逃げか?差しか?その判断こそが大きな隙だ!   作:アマノジャック

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…ブリダーズカップが育成シナリオにくるってマジですか?


トリックスターは語りたい17

BCプロジェクト…それはイブキさんを中心にアメリカの大舞台『ブリーダーズカップ』への出走及び制覇を目指すプロジェクト。それに向けたバ場へのトレーニングや生活のサポートがイブキさんの主な仕事だったとか。

 

このプロジェクトが出来て以降ブリーダーズカップへ出走したウマ娘はいない…同時期にフランスで行われる『凱旋門賞』への出走希望が多いのだ。

 

そんな中、アメリカに遠征していたメロンちゃんがG1レースで2度も勝ち、ブリーダーズカップの芝G1レースである『BCターフ』の有力候補の1人に名乗りを上げたのだ。しかし、直前で足への負傷が発覚し…泣く泣く辞退。そして、帰国後に1度だけ走りトゥインクルシリーズを引退した。

 

その後も時は流れる…グレープちゃんが無事にトレセン学園へと入学。ソラ君とドラちゃんも同じ高校へと進学し…中学時代と同じような生活を送っている。

 

そして今日…カレンに呼ばれ、ピーチちゃんと一緒に東京レース場へと来ていた。

 

───

 

『圧倒的一番人気は無敗のカレンプリンス!

現在も大人気なウマスタグラマーであるカレンチャンの娘です!

皐月賞はケガで出走は叶いませんでしたが、力強い走りが今回も見られるのか!』

 

「頑張れプリンスちゃーん!」

「ケガには気を付けて!」

 

「はーい♪プリンス頑張りまーす♪」

 

現役時のゴルシさんをも超える大柄な芦毛のウマ娘がそこにいた。さらに…

 

「プリンス姉ちゃーん!俺、全力で応援するよ!」

 

「リク君…♡プリンス、絶対勝つね♡」

 

ピーチちゃんの息子であるリク君も来ていた…5人の彼女を連れて。

 

「プリンスちゃん頑張って!」

「勝ってくださいな!」

「リク君…♡」

「カッコいい写真ウマスタにアップするね!」

「プリンスちゃん可愛い!」

 

小学生だし多少の恋愛はあるのだろう。けど…流石に複数人いるのはおかしくない?リク君はソラ君と違いイブキさんの影響をもろに受けているようだ。

 

「ねぇ、リク。私ソラ兄の所に行っちゃダメ?」

「ダメだよ!今日のアップルちゃんはリク君の彼女でしょ?わたし達とずっと一緒にいて!」

「とか言ってさ…"イモイモ"はアップルちゃんと離れたくないだけでしょ?」

「そうなの~?」

「ち、違うわよ!ほ、ほら!リク君が寂しがるかなーって…」

「俺は別にいいよ。アップル、ソラ兄ならあそこにいるよ。」

「本当!?ありがとう、行ってくる!」ターッ

「ア…アップルちゃーん!?」がーん

 

リク君の彼女に何故かアップルちゃんも含まれている。君たち異母とはいえほぼ同じ日に生まれた兄妹だよ?まぁ、家だとアップルちゃんはソラ君にべったりだし…

 

「ピーチさんお話。」ゴゴゴ

「子供の恋愛でしょ…好きにさせればいいんじゃない。というか、今じゃなくてレースが終わってからにして。プリンスちゃんが走るでしょ?私も指導してた娘が走るから集中させて。」

「…しかたありませんね。」

 

…そして、今日の日本ダービーを走るカレンの娘『カレンプリンス』。メロンちゃんより年上ではあるが、本格化の関係でデビューが遅…くはないか。とにかく今年がクラシック級である。そして…リク君の彼女の1人らしい。

 

そのことでカレンはピーチちゃんに思うことがあったようで…笑顔だけどもう声からして怖い。それを軽く流したピーチちゃんを凄いと思う私でした。

 

………

 

『先頭はカレンプリンス!

外から他のウマ娘の来ているが…並ばない!

カレンプリンス、ここでさらに末脚を伸ばす!

後続との差はさらに2バ身、3バ身…これはもう誰も捉えられない!

カレンプリンス、他バを圧倒しゴールイン!

新たな無敗のダービーウマ娘がここに爆誕です!』

 

「リク君…!プリンスちゃん勝ったよ!凄いね!」

「うんっ!俺もプリンス姉ちゃんに負けない男にならないとなっ!」

「そしたら…私たちとはおしまい?」

「違うよ!俺はみんなを幸せにしたいの!イモコもユアンもヒメカもモエミ姉ちゃんもプリンス姉ちゃんも…俺を好きになってくれたから…俺はそれに答えたいの!」

「…アップルちゃんは?」

「アップルは…俺もよく分かんない…」

 

レースはプリンスちゃんが終始先頭のまま逃げ切って勝利した。同じ逃げでもメロンちゃんとは違い、先頭にいながら最後の直線で最速の末脚を発揮して勝ったのだ…とんでもない勝ちかたじゃん。

 

「プリンスちゃん勝ったね。」

「おめでとうカレン。」

「は、はい…そうですね…」

 

ちょっと!?何で母であるカレンがドン引きしてるの!?

 

「その反応は母としてどうなの…」

「だって…今回のレースに勝てたらリク君との交際認めないといけなくて…でも、自分の子供が複数恋人いる相手の内の1人になるとか絶対に嫌だもん!」

「…」

 

理解は出来るけど…私はこのことに同意出来る資格は無い。だって私は…

 

「リクなら絶対に幸せにするわ…だってイブキと私の自慢の息子なんだし。」

「ピーチさん…」

「さっきも言ったけど子ども同士の恋愛よ。最悪問題が起きた時は私が尻拭いをするから…認めてあげてくれない?」

「そんなんだからイブキさんとエッチな関係持つ女の子がどんどん増えるんじゃないですか?」

「ごふっ!」

「ピーチちゃん!?」

 

クリティカルヒットだよカレン。

 

「ならカレンもイブキと関係持ってみる?全部許すことになるよ?」

「嫌です!ただでさえお兄ちゃんとシたことが許せないのに…!」

「アレはカレンの自業自得でしょ。」

「ピーチさん、お話。」ゴゴゴ

「上等よカレン!」ゴゴゴ

 

嫌悪ムードになる2人。しかし、それは一瞬にして終わる。

 

「母さん!カレンさん!プリンスが足を抑えてる!」

「「えっ!?」」

 

リク君の言葉につられ私もゴール板へと顔を向けると…足を抑えたままその場で倒れたプリンスちゃんの姿があった。

 

………

 

「…そっか。屈腱炎か…」

「もうアスリートとしては致命的だって…カレン、プリンスちゃんに出来ることあるかな。」

「元々ケガしやすい体質ではあったの。だから担当トレーナーも慎重に見てきていたのだけど…こればっかりはしょうがないわ。」

「…ですね。」

 

プリンスちゃんはそのまま病院へと運ばれ…そう診断された。彼女の今後はトレーナーと相談することになるだろう。そんなことを話ながら私たちは涙を流すプリンスちゃんとそれを慰めるリク君を見守った。

 

「…私ね、担当持つことが決まったんだ。」

「ピーチさん?」

「ケガさせないことは勿論だけど…やっぱりその子に合ったトレーニングが重要だと思うの。」

「話が…」

「G1走るときはプリンスちゃんを連れて見にきて!それが私がプリンスちゃんに…出来ることだと思うから。」

「…うん。」

 

仲直り…でいいのかな。とりあえずイブキさんから預かったアップルパイを差し入れつつ、2人の仲を見守るとしよう。

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