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sido ティア
「いいわ。教えてあげる」
とは言ったものの、たった一週間でどこまで出来るかしら。
「織斑君、とりあえず放課後は空けといて。今日から一週間で少しでもマシにしましょう」
「ありがとう。助かるよ。ト、トレイターさん」
「気にしないで。それと呼びにくいならティアって呼んでいいわ」
「なら、俺の事も一夏で」
「織斑君。スポーツの経験とかってある?」
「華麗にスルーしやがった」
それはそうでしょう。私は自分が認めた人以外名前で呼ぶつもりはないんだから。
「む、昔、剣道を少し」
「剣道か……。じゃあ放課後は道場の方がいいかしら。簡単に訓練機を借りれる訳ではないのだし」
今から申請しても一周間後くらいになりそうだし、それだったら意味ないもんね。
「剣道なら私に任せろ。剣の腕には自信がある」
「いえ、篠ノ之さん。それには及びません。ただの剣道をするつもりはありませんから」
「バッサリ切り捨てたな。容赦ねぇ」
私は自分が頼まれ、了承した事を他人に任せる気はありません。
「それではまた放課後に。教室から逃げないでくださいね、織斑君」
「さて、訓練を始めますか」
放課後、織斑君を連れて道場へ。ギャラリーは満載だけど近くで見てるのは篠ノ之さんと風間君だけ。
「ちょっと待ってくれよ、ティア。せめて説明を」
「今からします。ちょっと黙っていて下さい」
「はい。すいません」
私は織斑君に軟らかい素材で出来た棒のような物を渡す。
「簡単に言えばそれで打ち合います」
「待ってくれ。防具無しでしかも女の子を叩けってのか!」
はぁ~。思わずため息が出てしまいます。
「貴方はISの試合で防具を着けた場所しか攻撃されないと思っているんですか?思っているなら貴方は馬鹿です。それならただの剣道をすれば良いです、私からすれば無意味ですね。私は女ですけど、貴方がそうやって舐めているのなら一打も当たる気がしません。はっきり言って貴方より私の方が強いですよ。さあ構えて下さい」
織斑君は不満げに棒を正面に構えた……瞬間に棒を弾き飛ばす。
「織斑君、真面目にやらないと怪我するわよ」
「っ!」
「拾いなさい、構えてなさい、そして集中しなさい。私に遠慮なんていらないわ、全力で来なさい」
女だからって加減する暇なんて与えない。
「じゃあまずは、授業の復習から始めましょうか」
織斑君から油断が若干なくなったのが分かったので(同じように棒を弾こうとしたらちゃんと止めたので)、片手で持てる程度のノートを持って棒を構える。
「お、おう」
「その前に織斑君は授業でここ分からなかった聞きたいって場所はある?」
「ほとんど、て言うか全部」
「ああそっか。織斑君、参考書捨てちゃったんだったね」
こうして会話をしている間にも打ち合いはしている。
とは言ってももちろん常にではなく考える時間は与えている。素早く思考と記憶して欲しいから、短い時間だけどね。打ち合いばかりで知識が身につかないのもアレだし。
「なら授業でやった場所は戦闘に関係ないところは省きましょう。いい?」
「いいって言うか、その辺はティアに任せるよ。俺には分からんことだし」
「私としては今日習ったには決まりや心構え的な事、そして基礎的な事ばかりでほとんど省かれるじゃんみたいなツッコミが欲しかったわ」
「う!すまん」
今日習った事で実践関係は装備の特性だけだし、専用機が来るのが分かってて、けどどんな機体かも分かってない織斑君には教えても意味あるかしら?無いこともないかな。
原作知識で私はどんな機体か知ってるけど今言ったらおかしいし言わないけど。
「あらかじめ言っておくけれど、これは私なりの解釈だから間違ってるかもしれないわ。そのつもりで聞いてより良い解釈があるならそちらを覚えて」
「まずは近接武器と遠距離武器について……」
sido 一夏
棒を構えた瞬間に弾き飛ばされた。
……全く見えなかったぞ。
正直、防具を着けてない女の子を叩かなきゃいけないのかって思ってた。
油断してた。言い訳出来そう物ない。
「拾いなさい、構えなさい、そして集中しなさい。私に遠慮なんていらないわ、全力で来なさい」
俺はとにかく棒を拾う。
あれ?この棒、全部軟らかい物かと思ったけど硬い芯がある。
これなら竹刀と同じ感覚で行けるな。
棒を構えてティアを見る。
パァンッ!
「うん。今度はちゃんと止めれたね」
ふぅ。なんとか弾かれずにすんだ。
「じゃあ、訓練開始するわ」
「なあ、ティア。これってISの訓練なんだよな」
「だから最後まで話を聞きなさい。同じ事何回も言わせないで。……もちろんISの訓練よ。今から打ち合いながらISについて話していくから」
「はぁ!」
いくらなんでも無茶だろ。
「文句は受付ないわ。たった一週間で代表候補生と戦うんだからこれくらいやらないと。さあ構えて」
くそ~。やるしかねぇのか。
その後の訓練は酷かった。訓練が酷いんじゃなくて、俺の出来が酷かった。
ティアは片手に棒、もう片方の手にはノートを持って打ち合った。
なのに俺はティアに一打入れるどころか、ノートを置かす事すら出来なかった。両手で打っていたのに片手で持ってたティアの棒を弾く事も出来なかった。
昔とはいえ剣道をしていたのにこの結果は悔しい。
ISの方の説明はとても分かりやすくて、授業で理解出来なかったところもかみ砕いて説明してくれた。
さらに「教科書に書かれているやり方で難しかったら」とティアなりのイメージも教えてくれた。「でもイメージは人によって捉え方が変わってくるから逆にやりにくいかもしれないよ」
ティアのイメージは具体的で分かりやすかった。これがもし箒だったら「くいって感じ」とか意味不明な事言われたんだろうな。あ、箒に睨まれた。
ああ、この「くいって感じ」も捉え方の違いってやつで箒には分かりやすいのかもしれない。俺には意味不明だけど。
ティアの訓練は打ち合いをしながら、知識などを口頭で教えてくれる。
これを一週間行われてついに今日、セシリアそして遼との試合が始まる。
第六話は一夏の訓練。
訓練の相手は箒じゃなくてティア。
一夏には原作より強くなってほしいと思います。