」
「ラウンドピーチさん!」
「ピーチちゃん、呼ばれてるよ~」
「私!?」
「今日、私がドリーム前に参加したのは…アナタに勝つためデース!全力で来てください!」
「すぅ…勿論だよ!あんたも全力で来て!返り討ちにしてあげるから!!」
(ワァァーーー!!)
「凱旋門賞入賞のエルコンドルパサーがでマンノウォーSとホイットニーSを制したラウンドピーチに宣戦布告だ!」
「何てサプライズだ!俺、今ここに来れて良かった!」
「おい!まだレースは始まってないぞ!」
「ピーチちゃん…凄い!」
「ふーん、キングとまだ1回も勝負したことないのにもう勝ったつもりでいるんだ…La_victoire_est_moi!」
「うん、言葉の意味は分からないけど怒ってるのは分かる。」
「私もキングに同意~」
「セイウンスカイさん!貴女もこのレースに?」
「やっほ~!まぁ、同期が7人全員揃うなんて予想しなかったよ~」
「7人ってことは…」
「お久しぶりです、ラウンドピーチさん。」
「こんにちは!こうして話すのは初めてだね!私はスペシャルウィークです!」
「こんにちは。…私も宣言するわ。私のトゥインクル最後のレースとして勝利で締めくくる!特にグラスワンダーさん、スペシャルウィークさん…私はあんたたちに勝ちたい!」
「えぇ、受けてたちますよ。私の2連覇で決まるでしょうけど。」
「うん!私も最後のレース…絶対に勝つ!」
(ワァァーー!!)
………
(少し前)
(ワァァーー!!)
俺は驚きを隠せないでいる…なぜなら!
「エルコンドルパサーだと!?」
「いや、先輩は何で知らないんですか?」
「セナ!君は知っていたのか?」
セナ…俺の後輩にあたるトレーナー。マヤノトップガンの担当をしている。最初は新人でマヤノに振り回され、俺がフォローに回ることが多かったが、今では上手くコントロールしており一人前のトレーナーへと成長している。またマヤノ以外のウマ娘も担当しておりチーム全体を率いている。今日はマヤノと共に有マ記念を見に来てくれた。
「関係者は全員知ってましたよ。」
「そうだよ!サブちゃん!」
「だとすると1人多くなるが…」
「早い段階から出走が取消になってましたよ。で、そこを埋めようとシークレット枠が出来ていて、それがエルコンドルパサーだったんです。」
…本当だ。出走予定だったウマ娘が1人いない。と、いうかよくみれば出走ウマ娘たちも俺が選抜から目をつけていた娘たちばかりだ。
「ぐっ…グラスワンダーとスペシャルウィークのデータ収集や対策研究で全く知らなかった…。」
「先輩ってそういうところありますよね。」
「サブちゃん…大丈夫だよ!ピーチちゃんを信じてあげよう!」
「…あぁ。予想外の展開だが、ピーチなら勝てる。もうそれ以外言えることはない。セナ、マヤノ、…俺たちの集大成を見ていてくれ。」
「えぇ、見させていただきます。先輩、落ち着いたらでいいです!落ち着いたらでいいですから…今度、ご飯行きませんか?…2人で。」ボソッ
「何だ?金欠か?いいよ、俺が全部出してやるよ!」
「わぁ…これが大人なんだね。2人で、だなんてトレーナーちゃんったら大た…むぐっ!」
「わー、始まりますね!マヤノ、ピーチさんの応援するよ!」
「あぁ、頼む!」
トゥインクルリーグ最後のレース『有マ記念』…ピーチ、君の出せる全ての力を見せてくれ!
ーーー
『最終コーナーカーブ!
先頭はセイウンスカイ!
セイウンスカイ!
いや、エルコンドルパサーがかわした!
エルコンドルパサーが変わって先頭!
キングヘイローがピッタリその後ろについている!
ファレノプシスとテイエムオペラオーも上がってきた!
ん!?
外からグラスワンダー!
グラスワンダーの僅かに後ろにスペシャルウィーク!
内からラウンドピーチ!
ラウンドピーチがここで抜け出してきた!
残りは200!
ラウンドピーチが先頭!
しかし、エルコンドルパサーも負けじと再び伸びる!
グラスワンダーとスペシャルウィークも伸びてきた!
スペシャルウィークの伸びが僅かに大きいか!?
スペシャルウィークとグラスワンダーが並んだ!
そのままラウンドピーチへと迫る!
勝負はこの4人で決まったか?
逃げる、ラウンドピーチ!
追いかけるスペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー!
キングヘイローも食らいつくが厳しいか?
バ身差がほぼ無くなってきた!
並んだか?並んだか?ゴールイン!!
最後はこの4人!
審議のランプが付きました!
