【完結】魔人族の王   作:羽織の夢

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場面は変わって王都編です。


第二十四話 【王都の戦い】

 時は少々遡り、ハジメとアルディアスが戦闘を始めた頃。

 

『ううむ、本当に厄介じゃ』

 

 王都上空にて、巨大な黒竜と白竜が激しい衝突を繰り返していた。

 

「驚いたな。こんなところで竜人族の生き残りと遭遇するとは」

 

 現在、ティオは竜化によって巨大な黒竜の姿でウラノス、そしてフリードと対峙していた。ウラノスよりは一回り小さいサイズなれど、その身に纏う威圧感はウラノスのそれを超えており、本来ならば、ウラノスを相手に互角以上の戦いを繰り広げられただろう。

 しかし、その背に騎乗するフリードが厄介だった。

 一気に攻めようにも詠唱を終えた魔法を放つフリードのせいで下手に接近することが出来ず、それならば詠唱を止めようとしてもウラノスがそれを防ぐ。

 まるで、お互いの隙を埋めるかのように完璧なコンビネーションを見せるフリードとウラノスにティオは感嘆の声すら上げていた。

 

(何という完璧な連携じゃ。アレを崩すのは至難じゃの)

 

 今一つ攻めきれない戦況にティオが唸っている反面、フリードもティオに対して、同じような感覚を覚えていた。

 

(先程から私の魔法を喰らっているというのに、一切怯む様子が見えん。耐久力でみれば、ウラノスを遥かに超えているな。しかも、喰らう度に威圧感が増している)

 

 初めは気のせいかと思っていたが、それが何度も繰り返されれば、確信に変わる。

 

(長期戦は不利だな。しかし、あまり長い詠唱はしてられん)

 

 空間魔法“界穿“──それを発動出来れば、確実に黒竜の不意を突くことが出来る。しかし、神代魔法であるそれを発動するには長い詠唱が必要で、その間、黒竜が大人しく待ってくれる筈が無い。

 フリードの操る魔物は殆どを王都の制圧に当てている。それらを此方にまわすことも考えたが、それで王都侵攻の戦力を減らすわけにもいかなかった。

 

『グォオオオオオオ!!』

 

 どうしたものかと考えていると、不意に天に轟く咆哮を上げたティオが上空から翼を広げて、フリード目掛けて突撃してきた。

 迎撃の為、ウラノスがティオ目掛けてブレスを放つが、宙で体を器用に捻り、ブレスを躱したティオはその勢いのまま、ウラノスに接近し、その翼に牙を突き立てようと顎を開く。

 

「させん!!」

 

 しかし、すかさずフリードが唱えた“緋槍“がティオに迫る。

 自身に迫る巨大な炎の槍を見たティオは──構わずウラノスの翼に喰らいついた。

 

『ぐううう!?』

 

「ルァアアア!?」

 

「何!?」

 

 炎の槍に貫かれて尚、突貫してきたティオにフリードが驚愕する。

 そのまま食らいついたウラノスを振り回した後、力任せに投げ飛ばすティオ。

 何とか空中で体勢を立て直したウラノスだったが、その翼からは少なくない血が滴り落ちる。

 

「ウラノス!? 大丈夫か!?」

 

「クルァ!!」

 

 フリードがウラノスに語りかけると、ウラノスからは力強い返事が帰ってくる。その目にはまだまだ戦いの意志が強く見て取れる。「まだやれる」言葉は無くともそう言っているのがフリードには分かった。

 

「ああ、それでこそ俺の相棒だ」

 

「クルァアアアア!!」

 

 フリードの言葉を受けて、ウラノスの咆哮が王都の空に響き渡る。

 ウラノスに一撃を入れることに成功したティオだったが、自身のダメージも無視出来ないものとなっていた。

 炎の槍で貫かれた傷は、決して小さなものではない。気を抜けば今でも気を失ってしまう痛みだ。

 炎で焼かれたせいで出血量がそこまで多くないのが幸いだろう。

 いくら"痛覚変換"を持っていようとも、何度も受け止められるものでは無い。

 しかし、すぐにその体を淡い光が包み込む。メルジーナ海底遺跡で手に入れた再生魔法の力だ。

 

