終結プログレス   作:カモカモ

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焼きそばクエスチョン/納涼バニー

◆焼きそばクエスチョン

 

「すげえ、今更な話ししても良い?」

「だめだ」

 

 丹月は、普通に無視をする。

 

「久々にこれを食べて思ったんですけど」

 

 丹月は、百がストックしている、業者もかくやというバリュエーションのカップラーメンの類の山から拝借した焼きそばをすする。

 

「これほど素晴らしい食品を滅多に食べないから、お前は草餅なんだ」

「俺は産まれた時から久佐持なんですよ」

 

 ふと思いついて、先程コンビニで購入したポテトサラダものせてみた。

 百から、変態をみつけたときにするような目で見られる。心外だったので、丹月は百の口の中にポテサラトッピング焼きそばを、突っ込んだ。

 

「味覚が破壊される」

「それこそ今更だよ、百さんの場合」

「やかましい。それで?」

 

 マヨネーズ味とソース味があわない道理はなく、とたつもなく味が濃くなった茶色の麺を箸でつかみながら。

 

「これって、焼きそばって名前じゃないですか」

「まあ、そうだな」

「調理過程で焼いてなくないですか?」

 

 なんなら、さっき湯を入れてふやかしている。

 

「そんな細かいことを気にする男は、早死するぞ」

「こういうタイプの方が案外長生きするもんですよ」

「減らず口を…………。あと確かに、調理工程だと、揚げるの方が近いかもしれないな」

「揚げてるんですね、インスタント麺って」

「詳しくはいまいち知らんが」

「知らんのかい」

 

 唐突に、百が箸で掴んだ麺を丹月の方に差し出してくる。先程の返礼だと了解し、丹月は口で受け止めた。

 

「たが、考えてみろ丹月。━━皿うどんは、うどんか?」

「違いますね」

「皿うどんがあれでうどんを名乗るのだから、カップ焼きそばが焼いていなくとも問題は何もないだろう。あと、麺がそもそも蕎麦ではない」

 

 二人して完食。ごちそうさまの、手を合わせた。

 

「そういえばそうですね……………そうかな……そうかも」

「本当にそうか?」

「なんでそっちが、俺を不安にさせようとしてくるんですか」

 

◆納涼バニー

 睡眠負債という言い回しがあるらしい。そうであるならば、今日の百は間違いなくそれを全て返済したと言っても過言ではないだろう。

 まあ要するに、金曜日という休日前夜であったことを良いことに、いささか宵っ張りなログイン時間を達成してしまい、ログアウト後に寝落ちしたせいか、目が覚めた時にはすでに日が傾いていた。

 妙に長時間眠ってしまったせいか、身体はやけに重く、頭の働きも悪い。さすがに、ぼちぼち寝具に居座り続けるにも、逆に身体が痛み始めたので、自室から出て、何かしらの養分を摂取するためにいわゆるダイニングスペースへと足を踏み入れて。

 

「…………」

『…………』

 

 なんかいた。

 もふもふの毛皮に長い耳。柔らかそうなボディ。

 つまるところ、うさぎのきぐるみである。

 百は心底めんどくさかったので、何も見なかったことにする。きぐるみの中身は、そもそも百といっしょに住んでる相手は一人な訳で、自ずと絞られるし、余計にその存在を無かったことにすることにした。

 百は普通に無視をして、キッチンへと向かい食料を確保。そして、ポットにお湯を沸かそうとし。

 

「……なんのつもりだ、お前」

『………………』

 

 うさぎのキグルミが、百が手に取ろうとしたポットを、奪い取って無言で立っている。

 

「なあ、草餅。私は今から、食事なんだ。要するに、空腹なんだ。だから、いつもよりも、いささか機嫌が悪くて、な?」

『……』

「なるほど、意地でもお前は、私の邪魔をすると」

 

 そうであるならば、話が早い。

 一息に。

 百は距離を詰めて、うさぎの懐へ潜り込む。うさぎは、ワンテンポ遅れてそれに対処しようとしたが、もう間に合うはずもない。空腹の女は、もふもふの腕をとって、難なくポットを奪取。ついでに、きぐるみの足も払った。

 床に転げて、じたじた起き上がれないうさぎ。

 

「いい気味だ。実にしょうもないことに、私を付き合わせた罰にもう少しそこに転げてお「あれ百さん、起きたんですね」

「草餅ぃ!?!?!?」

 

 どういうことだ。

 

「って、なに?そのきぐるみなんなの!?…………って、はあ?」

「え、いや、これは、おま…………え?」

 

 先程まで床に転げていたはずのうさぎは。

 二人の目の前から、消えた。恐る恐る、互いの目を見つめる。

 

「……………………くさもちめ」

「俺のせいにするのはだいぶ無理筋じゃないかなあ!?」

 

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