逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!   作:アマノジャック

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セイウンスカイ、誕生日おめでとう!

と、言いつつもタイトルはキタサンブラックですけどね。まぁ…前回の続きです。どうぞ!


異次元の英雄とお祭り愛バ2

場所はドバイのメイダンレース場…今日、ここでイブキさんの担当ウマ娘である『イクイノックス』ちゃんとソラ君の担当ウマ娘である『ブラックアップル』ちゃんが走る。…私?私は今…病院だけどね~、ピーチちゃんと一緒にテレビで応援する予定だよ。現地との時差で今の時刻はかなり深夜だけど…ふわあぁぁ。

 

「おうスカイ!今回もこのバイトリーダーのゴルシちゃんに任せておけ!」

「うん~、信頼してるからよろしく~」

「あんたら仲良いわね…」

「にしても酷ぇ旦那だよな。こんな綺麗な奥さんを置いといて海外に出張だなんて!」

「いや、奥さんは私!私!」

「おいピーチ!芦毛ズの会話に入るんじゃねぇよ!」

「芦毛ズって何?ってか、急に入ってきたのはあんたの方じゃん!」

「まぁまぁ…イブキさんも仕事だからね~、慣れてるといえば慣れてるよ。」

「とか言いつつも今回も帰ってくるかもしれないぜ?世間的には不倫関係だというのに毎回ちゃんと出産時には立ち合って…誠実なんだか不誠実なんだか。」

「ただのクソチョロよ。」

「それが彼の良いところですから。」

「にしてもスカイだけバンバン産みすぎじゃね?今回で5人目か?」

「セイちゃんはずっと家にいるけど…私とブラックちゃんはイブキのいる時に帰れないことも多いし…」

「まぁ、みんな忙しいからね~」

 

ぶっちゃけ、一緒に帰っている時は絶対にシてるから分かるんだよね~。特にブラックちゃんはパワフル過ぎて家全体が揺れてみんな起きちゃうレベル。

 

「ゴールドシップ主任!206号の患者の容態が…」

「マジか!オペの予定は明後日だろ…しゃーない、早いが今からするぞ。直ぐに行くからオペの準備をしといてくれ。てか、ゴルシちゃんって呼べ!上司命令!」

「いや、緊急ですので…」

「分かった分かった…ってことだからお前ら。ちょっと、仕事してくるわ!何かあったら呼べよ~」

「ありがとう。」

「…セイちゃん。ゴルシちゃんって今『主任』って呼ばれてなかった?バイトリーダーとか言ってなかったっけ?」

「さぁ?少なくとも医師免許は持ってるみたいだね…」

「凄いね…」

「ピーチちゃん、感心してるところ悪いけど…そろそろイクイノックスちゃんが走るよ?」

「あ!うん、応援しよっか!」

 

さてさて…イブキさんはどんな走りを指示したのかな?

 

ーーー

 

俺とイクイノックスは今日…ドバイに来ていた。そこでは『ドバイワールドカップ』が開催されており、その中でイクイノックスはG1レースである『ドバイシーマクラシック』に出走する。

 

「んー、ここが海外ですか!」

「俺も研修で行ってたアメリカを除くとロブロイとイギリスに行ったのが最後かな…イクイノックス、気分はどうだ?」

「悪くないですよ。」

「そうか…今回のレースだけど打ち合わせした通り…」

「その件ですけど…逃げてもいいですか?」

「…え?」

 

逃げる?…まさかの出走拒否!?

 

「どうした?どこか痛むのか?まさか昨日俺が作ったアップルパイが…」

「違います違います。…キタサンブラックさんみたいに前で走りたいんです!」

「…ん?…あ、あー、なるほど!俺としてはいいけど…急にどうして?」

「今までのデータから逃げる娘がいないのもありますけど…何か力が有り余っている感じがして!…打ち合わせとは違いますけど。」

「ううん。勿論いいよ!…だけど、他に逃げるウマ娘がいたらその娘の後に上手く合わせてね。有マ記念で勝ったと同じようなイメージで…じゃあ、行ってこい!」

「はい!」

 

イクイノックスはゲートへと向かう。…ケガはしないでくれよ?

 

………

 

おい、嘘だろイクイノックス?本当に大丈夫なのか?

 

『強い!イクイノックス強い!

残り100だがリードがまだ広がる!

彼女はイクイノックス!

4バ身差、圧勝でゴールイン!

何と何と…タイムはワールドレコード!!』

 

…勝っちゃったよ。いや、勝つとは思っていたけど想像以上だよ!

