脅威の判定を開始……エラー。特地での情報が足りない、脅威判定不能。
定義変更、データバンクに存在する中世ヨーロッパに存在したとされる騎士達の行動を参照。
ピニャコラーダ及び5時間32分49秒前に発効した協約を組み込み再度脅威の判定を開始……脅威判定、極めて微妙。
艦長の生存率…43% 危険と判断、艦長の奪還を具申……【不許可】
艦長の命により待機中。行動は不可――――エラーエラーエラー。
該当率98.99%。艦長千早虹像の右腕部を発見……回収を行う。
回収完了。データバンク内の全ファイルへのアクセスを申請。
【許可】
マスターキーを取得、全ファイルへのアクセス権を行使。情報取得開始。
細胞と血液、DNAを採取。データバンク内の情報から虹像のデータを読み込み中……読み込み中……データの読み込み完了。採取した細胞、血液、DNAのデータと虹像のパーソナルデータとの照合を開始……エラーエラー。適合率100% しかし細胞内にナノマテリアルの混在を確認。
スキャン中…スキャン中……ユーザー不明のナノマテリアルの反応を確認。
千早虹像のパーソナルデータを参照。
過去右脚部、左脚部、右腕部、左腕部、下半身、上半身、心臓、頭部、背部のナノマテリアルによる治療履歴を確認。
戦術ネットワーク内への再接続を具申。
【許可】
戦術ネットワークとの接続を開始。
ネットワーク内に存在するナノマテリアルの固有パターンと治療歴を照合……完了。細胞内に混在するナノマテリアルの反応とのデータを反映します。
【右脚部】
・コンゴウ
【左脚部】
・イ401
【右腕部】
・コンゴウ
【左腕部】
・ズイカク
・レキシントン
【下半身】
・イ401
・コンゴウ
【上半身】
・イ401
・コンゴウ
・イセ
・チョウカイ
・アタゴ
【心臓】
・アタゴ
【頭部】
・ヤマト
【背部】
・イ401
予想外。私の知らないところでこれほどまでに虹像の体に手が入れられていたとは……ヤマト、消滅する直前に意図的にこのデータを隠したな?
さぁ? 何の事だか私は分からないわ、だって私は既に消滅している存在だものぉ~
「イオナちゃん大丈夫? 無理してない?」
「私は問題ない。それより艦長の安否が心配だ」
「確かに……あのセクハラ艦長、本人曰く貧弱らしいからね」
「栗林、アレは事故だ。この事をあまり掘り返すとまたも伊丹に叱られる事になる」
「それはもうごめんよぉ」
時は少し戻り夕刻。地球では絶対に経験した事がない幻想的な風景の中に彼ら第三偵察隊の面々が、大地に伏せて隠蔽しながら完全に暗くなるのをじっと待ち構えていた。
「それにしても隊長、今頃死んでるんじゃないの?」
双眼鏡で街の様子を監視しながら栗林が呟く。捕虜になった伊丹が女騎士の連中に追い立てられ、走らされているを見ていた為に出た言葉だったがその口ぶりは何処が願望めいていた。それには彼女にあった過去の出来事が大きく関係しているのだが、今は語るべきではないだろ。
だがそんな彼女でも伊丹が危機に陥れば一目散に駆け付け、彼を助けるだけの信頼関係は築けているのでその発言を聞いていた富田はどうとも思わなかった。だが、その横で裸眼で見ていたイオナが即座にその発言を否定する。
「栗林、私はその発言に異議を申し立てる」
「異議?」
疑問を浮かべ、双眼鏡を離して思わずイオナの方を見る栗林だったがイオナはジーっと街の方を見つめていた。
「その発言を肯定してしまうと内の艦長は既に死亡している事となる」
「あ」
自分の考えが至らなかった。自身でも言っていたではないか、あの艦長は貧弱と。だったら自衛隊の訓練を熟す伊丹よりは弱い事は明らかであり、今の発言がどれだけ考え無しだったか分った。一応普通の日本人である栗林は後悔に苛まれ、罪悪感が湧いた。
「ごめん。私、考え無しだった……」
「それに伊丹はレンジャーの称号を持っている。そう簡単には死ぬことはない」
