ゲート 蒼い鋼が何故そこに……   作:サソリス

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ほんへ


緑の大地、ビバ異世界ッ!
【1】


「うぃー、イオナぁー各種チェック頼む」

 

「了解。メンテナンスモード起動、船体スキャンを開始する」

 

「艦長、私達はどうしたらいい」

 

「指示をお願いする」

 

「あぁー400は水上レーダーを、402はソナーを頼む。あ、あとついでにイオナと同じく異常が無いかチェックしててくれ」

 

「了解した」

 

「わかった」

 

 千早 虹像。それが今世で与えられた俺の名だった。いやー、最初は主人公枠キターッ!!! ってな感じで喜んでたんだけどネーミングセンスの無さに泣いたね。だって虹像、つまりは偶像だぜ。偽物って暗示してるようでなんかヤダ。まぁーそんな風に思っても親の付けてくれた名なので有難く受け取って俺は順風満帆に成長していったともう。まぁ、精神的には成熟してた俺は関係ないけど。だけどそれが弟として生まれた群像にはカッコよく見えたらしく、良く慕ってくれたっけ。前世では兄弟のいなかった俺はそれが嬉しくて嬉しくて、何つうか暴走してたと思う。まぁそんな俺も肉体的に成長して海陽学園に入学すると色々と思っていた前提がぶっ飛んだ。なんと俺ってば主人公補正無しの落ちこぼれだったのだぁ! いやぁーそれを最初知った時には笑ったね。色々と猛勉強してコレだったんだから。そんで流石は主人公、我弟はその才能をフルで発揮して原作道理に成績トップに上り詰めた。

 まぁその影響で弟は千早の(GOLD)、俺は千早の金メッキなんて不名誉過ぎるあだ名が定着しちゃったんだけどね。その事を知った群像が切れ散らかして激怒してたのは弟の事ながら滅茶苦茶に怖かったなぁ……まぁそんな平凡? な学校生活を続けていると案の定物語の始まりを告げる出来事が起こる。イオナとの初めての接触だ。

 場所はアニメ版のような場所では無く、漫画の場所である廃棄された港にある倉庫。そこで俺は初めてイオナと出会い、そして俺は物語の歯車が動き出したと感じた。それからと言うモノ俺達の周りではトラブル続きのどんちゃん騒ぎ。何とか弟を説得して原作同様のメンバーを揃えて旅を始めたは良いがその旅は厳しいものだったよ全く。

 ちょぉこっと金稼ぎの為に霧の哨戒の網を潜って密輸モドキを行ってると地上ではイオナを狙ったアレやコレやに命を狙われるわ、海では霧の重巡洋艦チョウカイと偶然遭遇戦に戦闘となって命からがら撃破した……のは始まりに過ぎずそれからは本当のボスラッシュで天手古舞だった。メンバーを何とか揃えて再度出航してみればお次にであるのは大戦艦ヒュウガ。メンバーを1人入れ替え、珍しく政府から依頼されたミッションで護衛に付いたSSTOを防衛作戦。その後に偶像の奴が勝って受けたもう一つの政府の依頼を遂行するために横浜港に戻る途中、待ち構えるかのように立ちはだかった霧の重巡洋艦、タカオ。新型魚雷である振動弾頭を受け取って政府のお偉いさんに呼び出されている間に何故か戦闘状態となった霧の大戦艦ハルナにキリシマ。硫黄島のドックで修理した後にピーマン食べて何故か戦闘状態となってしまいコンゴウから命からがら逃げた先に待ち伏せしていたイオナと同型艦、つまりは姉妹となる霧の巡行潜水艦イ400とイ402。タカオの助けでアルスノバ状態で蘇った俺達に再度立ちふさがった強敵、コンゴウっとマジで色々あった。その後は北極当たりに旅行しようとみんなで話してたら霧の生徒会だの、総旗艦だのと色々とまた巻き込まれて最後のラム特攻した後に俺は今ここにいるってワケダ。ってか、マジで何で生きてんだ? 

 

「むぅー、イオナの計算が間違ってたとは言い難いし……謎だ」

 

 ラム特攻する前に出された確率によると8割の確率で次元の隙間に巻き込まれて遭難、漂流すると出てたんだけどなぁ……全然波の揺れを感じ無い。残り1割半はそのまま轟沈、残りが別次元へGOってな具合だけどそんなの引ける俺じゃないからなぁ。

 

「艦長、レーダーソナー共に異常なし」

 

「オールグリーン────」

 

「マジか、壊れてる場所無しってのはなんだか不自然だな?」

 

 アレだけドンパチした後だぞ、ヤマト型同士の戦闘で無傷ってのは無いだろいくら何でも不自然過ぎる。そしてこうやって不自然な事が起きると必ず続くのが────

 

「────でも、反応がおかしい」

 

 決まってトラブルなんだよな。

 

「おかしいってどういう事なんだ402?」

 

「ソナーに異常は無いが不自然な音ばかりを拾う」

 

「不自然な音?」

 

「波ではなく風の音、葉の茂音に鳥の声……絶対に水中では拾う事の無い音ばかりだ」

 

 ふむ……確かに水中では基本無音かよくて水中生物、くじらやイルカたちの鳴き声ぐらいだもんなぁ。イオナの計算が正しいなら

 

「400、水上レーダーの方はどうだ?」

 

「……奇妙だ」

 

 ん? どうした、そんな何とも言えない難しい顔しちゃって。イオナと同じで美人さんな顔なんだからそんな顔してると可愛くないぞぉー

 顔をむにゅむにゅってな具合でやるけどそれでも元に戻らない当たり何か必死で考えてるんだろうな。

 

「って、奇妙?」

 

「概念伝達の出来ない艦長には見てもらった方が速い」

 

 400がメインモニターへ指を指すとイオナがチェックしている項目を映しているであろう画面が切り替わり、外の映像が内氏出されるんだけど……マジか。

 

「なぁ400、これってバグった結果じゃないよな?」

 

「否定、外部カメラの機能は正常に動作している。映る光景に疑う考えも分かるがまずは目の前の現実を受け止めて欲しい」

 

「だがよ────」

 

 

 ────海の異次元へ潜った結果、辿り着いた先が森ってどういう事よ。

 

「私達はどうやら本来なら縋る事も出来ないほど低い確率を」

 

「0.5%の確率を引いてしまったようだ」

 

 カメラに映るのは木々。402が言っていたソナーの結果も納得だ、そりゃ水中じゃ拾うはずの無い音を拾うはずだよ。だって俺達の現在地は水中や水面では無く地上。それも見た事も無い、大自然囲まれた森の中に転移してしまったっぽいんだからな。ってかマジでここ何処よ。日本列島本土にはここまで広大な森は無い。他の大陸側を探っても長い期間国交を霧に遮断されてて世界的な飢餓に陥っていた状態だったんだ、ここまで無事な状態で保持された森は何処にもないだろうよ。まぁそれを考えるにここは異界の地、なんでもアリの未知なるフィールドって訳さ。

 

「全システムチェック終了」

 

「お、おう。お疲れイオナ」

 

「うん。船体に問題は見つからなかった。けど、私達の周りは問題ばかりだ」

 

 アハハ、まったくもってその通りですね。俺達の行く先々でトラブルばかりで嫌になるなぁ。ハシラマの時とか特に酷かったし……ズイカクさん、貴方から教わっていたサバイバル(ぢから)が無ければ生き残る事は不可能だったぜ。

 

「……とりま、イオナちゃんよ」

 

「何? 艦長」

 

 コイツと出会って一つの物語が動き出し、進んで、そして終わりを迎えた。それでもこうして一緒にいるって事はまだ何かあると言う事だろうよ、考えたくもない可能性だけどな。でも、ゼロじゃない事は確かだ。だって世界の上位者たる神様の保証付きで主人公の代役をやれと言われてるんだからな。

 こっちを不思議そうに見つめるイオナを前に俺は学生時代から愛用している帽子を被り直す。さぁさぁ多分だが今、これからが俺達の再スタートだ。前の世界の事なんて一部忘れて、気分を切り替え気張って行くか! 

 

「……ムサシ戦お疲れ様、これからよろしくな」

 

「ん? 艦長が何を言ってるのか分からないけど、まぁよろしく?」

 

 まぁ、俺の相棒はそんな事情を知る由もないんだがな。




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