終結プログレス 作:カモカモ
◆等身1/2スケール
1/2スケールリュカオーン抱き枕なるものが、公式から発表されたのは一月ほど前の事だった。
10点限定かつ、抽選形式。
黒剣のサブマスターたる草餅として直接それと対峙した丹月としては、だいぶでっかくさないか、とへ思ったものの、別段応募するつもりもなく、よしんば応募したとて当選することはないだろう、とか考えていたわけで。
すっかりそんなもんの存在も忘却していたのだった。
つい、先ほどまでは。
「………………百さん」
「………………………………………………………」
沈黙でごまかそうとする同居人。なんなら目を逸らそうとする黒剣リーダーサイガ-100。
顔をそらそうとするから、仕方なく顔を両手で固定。
「でかいね」
「そうだな」
「当たってたんですね」
「そのようだな」
「どうするんですか、このサイズ」
「私の部屋に置くから何ら問題はない」
「なら、安心ですね。ところで、百さんの部屋でこれ置けそうなのって、ベッドの上くらいじゃないかなあ」
「挟まって寝ればいい」
「本気で言ってる?」
「私の目を見てみろ」
無駄な眼力だった。
丹月は鼻で笑った。
「この真摯な眼差しを鼻で笑うとは人の心が無いのか」
「どうすんの?」
「……………………」
丹月のベッドは二人で寝れないことは全くなかった。
◆続
百のベッドを占領しているはずの1/2スケールリュカオーンが、リビングに陣取っていた。
百が追い出したらしい。
「最後まで飼えないならだめだってあれほど」
問題としてはすっげえデカいので、リビングも大概占領しているという点だった。要するに邪魔であった。
しょうがないので、丹月はリュカオーンをソファに座らせる。
「…………思ったより迫力があるなあ」
まあ、動き出したりはしないはずだから、別段問題はないだろう。
なんとなく置き場所には拘った。
外来抱き枕を、無事ベッドから追い出した百は、それなりにしっかり睡眠が取れたことに満足しつつ、自身の部屋からリビングへ向かって。
「む」
目に飛び込んできたのは、ソファでくつろぐ1/2スケールリュカオーンだった。なんかソファの背もたれに前脚を乗っけてポーズまできめている。
リュカオーンが自力で動いたのでなければ、こんなポーズをとらせたのは、確実に丹月だろう。
「しょうもないことを……」
だが、百はリュカオーンに一家言あった。負けるわけにはいかなかった。
リュカオーンが逆立ちしていた。ソファ前のミニテーブルの上で。
「なんで!?」
いやまあ、犯人は一人しかいないわけだが。
「百さんって、暇なんだなあ」
「誰が暇人だ」
かくなるうえは、リュカオーンさんで百をガードするしかなかった。
すっ(丹月に掲げられるリュカオーン)
ひゅっ(とてつもない速度の手刀)
ぼふ(もふもふしているリュカオーン)
「あと、今思ったのだが。こんなに人間に好き勝手にされるリュカオーンは解釈違いだ」
「あ、はい」
「草餅め」