〈よし、反撃開始だ!〉
アスカとルナが援軍として駆け付けたことで戦力を増したMS娘たちは一斉に反撃に転じるべく動き始めた。シンの指示が戦場に飛ぶ。
〈コトハ!ミーシャとリシェットを連れて左翼へ展開だ!アスカとヨナ、ルナはユイと俺について来い!〉
〈了解だよ司令!ミーシャ、リシェット、私に続いて!〉
〈了解だ、前衛は任せろ!〉〈フンッ、2人に良い格好はさせないから!〉
コトハを先頭に左翼方面へ向かって行くミーシャとリシェット。そしてユイが纏めた3人もまた右翼方面へと向かって行った。途中、地上を滑走していたアスカが口笛を吹いて上空に飛びあがった。すると後方からフォースシルエットを装着したシルエットフライヤーが飛来し、フォースシルエットをパージして離脱していった。アスカはブラストシルエットをパージし、背後から迫ってきたフォースシルエットを背中に装着した。緑を基調としたVPS装甲が赤、青、白のトリコロールカラーへと変化し左腕の機動防盾を掲げて装甲を展開する。
〈ユイさん、前衛は私が!〉
〈わかった!任せたぞアスカ!〉
〈はい!いっけぇー!!〉
フォースシルエットを装着したアスカは高速で黒色機動群に向かって行く。そしてアスカに遅れまいとヨナも前へと出た。
「アスカちゃんは私が援護します!」
〈無理はするんじゃないぞヨナ!〉
「はい!」
ヨナの乗ったベースジャバーがアスカを追うべく猛スピードで飛翔する。そして残されたユイとルナも前進を開始した。
〈ルナ、詳しい話はあとにさせてもらうぞ?ユイとお前であの2人を援護する!〉
〈了解!〉
〈やあー!!〉
アスカが前方に迫ってきた3機のGF級にビームライフルを撃ちかけながら迫っていく。ビームライフルから放たれた緑の閃光はGF級に向かって飛んでいき、何発かがGF級の身体に命中するが致命傷のような一撃とはやはりならない。GF級は負けじと左腕を上空へ向け左手の指先からバルカン砲のように弾丸を撃ち返してくる。
〈その程度の弾幕で!〉
しかし、上空を高速で駆けるアスカはそれをひらりと回避していく。すると今度は低空から桃色のビームが3機のGF級に襲い掛かってきた。全てのGF級は咄嗟にアスカへの反撃を止め、左腕のシールドを構えて防御する。
「くっ、隙を狙ったつもりだったのに!」
GF級に攻撃したのはヨナだった。ベースジャバーに乗りながら再度ビームライフルの引き金を引く。銃口から放たれたビームがGF級のシールドに命中し、表面で弾けて拡散される。だがその直後、上空からヴァジュラビームサーベルを抜き放ったアスカが左側のGF級の懐へと飛び込んだ。
〈もらったぁ!〉
右上段からヴァジュラビームサーベルで袈裟斬りを放ったアスカの攻撃はGF級の胴体部分を切り裂いた。熱による斬撃痕が朱く光を放ち、やがて青白いスパークを発するとGF級はアスカが目の前から離脱するのと同時に爆発した。
「やった!ナイスタイミングだよアスカちゃん!」
すると今度はヨナがシールドに内蔵された4連装ミサイルを発射した。GF級は飛来する小型ミサイルに向けて左手のバルカン砲を撃ちかけて爆発させた。GF級の目の前には黒い爆煙が広がっていた。そしてその黒煙の向こうから桃色のビームが現れた。GF級は再びシールドを構えて防御した。そして攻撃が収まるとシールドの裏側から剣の持ち手のような物を取り出し、赤い刀身を形成させた。2機のGF級は黒煙に向かって走っていく。そして今まさに黒煙の中へと突入しようと時だった―――
「隙ありっ!」
GF級の背後にヨナが乗ったベースジャバーが現れたのだ。片膝立ちをしたヨナの右手には桃色の刀身を持つビームサーベルが握られていた。そして一気に接近し、距離を詰めたヨナはGF級の背後から胴体部分を横一文字に切り裂いた。そしてほぼ零距離となっていたもう1機のGF級には頭部の60㎜バルカン砲で牽制を掛けてその場を離脱した。離脱と同時に背後から攻撃を受けたGF級は爆発した。残ったGF級は離脱したヨナに向かって左手のバルカン砲を放つがこれも回避されてしまった。
〈そこぉー!〉
そしてその隙をついてアスカが再度突撃を掛けた。右上段から振り下ろされたヴァジュラビームサーベルだったが、今度はGF級の右手に持つ赤い剣で受け止められてしまった。
〈クソォ!〉
「アスカちゃん!」
鍔迫り合いとなっているアスカに気づいたヨナがベースジャバーを返してGF級に向かって行く。ビームサーベルを掲げてGF級に向かって行き、振り下ろそうとしたヨナだったが、GF級は左腕のシールドでヨナの右腕を受け止めた。2人なら押し切れるかも!と思ったヨナだったが、残念ながら押し切ることは出来ずその場で身動きを封じられてしまった。
〈なんてパワーなのよこいつ!〉
「このままじゃ―――」
〈2人共避けて!〉
突然、ルナの声が2人の耳に響いた。
「っ!?」〈ルナ!?〉
アスカはその場からスラスターを前方へ噴射して後退し、ヨナは咄嗟にビームサーベルの出力を止めシールドを弾くようにしてGF級に背後へと飛び去った。直後、赤く力強い一条の閃光が飛来し、GF級の腹部を貫いた。
〈当たった!〉
ルナがGF級に命中させたことを喜んでいる声が聞こえる。そしてルナの攻撃で腹部を貫かれたGF級は爆散して消滅した。
〈やるじゃないかルナ!〉
合流したヨナとアスカの元にルナが乗ったベースジャバーが降りてきた。
〈フフン!見直したかしら?〉
ルナは自慢げに鼻を鳴らしていたが、直後新たな黒色機動群が迫ってきている事を知らせる緑の光線が飛んできた。ヨナが光線が飛んできた方向に目を向けると3機のSD級がライフルを撃ちながらこちらに向かって来ているのが見えた。
「新手だよアスカちゃん!」
〈わかってる!行くよ2人と―――〉
アスカが行動を起こそうとした時、今度は上空から緑の光弾が無数に飛来した。それに気づいた3人はそれぞれのシールドを上空へ掲げてこれを防いだ。そして光弾の雨が止むと、3人は上空へ視線を巡らせた。するとそこには1機のGF級の姿があった。
〈GF級!?あいつらは飛べない筈じゃ!〉
アスカは驚愕したように声を上げた。確かに上空にいる黒色機動群はGF級によく似ている。だが、ヨナが目を凝らしてそのGF級を見つめてみると背中に大小二対のウイングと中央にスタビライザーを持っていることが分かった。更に右手に持っている剣はGF級のように赤くは無く、左腕のシールドは形状こそ似ているが表面に棘が2本ついている。
「あいつ、普通のGF級じゃないよ!ウイングみたいなものが付いてる!」
〈空中戦が出来るように改造させたGF級とでも言うの!?〉
〈っ!?こっちに来るわ!〉
3人が新たに表れたGF級について考察していると、そのGF級はヨナ達に向かって来た。
〈クッ!あのGF級を「特殊機」と認定!3人で応戦するよ!〉
「了解!」〈わ、わかったわ!〉
アスカがヴァジュラビームサーベルを構えて突っ込んで行き、その後ろにヨナ、ルナが続き3人はGF級特殊機に戦いを挑んだ。
続く