北条悟史のカケラ紀行   作:三和

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放課後僕と沙都子と梨花ちゃんは家に帰っていた。

 

「…にーにー、本当に大丈夫なんですの…?」

 

「…大丈夫だよ…今朝少し夢見が悪かっただけだから…。それより良かったの?別に残って部活に参加しても良かったんだよ…?」

 

この世界でも部活は行われているらしい…もちろん部長は魅音だ…そもそも沙都子のために魅音が始めたのが切っ掛けだったけど…この世界でもそうなのかな?

 

「何言ってるんですの!そんなに辛そうな顔をして…!放っておけるわけ無いじゃありませんの!」

 

「みぃ…ボクも悟史が心配なのですよ…。」

 

「…ごめん…。」

 

やっぱり僕って顔に出やすいのかな…?これからは気を付けないと。

 

 

 

「…それじゃあ私と梨花は夕飯の買い物に行ってきますから、にーにーは留守番をしていて下さいませ。」

 

家に着き鞄を置くのもそこそこにそう言う沙都子。…二人だけで大丈夫かな?

 

「…荷物持ち位ならするけど?」

 

「にーにーは今日は休んでいて下さいまし!」

 

「今日は元気の無い悟史のためにご馳走にするのですよ。」

 

「…むぅ…分かった…家で待ってるよ。」

 

…二人を見送る。心配だけどチャンスでもあった…羽入と話さなきゃ。

 

 

 

「…そう言えば羽入?聞き忘れていた事があったんだけど…」

 

『何ですか?』

 

「この世界と向こうとの違い、それから僕の立ち位置かな?」

 

『…そうですね、うっかりしてました…それじゃあ説明しますね?』

 

 

 

『まずこの世界では悟史は叔母を殺してはいません。…悟史の知るところでは別の人物が代わりに捕まったとなっていますね?』

 

「…うん…でも…殺したのは僕だ…。」

 

これは僕の罪だ。当時沙都子を助けるには他に方法が無かったけどそう言って正当化はしない。逃げてはいけないんだ。

 

『……この世界でも悟史はそうするつもりでした…ですが叔母は別の人物に殺されました…』

 

「…そうなのか…。」

 

『…経緯を聞きたいですか?』

 

「…いや、今は良いよ。そうだな…次は…どうして梨花ちゃんが僕たちと一緒に暮らしているの?」

 

彼女が僕や沙都子を家族として慕ってくれているのは分かるし素直にそれは嬉しい。…でも理由は気になる。…それに聞いておかなきゃボロが出るかも知れない…。

 

『…悟史の知る話では叔父はとっくに家に寄り付かなくなり、叔母は死に、悟史もいなくなり、一人ぼっちになってしまった沙都子に梨花が声をかけ二人で一緒に暮らし始めた…そうですね?』

 

「…うん。」

 

そうだ。僕は二人からそう聞いてる。

 

『この世界では逆です。悟史が動く事無くあっさり叔母は亡くなり、叔父は家にはおらず悟史は沙都子と二人で手を取り合い助け合って生きて来ました…そして少しでも生活に余裕が出てきた時、自分たちとは違い一人ぼっちの梨花に目が行きました。…そして悟史が梨花に声をかけこの家で一緒に暮らし始めました。』

 

「…そっか。」

 

『…詩音の事は聞かなくて良いのですか?』

 

「…この世界では詩音は雛見沢に来るの?」

 

『いいえ。この世界では詩音は雛見沢に現れません。』

 

「…なら取り敢えず良いよ。」

 

優先順位を考えなきゃ…僕をずっと支えてくれた詩音の事は気になるけど…今は悲劇を止める事を考えないと…。

 

『…悟史、分かってると思いますがこの世界は…』

 

「…うん。分かってるよ…この世界で僕が何をしても向こうでは何も変わらないって。」

 

ここは言わば記録の世界だ。もう悲劇が起きた世界…でも…

 

「だからって…僕は割り切れ無いんだ…仲間たちが傷つけあうのは嫌なんだ…!」

 

圭一、きっと君ならそうするだろう?例え無駄だとしても君はきっと悲劇を回避しようとする筈…だから…僕も…!

 

「…僕は止めるよ羽入。例え意味が無いとしてもこの世界の人たちを救いたい。」

 

『…悟史…分かりました。もう何も言いません。ボクは貴方を応援します。』

 

「…ありがとう、羽入。さて、そうと決まれば…」

 

まずは自分がこれからどう動くか考えないとね…。

僕はこれから起きる可能性がある悲劇のパターンを少しでもまとめて置こうと机に向かった。

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