逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!   作:アマノジャック

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セイウンスカイ、誕生日おめでとう。

それはそうと青葉賞…応援するのはフィーリウスとヤマニンブークリエ。キタサンブラック産駒の2頭。…そして、思い出す2年前に勝利したスキルヴィンク。全頭完走を祈ります。


トリックスターは語りたい2

「へー、てっきり実家がケーキ屋さんか何かと思っていましたよ~。毎度のことながら…今日もプリンが美味しいです!」

「セイが喜んでくれて俺も嬉しいよ。まぁ、これは趣味で始めたこと…」

「とか言いつつ高校時代は大会に出て賞を貰っていたでしょ?」

「ピーチ!?い、いや…そんな大した話では…」

「フランスに留学へ行くように薦められたとか聞いたけど?」

「…誰から聞いたの?」

 

ドリームトロフィーへと移籍し、イブキさんやピーチちゃんとの会話が増えた。アイリちゃんが併走トレーニングを頻繁にイブキさんにお願いしてるからで…あれ?何でまたイブキさんにお願いしたのだろう?

 

しかし、こうしてチーム交友会という名のおやつタイムにより再びイブキさんの手作りスイーツを味わえるのは嬉しい話だ。それにしても…ピーチちゃんは警戒しているのか私がイブキさんと話してるところに割り込み、こっそりと睨んでくる…まっ、そんなことは気にならない。それより…

 

「スカイさん~♪今週末、予定は空いてますか~♪カレンのお買い物に付き合って欲しいな~♡」

「…それって私が買う分も入ってる?」

「もっちろん~♪」

「えーと、今週はフラワーと…」

「フラワーさんは両親と担当トレーナーさんと一緒に遊園地に行くって聞いてますよ~?」

「…に、荷物持ちでなら…」

「ダメですよ!せっかくのお買い物ですから、スカイさんにもカレンの選んだ可愛いのをつけて欲しいんですよ~!…どうしても嫌?」

「うぐっ!?」

 

彼女はカレンチャン。アイリちゃんが新たに担当することとなったウマ娘。また有名なウマスタグラマーらしく、適性距離も性格も私とは正反対なウマ娘。…アイリちゃんが大ファンで…何か契約出来たらしい。つねに「カワイイ」を追及しており…それをアイリちゃんと私にも求めてくるのだ。アイリちゃんは喜んで着せ替え人形になってるけど…私は服とかあまり気にしないから……うん。

 

「…またイブキトレーナーに褒められたくないですか?」ボソッ

「──っ!?」ビクッ

「決まりですね♪」

 

…そして、私の気持ちも察している。こうなるため…彼女のお願いは絶対に断れない。

 

「ピーチさん!ピーチさん!次の休みですけど~、また一緒にスイーツビュッフェに行きませんか?カレンのフォロワーさんが良いところを教えてくれまして~」

「次の休みね…」

「あ…予定ありました?イブキトレーナーとデートとか?」

「いや…まだだけど…」

「ではでは、お願いしますね~♡」

「強引な子ね…いいけどさ。」

 

此方にウインクをするカレンチャン…彼女を引き受けたからチャンスだぞ、誘え、という圧を感じる。…まぁ、イブキさんも空いてる可能性が出来た訳で……釣りにでも誘ってみますか。

 

………

 

「…いやー、私からも誘っておいてなんですけど…ピーチちゃんはいいのですか?」

「ピーチはカレンチャンと遊んでるらしいからね…アイリはアイリで虫付けるのが嫌、って話だったし。まっ、他の女の子ならともかくセイとなら2人きりでもピーチはうるさく言わない………といいな。それに…ピーチ以外だと誰も誘ってくれないし。」

 

勇気を出して誘ったデートだったが…上手くいった。いや、現在進行中ではあるけど…イブキさんは来てくれた。ピーチちゃんと付き合っている以上は他の女の子と遊ぶべきではないのだけど…それを指摘する私ではない。

 

「イブキさんは釣りをするのは初めてですか?」

「あぁ。準備とか大変なイメージだったけど…こんなに簡単に出来るとはね。」

「釣り堀ですからね…竿は最初から用意されてますよ~」

「しかし…なかなか釣れないな。」

「釣りの殆どはこうやって待ってる時間です。まっ、のんびり待ちましょ~」

 

軽く周囲を見る…男の人ばっかりと思っていたそうでもない。女の人だけのグループが3グループくらいあるし…カ、カップルで来てる人もいた。私たちも端から見ればそう見えるのだろうか?

