一夏が復帰してはや数日が経ったある日の学校。
一夏と雪奈は一緒にクラスメイトと共に談笑をしていた。すると教室の後部の扉が開き一人の男子生徒が入って来た。
入って来た生徒に雪奈は嫌そうな顔を浮かべ、一夏の袖をそっと掴む。
その動作で一夏はそいつが雪奈が苛められる原因となった霧島だと分かった。
霧島はそのまままっすぐに雪奈の元へと近づく。
「あの、雪奈ちゃん。大丈夫?」
「な、何がですか?」
「此処のクラスの人達にいじめられたりして無いかと思ってさ」
爽やかそうな顔で言った言葉に、周囲に居たクラスメイト達、特に雪奈と仲良くしている女子たちがムッとした表情を浮かべる。
クラスメイト達は雪奈がどうして1組から3組に異動してきたのか、クラスに馴染んできた時に雪奈の口から聞いていたのだ。
その為
「ちょっと、私達が雪奈ちゃんを苛める訳ないじゃない」
「そうよ。そっちのクラスの子達と一緒にしないで!」
女子たちがそう言うと、同意するように頷く女子生徒達。男子生徒達は顔をしかめた表情を浮かべ霧島ににらみを利かせる。
「そりゃあ彼女達も悪いことしたかもしれないけど、話し合えばきっと仲直りできるはずだよ」
そう言い雪奈に顔を向ける。
「だから放課後彼女達の所に行って話し合おう。そうすれば仲直りできるはずだよ」
そう言ってきたのだ。すると傍に居た一夏が前に出る。
「おい」
「なんだい? 今僕は彼女と「お前は馬鹿か?」なに?」
「雪奈はお前の要らない行動の所為でいじめられたんだぞ。それに漸く雪奈は皆と楽しく学校に来れてるのに、それを台無しにする気かよ」
「そんなつもりは無いよ。ただ話し合いをすれば「それで解決するなら争いなんか起きねぇよ。もう雪奈に関わるな」これは彼女の問題だ。君が関わる理由が無いだろ」
「ある」
そう言い一夏は真っ直ぐに、そして堂々と口を開く。
「雪奈は俺にとって大事な家族だ。家族を苦しませようとするやつは誰だろうと許さねぇ!」
高々に宣言する一夏に女子たちはキャー。大胆宣言!と黄色い声を上げ、男子は流石男の中の男の一夏だ!と褒め称えた。
「そ、それじゃあ何の解決にも……」
「だったら本人がどうしたいかはっきり聞けばいいじゃないか」
そう言い一夏はそっと体をずらし霧島から雪奈が見えるようにする。雪奈は一夏が大胆に大事な家族と言ってくれたことに嬉しそうに顔を浮かべていたが、一夏が本人に聞けばいいと言う言葉にずっと胸に秘めていた思いを吐き出す。
「もう、私の事は放っておいて下さい。貴方に関わられたらまた苛められるから。だから、もう私に構わないでください!」
そう叫ぶように言うと霧島はうろたえた。だがまだ居座ろうとする霧島にクラスメイト達が口を開く。
「ほら、雪奈ちゃんが関わるなって言ってるんだから出て行きなさいよ」
「そうよ。アンタのクラスだとその顔でいちころかもしれないけど、此処のクラスはアンタの胡散臭い顔なんて気にもしないのよ!」
「出ていけ、出て行け」
と叫ばれ、苦虫を噛み潰した様な表情で出て行った。
漸く出て行った霧島にホッと一息を吐く雪奈に女子達は
「お疲れ様」
「本音が言えたね、えらい!」
「アイツの事は私達に任せてね、絶対に関わらせないから」
「男子、手を貸しなさいよ」
「「「「はい、姐さん!」」」」
「誰が姐さんよ!」
和気藹々と賑やかとなるクラスに雪奈は本当にこのクラスに異動出来て良かったと思った。
そして時間は経って放課後、一夏達は春奈が来るまで待っていようと教室で待っていた。
他にも数人の女子達も待って雪奈と談笑をしていた。
すると教室の後部扉が開きそれぞれそちらに顔を向けると、其処には霧島が居た。
霧島を見た女子生徒達はジト目を浮かべる。
「ちょっとまた来たの?」
「しつこいわよ」
そう言って来る女子に対し霧島は
「それじゃあ何の解決にもならないんだ。雪奈ちゃん、彼女達の所に行こ? 話し合ったら分かり合えるはずだから」
そう言い近付く。
だが一夏がそれをさせまいと立ちはだかる。
「おい、いい加減にしろよ。雪奈が嫌がってるのが分からないのか?」
立ち塞がる一夏に険しい表情を浮かべる霧島。
「だからと言ってこのままの方が良くないじゃないか! 以前いたクラスの方が雪奈ちゃんだって良いはず「私は、今のクラスの方がいいです。もう、関わらないでください!」そ、そんな」
