とある夜。
バイクに載った軍団が地を勢いよく走っていた。
そして、バイクに乗っていたのは、様々な、人間、魔族、妖怪。バイクのライトで、夜道を照らし、その先頭を進んでいたのは。
竜馬「準備は、いいか!!」
伊達軍「おお!!」
竜馬「行こおうぜ!!」
三日月の鍬形付き兜に右目に眼帯、右の腰に三振りの刀を刺しハーレーに乗った男。
倫太郎「……」
その右横には、頬の傷にオールバックの男とサングラスをかけ頭に紫のバンダナをしている恰幅のいい人間の中年親父。
左横には雪男で、バイクではなく、大型のスノーモービルに乗っていた。本来雪のない所では、走れないはずのスノーモービルだが、雪男の進む道には氷が張り巡らされて進んでいた。
日の出と共に、戦が始まった。二つの軍の間に割って入って来た伊達軍は、バイクに乗ったまま、坂道を下って行き、おもむろに眼帯の男はハーレーから飛び降りた。
竜馬「欧州筆頭!!伊達竜馬、押して行くぜ!!」
腰に差した三振りの刀を、一振りは左手に、二振りは右手に持ち、三振り目は口に咥え、敵を切り、戦いの火ぶたが切って落とされた。
その一方。
ここはとある、お城の城門。
突如、「ドン、ドン、ドン」と轟音が鳴り響く……
敵兵達「?」
静まり返る城内、しかし。
ドーン。
城門が敗れると同時に、両手に十文字槍を持ち、額に六文銭が書かれた鉢巻をした男が、一本角が生えた白馬に乗り現れ、降りた。
魁「かような城門は、我が槍を阻めぬ、天・覇・絶槍ーーーー!真田魁見参!」
男は槍を構えた。
魁「勇気ある者は、お相手つかまつる」
そう言うと、敵兵士達は、魁の周りを囲い込み、それぞれ武器を持ち構え襲い掛かって来た。
敵兵達「はぁー!」
魁「……」
とそこへ。
月麿「やぁー!」
ズバ。
1人の人間の男が、割って入り、腰に差した刀を抜くと同時に、敵兵の一部を薙ぎ払った。
月麿「……」
敵兵G「何だ、あいつ!? は?」
ドーン
敵兵H「おい、あ!」
三好兄妹「おりゃー!」
今度は、巨体の男女で、男は人間で僧の着物を着ていた。女はミノタウロスでこれも僧の着物を着ていた。そして、揃って重い金棒を軽々と思いっきり振り回し敵兵達を一掃した。
敵兵達「あー!?」
敵兵Ⅴ「くそ!」
咲也「……」
バーン、バン、バーン、バン、バーン、バン、バーン、バン
4人目に出てきたのは、全身黒を基調とした衣装を身に着けており、左腕には赤いスカーフが巻かれている仮面の男性。
バーン、バン、バーン、バン、バーン、バン、バーン、バン
両手に銃口が二つ付いたショットガンを持ち、敵兵達を打ち抜き一掃。
そんな4人を、満足げにながめる魁を、遠くから、敵の狙撃手達が、弓矢やライフルのスコープを通して頭を打ち退こうと狙っていた。
敵兵C「真田魁、ここで!」
敵兵R「死ねー!」
引き金や弓を弾こうとした次の瞬間。
敵兵C「?」
バーン
敵兵R「?」
ビュン
敵兵K「おい、どうした!?」
敵兵P「おい!」
敵兵K「お?」
敵兵が、指をさした場所にいたのは。
イアン「……」
翼「……」
ライフルのスコープを覗きながら打つ体制を取っていた男性と、弓矢を構えた金髪、そう、エルフがいた。
イアン「翼!」
翼「ええ!」
2人は同時に、弾丸と矢を放ち、敵の狙撃手達は全滅した。
月麿「魁様、雑兵たちは、我らにお任せを」
魁「ああ、はぁー!」
