僕らが奏でる異世界交響曲   作:気まぐれな富士山

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アルセウスを買って冒険の旅に出たいんじゃ。

ここで一句。

続くかな 続くといいな オリジナル

マジで続くかな···············


プロローグ

「ハァッ、ハァッ···············」

 

見渡す限りの平原。

草食獣の群れ。それを狙う肉食獣の番。

正しくサバンナという名前が相応しい場所。

 

「なんで··········こんな所に···············」

 

そんな所を歩いているのは、明らかに現地民ではない格好と顔立ちをしている男。

顔と背格好から23か24の若者だ。

服装は、最近の流行りを取り入れた服。

背中にアコースティックギターを背負っている。

 

「クソ··········水が欲しい···············」

 

脱水症状で方向感覚が弱り、フラフラと今にも倒れそうだ。

体は汗でべったり、舌はザラザラして気持ち悪い。

 

「はぁ··········はぁ··········」

 

そして、ここサバンナでは、弱った動物は喰われるのがルールである。

 

「グルルゥゥ··········」

「ひゃっ··········」

 

今間違いなく、この若者は弱肉強食の餌食になりつつある。

気付けば周囲をサーベルタイガーの様な歯を持ち、一角獣の様な角を持った肉食獣に囲まれる。

 

「な、なんだコイツら·····!?ライオンとも虎とも違う!」

「グオォン·····!」

「ひ、ひぇぇ!!」

 

思わず腰を抜かしてしまった。

サバンナに限らず、野生の世界では草食獣だけでなく、肉食獣も群れをなす。

そして、その群れに見つかった1匹の無力な草食獣が、その1匹の力のみで勝つことは不可能だった。

 

「く、来るな!来るなよ!」

 

腕をブンブン振り回し、少しでも自分を強く見せようとする防衛本能。

しかしそれは、捕食者の気分をさらに高揚させ、さらに生存確率を下げる行為だった。

 

「グォォッ!!」

「うわぁっ!!」

 

前足で体を押さえつけられる。

一般的なライオンの体重は約250kg。

ろくに筋トレもしていない細身の人間が抵抗できるはずもない。

 

「た、助けてぇ!!!」

「グォォ!!」

 

もう喰われる、と覚悟もなく抗おうとする人間。

今から喰ってやる、と喉元に一撃を入れようとする獣。

弱肉強食の理に一人の人間が呑まれようとしたその時だった。

 

ヒュンッ!

 

ドスッ!「グォォッ!!」ドサッ··········

「え··········へ·····?」

「グルル···············!」

「ガウゥ!!」

 

必殺の一撃だった。

大きな獅子の脳天を一筋の閃光が穿いた。

恐らく群れのボスだったのだろう。他の獅子たちは散り散りに逃げていった。

ドスッドスッと力強い蹄の音が近づいてくる。

 

「怪我はないか?」

「ひゃ、ひゃい···············」

 

弓を構え、馬に股がっていた何者かが問いかける。

真昼間にフードを深く被り、日光で顔がよく見えない。

 

「ほら、立てるか?手を貸してやろう。」

「あ、ありがとうございます··········」

「この辺りはまだ野生動物がいて危険だ。場所を変えようか。」

「あの·····!貴方は··········?」

 

自らの命を助けた恩人の名を聞かぬのも無礼と思い、名を訪ねる。

 

「名乗るほどの者でもないさ。だがそうだな··········」

 

恩人は少し考え込み、こう答えた。

 

「マイヤと、名乗っておこう。さ、早めに安全な所へ行くぞ。また獣の群れに襲われたくはなかろう。後ろに乗りなさい。」

「は、はい。ありがとうございます。マイヤさん··········」

 

〜馬走行中〜

 

「君は、どうしてあんな平原のど真ん中にいたのだね?」

「··········わかりません。気が付いたらあそこに··········」

「ふぅむ。記憶喪失と言うやつか?何とも不思議なこともあるものだな。」

「··········こんなことしてる場合じゃないのに··········」

 

暗い顔になり、うつむく若者。

 

「どうしたのだね?中々不安そうな顔をしているじゃないか。母国に思い残しでもあったのか?」

「思い残し·····と言いますか、話しても難しいですが··········」

「話してみたまえ。どんなものでも、話してみれば楽になることもある。」

「···············武道館、だったんです。今日。」

 

 

『なあ、俺たちでバンド組もうぜ!バンド組んで、天下とって、超有名になるんだ!』

 

『曲作るのって難しいな··········でも、やるしかない·····!』

 

『お、おい。今日客こんだけか·····?もっと入る会場のハズなのに··········』

 

『待てよ!俺たちで天下とるって言ったじゃねぇか!』

 

 

「高校からの友達で、何度も歌って、喧嘩して。メンバーを抜けたヤツもいました。」

「····················」

「それでも、やっぱり音楽が好きで続けてたんです。そしたら、YouTubeに上げた動画がバズって、CDもミリオンヒットして、初めてライブ席が満席になりました。 TV出演のオファーもうなぎ登り。そんで、今度は初の武道館ライブだってのに··········」

「気が付けば平原の中心でただ一人··········か。君も大変だったのだな。」

「···············ありがとう、ございます。」

「さ、着いたぞ。」

 

気付けば周囲は、日光が照らす平原から湿度の高い森に変わっていた。

何やら入口の様なものも見え、人の気配がする。

 

「ここは···············」

「ようこそ。東エルフの里、ニーリアへ。」

 

大樹に巻き付くように家が建てられ、老若男女が決まりよく働き、子供は笑顔で走り回る、美しい里。

 

「そういえば、君の名前を聞いていなかったな。」

「え?」

「私も名乗ったのだ。君も名乗るのが筋だろう?」

「··········俺は、」

 

「滝、滝 裕一郎(たき ゆういちろう)です。」

 

 

 

 

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