機動戦士ガンダムこれくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP13 MS娘、集結!(上陸作戦側編)+α

ハルフェースが飛び立ってから約数時間後、ハルフェースのブリッジに通信が入った。

「連合艦隊総旗艦「スサノオ」より入電です!」

空は夕暮れに染まりかけていた時、ブリッジに通信オペレーターが再び声を上げた。それを聞いたシンは、繋いでくれ。と告げる。オペレーターはすぐに通信を繋ぎ、それを正面モニターに回した。そしてモニターに映し出されたのは、白い海軍服に身を包み白い軍帽を被った右目が隠れてしまっている真っ白な短髪に深い青い左目のとても白い(純白の)肌の男だった。その男がモニターに映るなり、シンはサッと敬礼をした。

〈予定通りの到着だな。シン司令〉

その男はそう言いながら敬礼をする。そしてシンもまた男に返す。

「はい。作戦開始に間に合ったようでホッとしております。クロサキ司令長官

シンに「クロサキ司令長官」と呼ばれたその男は敬礼を止めると、それを見たシンも敬礼の手を下ろした。

〈先程、コトハ君を誘導員として向かわせた。彼女たちに従って配置に向かってくれ〉

「了解しました」

〈1時間後、MS娘専用母艦「アメノハヅチ」で作戦の最終確認を行う。遅れないようにな〉

「ハッ!」

シンがクロサキ司令長官に敬礼を返すのと同時に、通信オペレーターが再び通信をキャッチした。

「司令、コトハから入電です!」

〈では、また後でな〉

それに気づいたクロサキ司令長官は敬礼をすると通信を切った。

「コトハとの回線を開いてくれ」

「了解しました!」

そして今度は先程クロサキ司令長官が誘導の為に派遣したコトハとの通信回線を開くようにシンが指示を飛ばした。すると正面からオレンジ色の光を発しながら近づいてくる物体がシンの目に入った。それと同時に正面モニターに、揉み上げが長い癖毛になっている明るい茶髪のショートヘアーに、少し青みがかった七分袖のシャツに襟元が青いライトグレーの上着を羽織り、黒色のパンタクールに茶色の皮ベルトを撒いて濃い茶色の革靴を履いた。直線と曲線が入り混じった黒とグレーに彩られた装甲服を纏い、胴体を覆う大型の円筒状のパーツと胸元のV字の装甲、両肩には側面に楕円形に近い十二角形の大型シールド、背面に増加粒子タンクを装備し背中にはコーン状のスラスターを取りつけ、右手に短い銃身のビームライフルを持った茶色に近い赤い瞳の少女が映った。

 

【挿絵表示】

 

〈司令ぇー!待ってましたよー!!〉

やがてその少女はブリッジ左舷側に並走するようになると、ニッコリと笑顔を作ってブリッジに向かって手を振ってきた。

「ハハハ、相変わらず元気だなコトハ

その少女、GN-XⅣ(パトリック・コーラサワー機)のMS娘「コトハ」の行動に苦笑しながらシンは会話に応えた。

〈勿論です!だって司令と数日ぶりに再会できたんですから!〉

「そ、そうだな……」

コトハの言葉に少し引いてしまっているシン。実はこのコトハと言う少女。実は大の司令官ラブなのである。入隊当初こそ、普通の少女だったのだがある時期から司令官であるシンの事が大好きになってしまっていたのだ。そしてそれは現在でも続いているのである。

「ともかく、アメノハヅチへの誘導任務。しっかり頼むぞ」

〈はい!コトハにお任せください、司令!〉

コトハは親指を立てた左手を顔の前に持って行きながら、ウインクをしながらニカッ!と笑ってみせた。

「では俺たちも準備に入ろうか、ユイ」

「ああ。ここはコトハに任せても問題ないだろうからな」

〈チョッ!まだ私、司令と全然話せてないんだけどー!〉

「すまないがこちらにも準備がある。また後でな」

〈ちょっとしれ―――〉

そう言ってシンは一方的に通信を切った。

「あとは任せる、艦長」

「わかりましたよ。モテる男は辛そうですね、司令」

「これ、モテてる。って言えるのかぁ?」

シンは苦笑しながらユイと共にブリッジを後にした。そしてブリッジの扉が仕舞った直後、ブリッジの方から、司令ぇー!という声が微かに聞こえてきたのだった。

 

それから数十分後、ハルフェースの眼下の海上に無数の艦船が密集している海域が見えてきた。戦艦や空母のような大型艦から、巡洋艦、揚陸艦、駆逐艦、輸送艦などの中、小型艦艇もかなりの数が停泊し、戦艦や巡洋艦はその砲口をフロリダ半島へ向け砲弾を次々に休むことなく撃ち込み続けていた。その光景を出撃ドックにある船窓から見たヨナは圧倒されていた。

「す、凄い。あれが連合地球海軍の艦隊…」

「とは言っても、全部の艦艇がここへ来ている訳じゃないけどね」

隣の船窓から同じ光景を眺めていたアスカがポツリとこぼした。すると、シンとユイの2人が出撃ドックに姿を現した。

「3人とも、準備は出来ているのか?」

そうシンが尋ねてくるとアスカは、勿論ですよ。と返答した。それに続いてヨナとリシェットも頷く。3人は基地が飛び立った後に整備室に向かい、装備の最終チェックを念入りに行っていたのだ。

「寧ろ、司令とユイさんが来るのを待っていたんですけど…そっちは準備できているのでありますか?」

「問題はない。いつでも出撃でき(出られ)る」

「流石ユイだな。それで、もう出撃するのか?」

「ああ。もうすぐ「アメノハヅチ」で最終作戦会議が行われるからな。今すぐ出撃するとしよう。ヨナとリシェットはベースジャバーを使ってくれ。いいな?」

「わ、わかりました!」「それくらいわかっている」

そして5人は出撃カタパルトの方へと歩いていった。ヨナ、アスカ、リシェット、ユイの4人はそれぞれにパネルに右手を当て、出撃準備に入った。一方のシンはカタパルトのすぐ横に設けられたリフトに乗って下へと降りていった。ヨナ達はカタパルトに乗りながら装甲服を身に着け、あっと言う間にカタパルトデッキに到着した。そしてシンはユイの元へと歩きながら喋りだした。

「では今から、MS娘専用母艦「アメノハヅチ」へ向かう」

シンの口から、聞きなれない言葉を聞いたヨナは不思議そうに首を傾げた。

「MS娘専用母艦?」

「ああ。海軍と俺たちM.G.Fが合同で建造したMS娘専用の運用母艦だ。今回みたいな海軍と合同での作戦や艦艇の護衛が任務の時、いちいちこっちに戻って補給や整備をしていると効率が悪いからな」

「陸軍との合同作戦なら地上拠点でそれが出来るが、海上ではそれが難しい。その為のMS娘専用母艦、と言うわけだ。覚えたか、ヨナ?」

「はい!」

シンとユイの説明を受けたヨナは元気よく返事をした。それを見たシンは小さく笑みを浮かべた。そして、近くにあった受話器型の内線を耳に当てブリッジと連絡を取った。

「シンだ。今から私たちはMS娘専用母艦「アメノハヅチ」に向かう。そちらは任せたぞ」

〈了解しました。ご武運を!〉

それを聞き終わったシンは受話器を戻すと振り返り、言った。

「じゃあ、行くかっ」

「はい!」

ヨナは大きく返答した。

 

そしてハルフェースから出撃した5人は海上近くを飛びながら「アメノハヅチ」へ向かっていた。ヨナはそんな中、初めて見る巨大な艦たちを見て視線を右往左往させていた。

(凄い……こんな大きな艦が海に浮いてるなんて!)

そんな事を考えながらヨナの視線がとある艦が目に留まった。それは他の艦より大きな船体にひときわ高い艦橋と煙突、マスト、そして艦首側と艦尾側に他のどの艦よりも巨大な3連装砲塔を4基搭載した巨艦だった。

「あの艦、なんて大きさなんだろ…」

そんな感想を思わず零してしまうヨナ。そんなヨナに気づいたシンが通信で話しかけてきた。

〈あれが連合地球海軍が誇る最新鋭の戦艦…戦艦「スサノオ」だ〉

戦艦スサノオ……」

〈戦艦スサノオは連合艦隊総旗艦の座に付いている。まあ、今回は立ち寄る予定はないが覚えておいても損はないだろうな……と、見えてきたぞアメノハヅチだ〉

と、シンが眼前に見えてきたアメノハヅチを見つけた。それに釣られてヨナも視線を正面に向けた。そこにはスサノオと同じくらいの全長を誇り、艦首から艦前方にかけて3段に分かれた飛行甲板を持つ航空母艦の様な見た目の艦だった。

「あれが、アメノハヅチ……」

〈そうだ……(作戦会議の時間まであと15分か)…アメノハヅチ着艦後、速やかに作戦会議室に集まるように!ヨナは俺たちからはぐれないように気を付けてくれ!〉

「わかりました!」

どんどん迫ってくるアメノハヅチを前にした時、アメノハヅチの管制官から通信が入った。

〈こちらアメノハヅチ管制官、貴公らの着艦を認めます!〉

〈感謝する!〉

シンはアメノハヅチの管制官に感謝を述べると、4人がそれぞれアメノハヅチへの着艦態勢に入った。

〈こちら、ウイングガンダムゼロ。これより着艦する〉

〈ガンダムMk-Ⅱだ、着艦するぞ〉

〈インパルス、着艦しますっ〉

「ナ、ナラティブガンダム!着艦します!」

単独飛行が出来るユイとアスカの2人は滑り込む様に着艦し、ベースジャバーに乗っていたヨナとリシェットはヘリコプターの様に垂直着陸をした。そして、アメノハヅチの飛行甲板に足を踏み入れたヨナは、またしても初めて見た甲板上からの眺めに興奮を抑えられなかった。

(凄いっ。まるで海の上に立ってるみたいだ!)

「おいヨナ!ボケっとしてないでこっちに来い!」

「す、すみません!今行きます!」

リシェットの叫び声を聞いたヨナは慌てて4人の後を追いかけて行き、5人はやがて艦内へと降りていった。

 

それからしばらく艦内を歩いたヨナ達はとある広い部屋に足を踏み入れた。

「司令ぇー!!」

「うわっ!!おいコトハ、何をするんだ!」

そして室内に入るなり、シンはコトハに抱き着かれてしまった。

「一方的に通信着るなんて、ヒドいですっ!」

「悪かったから離れてくれ!会議が始まるだろ!」

「あとちょっとだけ―――わっ!」

すると、コトハの背後から黄土色にかなり近い金髪のボブヘアーに、白の長袖シャツの上に焦げ茶色の記事に襟元が黄土色になっているカヨの私服と少し似た服を袖を捲って着用し、同じく焦げ茶色のガウチョ・パンツとチャック式の黄土色のロングブーツを履いた。全身をメタリックブルー1色で染められ、全身至る所にバーニアスラスターが取り付けられた曲線的な装甲服を身に纏い、左肩にのみ3本のスパイクが付けられ、右手にはストックが取り付けられたポンプ式のショットガンを持ち両膝の横にはシュツルム・ファウスト、腰裏にはストックの外されたポンプ式のショットガンがもう1丁懸架され、背中には大口径のジャイアントバズⅡを2丁背負った。茶色に近い赤い瞳の少女がコトハの後頭部を左手でゴツンッ!と殴った。

 

【挿絵表示】

 

「いったた…」

「いい加減にしておけコトハ。これ以上司令を困らせるんじゃない」

「うぅ~、何も殴らなくってもいいじゃないミーシャ―――って、痛っ!ごめんごめんごめん!今離れるからぁ!」

ミーシャと呼ばれた少女は再びコトハの後頭部を殴った。それに懲りてコトハはシンからようやく離れた。

「まったく…」

ミーシャは、やれやれ。と首を振っていた。そんな彼女はケンプファーのMS娘だ。M.G.F精鋭の1人で、面倒見が良く仲間想いな性格をしている。そして戦闘では自身の強さにかなりの自信を持っているが、決して驕ることのない実直さを持ち合わせているコトハのストッパー役でもある。そしてそんな話をしていると、先程シンとモニター越しに会話をした男「クロサキ司令長官」が数人の部下、そしてもう1人、整ったショートヘアーの黒髪に茶色い瞳、黒いパーカーの上に白い海軍の軍服を羽織って、黒いジーンズと革靴を履いた身長175㎝くらいの男を連れて入ってきた。

(あれ?あの人だけ服装が他の人と違う?)

そんな中、ヨナはその男に不自然さを感じたのだった。だが、他のメンバー全員が咄嗟に姿勢を正し、クロサキ司令長官に向かって敬礼をしたのを見てヨナも慌てて敬礼をした。それに応えるようにクロサキ司令長官と数人の部下、そしてもう1人の男が敬礼を返した。そのすぐ後にクロサキ司令長官が敬礼の手を下ろすとシンも手を下ろし、その場にいた全員も敬礼の手を下ろした。それを確認したクロサキ司令長官はシンに目線を合わせると、口を開いた。

「シン指令、作戦会議の前に以前話していた。海軍からM.G.Fへ異動することになった者を紹介させてもらってもいいか?」

「はい。問題ありません」

「すまないな。こいつがその男だ」

すると、先程ヨナが違和感を感じた男が1歩前へ出ると敬礼をして自己紹介を始めた。

「自分はアミット・オルフェーヴと言います!本日よりM.G.Fへの転属を命じられ、ただいま着任しました!」

 

【挿絵表示】

 

「こいつはまだ若いがとても頭が切れる奴でな。是非、力を引き出してやってくれ」

そう言ったクロサキ司令長官はアミットの背中をポンッと叩いた。クロサキ司令長官は身長が150㎝くらいしかない為、肩に手を置くことが出来なかったのだ。

「M.G.F総司令官のシン・クロサキだ。これからよろしく頼む」

そう言ってシンはアミットに右手を伸ばした。

「シン司令、よろしくお願いいたします!」

アミットはシンの右手を握りしめ、強い握手を交わした。

 

続く

 

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