誘拐事件から1年が経とうとしたある日の事。
その日は一夏達の中学卒業の日であった。
卒業生である一夏と雪奈、そして弾は教室で駄弁りあっていた。
「それにしても遂に卒業かぁ。なんか、短かったような、長かったような中学生活だったな」
「そうだな。そう言えば鈴とは連絡取り続けてるのか?」
「あぁ。夕方くらいになるといつも電話がかかってくるぜ。向こうでも元気にやってるらしいぞ」
そう言いながら懐かしむような弾。
そう、今一夏達の周りには鈴が居なかった。
鈴は2年生の半ばで中国に戻ることになったのだ。戻ることになった理由は鈴の両親が日本の本社から中国の支社に戻ることになったからだ。
本当は鈴が卒業するまで残れる予定だったが、中国支社の上役に父親が昇進、母親は中国支社と日本の本社とのパイプ役として選ばれたため急遽戻ることになったのだ。
中国に戻ることが決まった時、鈴は一夏達にいの一番に報告し、別れを惜しんだ。
其処で弾が一夏達と共にお別れ会を開いた。
プレゼントを渡したりゲームをしたりと楽しんだ。それから3日後、鈴は中国へと帰っていったのだ。
因みに空港に見送りに行った際、鈴は弾に
「…いつか。いつか、美味しい中華料理作れるようになるから。その、その時は毎日食べてくれない?」
と言ったのだとか。
「そう言えば、一夏達の方こそお姉さんどうなんだ?」
「こっちも同じ感じだ。それと最近生徒会長になったんだと」
「うへぇ。相変わらず凄いなぁ、あの人は」
そう、一夏と雪奈の姉、春奈は無事IS学園に入学を果たしたのだ。
春奈は束が作成したIS、『ダイモス』の企業所属のパイロットとしても務めており、入学するまでに一夏と共にISに乗る練習をしていた為、入学時には試験官の教師をものの数分で撃墜判定をとったり、入学試験の結果も歴代最高点を叩き出すなど、本気を出しまくっていた。
無論妹の雪奈、そして世界初の男性操縦者として世間を驚かせる愛する一夏が何不自由なく学園生活を送れるようにするために。
そして卒業式の時間となり一夏達は体育館前へと集まる。そして司会の入場の合図とともに中へと入る。
中には在校生たちと親達が入ってきた一夏達を拍手で出迎えた。
そして卒業生たちは体育館前に設置された椅子へと座っていく。そして卒業証書授与や校長の話、そして雪奈の答辞が行われた。
そして卒業生たちが全員体育館から出た後、教室に戻り担任からお別れの言葉をもらい、それぞれ自由時間となった。
一夏と雪奈は弾と共にそれぞれの家族が来るまで、校門前で談笑していた。
「さてと、それで一夏達はこの後打ち上げに参加するのか?」
「いや、この後予定があってな。打ち上げには参加できそうにないんだわ」
「私もそれに付き添うので難しいです」
「そうか。まぁ、仕方ないわな。それじゃあ次の高校で会おうな」
そう言い弾は迎えに来た母親と共に帰っていった。一夏と雪奈も冬真と秋江が乗った車が迎えに来たためそれに乗って家へと帰っていった。
そして卒業式から3日後、とあるホテルのホールにて新聞記者やテレビクルーなどが集まっていた。彼らの前には机と椅子が並べられており、壁には『桜木コーポレーション重大発表』と横断幕が掲げられていた。
「一体何の発表何だろうな?」
「さぁな。前は桜木コーポレーションが作成したISのお披露目だったから、また新しいISの発表ととかじゃないか?」
記者たちはそう言いながら今から始まる発表を準備して待った。そしてステージ横に司会と思われる男性が現れる。
「皆様大変お待たせしました。これより桜木コーポレーションより重大発表をさせていただきます。まず社長及び副社長のお二人のご入場いただきます」
そう言うとホールの横の扉から警備員と共に冬真と秋江が入ってきた。
そして二人は記者たちに一礼後前の席へと着く。
席に着いた冬真は目の前に置かれているマイクの電源を入れ口を開く。
「えぇ、皆さん。お忙しい中お集まりいただき感謝します。これより我が桜木コーポレーションの重大発表をさせていただきます」
そう言い冬真はあれを。と伝える。するとスタッフが大型のモニターを持ってきた。
「今からお見せする映像は、加工も合成もされていない真実です」
そう言い冬真はスタッフに向け頷くと、意図を察したスタッフは再生ボタンを押す。
モニターに映し出されたのは、どこかの実験施設の広場と思われる場所だった。そして中央には一人の少年が映っていた。
「今モニターに映っているのは私の息子、桜木一夏です」
冬真はそう説明し、映像の続きを流す。
『これより〇月△日午後3時20分、IS稼働実験を行います。一夏さんお願いします』
『はい』
映像から流れた音声にホール内の記者たちがどよめきだつ。
「おい、今IS稼働実験って言ったか?」
「あぁ、間違いねぇ。そう言ってた。だが、ISは男だと起動しないだろ?」
そう言い合っている間にも映像は流れ続ける。
『始めます』
そう言うと一夏の体が一瞬光に包まれると、次の瞬間一夏はISを身に纏っていた。そこで映像は停止となった。
そして冬真が口を開く。
「これが我が社の重大発表です」
その言葉で更にどよめきを起こす記者団。
「ではこれより質問時間を設けます。一人一問での質疑応答とさせていただきますので、連続して質問をしないようお願いします」
そう言うと多くの記者たちがこぞって手を上げる。その中から司会は適当に一人の記者を当てる。
「○○社の□□と言います。先ほどの映像で映っていたのは社長の息子さんで間違いありませんか?」
「はい。私と副社長の秋江との子供で間違いありません」
「分かりました。ありがとうございます」
「では、次にそちらの方、どうぞ」
「△△新聞社の☆☆といいます。先ほどの映像は加工や合成は無いとおっしゃっていましたが、何故映像での公開に至ったのでしょうか? 我々の前で披露するという事も可能ではなかったのでしょうか?」
「理由はいまだ起動できた理由が解明されておらず、下手に皆さまの前で披露した場合、暴走などがあった場合皆様の身の安全が確保できない恐れがあったからです」
「…そうですか。わかりました」
「ではそちら方、どうぞ」
「××社の▽▽と言います。今後彼をどうするのかお聞きしてもよろしいですか?」
「ISを動かせる男性は現状一人だけです。そのため我が社の専属パイロットの一人としてIS学園へと入ってもらう予定です。このことは本人にも伝えており、本人も承諾しております」
「貴重な男性操縦者なら研究所などで「申し訳ありませんが、質問は一人一回までです」まだ聞いているんだぞ!」
司会が止めに入ったことに怒りを見せる記者。すると司会は
「先ほど言いました通り、質問は一人一回までです。席にお座りください」
「さっきの質問の答えを聞いてないんだ。それを聞くまでは座らんぞ!」
そう言い頑なに座ろうとしない記者。周りの記者はその記者に対し睨んだりするものがチラホラといた。
すると司会は
「最後の警告です。席にお座りください」
「いいからさっきの質問答えてくださいよ」
司会を無視して言う記者。すると冬真がマイクを手に取り
「えぇ、こちらの指示に従っていただけない記者が居りましたので、現時刻をもって質疑応答を強制終了とさせていただきます」
そう言うと冬真と秋江は席を立ち、さっさと出ていこうとする。
「えっ! 社長、お待ちください!」
「まだ聞けていないことがあるんです!」
そう記者たちが言うも、そのままホールから出ていった。
出ていった後、記者たちの多くは××社の記者を睨みつける。
「な、なんだよ! 記者として多くの事を聞こうとして何が悪いんだよ!」
「そうだな。だがな、相手はあの桜木コーポレーションだぞ。その気になれば俺たちなんて簡単に潰されるかもしれないんだ。それを余計なことしやがって!」
「仕方ない。少ないけど、この情報で記事を書くか」
「映像も何とか撮れたから、すぐに流せるようにしないと」
そう言いホールから出ていく記者たち。そのうちの何人かは××社の記者に恨みをぶつけるようにわざとぶつかりながら出ていった。
「糞が。なんなんだよ」
そう言い記者もホールから出ていく。
その背後からうさ耳の女性が見つめていることに気付かずに。
次の日、××社の▽▽は忽然と行方知れずとなり、更に××社も倒産となった。
次回予告
一夏がISを動かせるという情報が世界に公表され、世界は驚愕で包まれた。
それから日にちが立ち、遂に一夏と雪奈はIS学園へと降り立った。
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS