逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ! 作:アマノジャック
後、新しいウマ娘も追加されましたね!
ジャスタウェイとハーツクライはいなさそうですね…。
どうも、アストンマーチャンを公式で確認するまでテイエムプリキュアと勘違いしてた作者です。
まだ決まっていないですが、ハーツクライ産駒のシュヴァルグランが来たかもとテンション上がり気味です。
それはそうと…今回で最終話です。どうぞ!
ラウンドピーチは見事、トゥインクル・シリーズで大きな結果を残すことができた。トゥインクルとは関係のないレースにも出走しながらも、『最初の3年間』を共に乗り越えたのだ。ひと区切りがついたという時にピーチからある提案をされた。
「またアメリカに行きたい?」
「うん、どうしてもあの人に直接伝えたいことがあって…トレーナーにも付いてきて欲しいの!」
「分かった。チーム加入希望者の選抜もあるから…多くて3日までだな。」
「ありがとう、トレーナー!」
………
さて、ニューヨークにある師匠の牧場に着いた訳だが…迎えてくれたのは師匠じゃなかった。
「ハロー!イブキにピーチ!君たちの活躍見ていたぞ!」
「ありがとう…ん?師匠はいないのか?」
「ああ!オーストラリアにいる孫から子供が生まれると聞いて今朝、飛び出して行ったよ。『3月前に会ったから今回はいいだろ?イブキによろしく言っといて』だってさ。」
「はぁ…あの人って何かあっても基本的に何も言わないからな…」
「あ、あの…イージーゴアさん!」
イージーゴア…俺の師匠が担当していた追い込み型のウマ娘。日本でいうトゥインクルでのG1レースで8勝も上げている最強ウマ娘の一人で、今も現役で走っている。ピーチと同じ栗毛でどことなく雰囲気も似ている気がする。アメリカへいる間はピーチと何度も並走してもらい、ピーチのダートへの可能性を見出した。そしてピーチはサバーバンHは敗れたもののホイットニーSにて勝利を上げたのだ。
「どうしたんだい、ピーチ?…あ、あの件の答えが出たのか!」
「あの件?まさかゴア!ピーチに何か言ったのか!?」
「何って、凄い成果出してたしアメリカで走らないかって誘っただけだよ?」
「だけだよじゃねーよ!何で担当の俺にも言わないんだよ!」
いや、本当になんでだよ!
「だってイブキって日本にいるじゃん?関係ないじゃん?」
「担当してる時点で大有りだ、バカ!」
「え?そうなの?」
「そのことなのですが…私、やっぱり日本で走ります!」
「ふーん、どうして?」
「イブキトレーナーが日本にいるからです!私は…ずっとトレーナーのそばにいたいから!」
「ピーチ…」
「じゃあ、イブキがこっちに来たらピーチも来るの?」
「来ます!私はトレーナーの…一番の愛バですから!」
「ー!」ゾワッ
重いものを感じた。これはテイオーが先輩に向けていた何かに近いもの…だが、今は考えないようにしよう。
「残念だけど分かったわ。…イブキ!」
「…何だ?」
ピーチよりも重い声に内心ビビりつつも何とか声を出す。
「ピーチをよろしく頼む。」
「…あぁ、任せろ。」
「トレーナー!何か、お父さんへの挨拶みたいになったね。」
「確かにそう言われるとピーチが娘に思えてきた。」
「そうだ!今度私のお父さんにも会わしてあげる!」
「勘弁してくれ。…帰るぞピーチ。」
「え?う、うん。じゃあね、イージーゴアさん!」
「もう帰るのか?イブキ、ピーチ…こっちに来ないなら私にも考えがあるからな!」
ゴアの声がまだ聞こえるが俺たちは牧場を後にする。ピーチの目的は果たしたんだ…ここに用はもうない。
………
「トレーナー!」
牧場からの帰り、車での移動中にピーチが話しかけてきた。
「どうした?」
「今だから教えてあげる…」
「???」
「あんたをトレーナーにした理由!」
「別に言わなくていいぞ?」
「私が言いたいの!…私ね、実はそんなに走ること好きじゃなかったの。」
「え?」
好きじゃなかった?
「私ね、他のウマ娘より足が速かったの。それで両親がレース好きもあってか勝手に期待されて…。それで毎回どこかのレースに連れていかれていて…プリファイとかゲームとか全然好きなことを出来なかったんだ。」
「…」
「どのレースを見ても楽しさが分らなかった。いつも隙を見つけては抜けて、レース場の外で一人遊んでいた。でも、ある日、一人のウマ娘さんに出会ったの。それが…イージーゴアさん。」
ゴアが?まさか、その日は…
「オグリのトィンクル最後の有マ記念…」
「うん、実はそこでトレーナーの顔も見てたんだ。自分が走った訳でもないのに大きな声で勝利を喜んでいる男の人を。」
「確かに俺だ。」
新人の取材者に担当トレーナーと間違えられたレベルだ。
「イージーゴアさんは私にレースの楽しさを私に教えてくれようと話をしてくれたんだけど…正直、全然分からなかった。で、無理やり私を背負って全力で走ってくれたの。」
「確かにゴアならやりかねん…」
「ものすごく速かった。当時の私にとっては未知の速さだった。そこで私は自分の速さがまだまだだ、って気づいたの。その時…悔しいって思った。」
「悔しい?」
「うん、ウマ娘を背負って私よりも速かったんだよ?だから彼女を抜けるくらいまで速くなりたい!そう思ったら私の行動は早かった。とにかく毎日がむしゃらに走った。公園や砂浜や山…ウマ娘が走ってはいけないところ以外はガンガン走った。お父さんもお母さんも喜んで見てくれた。危ないと思ったら止めてくれてたからケガも無かった。…最後の方はドン引きしてた顔だったけど。」
「そりゃ、自分の娘が『ぐるる』と唸っていたらな…」
道理で体が少しできていた訳だ。
「また、イージーゴアさんに会えるかもと有マ記念は見に行くようになった。そこには、毎回トレーナー…あんたがいた。トウカイテイオーさんとマヤノトップガンさんが勝った時は大声で喜んでいたのを覚えている。」
「マヤノの2連覇は出来なかったがな。」
「…私もあんたを喜ばせたいと思った。」
「ん?」
「遠くで見てただけだけど…私はトレーナーばっかり見ていた。」
「………」
「今でも走るのが好きかと言われれば分からない。けど、トレーナーのことは好き。私は…ファンのためじゃなくてトレーナーのためだけに走りたい。それならずっと走り続けれる。」
「愛が重いわ…、君は本当に中等部か?」
「でも、私の担当トレーナーでいてくれるでしょ?」
「あぁ、日本に戻ったらまた鍛えてやるよ!」
さて、これから忙しくなるんだ。遊べるときに遊んでおかないとな。この後、俺とピーチはアメリカ旅行を楽しんだ。
………
日本へ帰り数日が経った。7人のウマ娘がチームへの加入を希望してきた。おともだち(?)の忠告された者、英雄に憧れる者、カッコいいレースがしたい者、常に一番を目指す者、プリンセスを目指す者、お祭りが好きな者、そして…
「転入生のイージーゴアです!」
容易く行く者(イージーゴア)も加入してきた。
「何でだー!」
「トレーナーがひ孫のところにいるって引退しちゃって、アメリカから出て行ったから私も引退したの!あ、さすがに選手としてではないよ!このチームのサブトレーナーだから、よろしく!」
「おともだちが…怖がってる?」
「サブトレーナーのレース見てたけど、カッコ良かったです!色々とお話を聞かせてください!」
「ちょっと!私が一番最初に聞くんだから!?」
「ピーチさん、『異次元の英雄』としてサインをいただけますか?あと、本は読んだりしますか?」
「ピーチお姉さま!プリファイは好きですの?」
俺よりもピーチやゴアの方にメンバーが集まっている。同性同士の方が話しやすいのだろうが…、寂しいな。救いはないのだろうか?
「あの、トレーナーさん!」
救いはあったようだ。
「どうしたキタサンブラック?」
「私、テイオーさんに憧れていまして…クラシックや有マ記念で勝ちたいんです!」
「あぁ、そのための俺…ん?君はテイオーのいるチームに加入した方が良かったんじゃない?」
「それが…テイオーさんとその担当トレーナーさんが引退してたらしくて…」
「うそでしょ?」
先輩!?そういえば年明けてから連絡が何もない!…まさかね?
「コホン、あー、夢が決まっているならそれに向けたトレーニングを行っていくつもりだ。実は俺、そのテイオーがトゥインクル時代のサブトレーナーだったんだ。」
「ええ、だからここにしました!テイオーさんの話も聞かせてください!」
ああ、なんて真っ直ぐな娘だ。うん、これはお菓子と紅茶を用意して…ん?
「トレーナー?」
「ピーチ?どうし…!」ガシッ
「イージーゴアさん、これからみなさんのスケジュールの説明をお願いします。」
「オーケー♪」
「いや!それ、俺のや…!」グイッ
「ちょっと、トレーナーと打ち合わせしてきまーす。」
ピーチに引きずられ、どこかへ運ばれる…やはり、普通の人間ではウマ娘には敵わない。チームを持った以上は指導していかないといけないのだが…ピーチがこの状態だと仕事にならないな…。だが、それは後で考えよう。今は…
「ピーチ!」
「ー!何?」
「これからもよろしくな。」
「…うん!」
俺の愛バとのひと時を楽しもう…。
スピードが5上がった!
スタミナが5上がった!
パワーが5上がった!
根性が5上がった!
賢さが5上がった!
スキルPtが10上がった!
育成終了!
ラウンドピーチについて
欧字表記:Round Peach
品種:サラブレッド
性別:牝
毛色:栗毛
生誕:1995年2月14日
死没:2015年2月14日
父:イージーゴア
母:???
母父:ストームキャット
生国:日本
競走成績
13戦9勝
獲得賞金 5億8248万円+60万ドル
主な勝ち鞍
G1
・優駿牝馬(1998)
・秋華賞(1998)
・ホイットニーハンデキャップ(1999)
・マンノウォーステークス(1999)
・エリザベス女王杯(1999)
・有馬記念(1999)
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G1レースを6勝か…まぁ、俺に劣るが牝馬としては良い成績だろう。ハハッ!ちょっとは俺の産駒としての名前が残ったか?これからのお前の子たちに期待きておこう。…だが、『沈黙の日曜日』よ。テメーの血は要らないな…、よし我が娘!当て馬だろうが種馬だろうが関係ねぇ!アイツか、アイツの子であれば…蹴れ!…こんなところかな。俺はもう行こう…さっきはあぁ言ったが、命尽きるまで好きに生きると良い。さらばだ!