【完結】魔人族の王   作:羽織の夢

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第五十二話 【願いを貴方に/想いを力に】

 音は無い。

 衝撃も無い。

 

 光を極限まで凝縮したような純白の柱は、アルディアスを静かに、されど余すこと無く呑み込んだ。

 その光景を前に、シュパースは構えていた“フラガラッハ“を下ろして小さく息を吐く。

 

(……私は何をやっているんだ)

 

 シュパースの胸中は、アルディアスを倒したことによる達成感でもなく、子供を殺したことによる罪悪感でもない……ただただ自らに向けての嫌悪感だった。

 

(みっともなく叫び散らして、私らしくない……)

 

 やはり、彼のことになると、無意識に感情が抑えられなくなってしまう。

 だが、それもこれで終わりだ。あの光に呑み込まれたら最後、間違いなく生きてはいない。

 創世の光。一を生みだす始まりの光の中では何も存在することは出来ない。一を生みだすために、全てを零に還す。

 

(……頭を切り替えなければ。一先ずこの戦争を終わらせ、て……)

 

 頭を振って、地上に視線を向けたシュパースだったが、不意に感じた悪寒にバッと視線を光に戻す。

 瞬間、純白の柱が轟音と共に吹き飛び、アルディアスが姿を現した。

 

「──ッ!? 馬鹿な!?」

 

 五体満足で姿を現したアルディアスに、シュパースが目を見開いて驚愕する。

 ありえない。何故彼は生きている。何故存在していられる。

 

 困惑で硬直するシュパースを尻目にアルディアスは叫ぶ。

 

「エヒト!! 全て寄越せ!!」

 

『言われるまでない!!』

 

 両手で握りしめた剣を腰に構え、爆発するかのように吹き出した魔力を推進力にシュパースに迫る。

 剣から吹き出る黒の魔力に白の魔力が混ざり合い、更に勢いを増していく。

 

 急速に接近してくるアルディアスの姿を見て、迎撃の体勢を取るシュパースだったが、そこでようやくそれが視界に入った。

 

「あれは……糸?」

 

 アルディアスの全身を覆うように、黒の細糸が巻き付いている。細糸と言っても、人の目に映るほどのものではなく、極限まで細く小さい。魔力を感知できてようやく認識できるレベルだ。

 

「まさか……!?」

 

 そして気付く。その正体に……

 

 概念魔法 【封神黒鎖】

 

 概念魔法によって生み出された、魔力で構成された実体の無いアーティファクト。

 込められた概念はただ一つ……

 

『お前を絶対に逃さない』

 

 それをミクロ単位まで細分割し、身体と精神を覆うことで肉体と魂が崩壊するのを防いでいた。

 しかし、同時にアルディアスは全身に言葉に表せないほどの激痛を感じていた。

 

 “封神黒鎖“とは本来、対象を拘束するためのもので、守護するためのものではない。

 今この瞬間も、崩壊しようとする肉体と魂を力技で抑え込んでいるだけだ。崩壊を防ぐために拘束を強くすればするほど、比例して心臓が握り潰されるような激痛が全身を駆け巡る。

 

(全身が……グチャグチャになりそうだ……!!)

 

 肉体の崩壊を“封神黒鎖“で抑えつけ、耐えきれず崩れ始めた肉体は再生魔法で無理矢理繋げ合わせる。

 崩壊と再生が同時に肉体に起こることで、想像を絶するほどの痛みがアルディアスを襲う。

 それでもアルディアスは止まらない。

 

(これ以上の長期戦は不利! ここで全てを終わらせる!!)

 

(忌々しいクソジジイが! 跡形もなく消し飛ばしてくれる!!)

