その後ヨナ達は一度ハルフェースに戻り、休養を取った。ヨナ達がハルフェースに戻っている間、ユイ、ミーシャ、コトハ、リシェットは2人一組で防衛線を支えた。そして、ヨナ達が休養に入ってから2日が過ぎたこの日、ヨナ、アスカ、ルナの3人は前線へと復帰した。ハイネは諸々の検査があるとの理由で、ハルフェースに残っている。ヨナ達は装甲服を纏った状態で、アスカを先頭に連合地球陸軍の司令部テントへ入って行った。そして直立不動の姿勢で、目の前にいたシン、アミット、陸軍中将に敬礼をした。アスカが復帰の挨拶をする。
「アスカ隊3名、現時刻より戦線に復帰します!」
アスカに続いて、ヨナ、ルナの2人も敬礼をする。シンはそんな3人に向かって、ご苦労。と言うと、アミットに向かって頷いた。アミットもそれに応えて頷き返した。すると、シンがヨナ達に向かって口を開いた。
「俺たちはこれから、ニューヤーク基地に秘匿されている超大型重爆撃機「ガルーダ」の奪還作戦を開始する。その奪還作戦にはお前たち3人が向かってもらう」
「ッ!?」
シンの言葉を受けて、ヨナは肩を震わせた。するとアスカが、食って掛かるようにシンに向かって声を上げた。
「ユイさんたちじゃなくても、私たちだけで出来る程度の作戦。ってことですか?」
「勿論だ。北米大陸東海岸に展開している黒色機動群部隊の状況が、昨日の航空偵察で分かった。展開している黒色機動群部隊の数は1つ、しかもニューヤーク基地に駐屯していると思われるSD級とTER級通常型がそれぞれ3機ずつだけだ」
黒色機動群の部隊編成を聞いたルナが、驚いた様子でシンに尋ねる。
「なんか、数が少ないですね?」
「何かの罠って訳じゃないでしょうね、司令?」
付け加えるようにアスカが口を開く。シンは真剣な表情で頷くと、情報の信憑性を更に上げる情報を口にいた。
「航空偵察と合わせて、海軍特殊潜入部隊が現地を偵察している。彼らからの情報でも、ニューヤーク基地以外に黒色機動群の部隊は展開していない。とのことだ」
それを聞いたアスカは、右手を握り拳にして左手に打ち付けた。パンッ、という弾けた様な音がテントに鳴り響くと、アスカはニヤリと笑みを浮かべていた。
「そんな奴らにやられたら、お笑い者だな」
「アスカちゃん…」
アスカが浮かべる笑みは、余裕に溢れている笑みと言ってもよかった。思わずヨナが、アスカを心配して彼女の名前を口から零した。ヨナ自身も、こちらの倍いる黒色機動群の部隊を相手にしなければいけないことに、少しだけ不安感を覚えていた。
(今回の作戦は、ユイさんたちに頼ることは出来ない…ちょっと不安だなぁ)
ヨナは少しだけ俯いたが、そんな俯きを吹き飛ばす言葉がシンの口から飛び出した。
「今回、俺は防衛戦闘の指揮で同行が出来ない。故に今回は、3人の中から部隊指揮を執る人物を選ばせてもらった―――」
ヨナ、お前がアスカとルナの指揮を取れ
「……え―――」
ええぇー!!!
ヨナは「戦いを司る女神」の名を持つ戦艦の、副長ばりに驚いた声をあげたのだった。
続く