逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!   作:アマノジャック

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ディープボンドは天皇賞(春)で3着…凄いですね。本音を言えば勝って欲しかったけど…本当に凄いです。


愛が重イノックス編
無双の閃光と変幻自在


「俺としては移籍した以上、今の君の状態を維持したままで…」

「でもまだ成長出来るのなら、私は伸ばして欲しく…」

 

ドリーム・トロフィーシリーズへと移籍したイクイノックスと共に俺は夏のレースに向けてミーティングをしていると…突然に誰かが訪ねてきた。

 

「サブちゃん!マヤを抱いて!」

「分かった。イクイノックス、ちょっとマヤノを抱いてくるから俺が戻るまでにこの2つの資料に目を通しておいて。質問があったから後で答えるから。」

「はーい。分かりました。」

 

そう言うと…そのままマヤノの手を引いて学内のうまぴょい部屋に………

 

………

 

「いや!抱いてって何!?」ガラッ

「お帰りなさいトレーナーさん…ヤることヤってから何を言ってるんですか。」じー

「サブちゃん…上手…」

 

1時間後、ぐったりとしたマヤノをお姫さま抱っこをしたままトレーナー室へと戻る。入ると同時にイクイノックスの冷たい眼差しもあり、冷静さを取り戻す俺。とりあえず、マヤノにはアフターのアレを飲んでもらうとして…

 

「…どうしよう…またピーチに殺される。」ガクガクッ

「自業自得ですよ。それでマヤノトップガンさんはどうしてここに?」

 

震える俺を他所にマヤノは腕から下りて、すぐそばの椅子へと座った。

 

「ちょっとセナちゃんに会いに…」

「セナに?アイツなら君とユーズトップガンが卒業した後にURAのお偉いさんと結婚して寿退職したぞ?連絡取ってなかったのか?」

「…ううん。取っていたけど…そういうことは教えてくれなかったの。」

「そういえば式とかは挙げてなかったな…とは言え久しぶりだねマヤノ。今は何をしてるの?」

「マヤはね…今はあるバーで働いるんだ。」

「バーか…意外だな。今夜、早速行ってみてようかな。」

「トレーナーさん…また、羽目を外してアホなことになる未来しか見えないのですが?」

 

アホって…いや、事実だけどさ…。

 

「…大丈夫、もう地獄になるのは確定してるから。で、どんなバー何だ?」

「マヤがバニーガールになって…」

「お持ち帰りは可能か?君にならボトルXXXX万くらいは貢ぐぞ?」

 

マヤノのバニー!何それ?すっげぇ見たい!

 

「うわぁ…」

「サブちゃん…いや、マヤ的には嬉しいけど…」

 

ドン引きした顔を見せる2人…はっ!しまった!

 

「わ、悪い…久々に会ったら綺麗になってて…さらにバニー何て聞いたからつい…」

「ふふん!マヤも大人になったからね!セナちゃんよりもナイスバディでしょ?」

「うん、柔らかくて最高に気持ち良かったよ。」

「発言が最高に気持ち悪いですよトレーナーさん…」

「サブちゃんのアレも…きゃっ!最高だった!」

「どっちもどっちか…」

 

顔を赤くしてモジモジしながら尻尾をバタつかせるマヤノ…何この可愛いウマ娘。食べちゃいたい…いや、さっき食べたけど。

 

「…でだマヤノ。何で『抱いて』とか言ったんだ?」

「ノリかな…ネイチャちゃんが自慢してくるから気にはなっていたの。…まぁ、確かに当たりだったけど。」

「トレーナーさん、私帰っていいですか。この空間にいたくないのですけど。」

「マヤノ、品の無い話は今度聞くからここまでで。とりあえず…俺らのトレーニングでも見ていくか?イクイノックス、久々にアレをやろう。」

「アレですか…いいですね!」

「…アレ?」

 

ーーー

 

誰もいないトレーニングコース…まぁ、イクイノックスが走るためか、その場にいた全員が引っ込んでしまっただけの話なのだけど。

 

「始めっ!」パンッ

 

「ーー!」ダッ

 

俺の手拍子と同時にイクイノックスが走り出した。プログラム通りであれば…今、イクイノックスのいる位置は2番手になるのかな?…よし。

 

「…」ピッ

 

俺はタブレットを操作する。

 

「ー!?」ダッダッ

 

「ノックスちゃんのペースが上がった!…何か後ろを気にしてない?」

「よく分かったな。イクイノックスは今…背後から来るウマ娘たちを感じている。」

「…どういうこと?」

「後で詳しく言うよ。とりあえず、今は先頭で逃げてる…君の有マと同じだよ。」

 

先頭に立ったイクイノックス…ドバイで見せたあの走りが、キタサンに憧れたあの走りが、レコードを叩き出したあの走りが、走マ灯のように蘇る。…おっと、そろそろ最後の直線か…今回はカワカミとロブロイで末脚を出そう。

 

「…」ピッ

 

「ーー!はぁぁぁ!」ダンッ

 

「ここでさらに伸びるの!すごーい!」

「…ゴールだな。」ピッ

「はぁ…はぁ…どうですか?」

「んー、流石に全盛期レベルのは出ないか…それでもロブロイに半バ身差つけてるから…G1でもまだ十分に戦えるタイムだな。じゃあ、次いくよ!」

「はい!」

「ロブロイちゃん?サブちゃん、さっきから何を言ってるの?」

 

マヤノが困惑した顔をみせる…そろそろネタバレと行こうかな。

 

「ちょっと来てみ!」

「…?」

 

トテトテと可愛い仕草で俺の前まで来るマヤノ…タブレットを操作する。

 

ドンッ

 

「ーーひぃ!?」ダキッ

「こういうこと…マヤノ、くっつくな。」

 

足下から衝撃が伝わり、ビックリしたマヤノが俺へと抱きついた。そうしているとイクイノックスも俺の所へと寄ってきた。

 

「何々?どういうことなの?マヤ分かんない!」

「地面から振動が来てるのですよ…誰かが走っているのを感じられる程のね。」

「んー、何となく分かったような…分からないような…」

「実際に試してみるか?」

「いいの!?でも、もう現役程は…」

「ゆっくりでも設定できるから。軽く歩いてみて。」

「アイ・コピー!」

 

マヤノの動きに合わせ、ダブレットを操作する。

 

「すごい!本当に後ろに誰かいるみたい!」

「でしょでしょ!イブキトレーナーがたどり着いた私専用のトレーニング何ですよ!」

「…併走相手がいないからな。」

 

ピーチやソラやゴアに頼んでも拒否されるし…まぁ、俺も逆の立場ならそうするだろうけど。

 

「そういえばロブロイちゃんとカワカミちゃんの名前を出していたのは?」

「あぁ、イクイノックスの併走相手だよ。レースで発揮していた本気の末脚だ。」

「トレーニングでする内容じゃないよ!?というか、どうやって再現してるの?」

「アイツらの…というか担当してきたウマ娘の走りなら全員覚えているよ。マヤノ、もちろん君の走りもね。」

「…凄いね。」

「違うよマヤノ、君が凄かったからだよ。その動きをタブレットで操作して再現してるんだ。」

「ちなみに、現在のトレセンでそんな操作が出来てるのはイブキトレーナーだけです。」

「まぁ、基本プログラムで十分なトレーニングになるしな。」

 

イクイノックス以外は。

 

「…これがイクイノックスのトレーニングだ。少し話し込んでしまったが…そろそろ走れるか?」

「はい、よろしくお願いします!」

「よし、今回は告知しておこう…マヤノとピーチだ。」

「あの…2人の脚質は…」

「君の動きで決めるかな。」

「…そうなりますか。では、もう1本お願いします!」

 

今日こそは負かす。

 

ーーー

 

「…お疲れ様。」ピッ

「はぁ、はぁ…どうでした?どっちかに並ばれてしまいましたが…私が前でしたよね?」

「答えはトレーナー室で見せるよ。」

「…」

「マヤノ?」

「サブちゃんって凄いね。本当ならマヤがサブちゃんの初めての担当になっていたんだよね?」

「…イブキトレーナー?どういうことですか?」

「昔の話だよ。俺がオグリキャップやトウカイテイオーのサブトレーナーをしてたって話は覚えてるか?」

「はい、覚えてますが…」

「テイオーの奇跡の復活後…俺も担当を持つことが決まったんだ。それが当時の問題児のマヤノだった。」

「マヤノさんが問題児?」

「あー!サブちゃん!そこはつまらないからカットしてカット!」

「はいはい。とりあえず、その時のマヤノは才能あるのにサボリ癖があってな…んでサブトレーナーとしてそこそこ実績があった俺にスポットライトが当たった訳だ。」

「有マ記念を制したウマ娘のいるチームのサブトレーナーが…そこそこ、ですか?」

 

…1部の先輩トレーナーからは寄生虫と思われていたけどな。

 

「俺一人だと手に余ると判断した学園はもう一人トレーナーを寄越してきた…それがセナだった。試験成績をトップで通過した期待の新人だ、って紹介されてな。」

「…え?セナちゃんってそんなに凄かったの?何というか…落ち着きがなくて、抜けていて…マヤとは別の意味での同類かと思ってた。」

「つまり…トレーナーさんは2人同時に面倒を見ることになったということですか?」

「察しがいいなイクイノックス。まぁ、新人トレーナーとしてはかなり仕事は出来ていたけどね。」

 

