機動戦士ガンダムこれくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP28 危惧

「お、ここにいたのかアスカ!」

室内へ入ってきたオレンジ色の髪の人物は気さくな口調でアスカに声をかけた。少し男らしい口調からヨナはミーシャかと思ったが、その少し高い声色がミーシャではないことを示していた。ヨナが声のした方へ視線を向けると、そこにはオレンジ色の長い髪を首筋辺りで一つに纏め、薄水色のシャツの上に胸元が黒、それより下が赤のスリーブレスジャケットを羽織って腰をベルトで絞めたブラウンのハープパンツと同色のブーツを履いた、首にマフラーを撒き、手にはグローブを付けた少女がアスカの方へと向かって行くのが見えた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「オッ、ようやくお目覚めのようだな!良かったじゃないか、アスカ!」

「え、ええ」

その少女はアスカの背中を軽く叩きながらニッと笑みを浮かべた。アスカは少し困惑そうながらも口元に小さく笑みを浮かべている。その2人の会話と距離の近さから、この少女はアスカの知り合いなのだろうとヨナは思い至った。

「アスカちゃんのお知り合いの方ですか?」

ヨナは目の前の見知らぬ少女に尋ねる。するとその少女は笑みを浮かべながらも腰に右手を当ててヨナの方へ振り向いた。

「ま、そんな所…て言うか、アスカ(こいつ)の元部隊長だな、実際には」

「え?という事は……」

「ああ。オレもお前と同じMS娘だ。自己紹介がまだだったな、グフイグナイテッド(ハイネ・ヴェステンフルス専用機)のMS娘、ハイネだ。よろしくな!

そう言ってその少女「ハイネ」は姿勢を正すとヨナに向かって敬礼をした。ヨナも慌てて答礼し自己紹介をする。

「ナラティブガンダムのMS娘、ヨナです!よろしくお願いします!」

「知ってるよ。オレを救けてくれたのはお前らしいじゃないか、ヨナ」

「え?」

ハイネの言葉に思わぬ疑問が浮かび上がってきたヨナに、アスカとハイネが事情を話していく。先日の防衛ライン突破戦でヨナがアスカとルナの3人で相手取ったGF級特殊機、ヨナが止めを刺し墜落したGF級特殊機は戦闘が完全に終了すると眩い光と共にハイネへと姿を変えた、というのだ。最初は信じられないような驚いた表情で話を聞いていたヨナだったが、この事象が初めて起こったことではないことを思い出した。

「それって、以前アスカちゃんがルナちゃんを連れてきた時の―――」

「うん。たぶん、同じ事象だと思う…」

少しだけ暗くなったヨナとアスカの2人だったが、ハイネはすぐにそれを明るい話題へと繋げた。

「まっ、何はともあれありがとうな、ヨナ!これからはオレもお前たちの力になるぜ!オレの復帰で、戦力も少しはアップしたんだ!この後の作戦もいい方向に向かうさ!」

「は、はい!よろしくお願いします、ハイネさん!

 

 

ハイネでいいよ!そんな堅っ苦しい

 

 

ハイネは再びニッと笑みを浮かべてウインクをしてみせた。そんなハイネに、少し見惚れてしまったヨナがそこにはいた。

 

 

その様子をテントの外から見ている者が2人いた。シンとユイだ。ユイは装甲服を外した私服姿でシンの隣に立ち、腕を組んで室内を眺めていた。一方のシンはテントの中から視線を外すと、ふぅ。と息を吐いた。

「やはりハイネ本人で間違いないようだな」

唐突にユイがシンに話しかけた。ああ。と短く返事を返すシン。

「予想していたつもりではいたが、的中するとは思ってなかったな…」

「ええ。撃墜したMS娘を新たな黒色機動群とする。ヨナ達が撃墜した黒色機動群からハイネが現れた今回の事象でハッキリした。だとすれば―――」

 

 

 

これからの戦いはますます激しいものになるだろうな

 

 

 

シンはテントの中から聞こえてくるヨナ達の楽し気な会話を小耳に挟みながら険しい表情で呟いた。

 

続く

 




いつも「機動戦士ガンダムこれくしょん」を読んでいただきありがとうございます。次回はEP10~EP28までに登場した登場人物紹介となります。お楽しみに待っていてください。お話の続きが気なる方には申し訳ありませんがご了承ください。
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