逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!   作:アマノジャック

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気が付けば1991年~2016年までのウマ娘の名前が出ていた6つのクラシックレースを見終わっていた作者です。

色々、ありましたね。ウマ娘にナリタトップロードが追加されたり、アゲマセンという競走馬が登録されたり…。ジャスタウェイくらいしか知らなかった私がここまで夢中になるなんて…ウマ娘、恐ろしや!

*架空のウマ娘とは別に公式にはまだいないオリジナルのウマ娘が出てきます

では、どうぞ!


丸い桃の物語
プロローグ:出会いと契約


1994年5月、アメリカでとある名馬が亡くなった。

 

『先頭はエルコンドルパサー!このまま逃げきれるか!?』

 

名馬は新たな生命を残していた。

 

『グラスワンダー!グラスワンダーきたっ!外の方からスペシャルウィーク!スペシャルウィーク!』

 

1995年2月14日、北海道にてとある馬が生まれた。

 

『内からラウンドピーチ!ラウンドピーチ!』

 

彼女の名は…"ラウンドピーチ"。

 

『先頭はコンドル、内からラウンド!外からはスペシャルとグラス…最後はこの4頭!なんてレースだ!!最強の牡馬3頭へ最強の牝馬が食らいついた!』

 

"異次元の英雄"と呼ばれた彼女の伝説が今始まる。

 

ーーー

 

ウマ娘トレーナーとなって早10年。サブトレーナーとして過ごしていたものの、独立し早く自分のチームを作るべきだと理事長に言われウマ娘をスカウトするべく『選抜レース』を見に来た。今年も有望そうなウマ娘が揃っているようだ。ん?後ろから誰かの気配を感じるような…。

 

「ねぇ?あんたトレーナーよね?誰かをスカウトするつもり?」

「そうだよ。君は…えーと…」

 

今回の選抜レースに出るウマ娘かな?栗毛のストレートにつり目で垂れた耳、左耳にはピンクのカバーを着けている。それにしては他のウマ娘と比べ体が既に出来ているような…。

 

「…私の担当になって!」

「は?」

「私は『ラウンドピーチ』。ラウンドでもピーチでも好きに呼んで。じゃあ、レースが始まるから見て。」

「ちょっと!?」

 

そう言って彼女は去っていった。…とりあえず、彼女のレースを見てみよう。

 

………

 

『ラウンドピーチ!見事な逃げです!あっと言う間に1着!』

 

「あのウマ娘…見事な走りだ!」

「これは是非スカウトしたいね…」

 

…何て娘だ。最初から飛ばし、そのまま影を踏まさず一バ身以上を離したまま勝利した。当然注目が集まる。しかし、何故自分を担当に?考えても仕方ない。彼女に話を話を聞いてみよう。

 

………

 

「是非、俺の担当になってくれないか?」

「いや、俺のチームに入ってくれないか?みんなで強くなろうぜ!」

「私ならあなたの長所をもっと伸ばせるわよ!」

「えーと、……あ!」

 

やはり、あんな走りを見せたんだ。周りが放っておく訳がなく、すっかり囲まれていた。しかし、俺が近づくと此方に気がついてくれたようだ。

 

「すみません、既に先約がいますので…」

「ー!いつの間に…」

「いきましょう。トレーナー…」

「え…ちょっと!ラウンドピーチ!?」

 

彼女に引っ張られ離れていく…これからどうなるのだろうか?

 

………

 

さて、落ち着く所に来た。

 

「さて、詳しく聞こうかな?何で俺を担当にしたいの?」

「…秘密。それで、引き受けてくれるの?くれないの?」

「それは…」

 

出会ってまだ1時間も経っていない。これから数年は一緒に過ごすことなる彼女にとっても俺を担当と決めるにはあまりにも早過ぎる。だがこの時期にすでに確かな実力は持っている。もっと、選抜レースを見るつもりであったが…こんなに有望なウマ娘の担当になれるんだ。逃すことはしない。

 

「あんな走りを見せてくたんだ!君の担当を引き受けよう!ラウンドピーチ、これからよろしく頼む。」

「ありがとう、よろしくね…"イブキ"トレーナー!」

 

あれ?俺の名前言ったっけ?しかし、担当となった以上は全力で彼女を支えていこう。しかし、これだけは聞いておく必要がある。

 

「聞きたいことがある。」

「秘密。ただ、適当にあんたを選んだ訳じゃ…」

「そっちじゃないよ!…君の目標は?」

「ー!えーと…考えてないけど、…有マ記念に勝ちたい!」

「普通それくらいは考えてるものなのだが…まぁ、いい。とりあえず、クラシック級でのトリプルティアラ制覇と有マ記念を目標とする。では、早速…」

「トレーニング?」

「選抜レースに見に戻る。クラシックでのレースで勝利を狙う以上は同期のライバルを知っておいた方がいいだろう。」

「…他の娘もスカウトするの?」

「するかもな。」

 

返事をぼやかし、ピーチと共に選抜レースへと戻る。

 

………

 

『2番手をグングンと引き離し、スペシャルウィーク、今、1着でゴール!』

 

『驚異的な末脚!グラスワンダー、1着でゴール!』

 

『伸びる伸びる!堂々の1着は、エルコンドルパサーです!』

 

『セイウンスカイ、逃げ切り!5バ身差で今、ゴールイン!』

 

『キングヘイロー!見事なスパート!差し切って1着でゴール!』

 

『ファレノプシス、ゴール!先頭は譲らずの勝利!』

 

他のウマ娘のレースを見ていく。俺がとくに注目したのはこの6人…何れもピーチの強敵となるだろう。…!ピーチの目が鋭い!まるで睨んでいるような…まさか、もうライバルを決めたというのか!? ピーチの目線の先は…スペシャルウィークか?今にも飛びかかりそうな勢いだ。

 

「ピーチ、スペシャルウィークと戦いたいのか?」

「ぐるるる…」

 

ぐるるって…野生の血でも混ざっているのか?まあ、これも彼女の個性なのだろう…

 

「ピーチ!」

「はっ!そうだね…この中だと、キングヘイローさん!あのウマ娘と戦いたい!だから、トレーナー!彼女の出るレースを調べておいて!」

「気合いは十分だな。よし、ピーチ!最後に確認だ!俺はまだトレーナー歴が10年だが担当ウマ娘を持ったことのない新人と変わらないトレーナーだ。それでも俺に指導されたいのか?」

「…うん!あんたなら私を勝たせれる!だから…お願い!私を強くして!」

「分かった、そこまで言われれば俺も引き下がらない!明日からビシバシと指導していこう。」

 

こうして俺と彼女との3年間が始まった。




ラウンドピーチのヒミツ①
・桃が大好き
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