気合を入れながら、魁は右手の十文字槍を、グルグル回すと槍の先端に火がつき、赤い閃光に包まれて敵兵士達に突っ込んでいった。敵兵士達は飛んで舞い上がるのだった。
敵兵士達「あー!!」
魁「見ていてください、お館様! 姉上達! 必ずや、都に御旗を立てましょうぞ!」
それを、外側から見ていたのは、武田率いる真田軍、それを束ねる真田家現当主にして魁の姉(長女)・真田リリスと次女・燐
リリス「さすが、私達の弟、ねぇ、燐ちゃん❤」
燐「ええ…姉上」
それらを束ねしは甲斐の虎、武田五郎、武田家の当主にして長野の主・武田五郎とその軍師・山本壮吉と甲斐の全忍びを束ねる長兼武田忍び集団・甲州透破組頭兼忍び集団・三ツ者組頭吸血鬼の出浦トワイライトと同じく甲斐の全くノ一を束ねるもう一人の長兼武田家・くノ一集団・歩き巫女・頭領人間の女性望月千里。
五郎「……」
壮吉「……」
トワイライト「……」
千里「……」
魁「武田が力、目にも見よ!」
竜馬「あー!」
魁「はぁー!」
竜馬「どりゃー!」
魁「おりゃー!」
別々の場所で、若き2人が戦っていた
松尾万斉「皆様、初めまして松尾万斉、この物語の語り部でございます、物語を始める前に、まず、この世界、時代についてご説明させていただきます。かつて、この日本を境とし2000年にわたり人間と魔族・妖怪その他が戦争をしていた世界、時代。戦う意味は失われ、長い年月が過ぎ、心がすり減り命が失われ、人間も魔族・妖怪も、誰もが等しく疲れ果てたころ、戦争は終わった。
やがて、人間と魔族・妖怪が交流を始めた。そして、そんな遺恨が残る世界、時代で、人間と魔族・妖怪が共存するようになった日本。時は経ち、高まる乱世の機運。武将たちによって、開かれた戦端はたちまち全国を席巻し、戦国の世の勢力図は、めまぐるしく塗り替えられていた」
近江
ここはとある、お城の城門。
ドーン。
城門が敗れると同時に、二頭の馬が引くチャリオットに乗り、馬の意匠をあしらった甲冑で全身を包んだ騎士を先頭に、騎馬に乗った騎士軍団が押し寄せてきたのだった。
浅井デューク「浅井軍・浅井デューク、義兄織田天魔に代わり! 神罰を執行する、それが私の使命、舞! 私について来い!」
そして、その後ろから騎馬に乗り付いて来る鎧を纏う女性。
舞「はい、デューク様!」
安芸
左手には弩、右手には楯を身に着けたケンタウロスがいた。
毛利賢「我が地を侵略せんとするものは、氷炎の移行をもって、うち破らん」
そう言うと同時に、賢の左側からは炎が、右側からは氷が同時に発生し、吹き出てきた。
四国
荒々しい波が、海岸に押し押せる。一人の人間の男性がいて、その下には、沢山の人間、魔族・妖怪、全員が男性だった。
長宗我部断道「鬼ヶ島の鬼とは、俺の事よ、食われてぇ野郎はいつでもかかってきな!」
その言葉に合わせるかのように、長宗我部軍全員、大声を上げた
長宗我部軍全員「アニキー!」
尾張
ある寺が燃え広がっており、中ではたくさんの僧侶たちが武器を手に一人の男を取り囲んでいた。その中心には妖しい銀色の長髪に、痩せ形、長身の青年の姿が。
辛時「沈降の読経は、自ら上げてもらいますよ」
そして、両手の大鎌の餌食にされて、沢山の屍が一瞬で転がっていった。妖しい銀色の長髪に、痩せ形の長身の青年の名は、明智辛時。
辛時「骨は、拾いませんよ」
返り血にまみれながら、明智辛時は、呟いた。
そう言うと、妖しい銀色の長髪に、痩せ形の長身の青年は炎の中に消えて行った。
そして、寺の外にいたのは、