 

「…おや?」

「セイ、これって魚が食いついてる感じ?」

「そうなりますね…では、見ていてくださいね!」

 

イブキさんが見ている中でリールを回す…ん?ここで釣った中では1番の手応え…そのままリールを回し…立派な真鯛が釣れた。

 

「おぉ!かなり大きいな!…いや、釣り人にとっては普通くらい?」

「いえいえ…私基準でもかなりの大物です。まだ残っていたんだこのサイズ…」

「そうなんだ…やったねセイ!」

「はい!」

 

これはもう…直ぐにイブキさんに食べて欲しい。イブキさんを連れて買取した後でここにある厨房へと直行した。店員に真鯛を渡して席へと座る。

 

「しばらく待っててください。」

「うん…その場で食べれるんだ。」

「私も利用したのは初めてですよ~。イブキさんのお陰ですね。」

「いや、俺は何もしてないけど…」

「またまた~勝利の女神とか呼ばれてるのでしょ?」

「有マ記念限定でね…」

「ピーチちゃん、カフェさん、ロブロイさんに続いてスカーレットちゃんも勝ちましたからね………いや、本当に凄過ぎでしょ?」

「あははは…スカーレットはゴアによる指導のお陰だけどね…」

 

何てこともない会話をしているうちに刺身になった真鯛が来る。

 

「美味しそうだね。」

「ではでは~、勝利の女神様に最初の1口を捧げますね…あーん。」

 

互いに写真を撮り、私は醤油を軽くつけた刺身を1切れイブキさんの口の前へと運ぶ。イブキさんはキョトンとした顔になりながらも…

 

「あ、あーん………美味しい!」パクッ

「ではセイちゃんも…んー!いいですね!」もぐもぐ

 

その後は刺身を箸でつつき合い…あっという間に食べきった。…あ、今思えば私の箸…間接キスになってたな。その事を思い出し寮のベッドで悶えてた所をローレルさんに見られてしまった。

 

───

 

「おめでとう~、カレン~、マイエンジェル~!」

 

「スカイさんスカイさん。アイリちゃんって…お酒飲んじゃった?」

「飲んじゃったみたいだね…」

 

カレン(と呼ぶようになった)の初G1勝利をとあるレストランで祝っていたのだが…アイリちゃんがジュースと間違えて頼んだのかアルコールを飲んでしまった。普段はお酒に強いと聞いていたが……今回はカレンの勝利もあり、かなり出来やすい状態になってしまったのだろう。まだ個室だったのが不幸中の幸いか。

 

「お会計はカレンたちで何とか出来るけど…」

「車で来ちゃってるからね…」

 

そう言いつつスマホを取り出す私。そのまま、あの人に電話をかける。

 

「代行でも呼んだの?」

「ううん。イブキさんだよ。今はアイリちゃんの弟さんと一緒にいるみたいで…とりあえず、私たちはイブキさんの車に乗って寮まで送ってもらうことになったから。」

「冷静な対応、ありがとう♪こういうことって過去にもあったりしたの?」

「いや、初めてで…今も内心ではかなり焦ってる。」

「それはカレンも一緒だよ。」

 

その後、到着の連絡を聞き、会計を済ませ、アイリちゃんを連れて店を出る。イブキさんと弟さんが駆けつけてくれて……ん?

 

「お…お兄ちゃん!?」

「え?俺のこと?」

 

何かカレンが弟さんのことをお兄ちゃんと呼び始めた。混乱する弟さんだが…アイリちゃんを車へと乗せる。

 

「スカイさん、カレン…アイリちゃんの車に乗るね。」

「…へ?」

「イブキトレーナー、スカイさんを美浦寮までお願いしますね。」

「あ…うん。分かった。」

 

こうして、私はイブキさんと2人になることが出来たのだ。胸がドキドキし始める…これはまたと無いチャンス…何か喋らないとと口を開いた。

 

「あの…イブキさんってアイリちゃんの弟さんの知り合いだったのですか?」

「うん、そうだよ。中学からの付き合いで、俺がトレーナー試験を受けると聞いた時にはわざわざアイリから参考書を借りてきてくれてね。」

「へー…」

「まぁ、良き友人ってやつだね。アイツ、かなりお人好しで困った人を誰でも助ける漫画の主人公みたいな男なんだけど…意外にもバレンタインでチョコとか貰ったこと無かったんだよな。俺が部活で作ったのを喜んでくれて…」

 

何故かアイリちゃんの弟さんについて延々と聞くことになった。そして翌日からカレンがアイリちゃんのことをアイリお姉ちゃんと呼ぶようになっていた。

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