久瀬達の強姦未遂事件から2日後。
一夏達の学校では久瀬達の起こした事件に驚きと恐怖と言った雰囲気が最初流れるものの、少しずつその雰囲気は薄れていた。
久瀬達は警察に連行された後、一夏達の街周辺で起きていた強姦事件の犯人だろと警察に問われた。久瀬達は当初否定していたがはっきりと顔が写った監視カメラの写真に、被害女性達から聞いた証言や久瀬達の特徴など数々の証拠が挙がっている事を言われ、逃げられないと感じた久瀬達は自供。捕まった4人以外の仲間の名前を話し、逮捕者は7人となった。
~生徒会室~
「それにしても警察からの説教だけで済んで良かったな、一夏君」
「はい、本当に良かったです」
そう言いながら一夏は書類の選別を続ける。
「それにしてもよ、どうやってあの洞島を倒したんだ? あいつって確か黒帯持ちじゃなかったか?」
「あぁ。あまりに暴力的だったから柔道部から追い出されたらしいがな」
望月と真島が洞島についてそう話している中、一夏が口を開く。
「まぁ、確かに強そうでしたが掌底一発で倒せましたよ」
「あ? 掌底?」
「掌の手首の近い部分で相手を叩く技だ。だが、それだけで一体どうやって?」
「掌底で胃の部分に向かって思いっ切り叩き込んだんですよ。グーだと臓器を傷付けると思ってね」
「なるほど。それで奴は動けなくなったうえに胃液をまき散らしていたのか」
「あの酸っぱい匂いはそう言う事か」
「……」
一夏と真島、そして望月が談笑しているなか、春奈はそんな光景をぼぉーと見ていた。
「お姉ちゃんどうかしたの?」
「えっ。う、うんん、何でもないよ。さぁて仕事、仕事ぉ!」
そう言いながら仕事を始める春奈。
春奈side
ふぅ~、危ない、危ない。
此処最近一夏君の事を目で追いかけちゃうことが多くなったなぁ。
昔は雪奈ちゃんを助けてくれた強くて優しい子だと思ってた。そして私たちの家族になってもそれは変わらなかった。
けど、久瀬君達の事件で一夏君の見る目が変わった気がする。ううん、確実に変わった。
あの時、一夏君が切れてくれたから私は助かった。怖かった。でも、一夏君の事を思った瞬間に現れた彼は本当にヒーローのように感じた。
そしてたった一人で久瀬くん達全員倒した。それから警察が到着して久瀬くん達と一緒に一夏君も連れて行かれた。
その時私は自分の所為で一夏君を犯罪者にしてしまった。と思い、ボロボロと涙を流してしまった。
それからお父さん達が来てくれて家まで送ってくれた。
其処で顧問弁護士の綾里さんが一夏君の事を迎えに行ってくれたことを教えてくれた。
家で一夏君達が帰って来るのを待っていたら、家の門前に捕まった久瀬くん達の親達が来ていると沢木さんが報告してきた。
お母さんとお父さんは鋭い気迫を纏いながら門に行ったら、久瀬くん達の親全員がお母さん達の顔を見た瞬間に土下座しだしたのだ。
久瀬くん達の行いについての謝罪と、久瀬くん達に怪我を負わせた一夏君の事は絶対に訴えない事を言いに来られたらしい。
それから謝罪金やら治療費が入っている封筒を渡そうとして来たけど、お父さん達は今後一切私達に関わらないのであれば、その封筒は不要ですと言って受け取りを拒否したのだ。
向こうは渋ったけど、何度も言って納得してもらい帰ってもらった。
それから一夏君が帰って来て、私と雪奈ちゃんは嬉しさから駆け寄ろうとした。けど、お父さん達の前だからそれを堪えた。
そしたら突然一夏君はお父さん達に向かって土下座をし始めた。相手に怪我を負わせたこと、お父さん達に迷惑を掛けた事などでだ。
一夏君は何も悪くないのに、何でそんな事するの!?
私や雪奈ちゃんもそう思ったのか一夏君の土下座を止めさせようとしたけど、お母さんがそれを制した。それからお父さんが一夏君に手を挙げた理由を聞いた。
一夏君の答えは私を守る為、そうはっきりと答えてくれた。私はそれが何故無性に嬉しかった。
そしてお父さんの鋭い威圧を受けながらも真っ直ぐにお父さんを見つめる一夏君に、お父さんとお母さんは笑みを浮かべて一夏君の事を許したのだ
それから夕飯をすました後、部屋で寛ごうとした。けど、あの時の光景がフラッシュバックするかのように目の前に現れる。
私はそれが怖かった。そしたら気付いたら一夏君の部屋の前に来ていた。それで部屋に入って一夏君にお願いして抱き着かせてもらった。
一夏君に抱き着いたら、さっきまであった恐怖心が薄れていき、安心していった。
それで気付いてしまったんだ、私は何時の間にか彼に惹かれていたんだって。
きっと雪奈ちゃんも一夏君の事が好きだと思う。もし、そうだったら私は……
この恋を…諦めないといけない。妹の幸せを願うのは、姉の一番の願いだから。
春奈side end
「―――う、うぅん。っ!? ど、何処だ此処?」
突如見知らぬ真っ暗な空間で目を覚ました久瀬。
「な、何だよ此処? な、なんで縛られてるんだよ!?」
そう久瀬の体は縄で雁字搦めに拘束されて身動きが取れなかった。久瀬は何とか逃げ出そうと藻掻くが縄は解けずただ時間だけが過ぎて行った。
ウィーン、ウィーン、ガガガガガガ
突如空間の外から機械の音が鳴り響く。そして
メキメキ、バキバキ、メシッメシッ
と金属の潰れる音が鳴り響く。それは着実に自分の近くで来ていた。
「な、何なんだよ一体!? 此処から出してくれぇ!?」
そう泣き叫ぶ久瀬。だが遂に久瀬が入っている空間もメキメキと音を立てながら縮まっていく。
「い、嫌だぁ! 死にたくないぃ! 助けて」グシャ
空間が完全に潰れ、久瀬も一緒に潰れてしまった。
「先輩、今プレス機からなんか聞こえませんでした?」
「お前何言ってんだ? 廃車の中に何もいなかったのは確認済みだろうが」
「まぁ、そうすっけどぉ。なんか聞こえた様な?」
「大方事故車の亡霊とかじゃないのか?」
「ちょっ!? 先輩止めて下さいよぉ、俺ホラーとか駄目なんすからぁ」
「わりぃ、わりぃ。ほら、次の廃車入れろ」
「へぇ~い」
そう言いながら作業員は次の廃車をクレーンで掴みプレス機の中へと放り込んでいった。
「うっさっさっさ。はーちゃんを襲い、いっくんに要らぬ責任を感じさせた罰だ。地獄で苦しめ、凡人以下のゴミ野郎」
次回予告
事件から数ヵ月が経ったある日、一夏達は職場見学の為実家の桜木コーポレーションにやって来た。実際に会社がやっている事などを見学後、一夏と雪奈は束の研究室にやって来た。
其処で事件が起きた。
その事件がその後の物語の始まりの鐘の音とは知らずに。
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS