終結プログレス 作:カモカモ
◆三分チェンジ
「3分──それだけあれば、世界変えれると思うんですよ」
「何言ってるんだお前」
同居人がぶっ壊れた。百とて、ただ無為に生きてきたということはなく、だからこういう時はどうすれば良いかは十二分に把握していた。
即ち。
「叩けば治る」
掌を天にかかげ、そこそこ手加減して同居人の脳天に落とす。
「それで治るの、電化製品だけだよ!」
治った。
「最初から、壊れてないからね」
「え」
「え?」
「廃人プレイヤーの廃という漢字の成り立ちは──」
「その場合、そっちにも当てはまるじゃないっすか」
「草餅め」
「何でも俺のせいにしとけば良いと思ってる?」
「気のせいだ」
「その言い訳は無理筋じゃないかなあ……」
◆刺激的デイリーライフ
「粉を買ってみたんですよ」
「その……白い、粉か」
「その名も、マジカルパウダー」
「マジカルパウダー」
「すごくよくて……その場で決めたんですよ」
「その場でキメた」
「百さんも使いますか?」
「…………警察を呼ぶ。失望したぞ丹月」
「なんで!?!?」
全国展開している中華料理チェーンで使用されている味塩こしょうを、百に勧めたらなぜか通報されそうになってしまった。
「紛らわしい言い方をするな」
「そんな勘違い生まれると思わないじゃないですか」
その白い粉を少しだけ振りかけて使っていた百は、物足りなかったのか追加で粉の量を増やしてカップラーメンに投入する。
「お前のようなタイプは、刺激を求めてそういうのに手を出すというのが、相場だろう」
「偏見ひどくない?」
あと、別にそういうやつの入り口は、刺激のためだけではないと思う。多分。丹月は全く詳しくないけど。
それと、そもそもの話だが。
「刺激なら、かなり足りてるから要らないかなあ……」
「私の目を見つめながらそんなことを言ったのは、どういう意味だ?」
「そういう意味じゃないっすかね」
「草餅め」
◆本体デュエル
「百さん、本体忘れてますよ」
赤い上着を指してそんなことを抜かしやがったのは同居人であった。
「…………」
失礼、という単語がある。要するに、礼を失するという意味で、人間関係においては、礼というものは失するとろくでもない結果を導きかねない。親しき仲にも礼儀ありという、言葉だってあるくらいである。
つまるところ、今の発言は、
「失礼が過ぎないか丹月」
「その辺の床にジャージを放り出してる人も大概じゃないかなあ」
「私の本体を衣服の方ととらえているのか?」
「トレードマークには違いないじゃん」
やはり、普通に失礼なのではないかこいつは。
「その理屈でいえば、お前はジャージの付属品と寝た──そういうことになるが?」
「それなら百さんは、和菓子と一緒の寝具を使ってることになりますねえ」
「しょうがないだろう。なにやらその和菓子とやらは、私のことを捕まえることに精を出しているようだからな」
「……どういう感情でそれ言ってます?」
「そもそも──私がこれを脱ぎ捨てる羽目になったのは、誰のせいだ?なあ、草餅」
「…………」
勝った。