「ハアッ!」
箒が振りかざすブレードを大剣で流す…!おっと。
「嘘っ!?」
鈴のISから撃ち出される衝撃砲を後退して躱す。
「連携が取れてるのは良いがワンパターンだ。箒、鈴が攻撃しやすいよう一撃離脱をするのは良いが毎回それだと鈴が攻撃してくるのが分かってしまう。鈴、お前は近接戦も出来るのだからいっそ箒の攻撃に続け。それも一つの手だ。」
『はい!』
返事は良いな…今の所気合いだけだが。…待て。何で私がこんな事をしなければならんのだ?
昨日の夜…
「箒と鈴の指導をして欲しい?」
「うむ。」
「…私は生徒だぞ?しかも謹慎の身だ。あんたが教えるのが筋だろう?」
「熱意に負けてつい引き受けてしまったが…そもそも私は忙しいのだ。もうすぐ行事も迫ってるしな。」
「…ああ、臨海学校があるんだったな。」
まあ期間が謹慎期間に被ってしまっている私には全く関係無いが。
「実を言えば二人別々に頼まれたんだが…私は忙しい。そこで連携を鍛える名目で二人纏めて教える事を思い付いた。その指導をお前にやってもらいたい。」
「あんたは私を何だと思ってるんだ!?」
仮にも一生徒で素人同然の私に国家代表候補生と剣道全国大会優勝者を二人纏めて相手しろと!?
「?…お前は私の弟だろう?」
「そんな事を言ってるんじゃない…」
私は頭を抱えた。どうして姉弟揃って私に厄介事を持って来るんだ!?
「とにかく!私は引き受けないからな!」
「頼む!そこを何とか…!今の状況で二人の指導まで手が回らんのだ!」
「他にも出来る人間はいるだろう!?…そうだな、山田先生何かどうだ?彼女なら適任だろう?」
「…忘れたか?真耶もお前たちのクラスを受け持っているのだぞ?」
「!…そうだったな。」
「さて…という訳で引き受けてくれるな!?」
「…私は謹慎の「許可は私が出す!」分かったよ。やればいいんだろう…」
「そうか!引き受けてくれるか!」
満面の笑みを向ける我が姉…クッ!一発位殴っても許されるんじゃないか…!
「…で、何故あんたは座り込む?用事は済んだだろう?」
「その、だな、お前の手料理を食べたいと…」
人差し指を合わせモジモジする姉…年齢を考えろ…とは言えんか…
「…少し待ってろ。」
「!…ああ!分かった!」
「……」
全くこんな面倒な事を押し付けおって…!
「何で、当たら、無いの、よ!」
「……」
鈴の場合、大型の青龍刀双天牙月の扱いは確かに実戦的だが隙が大きく躱すのはそう難しく無い。
「たあっ!」
合間に割り込む様にしてブレードによる攻撃を仕掛けてくる箒……元々一撃に重きを置く剣道では鈴の様なラッシュをかけるのは箒自身の癖の問題もあり難しい……そう考えれば悪くない判断だが、な。
「!…ちょっと!?何で私に攻撃を当ててるのよ!?」
「すっ、すまん!」
……とまあ私の方で少し鈴の攻撃のタイミングをずらしてやるだけでこうなる。
……やがて鈴に一方的に責められたせいで箒がキレ二人が戦いを始めたのを冷めた目で見ながらどうやって二人を止めるか私は考えていた…