「ほら、早く帰れよ」
雪奈の言葉で狼狽える霧島に一夏は帰るように言う。するとそれが気に喰わなかったのか
「…んで」
「?」
「なんでお前みたいな奴が雪奈ちゃんの横に容易く居られるんだよ!」
そう叫びながら霧島は一夏に向かって殴り掛かった。突然の攻撃で一夏は咄嗟に避けようと思ったが、背後に居る雪奈に攻撃が当たると思い体を若干ずらし、自身の頬で攻撃を受けた。
「きゃー!!???」
「ちょ、ちょっと何やってんのよ!?」
「五月蠅い! 雪奈ちゃん兎に角来るんだ!」
そうヒステリックに叫びながら雪奈に腕を伸ばす霧島。恐怖で動けない雪奈。掴まれると思い目をつぶってしまった。
掴まれそうになるも、その寸でで伸びた霧島の腕を掴む者が居た。
そう、一夏であった。
「おい」
ドスの利いた声量で一夏は霧島を睨む。霧島はヒッ!?と一夏の気迫に怯え逃げようとする。だが霧島の腕を掴んだ一夏はそうはさせまいと、力一杯に腕を掴む手に力を加える。そして
「汚い手で、雪奈に触れようとすんじゃねぇ!」
そう叫びながら一夏は思いっ切り右ストレートで霧島に殴った。
拳は霧島の顔のど真ん中に命中し、霧島の腕を放したために勢いよく吹き飛んで行った。
ドンガラガッシャーンと大きな音を立てながら倒れる霧島。それと同時に
「雪奈ちゃん、一夏君!」
と春奈が息を荒げながら飛び込んできた。その後には教師も居り教室内を見て何事だと驚いた表情を浮かべていた。
教師は一体何があったんだとその場にいた生徒達に事情を聴きに回る中、春奈は雪奈と一夏の元に駆け寄る。
「二人共、大丈夫?」
「う、うん。でも一夏が彼に頬を殴られたの…」
「えっ!? 一夏君大丈夫なの!?」
「うん、大丈夫。ちょっと痛いくらい」
「痛いって、傷口が開いてるかもしれないじゃない!? せ、先生すぐに救急車を!?」
「いや、其処まで「何言ってるの! 殴られて傷口が開いているのかもしれないのよ!」」
春奈はそう叫ぶ中、教師は携帯で電話をし始めた。数分後救急車が到着し一夏は雪奈と春奈に引っ張られる形で救急車に乗せられ、引率の教師と共に病院へと運ばれた。
その後病院の検査の結果、傷口は開いておらず軽い打撲が出来ている程度であった。
その頃学校では秋江と冬真、そして霧島の親が会議室で対面していた。
秋江と冬真は鋭い眼光で霧島両親を見つめており、対して霧島両親は冷や汗を流しながら暗い表情を浮かべながら俯いていた。
そして教師と校長が中へと入って来た。そして教室で何があったのか説明を始めた。
その内容を聴いた秋江と冬真はギロッと霧島両親を睨みつける。
「またお宅の子ですか? 一体うちの子に何の恨みがあるんですの! しかも息子にまで手を挙げるなんて!」
「全くだ。霧島さん、お宅には以前忠告したはずだと思うんだが? 2度とうちの娘に近付かない様にと息子さんに伝えてくれって言ったはずだよな? それなのにこれは一体どいう事だ!」
そう叫ぶと霧島両親は
「「大変申し訳ございません‼」」
と椅子から降りて二人に見える様に土下座をした。そして話し合いが行われ一夏の治療費は霧島家が持つ事が決まった。
そしてもう一つ決まった事があった。それは霧島の転校だった。
転校の理由は霧島の問題の解決の仕方だった。話し合えば解決できると信じている霧島のやり方に両親は頭を抱えた。実は霧島の父親は弁護士であった。その為霧島のやり方は最低な方法だとすぐ理解できたからだ。
このままだとまた一夏達に迷惑を掛けると思った霧島両親は厳格な兄がいる県外に送ろうと思い転校へと踏み切ったのだ。
こうして霧島の転校が決まったのであった。
そして時間が経ち病院での検査を終えた一夏達が家へと帰って来た。一夏は迷惑を掛けた秋江と冬真にごめんなさい。と深々と謝った。しかし二人は
「確かに人を殴った事はいけない事かもしれません。けど、一夏は雪奈を守る為にやったのでしょ? なら私は怒りません。むしろ良く雪奈を守りましたと褒めます」
「そうだな。一夏、お前は大事な家族を守る為にやったんだ。胸を張って良い」
そう言い一夏を褒めた。
次回予告
霧島が転校していき平穏となった学校。
そんな中雪奈にある心情の変化があった。
次回
雪奈思い
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS