逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ! 作:アマノジャック
「は、はぁ…はぁ…」
「キタサン!もう少しだ!もう少しだからな!」
「はぁ…はぁ…イブキさん…」
「おぎゃゃ!」
「……しっ。産まれたぞ。後1人!」
「キタサン、大丈夫か?」
「は、はい…」
「ゴールドシップ。もう1人も無事に生まれ…」
「オメーはキタサンから目をそらすな!」
「…すまない。」
「はぁ…はぁ…」
「キタサン大丈夫!大丈夫だからな!」
「は、はいぃ…」
「おぎゃゃゃ!!」
「しゃっ!元気な赤ん坊の誕生だ!後で会わせてるやっから…キタサン、よく頑張った。」
「ゴルシさん…ありがとうございます…」
「ありがとうゴールドシップ…本当にありがとう…」
アップルへ。キタサンが無事に子供を出産しました…双子です。
………
「男子とヒト娘の双子か…珍しい組み合わせだな。」
「名前…どうしますか?」
「俺はもう考えてるよ。でも、キタサンからも聞きたいかな…」
「…その…すみません。アタシは…ウマ娘としての名前しか考えてませんでした…」
「ウマ娘から人間の女の子が生まれるのは稀だからしょうがないか…。男の子には強そうだということで"ノブナガ"、女の子には幸せが来ると書いて"サラ"、と言う名前にしようと思っている。」
「ゴルシちゃん的には"ゴールデンアップル"って名前を提案するぜ!」
「…人間用の名前だからな?」
「キラキラネームとしてありだろ?アタシとオメーで子供が出来たらそう名付けてやんよ!」
「笑えない冗談……じょ、冗談だよね?」
「イブキさん?声、震えてません?」
ゴールドシップとそういうことはしていない…筈だ。記憶には確実に無いが、何故か自信が持てない…だってゴールドシップだから…うん。
「イブキ、お前ってベッドの上では○クザになるんだろ?キタサンの身体中に付いた痕…凄かったぜ?」
「イブキさん!?まさか、ゴルシさんに見せて…」
「見せる見せない以前にそんなの撮ってないけど!?」
「ホラ、これが証拠だ。」
ゴールドシップがスマホを見せてくる…メジロマックイーンが下着姿で体重計に乗っている写真だ。周りに脱いだであろう服が散らばっているが…そんなのは気にならない。あぁ、いい尻だ。ゴクリ。彼女の履いている純白のパンツにより俺のナニカが熱くなるのを感じる……じゃなかった!?
「
「イブキさん?」ゴゴゴ…
「…悪いな。マックちゃんにバレたら不味いから…代わりにこれをやるよ。」
「これは…!?」
写真のメジロマックイーンが履いていた純白のパンツ…ほんのりと温かい。何故だろ…まぁ、いいや。宝物にしよう。キタサンにバレる前にポケットにしまって…
「イブキさん?何を受け取ったのですか?」
「い、いや…その…」
「ゴルシちゃんのパンツ。」
「君のかよ!?」
「いや、普通気づくだろ?」
「返せ!メジロマックイーンのだと期待した俺のドキドキを返せ!それはそうと、これはこれでありがとう!」
「…へー、アタシたちがいるのに…まだ、他の女の子に興味があるんですね?」
「いや、これはその…」
「ゴルシちゃんは大歓迎だぜ♪おら、酒盛りじゃい!」
ゴールドシップは一升瓶を取り出して床の上へと置く。…何故、お酒?
「君は仕事中だろ!それに…俺にお酒はマジでダメやつ…」
「アタシだって飲みたくても飲めないに…」
「まぁまぁ、聞いてくれよ~!この前、ゴルシちゃん芦毛組の飲み会に行ってきてさ~、色々と飯を用意したぜ!んで、オグリキャップが刺身食いたいって言うからさ~、スマホを借りてな…その時に凄いのを見ちまった。それがこれだ!」
「なっ…!?」
「い、いや…!」
次にゴールドシップが見せてきたのは身体中にキスマークを付けた俺とキタサンが裸で並んで寝ている写真。これ、ホテルから帰った後の……絶対にセイが撮ったやつだ!確か、この後はピーチとネイチャに叩き起こされて…
「け、消してくれゴールドシップ!」
「そうですよ!こんなのが広まったら…アタシ、今の仕事が出来なくなりますよ!」
「まぁ、大丈夫だって!その時はニートかクノイチにでもなってコイツを妖魔から守ってやればいいって!」
「何の話ですか!?」
「オメーらの赤ん坊の名前を決める話だろ?」
「「そうだった!!」」
結局、名前は最初に俺が提案した"ノブナガ"と"サラ"に決まった。その後、隣の病室にいたセイに写真の件を問いつめようとするも"ザクロスカイ"に泣かれそうになり…諦めた。
───
「久しぶりだねイクイノックス。」
「えぇ、イブキトレーナー。それで…家族全員の出産は終わったのですね?」
「3ヶ月後にピーチと…年明けにはマヤノも…」
「マヤノさんとも出来ていたのですか!?」
「…うん。あの時のがヒットしたみたい。」