 

 アルディアスの魔力とエヒトの魔力が高まり、ぶつかり、弾け合う。それは最早魔力同士の殴り合い。

 膨大な魔力の奔流は、周囲の魔素をも取り込み、更に力を増していく。

 

(殺す)

 

(ここで殺す)

 

(今死ね)

 

(潔く死ね)

 

 これ以上はダメだ。これ以上は保たない。

 この程度じゃダメだ。この程度じゃ届かない。

 

 もっと求めろ! もっと足掻け! もっと叫べ! もっと信じろ! もっと高めろ! もっと……もっともっともっと!!

 

((限界を越えろ!!))

 

 力を求める二人の男の極限の意志。交わるはずの無かった二人の覚悟が、今この瞬間において、世界の理を書き換える力を生みだす。

 

 

 

 概念魔法 【神を殺す剣】

 

 

 

 魔法の深淵へと至った二人の天才の意志が交わることで生み出された、“神殺し“の概念。

 それが魔法と成って世界へと顕現する。

 

 一条の流星となったアルディアスが世界を斬り裂きながらシュパースに迫る。

 “神“とは“世界“。“世界“とは“全て“。その光に触れた全てのモノは、尽くその生命を閉ざしていく。

 大地が裂ける。空が割れる。理が消える。魔を喰らう。そこに在る全てを殺し、喰らいながら突き進んでいく。

 

 その危険性は、相対するシュパースが誰よりも速く気付く。

 

(あれは……ダメだ。あれだけは喰らってはいけない。あれは……私を殺しうる力だ)

 

 しかし、シュパースはその力から逃げることはしない。

 理性がすぐに退くことを推奨する。あれは一時的なモノだ。ここをやり過ごせばいくらでも反撃の手はある。

 だが、同時に神としての勘と経験が告げてくる。

 

──あれは避けられない、と。

 

 回避? 防御? バカを言うな。アレはそんな選択ごと喰らい尽くしてくる。いや、既にそんな選択肢は()()()()()()

 アレはそういう存在だ。私の死はすでに因果に結びつかれた。発動を許した瞬間、世界から私の生は取り除かれた。そう世界の概念が塗り変えられた。

 

(ならば、取れる選択肢は一つのみ……)

 

 シュパースの掲げる魔剣──“フラガラッハ“から眩い光が放たれる。

 それは世界を照らし出す陽光などではない。人々に希望をもたらす恩光でもない。明日を知らせる暁光でもない。

 全てを“無“へと帰す回帰の光。

 

(その因果ごと、全てを消し去る!!)

 

 アルディアスの放つ混沌をもたらす歪な光に対抗するように、秩序を取り戻す聖なる光が世界を揺るがす。

 

創世(そうせい)息吹(いぶき)(つぐ)(さだ)メ』

 

 まっさらな世界に存在することを認可する判決の光。

 邪魔者は疾くと断罪される絶対の刃。

 

「ハァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

「ハァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 それぞれの想いを乗せた極光が……衝突した。

 

 それはまるで、アルディアスとシュパースを中心に世界そのものが爆発したような現象だった。

 パキンッ!と何かが割れるような音が響いた後に響き渡る、轟音など生ぬるい表現だと言わんばかりの爆発音。空を弾き飛ばすプラズマ。星そのものが恐怖し、震えているかのような地響き。全てを呑み込み、吐き出さんとする衝撃。

 

 地上の魔物や天使(マガイモノ)を尽く塵へと変え、人類(ホンモノ)すらも、その圧倒的な存在感に押し潰される。

 まさに、世界の終末の光景。真なる世界の誕生の光景。

 拮抗していた力のぶつかり合いだったが、次第にアルディアスの剣が押され始める。

 

 因果を書き換えるほどの魔の深淵を司る力。ぶつかりあった力は純粋に力の大きな方が世界に影響を与えるのは真理。

 アルディアスとエヒト。二人の全力を持ってしても、シュパースには届かない。

 純白の光が剣を伝い、アルディアスの身体に伸びていく。光が肉体を侵食し、パキパキと肉体がひび割れていく。

 

「諦めろ!! 君達が力を合わせようと、私には届かない!!」

 

「ぐぅうう!!」

 