データ整理とかトレーニングのケアとかすげぇ上手かったんだよなセナ。

 

「あれ?それだと何でイブキトレーナーがサブに?」

「提出した書類…担当とサブのところが逆になっていたから………らしいわ。」

「へ?」

「そんな理由?なら、すぐに修正すれば…」

「全部が決まった後にそれを知った。その件も何年か経って、俺への嫌がらせで行われたと学園長から聞かされた。犯人はそれとは別件で資格を剥奪されていたがな。」

「サブちゃん…」

「まぁ、そんなマヤノに振り回されながもトゥインクルシリーズでG1レースを4勝と大暴れした訳だ。そして、マヤノがトゥインクル引退と同時に俺も独立が決まって…2人とも必死に止めてくれたな。」

「当たり前だよ!ずっと…ずっと、一緒に居てくれると思っていたのに!」

「…」

「さて、昔話はここまでにしておこうか。イクイノックス、部屋に戻って結果を確認するぞ。」

「…はい。」

 

模擬レースのデータと見てみると俺は途中からマヤノしか操作していなく、マヤノとイクイノックスの接戦となっていた。そして、立体化させると…イクイノックスがアタマ差でマヤノに勝っていた。

 

ーーー

 

「ではトレーナーさん、今日もありがとうございました。またよろしくお願いします。」

「あぁ、気をつけて帰ってね。次は何かデザート持ってくるから…カロリーはちょっと控えてね。」

「分かりました!」

 

そういうとイクイノックスはトレーナー室を後にした。残った俺はピーチから借りた(*ここ重要。決してピーチの手伝っている訳ではない)書類をピーチが指導しているウマ娘の人数分コピーしつつ、ネイチャから送られたシドウの写真を眺めていた。それをマヤノが覗きにくる。

 

「この子がネイチャちゃんとの子供?」

「…あぁ。」

「ネイチャちゃん、すっかり大人のオンナだね。」

「…あぁ。」

「サブちゃん…マヤね、怖いの。サブちゃんやセナちゃん、ユズちゃんにマベちん、テイオーちゃん、ネイチャちゃん、ブライアンさん…みんなみんなマヤから離れていってるみたいで…怖いの。」

「…」

 

マヤノは今にも消えそうな…そんな声で俺に語りかけてくる。

 

「そろそろ帰るね。サブちゃん…突然のマヤのお願い、聞いてくれてありがとう。…もし出来てたらサブちゃんの名前、使ってもいい?」

「…ダメだ。」

「…そっか。うん、そうだよね…」

「このまま帰っちゃ…ダメだ!」

「…へ?」

「マヤノ…5分だけ待っててくれ。俺も今日は帰る。」

「……え?」

 

大量にコピーした書類を抱え、部屋を後にした。

 

ーーー

 

数十分後、俺はマヤノを連れて自宅へと帰っていた。

 

「ただいま。」

「お帰りぱぱ。」

「お父さん、今日は早いね~!!ご飯一緒に食べようよ~!」

 

マロンとスダチが出迎えてくれる…今回はウミやジャックはいないようだ。

 

「うん、そうするよ。でも、その前に紹介したい人がいるんだ。マヤノ!」

 

「…」

 

マロンとスダチの前に立つマヤノ…若干顔が赤い。

 

「綺麗な栗毛のウマ娘さんだ!!」

「…また新しい女?」じー

「マヤノトップガン。昔の担当だよ…というかネイチャの友達。」

「お母さんのお友達!あのね、わたしはマロンネイチャ!よろしくねマヤノさん!」

「うん、よろしく。」

「…私はスダチキャップ。あなたのことは前から知っていた…以後、お見知りおきを。」

「よろしくね。このジュース…よかったらみんなで飲んでね。」

「これは現在人気で品薄の…!ありがとうございます。」

「わぁ!ありがとう!」

「じゃあ、ネイチャとシドウのところに連れていくから!また、ご飯の時に!」

「うん!またね!」

 

そう言うとネイチャの所へと直行した。ノックした後に返事を聞き、部屋へと入るとちょうどシドウは眠っていた。

 

「…え?マヤノ?久しぶりじゃん!何年ぶりだろ?」

「ネイチャちゃん…本当に久しぶり!」

「あはは…何だろ。何か急に恥ずかしくなってきたな。」

「何でだよ…」

 

そういいながら、ネイチャは自身の髪を触り始める。

 

「にしても、イブキさんが誰かを連れてくるって珍しいですね。」

「まぁ、元担当トレーナーに会いに来たみたいだけど…すでに退職しててな。手ぶらで帰らせるのも何だしイクイノックスの練習を見せてたんだわ。」

「えぇ!うわぁ…マスコミとかがめっちゃ気にしてることじゃん。よかったねマヤノ。」

「う、うん…」

 

