一夏がISを動かせたという驚愕の出来事から数日がたったある日のこと。
学校が休みであった一夏達は家で茶菓子を家族全員で摘まみながら団欒していた。
「この茶菓子中々旨いな」
「そうでしょ。紫音さんがこの前伊勢の方に出張に行った際に見かけた和菓子店で見つけたらしいの。店主さんにおすすめを聞いたらこれをおすすめされたらしくて、試しに食べたらおいしかったからお土産で買ってきてくれたの」
「紫音さんのお土産に関する目利きは本当にすごいよねぇ」
「はい。これまで買ってきてくれたお土産はどれもおいしかったです」
「本当だね」
そんな会話をしながら家族の団欒を楽しむ一夏達。すると秋江があることを口にする。
「そういえば3人は誰か好きな人とかいないの?」
「「「うぇ?」」」
「おいおい、そんな恥ずかしい話はよさないか」
「そうですけど、もう3人とも中学生ですしそういった方が居てもいいじゃない?」
「そうかもしれんが、流石にこの子たちにとってそんな恥ずかしい話はできんだろ」
そういい苦笑いを浮かべる冬真。
「それでどうなのかしら3人とも?」
「俺はいないかなぁ」
「私もいないね。てか、声かけてくる人のほとんどが家柄とかただ有名になりたいとかそんなよくまみれの奴ばっかだもん。だから別に好きな人はいないかなぁ」チラチラ
「私も、その、好きな人は今のところは…」チラチラ
春奈と雪奈は好きな人はいないと言いながらも一夏の方をちらちらとみる。
その姿に秋江と冬真はすぐに察し、笑みを浮かべる。
「あらあら、そうなの」
「はっははは、そうかそうか」
「? どうしたの2人とも?」
「いやなんでもないぞ」
そういい茶菓子を頬張る冬真。一夏は首をかしげていると突然トゥルトゥルと着信音が鳴り響き、一夏がポケットに入れているスマホを取り出す。
「あれ、弾からだ。ちょっと出てくる」
そういい椅子から立ち上がり廊下へと出ていく。
『もしもし、どうしたんだ弾? はぁ? 昨日の数学の公式を教えてくれ? 教科書に書いてるだろ。学校に忘れた? たっくぅ、わかった。ちょっと待てよ』
そういいながら二階に上がっていく一夏。
一夏が二階に上がっていった後、秋江が口を開く。
「それで? 貴方達、一夏の事が好きなの?」
「「えっ!?」」
秋江からの言葉に思わず声を上げしばしの沈黙が流れる。そして
「う、うん。私は一夏の事が好き。最初は気になる程度だったけど、段々と好きになったの」
「まぁ、その…。あの事件からかな。目で追うようになって気づいたら私も好きになってたわ」
雪奈、そして春奈がそれぞれ一夏が好きなことを告白した。
「そう。それじゃあ「でもね、お母さん」なに、春奈?」
「私、一夏君に告白する気はないよ」
「「「え?」」」
秋江の言葉を遮る様に春奈は告白しないと告げた。その言葉に3人は面食らったような表情を浮かべる。
先に我に返ったのは雪奈だった。
「お、お姉ちゃん何を言ってるの?」
「ん~? だから私は一夏君に告白しないって「そうじゃないよ! しない理由だよ!」 そりゃあ私がお姉ちゃんだからだよ」
「どういうこと?」
「お姉ちゃんは妹の幸せを願うもの。だから妹と弟が幸せになるなら私はそれで幸せなの」
そういい笑みを浮かべる春奈。
春奈の思いに秋江と冬真は何とも言えない表情を浮かべる中、雪奈はというと
「ふざけないでよ!」
「ゆ、雪奈、ちゃん?」
憤怒に染まった表情を浮かべ、目には涙を浮かべていた。
「姉だからとかそんな理由だけで身を引くなんて、ふざけている以外何物でもないじゃん! お姉ちゃんが抱いている思いは好きとかそんな思いじゃない!」
そう叫び雪奈。春奈はそれに対して冷静に返す。
「いや一夏君が好きなのは本当よ。でも雪奈ちゃんの幸せを考えたら「それよ! 自分も好きなのに簡単に身を引くってことは本当に一夏の事が好きじゃないって証拠じゃない!」…っ」
「本当に好きなら、例え恋敵が
雪奈がそう叫ぶと
バチン!
と叩く音が鳴り響いた。
それは春奈が雪奈の頬を叩く音だった。
「春奈!」
秋江が春奈に怒鳴り、彼女の方に顔を向けると春奈の目からは涙が流れていた。
「本当に、本当に一夏君の事は好きよ! 雪奈ちゃんも一夏君の事は好きだってことは知ってた。だから諦め様とした。でもどれだけ思いを消そうとしてもずっと一夏君の事が好きっていう気持ちが溢れ出てくるのよ! 自分の幸せをとるか妹の幸せをとるかどれだけ苦しんだか雪奈ちゃんにわかるわけないじゃない!」
自身の思いを泣きながらも叫ぶ春奈。そんな春奈に対して雪奈は
バチン!
とお返しとばかりに春奈の頬を叩く。
その顔は春奈と同じ怒った表情を浮かべながら涙を流していた。
「わからないわよ! でも、自分の気持ちを告げずに身を引くなんて卑怯なことしないでよ! いつもの姿勢はどこやったのさ! 堂々とどんなことに対しても自信たっぷりな表情を浮かべている癖に!」
頬を腫らし、涙を流しながらにらみ合う2人。
しばしの沈黙の後、春奈が口を開く。
「……わかった。だったらもうお姉ちゃんも容赦しない。絶対に一夏を私に振り向かせるから」
「私だって負けない。一夏を振り向かせるのは私なんだから」
そういい二人はがっしりと握手を交わす。
その光景にずっと冷や冷やしながら見ていた秋江と冬真は安堵したようにふぅーと内心息を吐く。
「……俺、一体どうしたらいいんだよ」
二階から一階へと降りてきていた一夏は廊下からリビングへと繋がる扉の陰からそう零していた。
次回予告
春奈と雪奈の思いを知り、一体どうしたらいいんだと悩む一夏。
時間だけが過ぎる中、悩む一夏を救うべく束が動き出す。
次回
束、一肌脱ぐ!
「任せんしゃい、いっくん! この天才束さんがいっくんの悩みをどどんと解決してやるぜぇ!」
「……すんげぇ嫌な予感」
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS