ゲート 蒼い鋼が何故そこに……   作:サソリス

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政治系の考えってむずかしぃ……


接触ッ! 別世界の日本国
【10】


タクチクと秒針の音が聞こえる。ちなみにタクチクはチクタクの誤字などではなく、俺の耳へと確かに聞こえるのはタクチクである。そんな微かな聞こえるその音で若干目覚めた俺はモゾモゾと体を少しずつ動かす、すると徐々にではあるが感覚が戻ってきた感じがした。そして、同時に俺は久しぶりに感じる体を優しく包み込むシルク、もしくはコットン素材のような柔らかな感触に疑問が湧いたが、同時に湧き出した疑問に掻き消される事となる。

 

アレ。そういえば艦長室に置いてた炬燵の電源、OFFにしてたかな?

 

 

エルフの村は森に囲まれている影響で直射日光があまり当たらない。その為季節に関係無く村全体の気温は低く、加えて高い木々が並ぶこの森の中ではどうやら複雑な乱気流を作っているようで冷たい強い風がいつも吹いてるのだ。まぁ、なんと言うか率直に言うと凍えるほど寒い。

その村で生まれて数百年のテュカやそれに慣れきっているホドリュの旦那はそれが普段だろうが、イオナによって気温などが完璧にコントロールされてる艦内にいる俺は違う。寒さに耐性が無い俺は二人や他のエルフの人達のような薄着なんて絶対に出来ないほどの極度の寒がりなのだ。

だから船に帰った後は必ず部屋に用意した炬燵へと潜り込み、ぬくぬくとイオナとトランプして大負けしながらいつも過ごしてるんだけど……電源切ったかな??? ドラゴン云々でついつい忘れてたけど船を出る時に消したような……決してなかったような……わっかんね。

どうしても炬燵の有無が気になった俺は気合いで意識を完全覚醒。目を開けた。

 

「ーーーー知らない天井……いや、このデザインはやっぱり知ってるわ」

 

前々世でよく見たら光、真っ白な純白の天井が広がっていたのだった……あ、ナースコール発見。ポチィィィィ!

 

 

 

 

目覚めたら一目で分かる病院の天井。起き上がって左右を見ても仕切られたカーテンのみ。思わず前々世に戻ったのかな? と思い、いつも感覚でナースコールをポチィィィィ!したけど……全然ココ、前々世じゃないですわ。

 

「はぁはぁ。目覚め、ましたか」

 

ナースコールで駆けつけるは純白のナース服に身を包んだ可愛いねぇーちゃん……ではなく迷彩服を身に付け、肩に階級章を付けたゴリゴリの軍人さん、年は30後半から40弱くらいの成人男性。個人的にはこの時点で恭平とおふざけで買った娯楽本、【月刊可愛い子Book】のハズレ枠を当てた残念過ぎる気分に。さらに最悪な事に彼は現在息が上がっており、顔に油は大量の脂汗がががががが――――

 

「チェンジで」

「は?」

 

可愛い子を期待してた俺が思わず彼に向かってチェンジコールしたのは悪くねぇと思うんだ。

 

※※※

 

日本から見て銀座に突如として出現した門の向こう側である特別地域、通称特地。その特地と日本とを繋ぐ、ゲートを中心として作られた駐屯地がある場所こそ、特地にて神聖な場所とされるアルヌスの丘だ。日本と繋がってしまった現在では繋がった当初発生した悲劇的な事件である銀座事件のような出来事が無いよう再発を防止する為自衛隊員が常駐している。そこには日本から持ち込んだ戦車や小銃などで警備され、言わば要塞と化していた。そしてその場所に彼らは招かれた。

 

「えっと、つまりあなた方は私達同様別世界の住人であると?」

 

「肯定します、狭間陸将」

 

彼女らは突然現れた。伊丹達がエルフの村跡にて発見した謎の潜水艦。それが突然SFとでしか考えられなかったワープという方法を使用し現代の技術では到底理解出来ない理論で出現した彼らは最初、敵対的であった。しかし伊丹の文字通り命懸けの説得と何故かエルフの少女を保護していた事もあってか直ぐに誤解は解かれ、彼女らはこの場所。アルヌス駐屯地へと訪れる事とに……

 

「私達はあなた達同様外から来た住人―――いえ、迷い込んだ住人です」

 

