逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ! 作:アマノジャック
ジャパンCが終わり、ピーチちゃんは帰ってきたが…イブキさんとブラックちゃんが帰ってこない。スマホが鳴る…ブラックちゃんからだ。
「えーと、『イブキさんと2人で1週間過ごします。スマホへの連絡が出来なくするので、家族全員に伝えてください。』…だって。」
「1週間!?イブキめ…私にノックスちゃんを預けるって…そういうことだったのね!」
「アハハ…キタサン、本当にやっちゃったか…」
「本当にやった?…ネイチャは何か知ってるの?」
あ、ピーチちゃんに詰められてネイチャの顔が青くなった。
「いや、スナックで若いカップルが話していたことをそのまま話しただけで…」
「何を話したの?」ゴゴゴ
ピーチちゃんの威圧に気圧されてるけど…何を話したのか私も気になるな…
「ピーチ、スカイ、近いって…ポリネシアンXXXについてちょっと…」
「「…」」
ネイチャの言葉に私とピーチちゃんはただ固まった。
………
1週間が経ち…再び私のスマホが鳴る。ホテルでデートをしているキングかソラ君だろうか…あれ?イブキさんから?
「『もう1週間延長で』…だってさ。」
「お父さんとキタ母さん…まだ帰ってこないの?変なことに巻き込まれてない?」
マロンちゃんが泣きそうな目でそう訴えてくる。
「大丈夫だよマロン。ちゃんと連絡してきたってことは…2人とも無事ってことだから。」
「ウミちゃん…」
「今日も私と一緒に寝る?」
「…うん。」
「イブキ…」
「ん?どうしたジャック?親父が気になるか?」
「リクブラザー…」
「ドンブラザーズみたいな呼び方はやめろ。で、どうした?」
「イブキで『パロスペシャル』のれんしうしよとおもてた。」
「あのマンガ気に入ったのか…後、親父はお前のサンドバッグじゃねぇぞ?ったく、しゃーねぇな…俺が受けてやるよ。リングに行くするか…」
「イエス!ありがとリクあにじゃ!」
「兄者!?…よしっ!なら俺は兄っぽく『ナパームストレッチ』を披露してやろう!」
「わかた!やぶれていいふくきてくる!」
…マロンちゃんとウミちゃんが心配してますよ、ジャック君がリク君が超人化してますよ、と。すぐに返事はこなくてもこれくらいの連絡はしておこう。
………
「…で、クソ親父とブラックさんはまだ帰って来てないと?」
「特に連絡は無かったから…今日帰ってくるとは思うけど…」
「麻袋を担いだキタサンブラックさんが店から出てるところは見ていたけど…あの時からもうずっと帰ってなかったのね…」
「何でキングちゃんはそれを知ってるの?」
「スペさんやファレノさんらと一緒にいたからよ。」
「スペちゃん来ていたの!?…私にも教えて欲しかったな…」
「…スペさんからあなたたちには内緒にしてと言われたから…黙っててごめんなさい。」
「それならしょうがないか…」
「…それにしてもイブキさんとブラックちゃん、本当にどこに行ったのやら。最近はマロンちゃんだけじゃくてウミちゃんも泣きそうになってるし…」
「キングさん、こんな親父ですみません…」
「こらっ!こんなとか言わないの!後、敬語を使わない!」
「ごめんキング…」
さらに1週間が経ち…ソラ君がキングを連れて家へと来た。イブキさんは相変わらず帰ってこない…
「…母さん。先に用件だけ言うわ…僕、トレーナーを辞めて彼女と…キングと結婚する。」
「んん!?結婚は予想してたけど…トレーナーを辞めるの!?」
「…あぁ。このままだと…僕は間違えなくアップルに手を出すことになる。」
「…」
「今ならまだ義妹として見れる…だけど…これ以上一緒にいるともう…」
「ただいまっ!!」
ソラ君の話を聞いていると玄関からイブキさんの声が聞こえてくる。マロンちゃんが…ウミちゃんが…後、私も反射的に玄関へと足を運んでいた。そこにはグッタリしたブラックちゃんをお姫様抱っこするイブキさんがいた。
「お父さん~!お帰り~!!」
「ずっと家を留守にして…何してたの!」
「ごめんねマロン、ウミ…大人って色々あるんだよ…」
「「そんなので納得出来るわけ無いでしょ!!」」
「ごめんって…」
「イブキさん…もっと…もっともっとれす…」
「キタ母さんはどうしたの?」
「体力切れ…かな?」
え?逆なら分かるけど…じゃなかった!