天魔「我を、拝めよ」
第六天魔王・織田天魔
天魔「百鬼眷属の魔王、第六天魔王・織田天魔であるぞ」
そう言い切ると同時に、寺は崩れ落ちるのだった。
一方、川中島では真田のくノ一、零とその部下男女二名が偵察から帰って来た。
武田本陣で、仁王立ちしていたのは甲斐の虎・武田五郎である。
壮吉「お館様…」
五郎「うむ…」
横に立っているのは、彼の軍師兼家臣・壮吉と魁の全忍びを束ねる二人の長・トワイライトと千里、そしてさらに控えしは、武田家・家臣の真田姉弟、現当主の長女・リリス、次女・燐、長男(末っ子)・魁。
そして、魁と燐、それぞれの左右に控えし同じ顔をした男性が二人、海野兄弟。魁に控えしは、双子の兄・月麿、月麿は魁の小姓で、燐に控えしはその双子の弟・レツ、レツは燐の小姓である。
そして、その後ろには、魁に仕える家来一同、月麿や零もその一人だ。
魁は、家来のうちでも、もっとも有能な側近の七人を、信頼している。
年齢も性格も種族も、得意なことも、それぞれに違う、頼もしい七人である。
五郎「どうか、零?」
零「……」
もうひとり、零が武田五郎と真田魁の背後に突然現れた。
零は、猫娘と言う猫の女妖怪、手裏剣をかたどった髪留めでポニーテールというヘアスタイルで、左目部分は髪で隠れており、マフラーを首に巻いている。
零「ご推察の通りっス」
五郎「魁、燐よ」
真田姉弟「は!」
五郎「別働隊を率いて、側方より攻めよ」
魁「何と!?お館様、恐れながら、例え、敵が山上にあろうとも…正面から全軍で攻めるのが、武田の流儀」
五郎「馬鹿者!!」
いきなり、魁を殴った武田五郎、魁は倒れた。
五郎「正攻法のみが戦に非ず!固執すれば、自分の破滅を招きかねんぞ、魁」
魁「し、しかしながら、お館様と白龍公とは、稀なる好敵手同士、闇に乗じて、奇襲などいたせば何より、お館様の沽券に係わる!」
五郎「えーい!」
少しずつだが、立ち上がり、五郎の方に向かった魁に対して、五郎は再び彼を殴るのだった。
五郎「好敵手なればこそよ、言うなれば、誘導、お前は上杉の雑兵と武将共をなぎ倒し、白龍を追い立てさえすればよい」
魁「お館様…」
五郎「名付けて、啄木鳥の戦法!そうであったな、壮吉?」
壮吉「は!」
五郎「仕損じれば、後の世に愚作と誹りも受けようが…と、お前なら」
魁「!」
リリス「おっほん」
五郎と魁「!」
リリス「お館様!」
燐「私たちの事を、お忘れなきよう」
五郎「ああ、儂と、お前らなら、なせば成る」
魁「お館様!そこまでのお考えとは察せられず、この魁、不覚でございました!そのお役目、命に代えてまっとう致します!」
五郎「うん、頼むぞ、魁、そして」
武田軍「……」
五郎「皆」
魁「お館様ぁ!」
五郎「魁ぃ!」
魁「お館様ぁ!」
五郎「魁ぃ!」
と互いに名前を呼び続ける2人を見て、零とトワイライト、望月千里は、
零と千里「やれ、やれ」
トワイライト「やれ、やれ」
とあきれて見ていた。
…と言っている間に、
魁「うぉー!」
魁は愛馬の一角聖馬・真田栗毛に乗り、側近6人と武田騎馬隊を引き連れ行ってしまった。
零「いいんっスか、お館様?」
トワイライト「あの者に作戦の本当の目的を伝えなくて?」
千里「零ちゃんやトワイライトの言うとおりです、お館様?」
五郎「申さずでも、あやつなら務まろう、務らなくては、それまでのことよ」
燐「頑張ってください、魁さん!」
リリス(魁くん、ガンバだよ!)
