「兄さんは自分の部屋に戻らないのですか…?」
「女子と同じ部屋で寝起きして、手を出さない…と言う自信は無いからな。」
ようやく謹慎の明けた私だが、姉に許可を取り私はこの独房の様な部屋に居室を移していた。かなり揉めたが、ま、私の精神安定上こちらの方が楽だ(ルームメイトはあまりその辺気にしない方だったとは言え、ここで生活した時間の方が長いしな…)
「兄さんは紳士的に見えますが…」
「…前々から思ってたんだが…割とお前は無防備だな、ラウラ。」
「そうですか?少なくとも貴方と一夏兄さんは信頼してますが…」
「…二人っきりで会いたいと言ったのは私だが送って来てくれた同室のデュノアをあっさり帰したからな…」
「……いても良かったのですか?彼女は確か…」
「いや…まぁそれは多少困るが…」
今回の話は少々不味い…例え元スパイのデュノアでなくてもだ…
「なら、良いじゃないですか。」
「…お前は何を言われるのかと警戒しなかったのか?」
「……兄さんの頼みなら大抵の事は請け負いますよ。」
言ってくれる…なら、駄目元で言ってみるとしよう…
「お前、古巣に伝手があると言ったな…」
「ええ…あるにはありますが…あの…まさか…」
「一つ頼みがある…」
「……」
「出来るか?」
「……出来るか、出来無いかで言えば…一度だけになりますが恐らく出来ます…ええ、可能です…ただ…」
「何だ?」
「…何故そんな物が必要なのでしょう?兄さんにはISがあるでしょう?」
「そもそも校内は元より、外では絶対に禁止だからな…」
「それは分かりますが…護身用にしてもやり過ぎです…殺傷性の無い物では駄目なのですか?それこそ私などに頼まなくても手に入ると思いますが…」
「性に合わん。」
「それで私が納得するとでも?」
「それは思わん…」
「きちんとした理由をお願いします…それと…」
「今度は何だ?」
「千冬姉さんには言いましたか?」
「……」
「どうなんです?」
「いや…言ってない…」
「では私は…出来ません。」
「……」
ま、そう言うだろうな…分かってた事だ…この部屋はもう監視も付いて無いが、仮に付いていたとしても事後承諾は不味いだろうな。
「ですが…」
「ん?」
「何の為に必要なのか…教えてください…それ次第では用意します…後もう一つ…」
「何をしたら良いんだ?」
「千冬姉さんに許可を取って下さい…姉さんが良いと言うなら…そもそも私一人が反対してもしょうがないですから…」
「それは分かった…一夏は良いのか?」
「一夏兄さんは多分どんな理由があっても良いとは言わないでしょうから…どういう目的にしろ黙ってる方が良いと思います…」
「そうか…」
「……それではお聞きします…今この場で私に理由を話すか、千冬姉さんに許可を取る…どっちを先にしますか?」
「…今ここにお前がいる以上、お前には先に話すのが筋だろう。」
「そうですか…」
私は軽く息を吸い、吐いた。さて…
「ラウラ…私はな…」