 シュパースの言葉を証明するように、シュパースの魔力がアルディアスの魔力を呑み込んでいく。

 

「奇跡は起きない! 運命は変わらない! ここが今の人類(君達)の限界だ!!」

 

 それはもはや悲鳴だった。

 何も知らない子供達に現実を突きつける一喝。しかしそれは、まるで自分に言い聞かせるような葛藤。

 それを聞いて、アルディアスは確信する。

 

「ああ……お前、過去に囚われてるだけか」

 

「……は?」

 

「お前がそれほどまでに奇跡に否定的なのは、ありえたかもしれない未来を夢想するからだろう……!」

 

 アルディアスはシュパースのことを何も知らない。

 それでも、シュパースが何か大切なモノを失ったことくらいは察することが出来た。

 

「もしかしたら助けられたかもしれない! 違う未来があったかもしれない! 回避できる絶望だったかもしれない! お前はその事実を認めたくないだけだ!!」

 

 感じた憎悪は本物だった。湧き出た失望は本物だった。

 だから、人類を滅ぼそう(救おう)とした。

 そうすることが、彼女への何よりの手向けになると思ったから。

 

 でも、そうじゃなかったら?

 ロシーダの死が、人類の堕落が引き起こした悲劇では無かったとしたら?

 あそこで彼女が息を引き取るのが、彼女の運命だったのなら?

 ただ、運が悪かっただけだったのなら?

 

 彼女の死が受け入れられない私は、この感情をどこにぶつければいい。どこに吐き出せばいい。

 私は彼女のために何をすればいい。

 

 分からない。分からない。分からない。だから……

 

「感じた絶望に耐えきれなかった! その絶望の原因を根絶しなくてはならないと思った! だがそれは、所詮お前だけの価値観に過ぎない!!」

 

「──ッ!?」

 

「お前が守りたかったのは、俺達の世界なんかじゃない!! お前の理想とする、お前だけの世界だ!! 何が神だ、自惚れるなよ!! お前のその感情は、大切なモノを救わなかった俺達の世界に対するただの八つ当たりだ!!」

 

「ち、違う!? 私は、私は彼女のために──」

 

「他人を理由にしてんじゃねえよ!!」

 

 アルディアスの怒号にシュパースが言葉に詰まる。

 

「死人は言葉を発さない! 未来を語らない! だから、残された者がその意志を受け継ぐんだ!!」

 

 思い起こされるのは、散っていった同胞の姿。

 そして、今は亡き両親の姿。

 

「だがな、決めるのは俺達自身だ! その意志を受け継ぎ、今代で何を為すのか、次代に何を託すのか。それは俺達自身の責任だ!!」

 

 剣の柄をギリッと握りしめ、アルディアスは咆える。

 

 

「自分の想いも素直に語れないような半端者に、俺達が負けるわけないだろうがァ!!」

 

 

 反論の言葉が出てこなかった。

 違う。そんなことは無い。これは私の意志そのものだ。

 そうやって口に出すのは簡単だ。それなのに、言葉が喉に詰まり出てこない。

 それを吐き出してしまえば、今まで積み上げてきたものが全て崩れてしまうような気がした。

 

「──え?」

 

 その時、シュパースの持つ剣に伝わる力が重みを増した。

 最初は何かの勘違いかと思ったその現象が断続的に起き始め、少しずつシュパースの力が押され始める。

 

「な、何故!? どこにこんな力が!?」

 

 アルディアスとエヒトが手を抜いていた?