写真判定となります…暫くお待ちください。』
(ザワザワザワザワ)
「グラスワンダーの2連覇だよな?」
「何言ってんだよ!エルコンドルパサーが差し返した!それにあのマスク分、有利になってるはすだ!」
「1番飛び出てるのはハナだ!マスクは関係ない!1番伸びていたのはスペシャルウィークだ!」
「ラウンドピーチが粘り逃げきっていた!」
4人のウマ娘が並んでのゴール。前代未聞のことだろう…。トレーナーの俺ですら誰が抜け出していたか判断が出来ない。
「先輩…」
「サブちゃん…」
「…ピーチ、後悔の無い走りは出来たよな?」
………
「はぁ、はぁ…」
「ふー、ふー、ふー…」
「…ふぅー。すぅー…ふぅー。」
「はぁ、はぁ…」
「やっぱり…ピーチちゃんたちには敵わなかったか。」
「ファレノさん、私達はまだトゥインクルで試せるチャンスがある…だから私はもう少しこっちに残るわ。」
「私もそのつもり…頑張ろうね、キングちゃん。」
「私はこれ以上伸びなさそうだし…そろそろ引退かな。」
「セイちゃん!?本気?」
「…」
「…キングには言ってるけど、レースから暫く離れるのは本当だよ。そんなことより、今回のレースの結果はどうなった?」
「まだ出てないわよ。」
「終わったんだね…」
「結果はまだデス…私の勝ちでショウが…」
「いえ、私が…」
「結果が出たみたいですよ…」
1着…ラウンドピーチ
2着…グラスワンダー(ハナ差)
3着…スペシャルウィーク(ハナ差)
4着…エルコンドルパサー(ハナ差)
5着…キングヘイロー(1/4バ身差)
『以上の順位で確定しました。』
(ワァァーー!)
「すげーよ!本当にすげーよ!」
「ラウンドピーチ!おめでとう!ドリームでも期待してるぞ!」
「スペシャルウィーク!お疲れ様!次はドリームで勝ってくれよ!」
「エルコンドルパサー!走ってくれてありがとう!ここでお前の走りが見えてよかったーー!」
「グラスワンダー!惜しかったな!」
「…!勝った!勝てた!勝ったーー!ぐぉぉーー!!」
「くぅ…勝てませんでシタ!グラスやスペちゃんにも負けてしまいまシタ!ピーチ!」
「…勝てたと思ったのですけどね。でもエルに勝ち、スペちゃんに勝ちを譲らなかった…満足ではありませんが、その結果を受け入れましょう。ピーチさん!」
「グラスちゃんには勝てず…ピーチちゃんには追い抜かれた。ピーチちゃん!」
『次のレースでは私が勝つ!』
「うん、何度でも返り討ちにしてあげる!」
………
『以上の順位で確定しました。』
掲示板を俺は見る。
「…」
1着、ラウンドピーチの文字が見える。
「…」ゴシゴシ
何度見てもその文字が変わらない…つまり!
(ワァァァァ!!)
「先輩!おめでとうございます!」
「サブちゃん、ピーチちゃん勝ってるよ!」
「…あぁ。」
勝ったのだ。怪鳥エルコンドルパサーにも、不死鳥グラスワンダーにも、日本の総大将スペシャルウィークにも、その他強大なウマ娘たちにも…俺の愛バ、ラウンドピーチは勝利をおさめた。
「…セナ。」
「はい、大方何を言いたいか分かってますが何でしょうか?」
「俺の頬を叩いてくれ。」
「分かりました。」
パチン
「ありがとう。目が覚めたよ…」
「本当に先輩は有マ記念限定の『勝利の女神』ですね。」
「だねー。またサブちゃんの伝説が増えたね。」
「うるせーよ。…セナ、マヤノ。そっち側(ドリーム)へ俺も行くわ。」
「うん♪ピーチちゃんと走れる日をマヤノは待ってる!」
さて…そろそろ、ウイニングライブに行こう。
「先輩!これは私個人のお願いなのですが…また私のサブトレーナーになってくれませんか?」
「残念だがそうはならないよ。マヤノの時もそうだっただろ。メンバーを増やすのは自らのスカウトだけじゃない。ここまでの成果をあげたトレーナーなら指導を受けたいって言うウマ娘がたくさん来る。」
「えぇ、知ってます。ですが…もしもの話です。」
「で、あれば今する話でもないな。大晦日…空いているか?」
「はい!」
「そこで全部聞いてやる。…ピーチのウイニングライブを見てくる。レース、見に来てくれてありがとうな。」
ピーチたちのウイニングライブは今年1番の大盛り上がりだった。
スピードが5上がった!
スタミナが5上がった!
パワーが5上がった!
根性が5上がった!
賢さが5上がった!
スキルPtが60上がった!
目標達成!(有マ記念で1着)
→育成目標達成!(全ての目標を達成しました!)
・本来のレースの勝者
有馬記念…グラスワンダー
*ラウンドピーチはスエヒロコマンダー枠での出走
*エルコンドルパサーはインターフラッグ枠での出走
・おまけ
The Winner!
99年、有馬記念
最強の牡馬(怪物)が3頭集いし時…異次元より英雄が現れる。
英雄もまた、レース場(戦場)で大きく唸る牝馬(怪物)であった。
『逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!』
その勝者の名は…ラウンドピーチ!
「判定が出ました!ラウンドピーチ1着!28年ぶり!牝馬の1着!」
競馬の全てがここにある、有馬記念!