機動戦士ガンダムこれくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP23 強襲!?

〈コトハ、どうした!?〉

突然コトハの援護要請に驚いたシンだったが、すぐにコトハとの通信回線を開きコトハに問いかけた。

〈北西方向から黒色機動群の別動隊です!私1人じゃ…くそっ、早い!〉

ユイがコトハのいるであろう北西方向に目を向けると、そこではオレンジ色の閃光が数回地上に向かって走っていた。そしてコトハの通信に交じって連合地球陸軍歩兵部隊の会話も聞こえて来ていた。

〈急いであのMS娘を援護するぞ!撃てー!〉

〈…駄目です隊長!こいつら早すぎて―――う、うわぁー!〉

〈おい!しっかりし―――あっ、ぎゃあぁー!〉

銃声交じりの通信からは歩兵部隊の悲痛な叫びが響いてくる。

〈クッ!急いでコトハの援護に向かうぞ!ヨナとリシェットは予備のライフルを受け取ってから合流だ、急げ!〉

「りょ、了解!」〈すまないユイ!〉

シンからの指示を受けたヨナとリシェットがそれぞれに口を開く。

〈口より体を動かせ!〉

しかしユイはそう吐き捨て、ユイはシンと共にコトハの救援に向かった。

 

 

〈こいつぅ!〉

コトハは黒煙と炎が立ち上る戦場の上空でGNビームライフルを地上に向けて発砲していた。だが、地上を行く3機の黒色機動群。ずんぐりした平面装甲が上半身を占め、腰はまるで「スカート」を履いたような曲線が目立ち両脚もまた鋭利的な曲線装甲が目立つ。そして頭部に十字を模ったような枠の中を1粒の桃色をした光球がそれぞれコトハを捉え、両手でミーシャのジャイアントバズを思わせるバズーカ砲を携えながら地上を、まるでスケートをするように滑っていくDM(ディーエム)は難なく回避していた。GNビームライフルから放たれたオレンジ色のビームは地上に激突し土煙を上げる。そしてコトハの攻撃を回避したDM級は3機がそれぞれコトハを中心にして円を描くように動き回り、上空のコトハに向けて手にしたバズーカ砲を発射する。

〈そんなものに!〉

だがビームに比べ柄弾速が遅いバズーカ弾に当たる程コトハは弱くない。弾道を読み、空中でひらりと身を翻しそれらを回避する。だが、距離を一向に詰めてくる気配を見せないDM級3機にもまた、コトハのGNビームライフルは命中しなかった。発射されたオレンジのビームはDM級の背後に着弾するばかりだった。

(歩兵部隊にこれ以上の被害を出すわけにはいかない…ユイたちが来るまで持ち堪えないと!)

そしてコトハが今現在いる場所から動けない理由はもう一つ存在した。先程、コトハを援護しようとDM級に攻撃した歩兵部隊はDM級のバズーカによる反撃で吹き飛ばされてしまい一部隊が丸ごと壊滅してしまったのだ。直後にコトハは「援護不要」と歩兵部隊に呼びかけ、現在に至る。すると―――

〈コトハ!〉

二筋の光の帯がDM級の足元を捉え大きな爆発を起こした。地上を滑って移動していた2機のDM級は突如足元の地面を抉られ、舞い上がった土に足を取られてその場に仰向けになって倒れた。コトハはその光の帯を放ってきた相手をすぐに理解し、倒れたDM級にGNビームライフルを向けた。

〈もらったぁ!〉

直後にコトハが照射モードに変更したGNビームライフルを倒れた2機のDM級に放った。コトハが放った二射はDM級の背後から腹部を撃ち抜きDM級を爆散させた。そして一瞬にして両機2機を撃破された最後のDM級は右手に保持していたバズーカをその場で投棄し背中にある細長い棒状の刀身を持つ剣を抜き、コトハに向かって飛び上がってきた。空中に飛び上がった瞬間、DM級の剣が赤く光を発しそのままコトハに斬りかかってきた。

〈なんの!〉

だがコトハは咄嗟に右大腿部の内側に内蔵されたGNビームサーベルを左手で抜き放ち、抜刀の勢いのままGNビームサーベルを眼前に掲げてDM級の剣を受け止めた。オレンジ色をしたビームの火花がチリチリとコトハの装甲服に当たって弾ける。

〈ユイ、お願い!〉

コトハが叫んだ直後、コトハの右足がDM級の左脇腹を直撃した。バキッ!と鈍い音が響きDM級が真っ逆さまに地面に向かって落ちていった。かと思ったら、空中で体勢を崩していたDM級を一条の光の奔流が呑み込み、あっと言う間に消滅させた。ユイが放った高出力なツインバスターライフルの照射だ。光の奔流が消え、最後のDM級が消滅したことを確認したコトハは、ふぅ。と息を吐いた。GNビームサーベルを右大腿部の装甲内側に格納し直していると、そこにユイとその背中に乗ったシンがやって来た。

〈よく持ち堪えたな、コトハ〉

シンの口にした称賛の言葉にコトハは、パアァ!と顔を明るくした。それに続けて、今回のMVPはお前だ。と言われたコトハははち切れんばかりの笑顔になった。

 

ありがとう司令ぇ!次ももっと頑張るから、コトハから目を離さないでくださいね!

 

(ユイがいなかったらマジで抱き締めに来てただろうなコイツ……)

シンはコトハがMVPを取ったことに喜びと困惑が同居するのを感じていた。そしてそこに予備のライフルを取りに行っていたヨナとリシェット、そしてミーシャが合流した。

「遅れました―――て、あれ?」

〈なんだ、もう戦闘終了してるじゃないか〉

遅れてきたヨナは既に戦闘が終了していることに困惑していたが、リシェットは少し不満そうだった。

〈2人で仕留めるとは流石だな。それはそうと司令、急いで態勢を整えて進攻を再開すべきだと私は思うが、どう思う?〉

一方のミーシャは既に次の一手を考えている様子だった。ミーシャは早急に進行を再開すべきとシンに尋ねた。シンは少しだけ思考を巡らせてから口を開いた。

〈そうだな。陸軍司令部にすぐに部隊を整えるよう進言してみよう…俺たちはすぐに補給を済ませ黒色機動群の更なる奇襲に備える、各員は早速補給作業に取り掛かってくれ〉

 

了解!

 

ヨナ達はそのまま補給に取り掛かる為、補給車両に向かった。

(奇襲は防ぎ止めたけど、これからが本番なんだ。しっかりしないと!)

ヨナは補給車両へ向かう中、そんなことを考えていた。

 

続く

 

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