『うむ。実に良き主従関係、いや、相棒と言った方がいいかの。人と魔物がそこまで心を通じ合わせるとは……五百年前を知る身としては俄に信じられん光景じゃの』

 

「ウラノスは私にとって大切な相棒であり、最早家族同然の存在だ。種の違いなど些細なことでしかない」

 

『……お主のような者が五百年前にも居れば、妾達、竜人族の現状も変わっていたやもしれんの』

 

「過去のことをどうこう言っても仕方あるまい。重要なのは今までではなく、これからをどう生きるか……我らの王のお言葉だ」

 

『そうか、魔王の……』

 

 フリードの言葉にティオは僅かに目を細める。

 魔王アルディアス。かの王のことは噂で聞いていた。史上最年少で魔王の座についた麒麟児。人間族との戦争で実力があることは分かっていた。フリード程の男にこれほどの忠誠を誓われていることから力だけでなく、その精神も卓越していることがよく分かる。

 一国の王、それも魔人族という立場故に、表舞台から姿を消した竜人族(自分)では接触がしづらいと思っていたのだが、もしハジメと会う前に会っていたらどうなっていたか……

 

(いや、それこそ今更考えたところで詮無きことじゃな)

 

 頭の片隅に浮かんだ考えを頭を振って吹き飛ばす。

 自分はハジメの強さに惹かれた。それを超す者が現れただけで簡単に鞍替えする程自分は尻軽女ではない。自身の肉体が、心が決めたのだ。この男に一生を尽くすと。

 

『だが、妾も負けられん! ご主人様のためにも……邪魔をするなら容赦はしないのじゃ!』

 

「いいだろう。かかってこい。貴様がどれだけの覚悟を決めていようが、私はそれを──」

 

『それでご主人様にいっぱいお仕置きしてもらうのじゃ!!』

 

「超え、て……何?」

 

 聞き間違えだろうか。今自分の耳に意味が分からない単語が聞こえてきた。

 

『ん? お仕置きじゃよ。ご主人様は里では負けなしだった妾をボッコボコにし、組み伏せ、今まで感じたことのない痛みと共に敗北を刻み込んだのじゃ! 妾の初めても奪われてしもうたし、しかもいきなりお尻など……あんなに激しく、凄かったのじゃ!』

 

「……」

 

 この時点ですでにフリードの理解できる限度を超えていた。

 “ボッコボコ“、“痛み“、“敗北“。

 これだけならばまだ理解できた。目の前の女性は間違いなく竜人族の生き残りだ。その戦闘力の高さは実際に戦っている自分がよく分かっている。恐らく何かしらが原因で南雲ハジメと戦うことになり、敗北したのだろう。

 しかし、問題はその後だ。

 “初めてを奪われた“、“いきなりお尻“

 これらのワードはとても戦闘とは無縁のもので、むしろ……

 

(いや、落ち着け。南雲ハジメはアルディアス様の目に止まる程の男だぞ。会ったばかりの女性にそのような狼藉を働く筈が──)

 

『あの太くて黒光りする棒で一突きにされたのじゃ! 妾が止めてくれ、抜いてくれと言っても乱暴にぐりぐりと……! ハアハア、んっ──思い出したらまた……!』

 

「……」

 

「クルァ……」

 

 フリードの目から完全に光が消えて無くなった。

 ティオの発言はどう考えても婦女暴行のそれである。しかし、被害者であろうティオの瞳は爛々と輝き、黒竜の背後にはヨダレを垂らした変態の姿を幻視する。

 先程まで闘志に満ち溢れていたウラノスだったが、今やそれは鳴りを潜め、まるでこれ以上関わりたくないと言わんばかりに体を縮こまらせてしまっている。

 

『むっ、話がそれてしもうたな。いち早くご主人様の元に駆けつけるためにもこれ以上時間を掛けられないのじゃ! ゆくぞ!!』

 

 ウラノスの傷を癒やしながら、フリードは心の底から思った。

 

(アルディアス様。貴方を疑うわけでは無いのですが……南雲ハジメは本当に貴方の目に止まる程の人物なのですか?)

 

 アルディアスに仕えて早十数年。フリードは初めて自らの王の目を疑った。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「はあ、はあ、はあ……」

 

 シアは走っていた。王都中をあっちへこっちへ。屋根を伝い、路地を抜ける。

 

『凍雨』

 

「うひゃあ!?」

 

 頭上から降り注ぐ氷の針を前転することで躱していく。

 

「むう、案外すばしっこい」

 

「危なっ!? 掠った、掠りましたよ今!?」

 

「大丈夫。今度は中心を貫いて見せる」

 

「嫌ですよ!?」

 

 現在シアとアレーティアは王都全域を使った鬼ごっこの最中だった。

 シアとて初めから逃げているわけではない。目の前の少女を倒し、ハジメの元に駆けつけようと考えていた。

 結論から言えば、状況が絶望的に悪かった。

 シアの戦闘スタイルはドリュッケンによる接近戦が中心だ。しかし、肝心のアレーティアは竜に騎乗したまま、上空からシア目掛けて魔法を連射するだけで近付いてくる様子が無い。

 恐らく、開幕と同時に一気にアレーティアに迫った身体能力を見て、接近戦は不利と判断したのだろう。

 ドリュッケンに搭載された炸裂スラッグ弾を発射するが、“聖絶“であっさり防がれた。

 

(魔法ズルいですぅ!? でも、こんなところでモタモタしてる暇はないんです!)

 

 アレーティアの攻撃を躱しながらも、虎視眈々と反撃の機会を窺うシアに対して、アレーティアもまたシアの能力に感嘆の意を感じていた。

 

(いくら避けに徹してたとしても、あそこまで私の攻撃を躱すなんて……間違いなく予知の類の力を持ってる。でも、身体能力は凄いけど、技術はそこまでじゃない。多分戦いの経験はそこまで深くない。もし、更に研鑽を積めばかなり化けるかも)

 

 ハジメと共に旅をする中で、何度も実践を経験し、常に鍛錬を欠かさなかったシアだったが、アレーティアからすればまだまだだ。

 しかし、同時にこれからの伸びしろが多いにあるとも言える。

 

「……ねえ、大人しくするなら、私もこれ以上攻撃を加えるつもりはないけど」

 

 アルフレリックから聞いた情報と彼女らの様子から、王国の勢力では無いことは間違いない。敵で無いのなら無理に矛を交える必要もない。そう思いシアに遠回しに降伏するように提案するが、シアは首を振って断る。

 

「嫌です! 今もハジメさんが戦ってるのに私だけ安全な場所に居るなんて出来ません!!」

 

「……どうして? 貴方はアルディアスの力を直に見てるんでしょ? 貴方が向かったところでどうにか出来るレベルじゃ無いと思うよ?」

 

「……そんなこと分かってます。今でも鮮明にあの時のことは思い出せます。私程度では何の力にもなれないことも……」

 

「なら──」

 

「関係無いんです」

 

「え?」

 

「敵が強いとか、私じゃ敵わないとか、そんなのどうでもいいんです。大好きな人が窮地に陥ってる。そんな時に駆けつけない選択は存在しません」

 

「……」

 

「家族を失って、絶望の淵に立ってた私をハジメさんは救ってくれた。家族以外には疎まれる存在だった私を好きと言ってくれた。ハジメさんの隣、そこが私の居場所なんです!!」

 

 例え、そこが地獄だろうが、魔王の膝下だろうが関係ありません! そういって力強く宣言するシアを見て、唖然としていたアレーティアは次第に笑みを浮かべる。

 

「うん、よく分かるよ」

 

 境遇や環境は違うが、アレーティアはシアに共感の思いを抱いていた。

 アレーティアとて、アルディアスが窮地に陥った時は、どれだけ危険だろうともそこに駆けつけるだろう。

 そこに理屈や根拠は必要ない。そこに居たいから居るだけ。恋する乙女は大切な男性の為ならばどんな死地にも構わず突き進むものだ。

 

「ん、分かった。もうこれ以上は何も言わない。でも、私もアルディアスの邪魔を許すわけにはいかない。悪いけど少し乱暴にしてでも阻止するよ」

 

「望むところです!!」

 

 シアが宝物庫から鈍色の円盤を宙に放った。それの意図をアレーティアが察するよりも早く、円盤や周囲の建物を足場にジグザグにアレーティアに接近する。その不規則な動きにアレーティアの狙いもうまく定まらない。

 

「たぁあああああ!!」

 

『聖絶』

 

 アレーティアの掲げた手の先に光り輝く障壁が出現する。

 気合一閃。振り下ろされたシアのドリュッケンは障壁と激突し、周囲に火花を撒き散らす。しかし、アレーティアの“聖絶“を突破するには至らない。次の瞬間、“未来視“の派生技能“天啓視“が鳴らす警鐘の音にすぐさまその場を飛び退く。

 

『緋槍』

 

 一拍置いて、先程までシアの居た位置に炎の槍が通過する。熱が頬を焼く痛みに顔を歪めながら、屋根の上に着地したシアは即座に宝物庫から赤い金属球を取り出した。

 その金属球から伸びる鎖をドリュッケンの天辺に取り付けたシアは、蹴り上げた金属球をドリュッケンで殴りつけた。

 常人では視認することも難しい速度で打ち出された金属球だったが、アレーティアにはその軌道がハッキリと見えていた。余裕を持って躱したアレーティアだったが、すぐに驚愕に目を見開いた。

 アレーティアの横を通り過ぎる筈だった金属球が、突如その軌道を変えて迫ってきたのだ。

 

「ッ!?──ぐっ!」

 

 アレーティアはギリギリ直撃を避けたが、アレーティアを背に乗せていた灰竜はその翼に金属球が掠り、大きく弾き飛ばされてしまう。

 

「ん、ごめんね。後は私に任せて」

 

 これ以上は無理をさせられないと判断したアレーティアが重力魔法で浮かび、灰竜を戦域から離脱させる。

 

「見たこと無い武器。それ自分で作ったの?」

 

「これはハジメさんが私の為に作ってくれた武器です!」

 

「珍しいアーティファクトを使っていることは聞いてたけど、ホントに見たこと無い……」

 

 あの金属球の他にも、遠距離攻撃手段に、盾を展開する姿も見た。此方の想像できない未知のアーティファクトにアレーティアの警戒レベルが上昇する。

 

「出し惜しみしてたら、私も危ないね」

 

──少し、本気でいくよ?

 

 アレーティアより今までの比ではない魔力が吹き荒れ、上空に暗雲が垂れ込める。

 その様子にシアが冷や汗をかいていると、雲の切れ間から雷で構成された龍が姿を現す。

 そのとんでもない威圧感にシアの頬がヒクヒクと痙攣する。

 

「な、何ですか? それ……」

 

「“雷槌“と重力魔法を組み合わせた私のオリジナル魔法」

 

「ま、まさかとは思うんですけど、それを私目掛けて撃ち出したりなんかしませんよね……?」

 

「大丈夫。手加減するし、貴方なら死にはしないと判断した……まあ、ちょっとピリッてするかも」

 

「ピリッてレベルじゃ無いと思うんですけど!?」

 

 シアの叫びが木霊するが無慈悲にもアレーティアの指はシアに向けられて……

 

『雷龍』

 

 アレーティアの指示に従い、咆哮と共に龍が顎門を開き、襲いかかった。

 

「ッ!?」

 

 シアはその場で腰を落とし、ドリュッケンのギミックを作動させる。カシュンと音を立てて、ラウンドシールドが展開される。どうやらその場で防ぐつもりのようだ。

 迫りくる衝撃に身を固くしていたシアだったが、突然の浮遊感を感じ、目を見開いた。

 

『シア、ゲットなのじゃ!!』

 

「ひゃあ!? ティ、ティオさん!?」

 

 “雷龍“が衝突する寸前、竜化したティオがシアの体を掴み、一気に上昇する。

 

『シア! このままご主人様の元へ急ぐぞ!!"』

 

「ええ!? ティオさんの相手はどうしたんですか!?」

 

『詳しい話は後じゃ!!』

 