その頃、上杉本陣では、越後の龍・上杉白龍が、愛刀で素振りをしていた。
白龍「ふん!や、は!や!」
その横で控えていて、見ていたのは、姉と養子の義兄弟、と言っても一人は姉の実子。
綾「……」
綾の息子で、義兄弟の弟・上杉影成は、彼女の実の息子。
兄・上杉景龍は、北条の人質として出されたが、白龍が養子に迎えられ、綾にとっては義息子で、景成にとっては義兄である。
その義兄弟の後ろに一人控えしは、忍びの兄弟。
景龍に仕えしは、兄・氷丸で、影成に仕えしは、弟・雪丸、この二人は、人間と鬼の半妖である。
さらに、影成の横に控えているのは彼の忠実な名参謀・直江鉄幹である。
白龍「ふん!や、は!やー!戻ったのですね、環」
素振りを終えると同時に、その名を言うと、布陣を翻し現れたのは、女性のエルフ。
環「あ、はい!」
女性のエルフは、白龍に近づいた。
環「白龍様が予期されたように、欧州の独眼竜が我ら上杉の背後を取らんと近づきつつあります」
白龍「そうですか、景龍、影成」
環「はい、最北端平定の破竹の勢いを聞き及ぶに…、よもやとは思いましたが、やはり…?」
景龍「影成もか?」
景成「……(ペコリ)」
直江鉄幹(魁、また、お前と戦うのが楽しみだ)
環「それと…」
白龍「なんです?」
環「あ、武田の分隊が、迂回して、ここ妻女山に迫ろうとしております」
白龍「……」
環「おそらく、夜宴に乗じ、奇襲をかけるつもりかと、ん?」
白龍「甲斐の虎…粋なことをする」
環「白龍様?」
白龍「これで心置きなく、戦えると言うもの、ご苦労でした、わたくしの美しきつるぎ。皆の者、出陣の準備を!神道を胸に、私に続くのです。狙うは甲斐の虎、ただ一人!天命は我にあり!毘沙門天の加護ぞある!」
上杉軍「おー!」
龍達「ギャー!」
そう言って、白龍は愛刀を天にかざすと、刀身が光ると同時に布陣が下がり、そこにいたのは上杉の兵士達だった。そして、その上空にいたのは、上杉軍が乗る、龍達である。
その一方では、伊達軍が、川中島を目指して、バイクを全速力で飛ばしていた。
先頭を走っていたのは、欧州筆頭・伊達竜馬。そして、その横を走るは、龍の右目の呼び声が高い伊達竜馬の軍師的存在、片倉倫太郎。
そして、正剛と雪雄。
大樹「竜馬様」
竜馬「あ、どうした、倫太郎?」
倫太郎「全軍を止めて、妻女山に先攻を出しましょう」
竜馬「どうしてだ?」
倫太郎「不穏です、まるで我々を待ち受けているような…」
雪雄「確かに……」
竜馬「はぁ、上等じゃねえか、気取られても、おかしくはねぇ」
倫太郎「しかし、それでは、奇襲になりません!」
竜馬「問題なしだ、行くぜ、大樹!」
倫太郎「あ!」
そう言って、竜馬はハーレーを飛ばし先に行った、それを、やれやれと言いたそうな顔をして倫太郎達は見ていた。
そして、妻女山に着くと、上杉の本陣はなく、燃えているたいまつ台だけが残っていた。
竜馬「武田のおっさんとの戦いに出向いちまった後みたいだな」
倫太郎「あるいは、罠かもしれません」
どうするかと悩んでいると。
武田軍「や!は!」
武田軍「や!は!」
魁(上杉軍ではない?)
魁を先頭に武田軍が、妻女山にやって来た。
竜馬「……」
魁「全軍停止、止まれー」
両手の槍を地面に差し、ジャンプして、愛馬から降りた魁。
魁「(弦月前立てに、隻眼、もしや…)欧州の独眼竜!?」
月麿「伊達竜馬か?」
武田軍も、魁同様に竜馬を見てそわそわした。
竜馬「……」
倫太郎「……」
魁「某は、真田魁!欧州筆頭・伊達竜馬殿とお見受けする?何故、貴殿がここに?」
竜馬「おい、赤の」
魁「赤…」
月麿「無礼な!」
竜馬「お前、差し詰め、武田の捨て駒ってところだな」
そう言うと、竜馬はハーレーから降り、腰に差した三振りの内、一振りを構えた。
竜馬「俺は、上杉を追って、川中島に攻め込む」
魁「な!?」
武田軍「!?」
竜馬「取って返すか、ここで俺をくい止めるか?」
魁「……」
武田軍「……」
竜馬「どっちにしても、伊達の一人勝ちは、見えているがな」
魁「貴殿が勝つと申す、その根拠が分からぬ?」
竜馬「独眼竜は、伊達じゃないってことだ、分かるか?」
魁「お館様と白龍公の戦いに、水を差すわけにはいかぬ」
竜馬「上等、倫太郎、だれにも手を出させるんじゃ、ねえぜ」
倫太郎「承知」
正剛「……」
雪雄「……」
魁「月麿、そなた達もだ、よいな」
月麿「かしこまりました」
美智「負けるなよ、小僧!」
雷太入道「おい、美智、貴様、また、魁様を小僧と…」
イアン「御意!」
翼「魁様、ファィトー❤」
竜馬「欧州筆頭・伊達竜馬!」
再び、
魁「真田魁! 全力で、お相手いたす!」
そう言って、魁は二振りの十文字槍を構えた。
竜馬も先ほど腰に差した三振りの内、一振りの黒い柄の刀を鞘から抜き構えた。
魁「いざ、尋常に勝負!」
竜馬「押してまいる!」
両、動きを止めると同時に、たいまつ台の火が消えると同時に。
魁「やー!」
竜馬「はぁー!」
一対一の戦いが始まるのだった。
両者、魁は火、竜馬は青い稲妻、それぞれの属性に身を包み、空高く舞い上がりそれぞれ武器を交えた。
ボーン
竜馬「やー!」
魁「はぁー!」
先手を取ったのは、欧州筆頭・伊達竜馬、竜馬は黒い柄の刀の刃を、魁の首元にまで届く寸前、魁は二振りの十文字槍で止めた。
それを見て、伊達軍は驚いていた。
良直「筆頭の一撃を、止めやがった!」
そして、火花が散ると同時に、地上に降り、互いに距離を取った。
竜馬「はぁ、槍使いが、速攻で周りに入られちゃ、形無しだな」
魁「き!」
悔しそうな顔をしながら、今度は魁が動いた。
魁「はぁー!」
魁は二振りの十文字槍を、交互に目にも入らぬ速さで、竜馬に突こうとするも、ことごとく避けられてしまうが。
ズバ
一発だが、竜馬の兜に十文字槍の先端が掠ったが。
竜馬「掠ったぐらいで、気を緩めるんじゃねえ!」
再び、竜馬が攻撃してきた、魁も負けず攻撃、二人の攻撃は。
魁「そりゃー!」
竜馬「てやー!」
衝撃波となり、周りを巻き込み一掃してしまう。
その一方、武田軍と上杉軍は、千曲川を挟み対峙していた。
両軍、陣形は異なっており、武田は鶴翼の陣。
上杉は魚鱗の陣を引いて、両軍にらみ合っていた。
五郎「そろそろ、まいる頃合いと思うっておったわ」
白龍「心遣い、ありがたく」
五郎「いつぞやの塩の礼よ」
鉄幹(それはそうと、五郎公、魁は何処に?家臣達も姿が見えないが?)
と鉄幹が考えている間に、両軍は武器を構えと同時に。
ドッ~ン、ドッ~ン
妻女山で、大きな爆発と衝撃波が、両軍を襲い、中には吹き飛ばされた者もいた。その後、千曲川の水は押し寄せて来た。
竜馬「えい!」
魁「せいやー!」
五郎と、白龍は妻女山を見つめ語り始めた。
白龍「交えしは、若き虎」
五郎「魁よ、貴様も出おったか」
またまた、妻女山今度は、大きな振動。
五郎「此度の長きにらみ合い、この時の為だったのかもしれん」
白龍「六種水果、我らの木も、やがて、熟しましょう」
鉄幹(魁、また、強くなったな)
環「……」
妻女山の戦いは、一段とヒートアップしてきたのだった。
両者、吹っ飛ばされ、竜馬は、手に持っていた、黒い柄の刀を口に咥え、白い柄の刀は利き手に、茶色の柄の刀は反対の手に掴んだ。
それを見て、伊達軍は驚いていた。
佐馬助「筆頭が、三振りの刀を!」
孫兵衛「野郎、抜かせやがった!」
魁「大車輪!!」
竜馬「ライトニング・スラッシュ」
技を繰り出し、竜馬は、魁は、互いの両手の武器を塞ぐだが、竜馬にはまだ口に咥えた黒い柄の刀がまだ残っていたが、しかし。
魁「はぁ、はぁ、はぁ」
竜馬「はぁ、はぁ、はぁ」
両者息が荒く、竜馬は口に咥えた刀を振るう力はなかったのだった。
それからしばらくして、朝日が二人を照らすと同時に、互いに距離を取り再び畳み掛けようとした次の瞬間。
零「待っっス!」
竜馬「何だ、てめぇは?!」
真田のくノ一・零が、両者の間に入り込んできた。
零「そこまでにしといちゃくれないっスか、独眼竜の旦那、真田家家臣・零、自分も野暮は好きじゃないんっスけど~、家の本体と上杉が、もうすぐここを包囲するっスよ~」
竜馬「……」
零「三つ巴ならいざしらず、両軍に足並み揃えて、攻められちゃ、さすがに分が悪いと思うっスよ」
竜馬「はったりかましてんじゃねぇ、敵のくノ一の言うことを、はいそうですかと信じる奴は?」
倫太郎「竜馬様」
竜馬「……」
倫太郎「ここは一旦、引かれるべきかと」
竜馬「倫太郎…」
倫太郎「よしんば誤したとしても、少なからず犠牲を出しましょう」
竜馬「ち」
千曲川を挟んでいた、武田と上杉は。
五郎「……」
白龍「……」
何も言わないまま、お互いの軍を引き反対方向の道を進み、帰って行った。
竜馬「は!」
竜馬も、ハーレーに乗り自分の軍を引き帰って行くのだった。
零「ふー、あぶない、あぶない、あのまま、やり合っていたら、さすがの魁さんも…」
魁「……」
零「魁さん?」
美智「小僧…」
翼「どうかしましたか?」
魁は、右手に持った槍を放し、胸に当てつぶやいた。
魁「滾る(たぎ)…」
雷太入道「え?」
魁「この胸が…、滾っている」
イアン「……」
魁「何と言う覇気…、何と言う闘士、何という……強さ…」
咲夜「もしかして、魁様?」
零「火が付いちまったっスか?」
魁「独眼竜・伊達竜馬」
ブォォォォ
竜馬「真田魁、覚えておくぜ」
戦を終えた魁は、武田、真田軍と合流し共に甲斐に帰還した後、武田五郎に招かれた真田姉弟は海野兄弟と共に、武田屋敷の軍議の場に来ていた。
真田姉弟は五郎の前に正座で座っていた。真ん中はリリスで、右は燐とレツ、左は魁と月麿が横一列に並んでいた。
五郎も、と壮吉、千里とトワイライトが左右の椅子に座っていた。
ちなみに、魁の側近たちは、真田の屋敷で待機していた。
魁「何と!?伊達の奇襲を見越しておられたと?」
リリス「ええ」
燐「おそらく、白龍公も、ですよね、お館様、壮吉様」
五郎「ああ」
壮吉「なおも、山上で動かなかったのは、そのためでしょう」
魁「ならば、某らの役割は…」
五郎「伊達の乱入が、杞憂に終わっておれば…申した通りの働きを期待しておった、本来ならお前に司祭を知らせておく道理はない」
魁「では、何ゆえ?…」
五郎「不足なる的確な対処もまた、武将には寛容、そうだな、壮吉」
壮吉「はは、恐れながら」
五郎「戻らぬ時は、将たる儂の起用もそれまで」
魁「さようで、ございましたか!何事にも試練…なれど、役目を果たせず、面目次第もございませぬ、零の仲裁がなければ、某今頃、無傷では」
リリス「欧州の独眼竜って」
燐「それほど強いのか?」
魁「はい、姉上たち、お館様、大河様、壮吉、強うございました。魂を揺さぶれるほどに」
シュン
零「零、戻りたっス」
零が偵察から帰って来た。
五郎「ご苦労、駿府はどうであった?」
零「今川に挙兵の気配ありっス、伊勢を攻めている織田に仕掛けるつもりのようですよ~」
壮吉「お館様…」
五郎「うむ、やはりな、出陣の準備じゃ、これより今川を攻略する」
全員「は!」
お館様「此度の上杉の休戦、この機を見越しての事でございましたか?!」
五郎「零他、忍び達には、ちっと無理を強いたがの」
魁「さすが、お館様!その抜かりなさ、このか…」
と魁が五郎に近づこうとした次の瞬間
ドカーン
零「お館様、それ普通に死にますから」
五郎に殴られ、ふっ飛ばされ、障子破り、枯山水の石組に貫通、魁は壁に背中を突き壁にひびが付いた。
魁「あ…、あ…、あ…」
五郎「諸国への気配りは当然のこと、魁よ! あらゆることを常に、己が大将となったつもりで考えよ」
それを聞いて、魁はその言葉に興奮するかのように再び、五郎に近づいてきた今度は、走って。
魁「おー! 承知いたしました、お館様! しかしながら、某はお館様の元で、いつの日かお館様の納める天下をー!」
五郎「バカー!」
再び、殴られ、ふっ飛ばされ、魁はまた、同じ壁に背中を突き壁に新しいひびが付いた。
五郎「戦国の世の武人ならば… 隙あらば、己が天下を望むぐらいの息を見せい!」
魁「あ」
五郎「魁よ、いつかは、このわしも老いるのだぞ」
魁「お館様に限って、老いるなどと、ありえませぬ!」
そう言って、目にもとまらぬ速さで、今度は、魁が五郎のほほを殴った。すると、床板がすり減った。
零「たー、大将?」
五郎「わしとて、人の子、努々(ゆめゆめ)惑うでないわ! はー 」
五郎「魁ぃ!」
魁「お館様ぁ!」
五郎「魁ぃ!」
魁「お館様ぁ!」
と互いに名前を呼び続けると同時に、二人の殴り合いならぬ、殴り愛が始まるのだった。
くノ一の猫野零と武田五郎の息子・武田大河は。
零と大河「やれ、やれ」
あきれて見ていた、それに対し、姉のリリスと燐は、
リリス「うふふ」
燐「は、は、は」
笑い微笑んでいたに対して。
とトワイライト、望月千里。
零と千里「やれ、やれ」
トワイライト「やれ、やれ」
あきれて見ていた。
その頃、伊達竜馬率いる、伊達軍は、桜のある木の下で、酒を飲みながら宴会をしていた。
伊達軍Y「わーい」
伊達軍K「ひゃーい」
伊達竜馬は、どうしているかというと
竜馬「……」
その宴会にも入らないで、別の桜の木の下で、静かに飲んでいたのだった。とそこへ。
竜馬「越後の軍神とも、甲斐の虎ともやれずじまい、すっかり当てが外れた」
倫太郎「……」
倫太郎が酒瓶を片手に持ち、竜馬の隣に黙って座った。
倫太郎「申されようの割には、あんまり、残念そうには、お見受けいたしません」
竜馬「なら、なぜ止めた?」
倫太郎「……」
竜馬「俺が、負けると思った?」
倫太郎「いいえ、真田のくノ一を名乗る物の者の申した事が、真であった場合を危惧したまで」
竜馬「……」
倫太郎「いずれにせよ…」
そう言いつつ、倫太郎は、竜馬の盃に酒を注いだ。
倫太郎「あのまま、戦い続けていれば、どちらかあるいは双方が…」
竜馬「はぁー」
ため息をしつつ、竜馬は倫太郎に注いでもらった酒を飲んだ。
