ゲート 蒼い鋼が何故そこに……   作:サソリス

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【27】

 

※※※

 

 日本時間にて14:20。ある意味世界中で注目されている国会中継が幕を開けた。普段ならば視聴率をあまり振るわない某国営放送局も今回に至っては普段の視聴率と比べ200パーセント以上増と言う現実離れした数字を叩き出しており、別の放送局や生中継配信サイトも似たような状態に陥っている。では何故そのような状態に陥っているかと言うと────

 

 

 444:大いなる和

 そういえば今回の国会中継に美少女エルフと前にあげた三姉妹が来るらしいよ

 

 ────そう某掲示板にて書き込みが成された為であったからだ。

 

 コレが有象無象の書き込みならば皆信じずスルーするところなんだが、書き込んだ人物がそう言う事に対しては絶大なる信頼を置ける人物だった為に確かな情報として拡散された結果、ほぼすべての一般大衆も注目する異例過ぎる国会中継となったのだ。

 

【ただ今参考人が入って来ました!】

 

 そして参議院予算委員会の議場にはレレイにロォリィ、そして美少女エルフたるテュカに加え書き込んだ本人が流したソックリ過ぎる三姉妹が揃いも揃ってスーツ姿で姿を現したるや否や視聴率は更に倍増され、中継していたテレビ会社各社は嬉しすぎる悲鳴を上げた。だがあくまでも注目されるのは美少女達であり、最初に登場した伊丹はインパクトに欠けている為か何となく無視されており、最後に登場した虹像もそのような扱いを受ける‥‥‥‥かに思えたが実際は違った。

 

【最後の1人は……犠牲者の遺影、でしょうか?】

 

 喪服にも似た黒いスーツに身を包んだ独特なサングラスをしたその人物は他の参考人とは違い、遺影らしき写真を手に彼女達の最後尾より現れたのだった。そしてその様子に気付いた最初に入って来た自衛隊員は度肝う抜かれたような表情を浮かべていたという。

 

※※※

 

 最初の質問に立ったのは女性議員の方だった。

 

「伊丹参考人。単刀直入にお尋ねしますが特地装甲種害獣、通称ドラゴンによってコダ村からの避難民の約五分の一、約百二十人名が犠牲になってしまったのは一体全体何故でしょうか?」

 

 そう言って議員さんはドドンっと民間人犠牲者120人って書かれたボードを出すけど……この人は一体全体何を言ってんだ? 確かに百二十人死んでるけど残りの人間が生き残ってんだからそれで良いじゃねぇか。そう俺は考えたけど、彼女の表情を見るに何か目的があるなっと直感した為に口に出す事は無かった。そして委員長に呼ばれ前に出る伊丹。会場にあるカメラは初めて伊丹へと注目し、彼の言動を撮ろうとしてるようにも見える。俺もどんな答えを出すのかちょっと気になったので注目する。

 

「えー、それはドラゴンが強かったからじゃないですかね?」

 

 この瞬間、俺は思わず吹き出しそうになった。だってこのようなちゃんとした場で具体的でも無い、まるで他人事のように抽象的な意見を述べるだなんて俺も思っても見なかったからだ。質問した議員さんも見るからに絶句している。そして、それから伊丹かた語られる内容は何とも彼らしいものだった。

 確かにあのドラゴン相手では現地にて派遣されている自衛隊員の携帯火器では豆鉄砲と同等だろう。けどね、だからと言って荷電粒子砲やら中性子爆弾やら完全SFな兵器が欲しかったなんていう必要無かったんじゃないかな? まぁ、携帯火器としての荷電粒子砲っぽいものならイオナに頼めば用意出来ない訳でも無いけどさ。 ってか今わかったけどこの議員さん、何かと理由を付けて自衛隊叩きがしたいだけの単なるアンチじゃん。自分の身を守る為の盾であるはずの人達のアンチがこんな上層部に湧くだなんて……この国の軍隊も前の世界の陸軍同様大変だね。その後、科学的なドラゴンの分析結果を説明されたアンチ議員さんは何とも納得いってない様子でこの案件を一度取り下げた……かと思いきや通義のレレイの時に同じように持ち出して来やがった。

 

 多分レレイがまだ少女と言う歳だから丸目込めると思ったんだろ、さも自分が聡明かのように語る彼女の姿は何となく滑稽に見えた。

 そして注目のレレイへの質問だけど……流石は俺が認める天才少女だ。幸い俺と日常的に日本語を練習させていたお陰で言語に関しては特に問題が起こる訳でも無く、彼女は議員の質問に対し簡素的に、黙々と自身の考えを答え続けた。その結果子供と侮っていた議員さんの旗色が悪くなる。最後の抵抗か率直に自衛隊の対応に何か問題があったのかと尋ねるが、レレイは無いと断言し彼女との質問に終止符を打った。

 

 

 そしてお次はテュカの番なんだけど……大丈夫か、アレ? 

 

「私はエルフ、ロドの森部族、ホドリュー・レイの娘、テュカ・ルナ・マルソー」

 

 名前を尋ねられたテュカは胸を張って答えた。その様子は何時もの格好とは違いスーツ姿の影響でちょっと大人びて見える。……ってかテュカ、チラチラとこっちを見るんじゃありません。その"私だってちゃんと出来るんだぞー! "って来な目線で見なくても良いから。

 何とも不安の残る様子だったが議員が気になったのはそこではなく彼女の耳だったようで、一言断わり彼女のその長い耳が本物かと質問して来た。そしてそれをレレイが通訳すると彼女は「は?」ってな感じの表情を浮かべこっちを見て来た。なので俺は彼女の優れた聴力を当てに小さな声で外見に関する事だよーっと教えると。納得と言う表情を浮かべ、質問して来た議員へと解説した。

 

「はい、コレは自前ですよ。触ってみますか?」

 

 多分無意識だろうが洒落っぽく微笑んだ彼女はその長い髪を細い指先で作仕上げ、その耳を露わにするとぴくぴくと動かす。そしてそれが衝撃的だったんだろう。会場全体がどよめき、サングラスを予めしておいて正解だったと思わせるほどフラッシュが焚かれまくった。ま、眩しい……

 

「で、ではテュカさん。ドラゴンに襲われた際に自衛隊の対応に問題はありませんでしたか?」

 

 ゴッホンと咳払いをした後にレレイへと質問した内容と似かり寄ったりな設問をした議員は最後に、やはり自衛隊を陥れたいのか自衛隊の対応について聞いて来た。そんでもって彼女の返答はと言うと

 

「ん~、多分無いと思うわ」

 

 これまた伊丹に似た、ふわっふわとした内容だった。

 

「た、多分とは一体?」

 

 何か巧妙を見たかの如く、目を輝かせた議員がその理由を尋ねるんだけど────

 

「だって私、その時意識が無かったから」

 

 ────っと返答されてしまい何も言えなくなってしまった結果、テュカへの質問は終了したのである。

 

 そんでもって4番、エースであるロォリィの番になるけど……正直俺の記憶はあんまりない。名前を聞いてそれに答え、難民キャンプでの生活を聞いた後に意味の分からない質問をしたところまでは憶えてるんだけど……直後ロォリィの放った声がマイクをハウリングさせ、轟音となって響き渡った為にそれを聞いた俺は気を失ったからそれからの内容まで知らね。そして今に至るんだけど……え、これって俺もやんなきゃいけない奴? 

 

【千早虹像、参考人】

 

 呼ばれて飛び出でジャジャジャジャーン。っと心の中で唱えながら俺もマイクの前へと立つ。目の前には俺から自衛隊の非を取り出そうと必死なアンチに加え、この国の重役達であろう偉そうな人達。そしてそれを囲むように周りは俺の言動すべてを映し、見守るテレビカメラやそれ越しに見る無数のオーディエンス達。小道具はある、ネタもある。さてさて、どうやって面白可笑しくしたもんかね……

 

「参考人さんにお訪ねしたい」

 

 何とか優位に立とうと努力する議員はそれでも何か疑問に思ったんだろう、俺へと名前を尋ねる事は無かった。その代わり「貴方は……何者ですか?」っと俺の正体を率直に聞いて来た。だから俺は言ってやったのさ。

 

 

 

 

「私は、別世界よりやって来た日本人です」

 

 

 

 ってね。そしてこの瞬間テュカに向けられたどよめきよりも大きく、そして更に多くのフラッシュが俺へと浴びせられたのだった。

 




そんじゃまた来週~

一番印象強いキャラは?

  • コンゴウ
  • ヒエイ
  • ハルナ
  • キリシマ
  • タカオ
  • アタゴ
  • マヤ
  • チョウカイ
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