夏に恋する春と雪   作:のんびり日和

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12話

一夏と雪奈、春奈が許嫁関係となって早一年が経った。

あの日の話し合いによって一夏達は以前よりも仲が良くなり、春奈や雪奈からの好意に対しても一夏は笑顔を浮かべながら対応するようになった。

その姿に鈴や弾達、3人の事をよく知っている者達は良かった良かったと朗らかな顔で見つめていた。(但し、一夏がISを動かせるという事はまだ知らない)

 

それと春奈だが、IS学園に入学するべく普段より多めの勉強量をこなすようにしていた。

 

「あの学園で歴代最高点位叩き出せば余裕で生徒会長に近づけるでしょ?」

 

とのこと。

それから月日が経ち、春奈が3年生、一夏達が2年生に上がったある日の事。

その日桜木家は全員家である話し合いを行っていた。

 

「それで今年の夏休みは熱海にある別荘で過ごそうと思うんだが、皆どうかね?」

 

「いいわね。私は賛成だけど、3人はどう?」

 

冬真、秋江の二人から問いに春奈、雪奈、一夏はと言うと

 

「私は賛成かな。勉強ばっかだったから息抜きしたいし」

 

「私も賛成。喧騒から離れた場所でゆっくりと読書したい」

 

「とか言いながら、貴方達本音は?」

 

「「一夏とイチャイチャしたい!」」

 

「はっ、はっはっはっ(^▽^;)」

「えっと、俺も賛成かな。勉強やらなんやらで大変だったしゆっくりしたいからね」

 

「そうか」

 

冬真は笑みを浮かべながらカップに入った冷たい紅茶を飲む。すると秋江があることを思い出し口を開く。

 

「そうだ。束さんも呼んでもいいかしら?」

 

「篠ノ之さんを? どうしてまた?」

 

「実はこの前、開発部の社員達から嘆願書が届いたの」

 

「嘆願書? どういった内容なの?」

 

「『最近博士は研究室にずっと籠って研究やら開発ばかりしていてほとんど部屋から出ていません。息抜きも必要ですと言ってもなかなか出かける様子もないので、どうにか外に出して息抜きさせてあげてください』とのことよ」

 

「あぁ、なんというか」

 

「束さんらしいというか…」

 

秋江の説明に苦笑いを浮かべる4人。

 

「そういうことなら彼女も招待して行くか」

 

「だね。そうと決まれば」

 

そう言い一夏はスマホを取り出しメッセージアプリを起動する。

 

『今度の夏休みに熱海の別荘に行くんだけど、一緒に行かない?』

 

そうメッセージを送ると、突如ドドドドと地響きのような音が鳴り響き、スンと鳴りやむと同時にピンポーンと呼び鈴が鳴り響く。

 

「まさか…」

 

一夏の言葉に全員扉の方に顔を向ける。そしてしばらくして沢木が部屋へと入ってきて

 

「旦那様、篠ノ之様がお越しになられましたが如何いたしましょう?」

 

「えっと、通ししてくれ」

 

「畏まりました」

 

そう言い部屋から出て暫くして今度は

 

「お邪魔しまぁす!」

 

と束が元気よく入ってくる。

 

「いやぁ、いっくんからお誘いを受けて嬉しくて、直接言いに行こうと思って飛び出してきちゃいましたぁ!」

 

束の説明に5人はあっははは。と苦笑いを浮かべる。

 

「それじゃあ篠ノ之さんも熱海に一緒に来るでいいかね?」

 

「もっちぃ!」

 

「うむ、それじゃあ夏休みは熱海でゆっくりするとしようか」

 

冬真の言葉にはぁいと返事を返す5人。その後束も交えて雑談を始める一夏と春奈と雪奈たち。

すると扉をノックして沢木が入室してきた。

だが、その顔は少し困ったといった表情だった。

 

「どうした沢木?」

 

「実は先ほど配達員から郵便を受け取ったのですが、その中に坊ちゃま宛の手紙がございまして…」

 

「…沢木、その手紙こちらに」

 

沢木の表情に何かあると感じた秋江は一夏宛の手紙を自分にと言い手を差し出す。

沢木はスッと秋江の前に一夏宛の手紙を差し出す。

差し出された手紙は茶封筒の物で、宛先には確かに一夏の名前が書かれていた。そして差出人の名前には

 

「…織斑千冬ですって!?」

 

秋江の言葉に一夏以外全員鋭い目つきになる。

 

「今更になって、どうして彼女から…!」

 

「本当よ! 今更一夏君に何の用なのよ!」

 

雪奈と春奈は今更連絡を取ってきた千冬に対して怒りを表す。

そんな中一夏は呆れた表情を浮かべながら手を差し出す。

 

「お母さん、その手紙俺に渡して」

 

そう言われ秋江は一夏に差し出す。一夏は手渡された手紙の封を開ける。

中には手紙と思われる折りたたまれた便箋と、一枚のチケットが入っていた。最初にチケットを取り出し、確認すると

 

「これは、モンドグロッソのチケットか?」

 

「確か、今年はドイツで行われる予定だったな。あれのチケットか?」

 

「みたいだね。てか、一枚しか入ってねぇ」

 

そう、入っていたチケットはドイツで開かれるIS同士で戦う競技大会、『モンドグロッソ』の入場チケットであった。

 

「恐らく一夏だけ招待するつもりなんでしょ。それで、便箋の方は?」

 

「えっと…。……は?」

 

折りたたまれた便箋を開いた瞬間、一夏は呆けた顔を浮かべた。

 

「どうしたのいっくん? アイツ変なこと書いてたの?」

 

そう言いながら束は横か顔をのぞかせ便箋に書かれたものをのぞき込む。其処には

 

『今年のモンドグロッソの日本代表に選ばれたから来い』

 

としか書かれていなかった。

 

「はぁ? アイツ頭おかしいんじゃないの? てか、近づくなって警告したのに無視しやがって

 

「ん? 束さん何か言った?」

 

「うぅん、何も言ってないよぉ」

 

「それでどうする一夏? 確かモンドグロッソが開かれるのは夏休み中だったはずだが…」

 

行くとは思えないが、一応と思い冬真は一夏にどうするか問う。一夏の答えは

 

「束さん、このチケットキャンセルできる?」

 

「キャンセル? それならすぐできるよぉ」

 

「じゃあよろしく。沢木さん、束さんがチケットのキャンセルが完了したら、チケットと手紙完全に焼却して廃棄しておいてください」

 

「畏まりました」

 

そう言い一夏から手紙を受け取る。それと同時に

 

「ほい、キャンセル完了!」

 

そう言い束は持っていたチケットを沢木に渡す。沢木は「失礼します」と言い、手紙とチケットを細かくちぎり灰皿に入れ火をつける。火のついた紙はメラメラと燃え最後は真っ黒な灰となった。その後、沢木は灰皿に入った灰を懐から取り出した小袋に入れ、底にある灰を手でわしゃわしゃと揉んで灰を細かく崩し、そのまま廃棄物袋に入れた。

 

「ありがとうございます」

 

そう言い一夏はお茶を口にする。一連の行動で一夏の意図がどういう訳か検討をついているが一応確認と思い、雪奈が口を開く。

 

「ねぇ、一夏。夏休みは…」

 

「もちろん熱海に行くにきまってるじゃん。一人でドイツに行くより、家族で旅行に行った方が有意義じゃん」

 

そう言い笑顔を浮かべる一夏に4人は笑みを浮かべ、束にいたっては

 

「だね! てか、今更連絡してきて来てもらえると思ってるアイツはお馬鹿だね!」

 

と、大笑いしながら千冬の事を馬鹿にするのであった。




次回予告

千冬からの手紙から日にちが経ち、夏休みに入ると一夏達は当初の予定通り熱海に旅行へと出かけて行った。
そんな中、モンドグロッソではあることが起きていた。

本来の歯車が崩れ、新たな歯車が回りだそうとしていた。

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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