 天高く飛翔したティオはそのまま神山へ向けて真っ直ぐ飛行を開始する。

 

「……誘拐?」

 

 それを半ば呆然に見ていたアレーティアは雷龍の矛先を飛び去る黒竜に変更しようとし──

 

「行かせて構わん」

 

 後ろから聞こえたフリードの声に雷龍を霧散させた。

 

「……アルディアスの指示?」

 

「よく分かったな」

 

「じゃなきゃ、説明がつかない。フリードがみすみす見逃すとも思えないし」

 

 一見、理由を説明しなければ、フリードの裏切りと判断してもおかしくはないが、アレーティアはフリードの忠誠心が生半可なものでは無いことをよく知ってる。

 だからこそ、あの二人を神山に向かわせたのはアルディアス本人からの指示であると判断した。

 

「乗れ。私達も神山へ向かうぞ」

 

「……ん」

 

 アレーティアが乗り込んだことを確認したフリードはウラノスに指示を出し、神山に向かう。

 

「王都の方は平気?」

 

「ああ、カトレアから連絡が来た。王城を占領。国王の身柄を確保したと」

 

「早すぎない?」

 

「ああ、カトレア自身も驚いてたよ。王城の防衛もザルだったらしくてな、本当にこれが長きに亘り争い続けてきた人間族の総本山とは思えないな」

 

 王都を襲撃してまだそれほど時間は経ったわけではないが、状況はすでに王国の敗北を示唆していた。

 各戦域では戦闘はまだ続いているが、どこも魔人族が優勢を保っており、国王の身柄も確保した今、決着はついたと言っていいだろう。

 

「アルディアス様の話によれば、聖教教会も潰し終えたそうだ」

 

「じゃあ、神山でアルディアスは何をしてるの?」

 

「まあ、あの方は存外、南雲ハジメのことを気に入ってるようだ」

 

「……?」

 

 不思議そうに首を傾げるアレーティアに、アルディアスから聞いた話をそのまま伝えると、アレーティアは少し呆れた表情をしたものの、仕方ないなぁといったような笑みを浮かべる。

 

「アルディアスらしいと言えばらしいね」

 

「全くだ」

 

「そこまでアルディアスが気にする程なら、私も興味あるかも……どうしたの?」

 

 アレーティアと同じ様に小さく微笑んでいたフリードだったが、突然難しい表情を浮かべて押し黙る。

 

「いや、何でも無い。あまり会ったことの無い者のことを安易に広めるのもどうかと思うしな。きっと、きっと何かの勘違いだ……大丈夫だ」

 

「?」

 

 ある筈が無い。アルディアスが認めた相手がそんな婦女暴行を働くような屑の筈が無い。しかし、実際にティオ(被害者)が居るわけで……いや、しかし……

 これがどこの誰かも分からぬ相手だった場合、問答無用で屑に認定していたが、相手はアルディアスが一目置く程の男だ。それにティオの様子からも悲痛な様子は感じられず、ハジメのことを好意的に見ているように思えた。それが一層、フリードを困惑させた。

 

 一人で頭を抱えてブツブツ呟くフリードの姿に、アレーティアはコテンと首を傾げた。




マジバトルを期待してた方は申し訳ないです。そこまでマジではないです。
フリードもアレーティアも倒す為というよりも、アルディアスの邪魔をさせない為の妨害を行ってる感じにしてます。

>フリードVSティオ
 全体的に痛み分けのような結末で終わりましたが、他の魔物を喚び出して戦いを仕掛ければ間違いなくフリードが圧倒します。まだ変成魔法とか持ってないですし。
 ちなみにウラノス。同じ竜種繋がりで竜化中のティオの表情の変化をハッキリと目撃してます。

>アレーティアVSシア
 これは言わずもがななんですが、原作の物語終盤のユエと中盤のシアをぶつけたようなものです。
 ”雷龍”は原作でユエがハジメから聞いた東洋の龍の容姿から作り出した魔法なので、当初は”雷竜”として西洋の竜をモチーフのものに変えようと思ったんですが、そもそもアルディアスが“雨龍“使ってるわと思い出して、まあ、いいかとそのままにしました。

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