「イブキさん。ソラ君とキングが来てますから…ブラックちゃんを受け取りますので先に応接間まで行っててください。」
「あぁ…分かった。栓をしてるから抜けないように背負うのじゃなくてお姫様抱っこでね。」
「………栓?」
何のことかは分からないふりをした。それで言われた通りにブラックちゃんを抱えて、ベッドまで運ぶ。シャンプーの匂いから帰る前にシャワーはしたのであろうけど…少し露出してる首や足からはキスマースが見える。ちょっと服を捲ると………うわぁ。2人でどんなことをしたのだろうか。ゴクリ…ん?ちょっとブラックちゃん?何で私の尻尾を掴んで……ぎゃーー!!
ーーー
セイに言われ、急いで応接間へと入る…中にはソラとキングヘイロー、さらにピーチ、ネイチャ、オグリ、ゴアと大人数で占められていた。
「イブキ…」
「イブキさん…」
「クソ親父…」
「今帰ったよ…ソラ。どういう状況か話を聞いてもいい?」
「…あぁ、1回で理解しろよ?」
ソラが俺へと語る。キングヘイローとの結婚を期にトレーナーを辞めるとのことだ。
「…それで、辞めた後のことは考えているのか?」
「考えてない…アップルの引き継ぎ先すらも…」
「キングヘイローはどう思っているの?」
「…いい大人だしソラさんの好きにすればいいと思っているわ。再就職しないならキングの主夫の権利をあげようかしら。」
「…そうか。じゃあ、俺から言うことは特に無いな。」
「はぁ?何言ってんだよ?ジャパンCで親父に負けたあげく…アップルに手を出しそうで怖いから逃げる、って無責任なことしようとしているんだぞ?」
「逃げでも無責任でもねぇだろ別に。」
「はぁ!?」
はぁ!?、って言われても…
「…悪いが俺は鈍感な男でな。君が俺に何を求めているかが分からないんだ。アップルの引き継ぎに困ってるなら俺が担当するし、辞めた後についての相談くらいは乗るが?」
「違えよ…アップルに手を出すかもって話で…」
「そんなソラと結婚するキングヘイローはそれを聞いてどう思ったの?」
「別にいいわよ。世間的は問題だろうけど…ピーチさんやスカイさんの話を聞いているうちに気にならなくなったし。」
「それはそれで問題だよキングちゃん。」
「…ソラさんがキングを選んでくれた、それだけでとっても幸せなの。」
「それについて私も同意…ここまで手を出される男だとは思ってなかったけど。」ギロッ
ピーチの睨みにゴアを除く俺の嫁全員が目を反らす。…ゴア、ピーチが怖くないの?
「だから…アップルさんに手を出そうとも…ソラさんが最後まで私たちと共に生きてくれるなら…構わないわ。…当然、卒業した後の話よね?」
「だってさ。ソラ、君はどうしたい?」
「……ハハッ。」
「ソラ?」
「アハハハッ!何か…1人で悩んだ僕がバカだったってことがよく分かった。やはり僕の周りは狂っているよ。」
「悩んだ…ってやっぱり困ってることがあったんじゃない!このへっぽこ!」
「うっ…はい。ごめんなさい…」
「キングちゃんはちゃんとソラ君のこと見ていたんだね。」
何かよく分からないうちにソラの悩みも解決したらしい。
「で、結婚とかトレーナーの件はどうなるんだ?」
「…キングと僕は結婚はします。…こんな僕でもいいのですよね?」
「やることやっておいて何を今さら…式の予定はこれから立てるつもりよ。」
「キングちゃんの花嫁姿…楽しみにしてるね。」
「それで…トレーナーの仕事は?」
「…辞めない。本当は親父に止めて欲しかっただけだったから…」
「そうか。気づけなくて悪かった。」
「だから来年から担当を増やそうと思っている。…今度こそ、親父を超えてやるために。」
「あぁ、待ってるよ。」
「後…アップルのことを受け入れる。卒業したら、キングの家で共に暮らす……でいいかなキング?」
「…ふふっ。最低な提案ね…でも、いいわよ。愛するソラさんの頼みだもの。」
「キングちゃん…」
「じゃあ、話が纏まったところで俺から一言。…キングヘイロー、息子を…ソラをよろしくお願いします。」
「…はい。任せてください。」
ソラとキングヘイローは手をつなぎ…みんなに祝福されながら家を後にした。こうしてソラの結婚報告とちょっとした反抗騒動は終わりとなったのだ。その後、ピーチとオグリ…さらにはマロンやウミ、スダチ、ジャックから2週間も不在になった件で物凄く問い詰められた。…ごめんなさい!
ネイチャの助けもあり、何とか数時間後には解放された…ありがとうネイチャ!キタサンの様子を見に行くと…セイをベッドの中へと捕らえて…その…よろしくやっていた。ゴクリ。まだ足りないか…この
さらに数分後、ピーチとネイチャに見つかり…キタサン共々一晩中怒られることとなったのはまた別のお話。
そして数日後…キタサンとセイの妊娠が伝えられた………え?セイも?