竜馬「ちょいとヒートアップしすぎた、クールにいかないとね」
倫太郎「欧州には、明日立ちますか?」
竜馬「ノー、物見遊山のために、武蔵の国へ流れて来たんじゃない」
倫太郎「では、先んじで出した、斥候が戻り次第、軍議を?」
竜馬「んー?」
倫太郎「周辺諸国からの準圧に、耐えかねた今川が、たまらず兵をあげる頃合いかと」
竜馬「分かっているじゃないか」
倫太郎「しかし、武田が一早くその足元をすくわんとするものと踏んでまいります」
竜馬「ワッツ、武田は上杉とやり合ったばかりだろ?」
倫太郎「おそらく、川中島で両軍は刃を交えてはおりますまい、我々の奇襲を知った時点で、双方の大将は日を改めようと決めたはず」
竜馬「こいつ」
倫太郎「甲斐の虎を出し抜いて、今川を落とすのも一興かと」
竜馬「それで、どんな手を使うんだい?」
倫太郎「他ならぬ? 武田を無法いたします、名づけるとすれば… 啄木鳥の戦法」
竜馬「面白そうな、じゃないか、乗ったぜ、倫太郎!」
それからしばらくして、ここは神奈川の小田原城、伊達軍は、すぐそこまで来ていた。
場内では、既に軍議が開かれていたのだった。
道也「なに、欧州の伊達竜馬が、この小田原に攻めるだと?」
北条家臣J「殿、ご決断を」
そう言って、家臣たちは上を見上げたそれもそのはず、小田原城城主・北条道也はキリンの獣人。首が長く上を見上げねば顔は見えない。
そしてそのわきに控えているのは、その娘・北条麗とその隣に居るのは、北条家の家臣・成田家の娘ㇽキ。
ㇽキ「そんなん、決まっていますよ、ね、姫様」
麗「ああ…」
道也「あたぼうよ、おめぇら!」
北条家臣一同「は!」
道也「武器を持って戦うぞ!」
北条家臣一同「おー!」
一方、伊達軍は、小田原目指してバイクを飛ばしていた。
竜馬「派手に行くよ、レツ、パーリー!」
ただし、竜馬、倫太郎を残して。
北条軍は馬に乗りこれを向かい打とうと向かった、しかし。
北条兵士B「我こそは…! は?」
伊達軍「ひゃ、ほーい」
ど言う訳か、伊達軍は戦わず逃げて行った。
北条兵士B「何と! 戦わずして、敵に背を向け逃げるとは?」
北条軍は伊達軍を追った。
北条兵士B「全軍、追撃せよ!」
その頃、魁は、武田騎馬隊と共に小田原城を目指し、谷間の間を一角聖馬・真田栗毛に乗り進んでいた。
魁「ん?」
月麿「どうかしましたか?」
五郎「魁?」
魁は崖の上を見上げると、伊達軍が崖からバイクに乗ったまま降りてきたのだった。
魁「……」
それを見た魁は咄嗟に、両手で武田騎馬隊を止めた。
魁「あれは… 伊達軍?!」
その中には、伊達竜馬と片倉林太郎もいた。
竜馬「へい」
魁「は、伊達竜馬!」
五郎「ん…」
五郎が崖の方を見つめると、先ほどの北条軍がいた。
北条兵士B「おのれ、独眼竜! 武田と同盟しておったとわ! もはや、後には引けぬ! 打ち破れ!」
北条軍は、崖から降り、武田軍を攻撃してきた。
燐「北条の軍勢か?」
五郎「伊達の子そがれめ! 謀りおって、魁よこの場はよい、精鋭は率いて、伊達を追うのじゃ、良成の首を、取らせるでない! リリス、燐も前たちもじゃ」
リリス「分かりました」
燐「はい、お任せください」
魁「心得ましたでございます、お館様!」
魁を先頭に、武田騎馬軍は伊達を追った。
魁「これは、姉上たち!?」
燐「ああ…」
リリス「これは、啄木鳥の戦法ね…」
魁「やはり」
そう言って魁は、自分の槍を見て、先の川中島の戦いで傷ついた槍を見て口にした。
魁「お館様と壮吉様の軍略を、模倣し我らにぶつけるとは! 不敵なり! 独眼竜・伊達竜馬!」
その頃、竜馬は今川めざしバイクを飛ばし続けていた。
竜馬「今川の首、この独眼竜がもらったぜ!」
つづく