「…もうそろそろか」
アクロバッターで道を駆け抜けているベル。あの後、黒龍を追い詰め撃退したが、黒龍はベルを最大のライバルとして認め、傷の療養のために何処かへ飛び去った。
「この辺りでいいか」
ベルはアクロバッターを止め、降りる。
「少しだけ待っていてくれ」
ベルはそう言ってある村に入る。そこは、自分が育った村であった。
村人達は、僅か2年で劇的に変わったベルを見てザワザワと話していたが、本人は気にせず少し離れた一軒家に向かった。
ー
「…ベル…」
「アルフィア…」
「あれ以来、元気がないのう…」
ベルが誘拐され、今なお行方不明が続く中、アルフィアはベッドにいる。
あれ以降、アルフィアの病が悪化してしまい、今では生きているのが奇跡とまで言われている。
すると、扉がノックされ、ザルドが扉を開けるとそのまま硬直した。
「…ただいま、義父さん」
「その声…まさか、ベルか!?」
「なんじゃと!?」
「えっ…」
家にいた3人は驚く。それもそうだ、二年前に居なくなったベルがあまりにも大きくなって自分達の前に現れたのだから。
「…義母さん…」
ベルは中を見ると、最後に見た顔よりも痩せこけて弱々しくなったアルフィアを見つける。
「義父さん、爺ちゃん。義母さんは…」
「あぁ、持病を悪化させてな…もう長くないって言われたんだ」
「…」
すると、ベルは家の中に入りアルフィアの横に座ると手を握る。
「ベル…」
「義母さん…今、助けるから」
ベルはそう言うと目を閉じ、深く集中するとアルフィアに自身の体内にあるチートアイテム キングストーンの力を少しずつ与える。
その時、不思議なことが起こった!(様式美)
アルフィアの身体を蝕んでいた不治の病が消え去ったのだ!
「身体が…軽い…」
「な、何が…」
「何かのエネルギーがアルフィアに流れたのぅ…」
「…ベル…」
「…」
ベルは神妙な顔をすると、自身に起きたことを話した。ゴルゴムとの死闘、同じ境遇であったダグとの死闘、クライシス帝国との死闘を。そして、自身の体内にあるキングストーンについて。
「…そんなことが…」
「まさか、ベルにそんなことが…」
「…そして、俺はダグとの約束を守るためにオラリオへ向かう最中に、せめて家族に再会しておこうと思って、帰ってきたのです」
少し丁寧語が混ざりつつも、そう話し終えるとアルフィアがベルを抱きしめる。
「…頑張ったな、ベル…」
「…はい」
「…我が子が帰ってきたなら、これは言わないとな…
おかえり、ベル」
「…ただいま、義母さん…!」
ベルは涙を浮かべながらそう言った。