 

「はぁ…はぁ…はぁ…トレーナーさん!勝ちました!」

「あ、あぁ…」

「…何でそんな距離を取ってるのですか?」

「いや…何だろ?逃げて上り最速という凄いパフォーマンスをしたかと思えば、君自身が余裕そうな走りだったのにレコードタイムって…凄いよ!凄過ぎてドン引きするわ。」

「いや、担当のあなたがそれを言ったらダメですよ!」

「…ごめん。ぶっちゃけ先月のアップルよりも衝撃的だわ。とりあえず、この後のウイニングライブが終わるまでに頭の中を整理しとくからちょっと待ってくれる?あ、ちゃんとライブは見るから!とりあえず今は…優勝おめでとう。」

「は、はい!ありがとうございます。」

 

その後イクイノックスはウイニングライブも見事に決めて、地元の観客を虜にした。

 

ーーー

 

「ワールドレコードで勝利だなんて…」

「…流石はクソ親父だわ。」

「私たちも負けてられないねソラ兄。」

「…あぁ。」

 

僕とアップルは先月のサウジアラビアで行われたメインレースの『サウジカップ』を勝利した。それによりアップルは海外のダートレースを中心に出走することにし、今日はメインレースである『ドバイワールドカップ』に出走する。

 

「…だが、今のお前も世界最強と言っても過言じゃない。勝ってさらに親父たちを驚かそう。」

「うん♪…ママもまたいっぱい褒めてもらうんだから!」

 

そう言ったアップルはダートへと移動する。全員のゲートインが完了し…レースが始まった。

 

『さぁ、今日のメインレース『ドバイワールドカップ』!

ジャパンから9人ものウマ娘が参加しているこのレース!

ゲートが開いて…全員がいいスタートだ!

パンサラッサはやや出遅れか…しかし、何とかハナを取った!

第1コーナーをカーブして先頭はパンサラッサ、しかし2番手のリモースも先頭を狙う!』

 

いいスタートを取れた。アップルのポジションは中団辺りだが悪くはない…欲を言えばもう少し前が良かったが。

 

『世界のブラックアップルはこの位置6番手!

連覇を狙うカントリーグラマーとテイオーケインズもそれに続いている。』

 

6番まで上がったか…どこで抜け出すつもりだ?このままだと外に膨らむぞ?

 

『ジュンライトボルト、クラウンプライドと続き…最後方はウシュバテソーロ!

さぁ、リモースとベンドゥーグがペースを上げて…パンサラッサがかわされ先頭はベンドゥーグ!

第3コーナーをカーブする!

ここで来たかブラックアップル!

ブラックアップルも前へ迫る!』

 

「いいカーブだ、いけっ!アップル!!」

 

「はあぁぁぁ!!」

 

ダンッ

 

『最後の直線…先頭はブラックアップル!

後続を突き放しにいく!

それを追うアルジールス、テイオーケインズ…大外からウシュバテソーロ!

ウシュバテソーロ、凄い伸びだ!』

 

…!あの娘は…川崎記念を勝った…

 

『ウシュバテソーロが前の2人をかわし、2番手に上がってきた!

ブラックアップル逃げる!

さらにエンブレムロードも伸びてくる!』

 

「アップル!!」

 

「ぐっ…」

 

『差しきった!

ウシュバテソーロがブラックアップルを差しきりゴールイン!

2着にブラックアップル!

日本のウマ娘がワンツーを飾った!』

 

ワアァーーーッ!

 

こうしてアップルは2着と敗れたのだ。

 

ーーー

 

俺はイクイノックスと別れ、ソラたちの所へと来た。

 

「ソラ、アップル、お疲れ様。」

「…パパ。」

「親父…何の用だ?」

「…君らの顔を見に来ただけだよ。やっぱり、落ち込んでたか…」

「…僕がアップルの力を引き出せなかったからだ!」

「違う!ソラ兄の指示は良かった!…後、ちょっとだった。最後、私がもっと速かったら…」

「そこを含めて考えるのが僕の役目だった!キングさんの言う一流になれたと思ったばかりなのに…」

「ソラ、落ち着いて。担当を不安にさせるのはトレーナーとしてどうだ?」

「それくらい親父に言われなくても分かってる!」

 

ソラが大声を出し…数秒後、顔が青くなる。ブラックアップルが泣き出したからだ。

 

「ごめんなさいソラ兄…私が負けたから…ごめんなさい…」

「親父…アップルをお願い。…ちょっと、1人になるわ。」

「…今回だけだぞ。」

 

ソラはその場を後にする。…はぁ、G1勝たせる実力はあるのに…まだまだだな。

 

「飯でも行こうか…キタサンとイクイノックスも呼ぼう。」

「…うん。え?ママいるの?」

 

ーーー

 

クソ!クソクソっ!僕のせいで…僕のせいでアップルが…!…妹を泣かせるなんて僕はトレーナー以前に兄として…ん?

 

「はい、もしもし!」

『ソラ君、落ち込んでる?』

「母さん!?…うん、僕のせいでアップルちゃんを泣かせしまって。」

『多分だけどさ…アップルちゃんはソラ君に凄いところを見せたかったんだよ。』

「もう十分に見てるよ…」

『ソラ君、君が一番に見られたい人は誰?』

「キングさん。」

『じゃあ、アップルちゃんは?』

「クソ親父…いや、ブラック母さん。」

『ブブー。正解は…ソラ君だよ。』

「…え?」

『アップルちゃんとの会話でキングの名前出したりしたでしょ?』

「…多分、言ってた。」

『他の女の子の名前を聞くと…誰だって嫉妬しちゃうよ?ましてやアップルちゃんはまだ中学に入ったばかりで繊細だし。』

「…うん。」

『それに…世間からみたソラ君への評価ってもの凄いよ。イブキさん超えてるとか言ってる記者もいるくらいだし。』

「いや、それはその人の感想で僕自身は大したことは…」

『それはソラ君の感想でしょ。もっと、自分に自信持ちなよ?それだけソラ君は凄い…私の自慢の息子なんだから!』

「母さん…」

『そうだ!次の赤ちゃんの名前はソラ君に考えてもらおうかな~』

「…え?」

『じゃあね~、早く仲直りするんだよ。』

 

そう言うと母さんは電話を切った。それと同時に親父から言われたレストランへと向かった。

 

ーーー

 

「いや~、このムッタバル美味しいですね~。もう、手が止まりましぇん~。イブキしゃん、あーん…」

「キタサン…酔ったふりはやめろ。酒飲んでないのに罰金取られるぞ。」

「…あ、つい。いつもの癖で…それはさておき…あーん!」

「何か今、とんでもないこと言わ……むぐっ。」

「美味しいですよね?」

「うん…旨い。イクイノックスもアップルもじゃんじゃん食べろよ?」

 

「「食べれるか!!」」

 

アップルが落ち着いたのを確認し、俺はイクイノックスと合流した。そした観客席で応援したいたキタサンとも合流し…近くのレストランへと入った。そして、ソラが来るまで色々と食べていたのだが…キタサンの皿以外、全然減る気配がない。何故食べないのか聞くと…2人から突っ込みを受けた。

 

「トレーナー…私たちは一体何を見せられているのですか?見てるだけでお腹一杯ですよ!」

「パパ、ママ、家以外でそういうことしないでくれる?娘として恥ずかしいよ。」

「え?これくらい普通だろ?な、キタサン?」

「そうだよ!結構私、我慢してるよ?」

「…ご飯終わったら私、ソラ兄とイクイノックスさんといるから。パパとママはホテルでも野外でも好きな所でヤって捕まれば?」

「アップル、どこでそんな言葉覚えたの?」

「…ふんっ。」

「うーん、確かにイブキさんとは籍を入れてないのは事実だけど…バレないって!」

「いや、バレるから!目立ってるから!ソラ兄…助けて…」

 

「はい、来たよ!」

 

背後からソラの声が聞こえた。漸く来たよう…アダダダ!

 

「ソラ、痛い…」ギチギチ

「アップルを困らせてんじゃねぇよクソ親父。」

「ご、ごめんて…ほら!サローナだぞ!」

「…」ギチギチ

「無言で力を込めるな!…少しは落ち着いたか?」

「…あぁ。」

 

そう答えるとソラは手を放した。

 

「…アップル悪かった。これが今の僕たちの全力だったということだ。僕はそれを受け入れる。」

「うん…一緒にもっと強くなろ!」

「とりあえず…今日はチートデイだ。たくさん食べろよ…親父の奢りだ。」

「…うん!」

 

…ん?俺が出すのか?いや、そのつもりだったけど…あ!アップルとイクイノックスの皿が空になってるし!

 

「デザート頼むか…何がいい?」

「クナーファ。」

「パパ、私はラクダのミルクのアイスで!」

「何それ美味しそう!イブキさん、私もそれで!」

「了解。ソラ、君も好きなのを頼めよ。」

「…あぁ。とりあえずファラフェル。」

 

次々と運ばれる料理を食べるアップルとイクイノックス…さらにキタサン。今の持ち合わせで払えるか不安だが…何とかなるだろ!

 

*少しソラに出してもらうことになった。




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