 ありえない。そんなことをする理由が無い。ならばこの力はどこから……

 

 

 

「──って」

 

 困惑するシュパースの耳に聞こえた小さな声。

 それは地上から舞い上がったささやかな想いの形。

 

「頑張って!!」

「負けないでください!!」

「アルディアス様!!」

「勝って!!」

「いけぇ!!」

「あと少しだ!!」

「負けたら承知しねぇぞ!!」

「踏ん張れや!!」

 

 魔人族が、亜人族が、竜人族が……そして()()()が……

 トータスに住まう種族全てが、アルディアスの勝利を願い、想いを叫ぶ。

 

 この光景を、かつてのトータスの住民が見れば、思わず自身の目を疑うだろう。

 魔人族(アルディアス)は人間族にとって、千年以上に渡る宿敵だ。その死を望むことはあっても、勝利を願うことなどありはしない。

 だが、この場に居た者達は見ていた。見てしまっていた。魔王の背中を。全てを背負い、自分達を絶望の渦中から救ってみせた姿を。

 それだけではない。周りの魔人族の兵士に命を救われた兵士がいる。見下していた亜人族に親友を助けられた兵士がいる。

 彼らも自分達に思うところがあるはずだ。憎くないはずがない。それなのに構わず手を差し出す。許しているわけではない。それでも、それが仲間を助ける最善の道と信じて、勝利へと繋がると信じて疑わない。

 

 人間族の若い兵士は独りごちる。

 ああ、クソ。何だよそれ。魔人族は野蛮な魔物の上位種じゃなかったのか? 亜人種は神に見捨てられた獣もどきじゃなかったのか?

 こんなの……こんなの、人間族(俺達)と何が違うってんだよ!?

 

 故に叫ぶ。こいつらに出来て俺達が出来ないわけがない。

 許せないことは山程ある。でも、今日は……今、この瞬間だけは全てに蓋をする覚悟を決める。

 仇を取ることよりも、恨みを叫ぶことよりも……仲間と未来を生きることの方が何倍も大切だ。散っていった仲間もきっとそれを望んでいる。

 

 だから叫ぶ。勝てと。負けるなと。勝って、俺達の未来を守ってくれと。

 

 塞がるはずのなかった種族間の溝に、この瞬間だけ橋が掛かる。ボロボロで今にも崩れそうな吊り橋だ。

 それでも、両者を繋ぐ架け橋であることは間違いない。

 

──そして、その架け橋はさらなる奇跡を巻き起こす。

 

 最初にソレに気付いたのはミレディだった。

 

「うそ……これって、まさか概念魔法……!?」

 

 魔法の極地に辿り着いた者が、“極限の意志“を持つことで発動できる魔法の到達点。

 解放者が集っても三つしか生みだすことが出来なかったそれが、兵士達一人一人の想いから生み出されている。

 無論、解放者が彼らに劣っているというわけではない。魔法の才では比べるまでもないだろう。

 困惑するミレディだったが、すぐにある仮説が浮かび上がる。

 

 そもそも、ミレディには積年の疑問があった。

 自惚れるわけではないが、解放者(自分達)ほどの実力者が集まって、何故三つしか概念魔法を生み出せなかったのか。

 それにアルディアスもそうだ。自分達を越える才能を持ちながら、生み出した概念魔法は“封神黒鎖“の一つのみ。自分と同レベルのアレーティアに関しては、一つも生み出せていない。

 いくら“極限の意志“という曖昧なものが素となっていると言えども、魔法の才能に対して、概念魔法の完成が比例していないのではないか……と。

 

 その答えが、今ようやく分かった。

 魔法の才能などは所詮、概念魔法を構成する上で必要な器でしかなかった。

 そこに注ぎ込むのは、世界の理を上書きするほどの極限の意志。

 

 そして、世界とは本来個人の手によって安易に書き換えられていいものではない。

 そこに住まう人々の想いが集った時に初めて発現する“奇跡の御業“。それこそが概念魔法の正体。

 種族、性格、記憶、夢、思い出……何もかもがバラバラな人類の意志が終結することなど、簡単に出来ることではない。

 

 だが、もしそれが実現出来たのなら?

 何十万もの人類の想いが重なり合い、アルディアスという特大の器に注ぎ込まれたとしたら?