「立ち合っていた感じがして…複雑な感情です。」
「んん、俺のことはいい。トレーニングを始めるよイクイノックス。」
「この状況で!?」
「夏のドリームトロフィーリーグを勝ったんだ…このまま、冬も勝ってもらうよ。」
「それは……はい。」
………
アップルはトゥインクルを引退しドリームへと移籍。一方、僕は憧れのキングヘイローさんと結婚し、年が明けると…1人のウマ娘を担当することとなった。
「…」ダッダッダッ
「もっとペースを上げろ。」
「…はい。」
ダンッ
「はあぁぁぁ!!」
「待て待て!仕掛けろって意味じゃないぞ!」
「…すみません。」
「急にペースを落とすな!…ゆっくりと落としてくれ。」
「…はい。」
彼女の名は『リフレーミング』。アップルより1つ上の世代のウマ娘であり、3勝クラスにいたものの…前の担当トレーナーが退職するのもあり、僕が担当を引き継ぐこととなった。元々アップル以外のウマ娘を担当しようとは思っていた…彼女が僕の奥さんとなったキングさんに憧れているから、と噂で聞いたから彼女を引き受けた訳ではないことは明言しておこう…んん!才能が開花したのか勝ち続けOPクラスへと入り、重賞レースにも2度挑戦した。どちらも掲示板に入っているが…後、1歩が届かない。ピッチ走法による後方からの末脚には才能を感じるのだが…
「トレーナー、終わりましたわよ。」
「あぁ、今日はここまでだ。クールダウンをしたら、ゆっくりと休んでくれ…自主練はダメだぞ?」
「はい、死んでも守りますわ。」
「そこまで重く考えないでくれ…お前には実力がある。今度も勝ってキングにカッコいい姿をみせるぞ!」
「はいっ!G1ウマ娘になりますわ!」
訂正、先日の小倉記念をレコードタイム勝って既に重賞ウマ娘になっていた。100回くらいそのレースを見たからか、記憶にゲシュタルト崩壊を起こしたようだ。
───
トレーナー室へと戻ると…アップルがサマートロフィーでのレースをみていた。アップルはマイル部門、親父の担当するイクイノックスはミドル部門にて見事優勝し…柄にもないガッツポーズをしたのは記憶に新しい。僕に気がつくと近づいてきて僕の膝の上へと座ってきた。
「ソラ兄、リフレちゃんの走りはどう?」
「アップルとは脚質が違うからか指導する内容も大きく違うな……それを複数人同時に指導できる親父って凄かったんだな。」
「アハハ!またパパと比べてる…ソラ兄もかなり凄いんだよ。トレーナーってスカウトした担当ウマ娘を重賞に出走させるのに何年もかかる世界なのに…3年で私を芝とダートのG1で勝たせてくれたんだもん!」
「…お前を世界一にはしてやれなかった。」
「それこそ達成出来てたら怖いよ!…いや、達成しかけた時点でとんでもないけど!」
「お前にはそれだけの強さがあった…」
「もう終わった話はいいから。」
まだ、終わっていないのだが?正直に言うが僕は…
「お前以外を指導するのが怖いんだ…」
「ソラ兄…」
「僕は…親父とか関係なく…自力でトレーナーになったとは思ってる。でも…実際は親父やピーチさんにフォローしてもらったり…お前の才能に甘えていただけで…まだまだ未熟なトレーナーだ。」
「ううん!私はソラ兄がいたからここまで強くなったんだよ!」
「…」
「そういえば聞いた?スカイママとママ、赤ちゃんが生まれたんだって!ほら!ママのは双子だよ!」
空気を変えようとピーチがスマホから写真を見せてくる。お袋とブラックさんと親父が1人ずつ抱いており、男子と女子とウマ娘で…あれ?
「人間の…女の子?」
「うん、ママが生んだ女の子は人間だったみたい。まぁ、ウミちゃんもそうだけど…珍しいよね。」
「しかし…お袋はこれで何人目やら。」
「卒業したら私もそれくらい生んであげるよ?」
「…お前にはまだ早い話だ。」
子供か…もし生まれたとして、僕はちゃんと父親を出来るのだろうか?…何故だろう。実際に想像すると不安しか無いのだが…親父のことを考えると急に気楽にも思えてくる。いや、こういう話こそキングさんに相談するべきことだ!となれば今夜に早速…
「キングさん…えへへへ…」
「むぅ…ソラ兄!今は私のことを考えてよ!」ぷくー
嫉妬してかアップルが頬を膨らませている…可愛いな。アップルは冬のレース、リフレーミングは天皇賞(秋)へと出走する。怖がっている時間は無い…担当するウマ娘の指導をしっかりとしていこう。
現在のイブキの子供たち
・ラウンドピーチ
オウゴンドラゴン、リク、???
・セイウンスカイ
ソラ、メロンスカイ、グレープスカイ、ウミ、キウイスカイ、ザクロスカイ
・キタサンブラック
ブラックアップル、ノブナガ、サラ
・ナイスネイチャ
マロンネイチャ、シドウ
・オグリキャップ
スダチキャップ
・イージーゴア
ジャック
・マヤノトップガン
???
・イクイノックス
───
・ゴールドシップ
───