マヤノの言葉が詰まる…とりあえず、何か別の話題を…

 

「ネイチャ。そういえばマヤノ、今はバーで働いてるらしいぞ。」

「バー?へー、意外。何て店?」

「XXXガーデンってところで…」

「ぶっ!!マヤノ、あの店の衣装着てるの!?」

「そんなに有名なのか?」

「限られた人しか会員なれない極秘の店で…その詳細は不明…」

「普通にキャストとかメンバーとかお店の関係者に紹介されたらなれるけど…」

「なります!」

「イブキさん?」ゴゴゴ

 

怖っ!ネイチャが首をゆっくり動かしながら、今まで見たことない目で俺を見てる!?ピーチの影響受けたの?

 

「…いや、会員になるかどうかは好きにすればいいですよ。マヤノ、アタシもこの子がある程度大きくなったらまた店を再開する予定だから…その時はまた店に顔を見せてよ。」

「…アイ・コピー。」

「久々に聞いたねソレ。」

 

「お父さん、お母さん!ご飯!」

 

マロンが俺たちを呼びにくる。

 

「あいよー、すぐいくわ。そういえばイブキさん、マヤノのことってスカイに言ってあるの?」

「言ってる言ってる。マヤノ、一緒に食べよう。」

「え?いや、そこまでして貰うのは…」

「いいから行こ行こ…多分ビックリすると思うけど。」

「…ビックリ?」

 

ーーー

 

夕食の時間になり…今日はマヤノを含めて13人か…

 

「多っ!この子たち全員がサブちゃんの子供!?どれだけの女の子と関係持ったの!?」

「マヤノを含めて…7人?」

「イブキさん、また手を出したのですか?」

「…今回は普通に出した。」

「プレイボーイが。」チッ

「スダチ、舌打ちはダメだ。しかし、マヤノトップガン…君もイブキが好きだったんだな。」

「好き、なのかな?」

「わたしはお父さんのこと大好きだよ!」

「ありがとうマロン…俺も好きだ。でも、好き嫌いせずにしっかり食べるマロンの方がもっと好きだぞ。」

「うっ…頑張って食べる。」

 

キノコをにらめっこするマロン…あ!ちゃんと食べた。

 

「サブちゃんのこと、好きかどうかは分かんないけど…ただ会えなくて寂しいとは思う。」

「それは好き、でいいと思いますよ。一時期イブキさんが行方不明になった時は…本当に苦しかったので。」

「いや~、あの時は私が原因なんですけどね~。」

「キタちゃん…スカイちゃん…本当にサブちゃんってモテモテなんだね。」

「マヤノさん、マヤノさん。どうしてお父さんのことサブちゃんって呼ぶの?」

 

マロンが2つ目のキノコとにらめっこしながらマヤノへと質問をする。あ、食べた。

 

「そういえば、そうですね。アタシとしてはお父さんの芸名に似ていて良い呼び方だと思うのですが…」

「大した理由じゃないよ。サブトレーナーに決まったからそう呼ぶことになったの…変えた方がいいかな?」

「好きにしていいよ。」

「じゃあ…イブキちゃん。」

「…いいな。」

『ぱぱ/お父さん/イブキ(さん)?』ゴゴゴゴゴ

 

何人かからものすごいプレッシャーを感じる。俺はそれ以上は喋ることなく…セイのご飯を食べた。

 

ーーー

 

「ごちそうさまでした…ご飯、美味しかったよ。」

「そう言われると嬉しいよ。また、食べにきてよ。」

「…また来て…いいの?」

「いいよ!いいよ!もっとお母さんの昔話とか教えてよ!」

「いやマロン…それは勘弁してほしい…」

「あはははは!」

 

マヤノが大声で笑う…あの時と同様の幼さが見える無邪気な笑顔だ。

 

「それじゃあ、マヤはお仕事いってくるね!いっぱい元気をくれてありがとう!」

「送っていくよ。」

「ありがとう!」

「アタシもご一緒しますね。」

「キタサン?安定期とはいえ、それは…」

 

カチッ

 

キタサンに首輪とリードを付けられた。キタサンから付けられるのは久々だ。

 

「まぁ、マヤノさんなら大丈夫だとは思いますけど…念のためです。イブキさんのこと信じていますけど。」

「いや、信じてないよね?別にいいけどさ…」

「いいんだ…」

 

その後、マヤノの働いている店へと送った後に会員となり…俺はお酒を、キタサンはジュースを軽く飲む。働くマヤノはキラキラとしていて…とても綺麗だった。そして、帰り際にパパと呼ばれ…キタサンが超ウマ娘化したのは別のお話。

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