龍臣はシマの見回りをしていた。
桐生組がケツ持ちしているキャバクラに入った。
「いらっしゃいませ龍臣さん!」
キャストの一人が龍臣に気付き挨拶すると、
手すきのキャストが次々と龍臣に挨拶した。
「龍臣さん飲んでいって下さいよ」
「ああ!。私と飲んで下さい」
「生憎だがシマの見回り中だ。ところでママは?」
龍臣がそう言うと皆が一様に顔をそらした。
「?。何かあったのか?」
「今、ママは新人キャストを叱ってます」
キャストの一人が言いづらそうに答える。
「案内してもらえるか?」
龍臣はママの所へ案内してもらった。
龍臣が部屋に着くと中で言い争う声が聞こえた。
「お客さんが気に入らないからってあの態度は何ですか!」
「必要以上に身体に触って来たからです!」
「ふ、二人共落ち着いて下さい!」
「ママ。そんなに怒ったら美貌が台無しだ」
「龍臣さん!。来てらっしゃったんですか!」
「見回りでな。見たところ揉めてるようだが……」
「き、桐生さん!?」
「桐生さんが何故ここに?」
「和久井さん、三船さんお久しぶりです。
ここは桐生組がケツ持ちしてる店でね。見回りさ」
「桐生組?」
「龍臣さんの実家は、桐生組と呼ばれる関東一円を支配する最大の武闘派極道なの。
龍臣さんは次期組長よ」
ママの説明に二人が驚く。
「ママ。状況を説明してくれ」
「実は……」
ママの話によると和久井さんがお客が必要以上に身体に触って来たことに怒ったのだ。
また、三船さんは流されてうまくいかないようであった。
「なるほど……。ママ。この二人はキャストに向いているのか聞きたい。どうなんだ?」
「ハッキリ言わせてもらうと向いていません」
「そうか……。ママ。この二人はこっちで預かりたいのだがどうだろうか?」
「龍臣さんに何か考えがあるのですか?」
「ああ。二人共この仕事はどうだろうか?」
そう言って龍臣は名刺を渡す。
「アイドル……?」
「俺の副業でな。二人は素質があると思うんだがどうだろうか?」
「こうなりゃやけよ。私は受けるわ」
和久井さんがやけくそ気味に返事する。
「わ、私は和久井さんがするなら」
「決まりだな。悪いなママ。スカウトでいいのが入ったら優先的に回すから」
「いえ。ありがとうございます」
翌日
「というわけで新しく入った和久井さんと三船さんだ」
「和久井留美よ。よろしくお願いするわ」
「三船美優です。よろしくお願いします」
「神谷奈緒です。和久井さん、三船さんよろしくお願いします」
「北条加蓮です。よろしくお願いします」
それぞれ挨拶を交わした。
「桐生さんのことは……」
「聞いてるわ。口外しないから安心して」
和久井さんが奈緒に言う。
「それじゃレッスンに行こうか」
龍臣が皆に言った。
「ふう……」
三船さんが休憩になり、ペタンと座る。
「体力には自信があったけれど、思った以上にキツイわね」
和久井さんが愚痴る。
「三船さんも和久井さんもこれは基礎レッスンですから。
焦らずじっくりと基礎を固めて下さい」
「…………」
「?。何か?」
「いえ。桐生さんが普通の人にしか見えないから、驚いたのよ」
「和久井さんにそう見えるなら大丈夫ですね」
龍臣は笑顔を見せる。
「終わったよ桐生さん」
奈緒達がレッスンを終え、休憩に入った。
「やっぱり奈緒ちゃん達は余裕がありますね」
「レッスンを重ねてるから。三船さん達も段々と慣れて来るよ」
レッスン談義は休憩が終わるまで続いた。