私は千冬のいる寮監室を訪れていた…
「駄目に決まっているだろう。」
目の前に座る千冬からそう言われ、私は肩を竦め…軽く溜め息を吐いてから口を開いた。
「反対されるのは予想してたが、一応聞いておこうか…何故だ?」
「何故だと?必要無いだろうが。」
「どうしてそう言える?」
「…お前がそんな物を使う瞬間など来ないからだ。」
……話にならないな、ここまで現実を見てないとは思わなかった。
「あんたはIS学園に居れば"武器"を使う必要が無いと、本当にそう言えるのか?」
「そうだ、当たり前だろう。ISがあるだろうが。そもそもお前にそんな物を持たせるつもりは絶対に無い。」
「……ラウラがシステムに囚われた時、教師が突入出来無かった理由は外部からのハッキングにより防災用のシャッターが閉まっていたからだったな?」
「そうだ、それがどうかしたか?」
「あの時もし外から侵入者が来ていたら生徒は何人犠牲になったと思う?日常生活を送るのが困難になったとは言え、大きな怪我を負ったのはラウラだけだ…それがどれ程の奇跡なのか分からないのか?」
「そうだな…だが、結局他に犠牲になった者はいなかった。」
「だから備えは必要は無い…そう言うのか?だとしたら私はあんたの認識を疑うぞ。あんたは何も分かっていない。あの時、ISを纏って侵入者がやって来たら何人の生徒が戦えたと思っているんだ…生徒の大半が完全にパニックに陥っていたんだぞ!」
「……」
「議論の余地は無い、私に銃を所持する許可をさっさと寄越せ。ISを纏う前なら射殺すら可能なのはあんたにだって分かる筈だ。」
「駄目だ!」
「何故だ!?」
「これ以上お前が手を汚す必要は「自分は汚す覚悟も無い癖につべこべ抜かすな!」……何だと?」
私はISを展開した。
「何の真似だ「分からないのか?今あんたの前にISを纏った者がいる…つまり敵がいる」何を言って「あんたは良いが生徒の前にこいつが現れたらどうするかと聞いている…あんたは殺せるのか?」……」
「そもそも聞くが…あんたは今自分のISを持ってるのか?あんたは実技授業の時ですらISを纏って実演した事は無いらしいな?」
千冬はしばらく黙っていたがやがて口を開いた。
「……無い。今私が使用出来る専用機は無い。」
「では有事の時は焦って走りながらISを取りに行く訳か…生徒の前でISを展開した侵入者を放っておいて…」
「違う!それなら生身でも「ふざけるな!」っ…」
「あんたは確かに身体能力が高い…だが相手が既にISを展開している以上、あんたが向かうより腰を抜かした生徒が殺される方が早いだろうが!そんな事も分からんのか!?」
「だが…!だからと言ってお前がそんな物を持つ必要など「纏う前に撃てば良い話だ…あんたに聞く、銃を持っていたとしてあんたは…そいつを撃てるのか?」……」
「生身で向かう…と言う言葉が出る自体答えは出てるだろ。そもそも今の今まで何故銃を持とうとしない?自分のISを持っていないにも関わらずだ…それに、私は今貴様に明確な敵対意思を示している…何故出来ると言うなら制圧しようとしない?」
「……」
ISを解除する…
「織斑千冬…もうあんたの許可など要らん…邪魔をしたな。」
私は千冬から背を向け、部屋を出た…