 

 

 

 概念魔法 【あなたに未来を託します】

 

 

 

 未来を願う人々の想いを力に変える魔法。

 人類の可能性を具現化する新たな到達点。

 

「は、はは……」

 

 無意識にミレディの口から声が漏れる。

 全く、なんて子だ。あの子は、私達が最後まで辿り着けなかった極地へと辿り着いた。

 無論、アルディアスにそんな意図があったわけではない。彼は常に最善の選択肢を取り続けてきただけなのだから。

 だが、その生き様が多くの者に影響を与えた。水面に落ちた雫が波打つように、さざなみは勢いを増していき、とうとう神にすら届くほどの大波へと変貌していった。

 

 この奇跡を前にして、私は見ているだけか? そんなわけがあるか。

 解放者リーダーとして。何よりも、彼らと同じこの世界に生まれた者として──

 

「全部持ってけこの野郎!!」

 

 ミレディは空に向けて大きく手を広げた。

 

 

 

 

 

 地上から吹き上がるエネルギーの奔流が、アルディアスの背中に注ぎ込まれる。

 

「エヒト!!」

 

『クソッタレが!! 今回限りだぞ!!』

 

 アルディアスの体から真っ白な光が解き放たれる。

 それはまるで無地のキャンバスのようだった。

 そこに地上からの力が合わさり、様々な色が塗り重ねられていく。

 

 自信や情熱で心を熱くさせる赤色……

 希望と喜びで無邪気に包み込む黄色……

 心身をリラックスさせる癒やしの緑色……

 広大でどこまでも自由を謳歌する青色……

 誰かを想い、想われる幸福感に浸る桃色……

 あらゆる可能性に満ち溢れている白色……

 

 そして、混ざり合う色彩(感情)の到達点にして、世界に安寧をもたらす黒色。

 

 “クラウ・ソラス“から溢れる白と黒の光に、多種多様な色彩が混じり合っていく。

 人々の想いを力に変えて、アルディアスは剣を振るう。

 

 

「そ、そんな……! こんなことが……!? ありえない!?」

 

 優勢だったはずのシュパースがジワジワと押され始める。

 七色に光る剣に押されるシュパースの剣は白一色だ。

 神であるシュパースが一人で完結させた……させてしまった孤独な剣。

 

「私は負けるわけにはいかない!! 二度と過ちを繰り返さないためにも!! 世界を、人類を救わなくてはならない!!」

 

「この世界は貴様の施しなど求めていない!! 確かに人類は不完全だ! それでも、不完全だからこそ、俺達は手を取り合うんだ! 俺達の道は、俺達で切り拓いていく!! 貴様の存在は俺達の理想の世界には必要ない!!」

 

 拮抗を保っていたのも一瞬。振り上げたアルディアスの剣がシュパースの剣を粉々に打ち砕いた。

 そのまま天高く剣を掲げる。

 

 色とりどりの光の放つそれは、既に剣の形を崩し、世界を分かつ柱と表現されるほどの極光で天に突き刺さる。

 

「この不完全な世界で、俺達は生きていく!! 貴様の馬鹿げた理想など──」

 

 天に掲げた光の柱を……

 

「ここで砕け散れ!!」

 

 振り下ろした。

 

 

 

 

 

 その光景を呆然と見上げるシュパースは確かに見た。

 馬鹿げた大きさにまで膨らんだ光の柱を振り下ろすアルディアスの姿。

 その背を支える人々の姿を。

 

 それだけじゃない。

 各地に避難した人々の誰かを想う心。戦場で散っていった英雄の魂。

 アルディアスの力は世界の理にすら干渉し、生きとし生けるもの、死して尚、現世に留まるもの全てと繋がっていく。

 人から人へと、爆発的に広がっていく意志の繋がり。その繋がりは神の力を持ってしても完全に断ち切ることは出来ない。

 

(これ、が……)

 

 迫りくる光の奔流に対して、シュパースは受け入れるように両手を広げた。

 

(人の意志の力……)

 

 

 

 世界を両断する七色の柱が、シュパースを包み込んだ。




 決着です。
 どこまでも真っ直ぐすぎる王道展開ですね。
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