逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ! 作:アマノジャック
「「うぇーい↑(↓)ばあちゃん、久しぶり♪(…)」」だきっ
「2人とも元気そうでなによりだよ。」
ハイテンションなメロンちゃんとローテーションなグレープちゃんの2人が勢いよくお母さんへと抱きついた。そう…今日私たちは実家へと帰ってきたのだ。
「おぉ、ソラ!大きくなったな!」
「ひいじーさんこそ元気そうで何よりだ。約束通り、釣りに連れていってくれるよな?」
「勿論だ、早速、行くとしよう!」
ソラ君はじいちゃんが大好きで1度話し始めるとそこから離れようとせずずっと何かを話しているのだ。というか家にいる時よりも喋っている気がする。
「…」
そして、子供たちに構ってもらえず寂しそうな顔をするお父さん。去年まではメロンちゃんとグレープちゃんが2人で勢いよく抱きつきにいってたが…受け止めきれなくなってしまい、お母さんの方へと行くようになったからだ。
いつもであればイブキさんと近況を話しているけど今回は用事でいない。私、ソラ君、メロンちゃん、グレープちゃんの4人なのである。無理やり付いてこようとしてたけど、まぁ今日は野菜を貰いにきただけだからね…車に乗せるスペースもあるし、今回は仕事を優先してもらった。空気を読んでかグレープちゃんがお父さんの所へといった。
「じいちゃん…うぇーい…」だきっ
「グレープちゃん!?」
お父さんはグレープちゃんに優しく抱きつかれ…泣いて喜んでいた。お父さんは人間だからね。加減さえ出来れば大丈夫ということにグレープちゃんは気づいたみたい。メロンちゃんもこうすればいいんだけど…
「んでんでパパがあたしに走る才能あるってからテンション爆上げ!これはもうトレセン学園行くしかなくね?」
「フフフ…メロンちゃんならきっと入れるわよ。」
「センキュー、ばあちゃん↑ふぅー↑これはもうガチでG1勝つとこ見せるきゃないっしょ!」
「ならパパさんが担当になってくれるといいわね。」
「んー、パパは今『きょーかぶもん?』って所だから担当を持てない…みたいな?」
「それは残念ね…」
「それな!しごできなパパだけにマジぴえんよ…」
「まぁまぁ、メロンちゃんが入学した時には変わってるかもしれないわよ。」
お母さんとの会話に夢中である……いや、その話は私も初耳なんだけど!?メロンちゃん、トレセン学園に行く気なの!?あ!忘れるところだった!
「コレ、イブキさんからみんなで食べてって。」
持ってきた箱から保冷剤と共に大きな皿に乗ったスイーツを取り出した。中身はフルーツタルト…丸くくり貫かれたメロンと皮ごと食べれるブドウがトッピングされていた。
………
その後はどうしたかって?各々好きに過ごすこととなり…私はじいちゃんとソラ君と一緒に川で釣りをすることにした。一緒にといっても、じいちゃんとソラ君のやり取りをそばで見てるだけなんだけど。
「…エサだけ取られた。」
「はっはっはっ!針への付け方が甘かったみたいだな!もう1回してみるといい。」
私が小さい時もこうやって教えてくれたっけ…ん?ヒットしたみたい。
「おっ…タナゴじゃん。写真を撮って…リリースリリース♪」
10cm位かな…よし、今まで撮った写真を2人に見せにいくとしますか。
「じゃじゃーん!こんなに釣れたよ!」
「…何で釣った実物を持ってこないの?」
「冷たい所にいる魚は体温の熱が負担になるからあまり触れない方がいい。特にウマ娘は体温もかなり高い…リリースするならそれが1番いい選択だろう。」
「ふーん…その割には雑に地面に置いてる魚もあるけど?」
カダヤシやブルーギルのことだろうか?