その1人である第二次世界大戦で沈んだとされる潜水艦と同名の名を名乗る少女、イ402。そしてその基地の責任者である狭間陸将は応接室にて自身の立場を明確にする話し合いをする為に対面する事となった……なっちゃったのである。そして初の接触から数日経過した現在……彼女らの立場は未だに話し合われていたのだった。 

 

 

そんな中、その少女と直接話し合った狭間陸将はこの案件に関して一番の適任と判断した柳田と再度話し合っていた。

 

「しっかしどうしますかね、あの子達」

 

「そうだな……我々と同じこの特地とは別の世界からやって来た少女達……か」

 

彼女らは自分達の事を霧の艦艇と名乗り、それは現実であった。人と姿形は似通ってはいるが明らかに普通の人間では出来ない事を次々と成し遂げる事の出来る少女達。特地の原住民がファンタジーに出て来る住人だとすると彼らはその世界へと飛来した外惑星の、それでこそSFに出て来るような子達だ。

 

「しかし驚きましたよ。彼女、確か400と言いましたかな。人間ではない証拠にと74式を軽々と持ち上げたのですから」

 

「確かにそうだな。アレには俺も度肝う抜かれたぞ」

 

 まさか伊丹達がそのような人達を連れて来るとは夢にも思っておらず、一緒に連れて来たコダ村の住人達と一緒に保護したは良いが扱いが極めて難しい。上にも報告したものの、やはり当初想定していた住人と別のベクトルで予想外の人種を受け入れてしまった影響か彼女達の扱いを決めかねてるとの事だ。

 

「あとあの潜水艦もそうです。先日特地入りした専門家達の話によるとやはりあの潜水艦は今の我々、地球人類にとってはオーバーテクノロジーの塊だそうです」

 

「俺達はファンタジーの世界へ派遣されたはずが、何時の間にSFの世界に入り込んでいたんだろうな……」

 

「それもそうですね、ホントに不思議な船です」

 

柳田のいう通り、あの船は不思議な乗り物だと狭間も同様に考える。

旧日本海軍が極秘裏に建造した当時世界最大の大きさを誇っていた大型潜水艦、伊号四百型潜水艦。その姿を模したそれは潜水艦というカテゴリーに入っていながら、某宇宙戦艦の如く空を飛び、別の地点から別地点へのワープを可能するまさしくSFの塊だ。それが現実に存在するんだから頭が痛くなる。

 

「その証拠にあの船体に使われてる技術を一部でも解明しようなら技術革新が必ず起きると彼らは鼻息を荒く、興奮しながら話してました」

 

「あぁなるほど、だからあの船の警備を担当していた隊員から苦情が殺到していたのか……」

 

狭間は思う。あの潜水艦の扱いは特地同様に現場レベルでは手に負えないほど難しい物だ。それでいてこの情報が門の向こう側に存在する外国の者に漏れれば、日本を滅ぼしてでも手に入れようするだろうテクノロジーの塊だ。だけども、説明された話によるとその船の中核が彼女達との事だ。それはつまりあのテクノロジーの塊は感情を持つ、機械生命体だと言う事に他ならない。そしてアレは明らかに戦闘行動に特化されたパンドラの箱。下手な刺激をして、どんな被害を被るか不明な為に―――――っと、最悪な想像へ居たりそうになるが誰かのノックする音で現実へと引き戻される。

 

「入れ」

 

「失礼します」

 

誰が訪ねて来たかと思えば話題に上がっていた彼女達をこのイタリカへと導いた伊丹率いる第三偵察隊が発見、保護した人物を警護していた自衛隊であった。

 

「どうした」

 

「患者が目を覚ましました」

 

重症を負っていた彼だが、先ほど話題に出した彼女達が何等かの処置を施した結果、普通よりも早く回復へ向かっている人物。明らかに彼女達に何等かの関係があると思われたので狭間は彼の扱いには繊細な注意をと念を押していたんだが……何かあったのかと疑問に思うがすぐにその答えを知る事になる。

 

「ですが……」

 

「何かあるのか?」

 

「目覚めた直後、私へチェンジと……」

 

「……ふむ」

 

再度狭間は考える。彼が目覚めた直後に人員を変えろと言ったのは何か理由がある。恐らく彼は何かしらのコンタクトを求めているんだと。

 

「私が行こう」

 

こうして狭間は彼女達のリーダーである虹像と対面する事となる。だがこの時の狭間は知らなかった。チェンジと言った理由が、単純に可愛い女の子では無かった為だと言う余りにもバカバカしい理由だと言う事を――――

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