「そう、ですか…」
私の言葉を聞き届けたラウラからはさっきまでの悲しげな顔が消えていた…寧ろ私はこんな表情を昔見た事がある…今世では無く、前世で、だ…
「良いでしょう…それなら私は先に兄さんが望む物を用意させて頂きます…実際にお渡しするのは千冬姉さんの許可を取ってから、と言う事にはなりますが。」
「話が早くて良いが、何故だ?」
「だって…私にはもう反対出来ませんよ…そんな覚悟を決めた目で…『家族を守る為に欲しい』…なんて言われたら…私も…一度は守る為に自分の意思で戦う事を決めた事もある身ですし…」
「ラウラ…お前は…敷かれたレールを歩いていたのでは無いのか?」
「初めはそうでした…でも、自分が必要とされているのを知った…だから…結局最後は自分で決めたんです。…例え、今では軍から切られていてもそれを恨む気持ちだって無い…」
「そうか「ただ」…ん?」
「悔しくないわけじゃないんです…こんな身の上でなければ私も貴方と共に立てるのに、と。」
「ラウラ…それは…」
「良いんです…誤解しないでください…助けて貰ってそれ以上は今更望みません…それに、あの事が無かったら貴方とこんな関係になる事だって無かった…それはそれで悪い事じゃないのかも知れない…でも今の私は…貴方と他人でいる事は想像したくない…私は好きなんです…教官と一夏兄さんと…そして貴方の妹でいられる今の私が…」
「……」
「約束の物は早い内に用意します…早目に千冬姉さんに許可を取ってください…何せ私は…」
「ああ…分かっている…」
そもそも今の状況は可笑しいのだ…今の身の上による同情は買えているものの…専用機も失い、訓練用のISにすら乗れないラウラがIS学園にいるこの状況は…
「ウチの姉からは相変わらず何も聞かされてないが…その様子だとここを出て行かなかればならない日が決まったのか?」
「具体的な日付はまだ…ただ近い内に、と言う事にはなっています…その時が来たら、私はここを出て織斑家に行く事になっています…」
千冬も私も一夏も…IS学園に留まる状況で一人で生活するのは難しいラウラが一人で、か…
「そんな顔をしないでください…私は貴方を責めたいわけでは無いし、ISに乗れない身でここにいるのが可笑しいのは分かっていますから…」
「もう分かっていると思うが…私たちには他に身内はいない…お前は本当にそれで良いのか?」
「大丈夫ですよ。車椅子の扱いにも慣れて来ましたし…きっと一人でも何とかなると思います。」
「そうか…」
自然な笑顔を浮かべてそう言い切る、今のラウラに言える言葉は…私には無かった…