「あれは外来種だから専用のボックスに入れる必要があるんだよ。それにしてもスカイ、釣りをするのは何年ぶりかな?」
「んー…イブキさんとデートでたまに行くから2ヶ月ぶりかな~」
「そうかそうか…ソラには教えてないのか?」
「まぁ、色々とあって…」
誘ってもイブキさんがいると分かると嫌がるんだよね…そういう年頃なのだろうけど。
「ひいじーさんが教えてくれるから母さんの教えはいい。」
「って感じだからね。」
「まぁ、そういうこともあるか…ん?ソラ、魚が食いついているんじゃないか?」
「え?本当?」
リールを回すソラ君…綺麗で派手な魚が釣れた。
「これって…何?」
「オイカワのオスだな。オスはこの時期、メスへのアピールのために婚姻色という派手な色になる。」
「へー…」
「んじゃ、写真撮るよ~。2人とも並んで並んで!」
「へ?いや…えーと…」
「ほれソラ!スマホに向けてオイカワを向けろ!」
「こ…こう?」
カシャ
じいちゃんとソラ君の写真を撮り…母さんへとLANEを送る。返事は『ソラ兄、やるじゃん』…ってメロンちゃんが返信してるし。
「これ…僕が釣ったんだ。うーん、綺麗で逃がしたくないな…飼うのってダメ?」
「まぁ、金魚と同じようにすれば飼えなくはないが…」
「綺麗なのは今だけだし、水槽から跳び跳ねたりするから難しいよ?それに…必要なものもいっぱいあるし、毎日ちゃんとお世話できる?」
「…逃がすよ。ひいじーさん、どうやるの?」
「ペンチで針をこう掴んでみてくれ。」
「…こう?」
「そうそう。そのままグラグラって揺らせば…」
ポチャン
「魚の重みで外れる。」
「…釣りって楽しいね。」
「そうだろそうだろ!今度はスカイとも…」
「父さんもいるから嫌だ!」
「…まぁ、気が向いたらいいだろう。そろそろ帰るとするか。」
「イブキさんのフルーツタルトを食べようか~!…ヨイショ。」
「うわぁ、大量じゃん…少し持つよ。」
「ん?これくらい平気だけど…ありがとね。」
「回収ボックスはこっちだぞ。」
じいちゃんに言われてソラ君と一緒に外来種をボックスに入れ…実家へと戻る。フルーツタルトは既にみんな食べていて…もう私たちの分しか残っていなかった。
………
「そろそろ家に帰るよ~」
「えぇ!?まだばあちゃんとダベりたい!帰るのなしよりのなし!」
「明日は学校あるでしょ?」
「それは…そうだけど…」
「メロンちゃん、お母さんを困らせないの。またいつでも来ていいからね?」
「…りょ。」
お母さんへと抱きついて離れないメロンちゃん。けれどお母さんの言葉で渋々納得する…素直な娘だね。両手一杯に野菜を持つ。
「Zzz…」
「グレープちゃん、そろそろ帰ろって。」
「…はっ!…寝てた?」
「うん、ぐっすりとね。」
「おじいちゃんのそばにいると…何か安心。」
「嬉しいこと言ってくれるね…でも、今回はこれでおしまいだよ。お母さんの所に帰ろうね。」
「…うん。また今度…」
寝ていたグレープちゃんもお父さんに起こされていた。そして、両手一杯に野菜を持つ。
「…また来るから…その時は別の釣りのことも教え欲しい。」
「はっはっはっ!次は海で船釣りでも行くとしようかな。」
「また私も付いていくからね~」
持てるだけ野菜を背負いつつ、じいちゃんへお願いをするソラ君。そういえば船釣りはしばらくしてなかったな。流石のイブキさんも船の上で青○する度胸はなかったからね……あれ?最近の私の釣りってイブキさんと外でヤるためになってない?
「海の魚はいいぞ…捌き方も教えてやろう。」
「うん、楽しみにしてる。」
「そしたら家でも手伝ってくれると嬉しいかな。」
「いいけど…絶対に下手だよ?」
「最初は誰だってそうだ。する度に俺に写真でも送ってくれ…ソラの成長課程がみれて楽しそうだ。」
「それはそれで恥ずかしいよ…」
「恥ずかしがらなくてもいいことだって…メロンちゃん、グレープちゃん、帰る準備は終わった?」
「「は~い!」」
「それじゃあ帰るとしますか。お母さん、また来る時は言うね…それじゃ。」
それにしても船の上での青○か…何か気になってきたし…メジロ経営のサービスでそれ用の船が無いか、今度聞いてみることにしよっと。そんなことを思いながら両手に大量の野菜を持ち…私は実家へと後にした。車に入らなかった分は後日送ってくれるとのこと。今年も豊作だな…家計が助かる。
その日の夜…私はイブキさんにより何度も何度も