終結プログレス 作:カモカモ
◆愚痴愚痴インスタンス
「そもそもだ。アレンジレシピが、この世にあまた溢れていること、それ自体は、まあ良しとしよう。私自身は、それはカップラーメンのメリットである利便性を結局のところ無に帰しているように感じられるが、カップラーメンの真髄を追求する手段として、そのひと手間がアプローチになりうるということは、さすがに認めざるを得ないからだ。そうだ、カップラーメンを食べるということ──これはカップラーメンの根源に至るための、手段であり目的であるのだから、な。そのうえで。その上でだ。一つ問おう。カップラーメンの中身を砕いて、それをチャーハンの具材にするというのは。果たしてそれは、カップラーメンアレンジなのか?これをアレンジとしてよしとするのであれば、この世の人間は全てタンパク質のアレンジにすぎなくなるのではないか。なるほど、この料理系配信者は、今回の特典──すなわちマグカップの獲得を目指している。ならば、この行為も手段としては認められる側面があるのかもしれない。だが。だが!責任はその影響力に比例する。かの配信者一人で、少なく見積もっても数十万人に、カップラーメン粉砕チャーハンのレシピが広まるということを、覚悟を持ってレシピとしてインターネット上に公か「何でも良いですけど、左肩に顎が刺さっていたいからやめて?」
◆こたつコンクルージョン
休日の昼下がり。昼食と呼んでもいいのか分からないレベルの食べ物ではあったが、一応空腹は満たされて次に来るのは睡魔というのは当然の理だ。
だから、先ほどまで舟を漕ぎながらかろうじて携帯端末を操作していた百が、夢の世界へ飛んでしまったことは何も不思議はない。
ただ、一点。
「俺の部屋……俺のこたつなんだけどなあ…………」
久佐持丹月の嘆息交じりのことばには、すやすやと心地よさそうな寝息が返されるだけだった。
ホームセンターで最も小さなこたつを購入した自分が悪いのかと、一瞬反省しそうになったがそんなことは多分ないはずだ。もともと、一人で暮らしていた時の奴をそのまま使っているわけで、第一こんなにも丹月の自室に入り浸ってるのは、百の方の訳なのだから。
んん、と百から寝言というには言葉になりきっていない声が漏れている。
隣り合った辺にお互いに腰掛けていたから、丹月が手を伸ばせば百にすぐ手が届く。
頬に掌を添えてみる。眠っているはずの百が、その掌に頬をこすり合わせるように頭の位置を動かして、やがてちょうどいい位置になったのか動きを止める。
「飼い犬……?」
「誰が犬だ、草餅め」
「起きてた……」
ただ、彼女はまだ幾分眠たいようで、瞼もとろんと閉じかけてはいた。
「勝手に、人に触れるとは、油断のならん男だ」
「起きてたんなら、避けれたでしょう?」
「うるさい」
百は床をとんとん叩く。目が、早く寝転がれと命じていた。
丹月もとろりとろりと睡魔がせり上がってきてはいたし、特にすべきことも無かったので、それに従うことにした。
こたつの温もりと、すぐ近くの体温。
「もっと大きいこたつ、買います?」
「必要か?」
「いらない、ですね」