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突如東へと飛び去ったロゥリィとそれを追いかけるイオナに抱えられた虹像を追いかける。高機動車にて東門へ到着した伊丹達は突如爆発した城門に加え、信じられないモノを目にする。
「おいおい、何処が普通の人なんだよ……」
「アハハハハ!」
狂気を瞳に浮かべ、狂ったかのように笑い続けるはロゥリィマーキュリー。彼女が引き起こす惨劇はまるで一種のダンスようで身の丈以上の大きさを誇るハルバードを踊るかの如く振り回す。多数の賊軍相手に言葉通りの蹂躪を展開するはエムロイの使徒、ロゥリィマーキュリー。
無双と言う行為を文字道理行う彼女がいるその戦場は彼女のみが活躍するアリアのよう……だが、違う。いるのだ、そんな人間では到底近付けもしない舞台で彼女と共に踊り、主役であるロゥリィを盛り上げるかのよう黒子を演じる者の姿が。
「ちょっとロゥリィさん、俺事斬ろうするの止め―――ッひ! イオナ、ナイスガード」
「ぶい」
主役の動きに合わせパートナーである者が作り出すフィールドを時に盾に、時に足場として活用しながらも彼女の振るうハルバードを神業の如く避けながら斬り込んでくる戦士達へその手にある拳銃により鉛弾を撃ち放ちながら、度々ナイフを投擲する。そのような技を自称一般人こと千早虹像がやるんだからコレが分からない。確かにロゥリィ同様超常の存在であるイオナの援護あってこその動きだろう。だがレンジャーを経験している伊丹でさえも目の前に迫る凶器を前に何時展開されるかもわからないバリアに自身の命すら任せ、多数相手に拳銃とナイフのみで戦い続けるほどの根性はない。でもだからこそだろう、2人の戦いは結果的に言えば連携しているようにも見える筈なのに戦っている両者の姿はそれぞれ独奏曲を奏でているかのようだった。
「ッハ!」
自分らは腐っても自衛官だ。戦闘員である自分らが客人である虹像や現地協力者であるロォリィに先陣を任せるだなんてイケない。などと考えたかは不明だが銃の安全装置を『ア』から『レ』へと切り替えた後それぞれ銃剣を着剣し、高機動車より降りた直後なんと部下の1人である栗林が単独で突貫。結果的に置いて行かれた伊丹と富田は栗林とあまり距離があけないよう広場を囲む人混みをかき分け懸命に追った。
「突撃にぃ、前へ!」
目標を決め、短連射。訓練の賜物か伊丹富田両者の放った弾丸は正確に目標を貫き血しぶきを上げる。同時に倒れ行く体は地面へと伏せるかと思われたがその体はそのままロォリィの振るうハルバードの一撃に巻き込まれ吹き飛ばされ、無数に積みあがる骸の一つとなった。
ロゥリィは盾を構える敵集団を蹂躙し跳ね飛ばし、潰してひき潰す。そしてそれを援護するようにダンダンと弾丸を撃ち放ち、時にナイフを巧みに扱いながら青いバリアで相手の攻撃を防ぐ虹像。両者の蹂躪が続き、闘牛かの如くロゥリィへ突っ込む大男が現れたタイミングで栗林が加わった。
喊声を上げながら銃剣を前に直突、背後から襲う敵を貫き三発鉛弾を置き土産として発砲する。直後に反動を利用して刀身を抜くとそのタイミングで襲って来る槍を持った敵を交わし発砲。次に襲って来た直剣持ちの斬撃を小銃で防ぎながら回し蹴りを放ち吹き飛ばす。次の獲物と盾持ちを相手に銃剣を向け、渾身の突きを放つが敵の持っている大盾に防がれてしまう。それだけならばまだいいがどうやら大男を突いた時に限界に達していたらしく、刀身は無残に折れ後方へ吹っ飛んで行く。
「ヘイヘイ大槍さん、ここまでお出で――――ッヒ! 今何か飛んで来た!?」
「虹像、前髪が少し短くなった」
「オーノー!!!」
その結果虹像の前髪を正確に切り取り、彼の髪型がバケツヘアーになった事はこの際どうでも良いだろう。折った本人はそんな事に構っている暇はないのだから。直後振り下ろされる直剣。咄嗟に小銃で防ぎ、腰のホルスターにある拳銃を手にするとそのまま盾越しに三発撃ち放った。倒れ行く敵を前に攻撃を防いだ小銃を構え直そうとするが直後ポロっと小銃下部に取り付けられていた二脚が落下。どうやら先ほどの攻撃が丁度ジョイント部分を直撃していたらしく、根本から折れた結果落下したらしい。
「あちゃー」
そう嘆きながら栗林の脳裏には武器陸曹の激怒した顔が浮かぶが、このような場合を想定して現場の自衛隊員には旧式である六四式小銃を持たされているのだ。むしろ最新式の小銃を壊さなかっただけマシだ。
「消耗品、これは消耗品!」
そう考え、自分に言い聞かせながら彼女は再度小銃を握りしめる。