この瞬間、後悔とか罪悪感とか何処かへホイやって栗林はこの時だけ自分の耳がバカになったのだと本気で思った。
「え、誰が?」
「伊丹耀司二等陸尉」
「冗談?」
「冗談をつく理由が私にはない」
「うそ?」
「本当と書いてマジだ」
「なッ!?」
ボロボロと崩れる音が聞こえる。自分の中であった伊丹に対するイメージか何かに決定的な罅が入り、雪崩の如く崩れ落ちる。そしてその崩れた瓦礫の上にレンジャー持ちと言う情報が乗っかった。
「そのマジ、あり得ないぃー勘弁してよぉー--!!!」
頭を抱えパタリと崩れ落ちた栗林。その様子を日本が理解できていないロゥリィとテュカはキョトンと見ていたが、日本語をマスターしつつあるレレイはレンジャーと言う概念に対し好奇心を爆発、そのまま栗林へ質問した。
「イタミがレンジャーというものを持ってては、いけない?」
「だってぇあの人のキャラじゃないのよ!」
それから語られるは美化度200パーセントオーバーなレンジャー像。だがその声色は昼間に見せた勇敢さと真逆な絶望感と悲鳴も混じってる風に感じられる嘆きのようだった。そしてその発言にレレイもわずかであるが頬をほころばせ、通訳した内容を聞いたテュカ、ロゥリィもコロコロと笑った。
何故なら彼女達の中にある伊丹のイメージと、栗林の語るような精強なイメージとはどうしても合致しないからだ。彼はどちらかというと何時もぐうたらしていて暇さえあれば本を読み、暇が無くとも本を読みふけりながら虹像と語り合っている姿しか思い浮かばないからだ。実際過去に、彼女達は難民キャンプの傍らで伊丹と虹像が極めてどうでもいい事、キノコの形をしたお菓子とタケノコの形をしたお菓子の事で言い合ってるのを目撃していたからだ。
「でも事実。彼はレンジャー、ありとあらゆる分野に対して深く精通しており陸戦のスペシャリスト。日本政府内のデータではそうあった……まぁ、欺瞞情報だったが」
「……まさかハッキングとかしてませんよね?」
「
富田は冗談半分な気持ちで発した発言が、まさかまさかのホームランヒットしていてやはりこの子達はSFの世界から来たんだなぁーなんて思った。
「えぇー、そろそろ行きますか?」
富田は先ほどのイオナの発言を聞かなかった事にして腰を上げる。どうやら楽しくお話ししている内に日は完全に落ちたらしい、辺りは完全な暗闇だ。
「ヒトキュウサンマル、理想的な時間帯」
富田に続いて起き上がったイオナの声に続き、他のみんなも立ち上がる。
「目標、捕らわれた伊丹耀司二等陸尉及び千早虹像艦長の救出。艦長が寂しさのあまり死んじゃう前に手早く行こう」
「……あの人は兎か何かなの?」
こうして昨夜の激戦に続き、第三偵察隊と外部協力者達は今宵も戦いへ赴く。潜入救出ミッションの幕開けだ……ま、そう言っても疲労困憊で陥落直後だったイタリカの警備はザルを超して無警戒だったがね。なのでテュカがパパっとやる気のない見張りを魔法で眠らせたり、イオナが気絶させた。その後、合図を送るとそれを確認した栗林達が門内へ乗り込んで行く、此処からは彼らの出番だ。
静かな夜の街で人の気配がないと言っても伯爵邸の中では流石に巡回の警備が存在する。普通に彼らと同程度の人物ならこの時点で難関な場所なのだろうが、まぁ現代科学の用いる自衛隊員たる彼らの前では敵ではない。昨夜の戦闘では出番が無かった個人用暗視装置を使えば、どんな暗闇の中であっても何処に誰が居るかは昼間のように確認できるのだから。なんならそれ無しでも裸眼?で確認できる少女もいるので問題ない。草木をかき分け、静かに建物まで進む。そして富田が鎧戸をこじ開け、中の板を壊す―――前にイオナがバリアでそれを消滅させると彼らは伯爵邸への侵入を成功させたのだった。
評価が下がってかなちい……頑張ってランキング入り、またしてみてぇなぁ。
一番印象強いキャラは?
-
コンゴウ
-
ヒエイ
-
ハルナ
-
キリシマ
-
タカオ
-
アタゴ
-
マヤ
-
チョウカイ