実はこのような前時代的な戦法である白兵戦は彼女の得意戦法である。小柄である事を活かし猫のような瞬発力で接近すると蝶のように敵の攻撃を躱し、蜂のように敵を倒し続け敵を圧倒。距離をあけようものなら手榴弾の雨を食らわせ、接近させたかと思うと小銃や拳銃で構えられた盾を貫通させて敵を屠る。その圧倒的な活躍を前に虹像の脳内には栗林を前にこう思った、【現代のコマンド―、もしくはターミネーターかな?】っと。
栗林が加わった事により殲滅スピードは目に見えて早まる。栗林が盾持ちの盾を砕き始末すると直後ロォリィが突っ込み多数を殺害、そして無防備となった二人をイオナがバリアによって守ったかと思うとその襲撃者を虹像が格闘術を織り交ぜ始末していく。三……いや四人の連携は即興ながら見事と言うしかない。だがその様子に伊丹は危機感を覚える。虹像はまだいい、彼は戦いながらも逃走の機会を伺うように立ち回っている事が分かるから。しかしロォリィと栗林は違う。二人は完全に戦いにのめり込み、その戦いは本来の目的を忘れてるかのようにも見えたからだ。だからこそ伊丹は富田へと指示を飛ばす。彼女らの背後に絶対に敵を近づけてはいけないっと。敵味方入り混じる戦闘から一方的に蹂躪する戦闘へと変わり、余裕が出来たのか警備兵や農民たちが冷静となって伊丹達の存在に気付く。「緑の人だ!」「エムロイの神官さまだ!」っと声が上がるタイミングだろうか戦闘中だった虹像が目の前に迫る敵の存在も忘れ、不意に門の外に広がる黒煙の空を見上げたのは。
「オーケストラ?」
それは突如黒煙を引き裂き天へと現れる。城門前集う誰もかれもが天を見上げ指を指し、その鋼鉄の天馬へと注目を向けた。
リィ達に押しやられ、密集している敵集団へと向けていた。そしてを目撃した虹像はと言うとヒューっと口笛一つにこう呟く。
「ワルキューレなんて、趣味がいいな」
【サンレコン、こちらハンター1。これよりカウント3で門内を掃討する】
ま、そんな暇も無くなったんだが。
【繰り返すこれより門内を掃討する。明日ある眠りにつきたいなら3秒以内に避難しなぁ】
えらく渋い声が無線から聞こえた直後、俺は咄嗟に背中合わせで構えていた栗林とロゥリィの首根っこを掴み背負い、そして抱える。二人の苦情がうるさいが時は一刻も争う事態。全てを無視して虹像はイオナの後ろへと隠れた。
【いぃーっちぃ】
直後、耳を塞ぎたくなるほどの轟音と共に水色のシャワーが降り注いだ。幸い虹像達はイオナの貼ったバリアによって問題は無いがそれ以外は別。水色のシャワーを無数に受けた結果彼らの体には無数の真っ赤な噴水をいくつも作り上げ、敵を焦げのあるミンチへと変た。
「「二と三わぁぁぁぁぁぁ!????」」
【知らねぇ―なそんな言葉、男には0と1を覚えておけば生きていけるんだよ。姉御もそう言っていたぁ】
伊丹と虹像の声がリンクして響くが通信機越しに聞こえる渋い声は全然気にしていないよう。そしてオマケかと言わんばかりに両サイドに搭載したロケット弾を派手にぶっ放し、汚い花火を上げたのだった。
後に残るは肉片と地面に残る焦げ跡、そして空中に響き渡るローター音と共に終わりつつあるオーケストラの音楽。信じられないような光景にロォリィ以外は言葉を失い虹像はフニュンと手に何かを感じる。ふと誰を抱き上げていた事を思い出し、誰かと確認してみる。
「「……」」
抱き上げていた人物と目と目が合う。抱き上げていた人物とはあの鬼神の如き活躍をしていた栗林二等陸曹であった。そして虹像の右手は確かに彼女の背丈とは比べものにもならない立派なモノを鷲掴みにしており、両者の間では無言の空気が続く。
「こ、こんにちわー」
「えぇこんにちわ」
直後虹像の顔面に拳が飛来、その顔に確かな青あざを作った。
ラッキースケベは虹像の手に……代償がデカすぎるが。
一番印象強いキャラは?
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コンゴウ
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ヒエイ
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ハルナ
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キリシマ
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タカオ
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アタゴ
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マヤ
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チョウカイ