他の作品から来て頂いた方もいると思いますし、初めましての方もいると思います。
今回!!ようやく私が一番好きな作品『FAIRY TAIL』の作品の投稿を始めました。
小説を投稿し始めてから、ずっと何の作品とクロスさせようかと迷っていましたが『ラブライブ』に決めました。
取り敢えず、他のFAIRY TAILを書いている人達と文章が似ないように頑張ります。
長々と説明しましたが、作品をどうぞ
第1話 妖精の尻尾
――フィオーレ王国
人口1700万の永世中立国、そこは魔法の世界。
魔法は普通に売り買いされ、人々の生活に根付いていた。
そして、その魔法を駆使して生業とする者達がいる。
人々は彼らを、魔導士と呼んだ。
魔導士達は様々なギルドに属し、依頼に応じて仕事する。
そのギルド、国外にも多数。
そして――
とある街に、とある魔導士ギルドがある。
かつて...いや、のちのちに至るまで、数々の伝説を残したギルド。
その名は...
FAIRY TAIL
☆★☆★☆★
港街、ハルジオン。
「あ、あの~...お客様方..」
駅員の1人が、2人の乗客に話しかける。
「ナツ~着いたよハルジオン。起きて起きて~」
床に突っ伏している2人の前にいる2匹いる喋る猫の内の1匹、青い猫の『ハッピー』が1人を起こそうとする。
「ウミちゃんも早く起きるにゃー!」
そしてもう1人を残りの1匹、茶色い猫の『リン』が起こそうとする。
「大丈夫ですか?」
「あい!いつものことなので」
心配する駅員に、ハッピーはそう返す。
「無理!もう2度と列車には乗んねぇ...うぷっ」
ツンツン頭の桜髪に、鱗のようなマフラーを首に巻いた少年。
『ナツ』は気持ち悪そうに答える。
「情けないですよナツ、これぐらい...気合で何とか...うっ」
蒼い色の髪を腰まで伸ばした少女、『ウミ』は根性で立ち上ろうとするが、更に顔色を悪くさせる。
「情報が確かなら、この街に
「早く行こうよ、ウミちゃん、ナツ君」
ハッピーとリンが、2人に早く行こうと促すが。
『ちょ...ちょっと休ませて(ください)...』
ボォォォォォッ!!!
2匹が外に出るのと同時に列車の汽笛が鳴り、ドアが閉まり発車してしまう。
『あっ...』
ガタンゴトン、ガタンゴトン、と鳴る列車の動く音に混じって、2人の『た~す~け~て~』という助けを求める声が聞こえる。
『発車しちゃった...』
2匹は遠く離れていく列車を見ながら、そう呟いた。
☆★☆★☆★
「え――っ!!?この街って魔法屋1軒しかないの?」
ハルジオンに1つだけ存在する魔法道具店、MAZIC STORE 3ZX3に金髪ロングヘア―の少女『ルーシィ』の叫び声が響いた。
「えぇ...元々、魔法より漁業が盛んな街ですからね」
「はぁ...」
店主の話を聞いていたふんわりボリュームカールされた赤髪の少女、『マキ』はため息を付く。
「街の者も、魔法を使えるのは1割もいませんので、この店もほぼ旅の魔導士専門店ですわ」
「無駄足だったわね」
マキのその言葉に反応した店主は、カウンターの棚を漁り始める。
「まぁまぁそう言わずに、見ていってくださいな。新商品だってちゃんと揃ってますよ」
棚から取り出した1つのマジックアイテムを、ルーシィ達に見せる。
「女の子に人気なのは、この
店主は
『持ってるし』
しかし、既に持っていたせいか、ルーシィ達の反応は薄かった。
「あたしは
「
ルーシィが店主と話している間に、店内を物色していたマキは商ケースの中にある銀の鍵を見つけてルーシィに声を掛ける。
「ねぇ、ルーシィ!これってあんたが探してた奴じゃない?」
「え?どれ?」
ルーシィはマキが指差している代物、銀色の鍵が目に入り声を上げた。
「あ♡
「そんなの全然強力じゃないよ」
「いーの、いーの♡探してたんだぁー」
ルーシィは鍵を手に取り、店主に質問する。
「いくら?」
「2万
「お・い・く・ら・か・し・ら?」
「だから2万J」
毎度の事なのか、マキは呆れながら成り行きを見守っていた。
「本当の値段はおいくらっかしら?素敵なおじさま♡」
ルーシィは胸を強調し、もう一度質問する。
☆★☆★☆★
買い物を終えたルーシィ達だったが、ルーシィだけが不機嫌そうに歩いていた。
「ちぇ、1000Jしか負けてくれなかったぁ」
「負けてくれただけでも、ありがたいと思いなさいよ」
先程の店主の愚痴を言っていたルーシィを、マキが宥める。
「それにあんたじゃ、それが妥当でしょ」
「何よそれ!!あたしの色気はたった1000Jか――っ!!!」
マキの台詞に憤慨したルーシィは、近くにあった看板を蹴り倒す。
「ちょっとルーシィ、気に喰わないからって物に当たらないでよ。私まで変な目で見られるでしょ」
悪目立ちしたくなかったからか、看板を蹴り倒したルーシィをマキは注意する。
『キャ―――』
――その時、遠くで女性が悲鳴を上げた事にルーシィ達は気づいた。
しかしそれは、恐怖等で出た悲鳴ではなく、喜びで出た黄色い悲鳴だった。
「? 何かしら」
「誰か有名人でもいるのかしら?」
疑問に思うルーシィ達の横を、目を♡に変えた女性達が走り抜ける。
「この街に有名な魔導士様が来てるんですってぇ」
「
走り抜けていった女性達の話を聞いたルーシィ達は、聞こえてきた名前に目を輝かせた。
「あ...あの店じゃ買えない、火や水の魔法を操るっていう...あの!」
「この街に来ているの!?」
☆★☆★☆★
列車から何とか降りる事が出来たナツ達は、重い足取りで街を歩いていた。
「ったくよ~、列車には2回も乗っちまうし」
「ナツ達、乗り物弱いもんね」
「お腹もすきましたね」
「私達、お金ないもんね」
そんなやり取りをしていたナツ達だったが、ナツがハッピーに質問する。
「なぁハッピー、
「うん、火の竜と水の竜なんて、イグニールとティアマットしか思い当たらないよね」
「だよな。やっと見つけた、ちょっと元気になってきたぞ!」
「あい!」
元気を取り戻したナツを見て、ハッピーも元気になる。
「ウミちゃんの話を聞いてから、ずっとティアマットに会ってみたいと思ってたんだにゃ」
イグニールとティアマットに会えると喜ぶナツ達をよそに、ウミだけは冷静に物事を考えていた。
「ですから、こんな街中にイグニールとティアマットがいたら騒ぎになって...」
話の最中だったが、ナツ達の耳に遠くから叫び声が聞こえる。
キャー、
「ホラ!!噂をしたらなんたらって!!」
『あい!』
1人と2匹が騒ぎの元へ、駆け出していく。
「それを言うなら影ですよ、って待ちなさい!ナツ!ハッピー!リン!」
ウミが引き留めようとするが、ナツ達は止まる事は無かった。
☆★☆★☆★
騒ぎになっている広場では、2人の男性を大勢の女性達によって囲まれていた。
「キャー、素敵ー!」
その様子を見ていたルーシィは、胸の高まりを抑えられずドキドキしていた。
――な..な..な..何?このドキドキは!!?ちょ....ちょっと..!!あたしってばどうしちゃったのよっ!!!
「ん?どうしたのよルーシィ?」
マキはルーシィの様子が可笑しい事に気付き、訪ねたが本人はそれ所じゃなかった。
「ははっ、まいったな、これじゃ歩けないよ」
「そうだな」
不意に、2人の男性とルーシィの視線が合わさった。
――こっち見た――!!
目が合ったルーシィは胸がキュンとなり、さらに胸の鼓動が激しくなった。
――はうぅ!!!!有名な魔導士だから?だからこんなにドキドキするの!!?
ルーシィの目も、他の女性達と同じように目が♡に変わる。
――これって...もしかして...あたし...
「まさか...」
マキが何かに気づき、男達に近づこうとしているルーシィを止めようとする。
「しっかりしなさい、ルー...」
「イグニール!!!!」
マキがルーシィを止めるのと同時に、ナツが大声を上げて男達の前に現れた。
その時、ルーシィの目の♡が割れ、正気に戻った。
「大丈夫、ルーシィ?」
「え..ええ...私は一体...」
ルーシィが正気を取り戻した事に安堵したマキは、元凶である2人の男を睨む。
「誰だお前ら」
ナツの言葉に、男達はショックを受ける。
「
カッコつけて名乗るが、既にナツは重い足取りでその場を離れていた。
「って、早っ!!」
既に自分に眼中にないナツを見て、名乗りを上げた
「ちょっとあんた失礼じゃない!!?」
「そうよ!!
「謝りなさいよ」
「なんだお前ら!」
自分に対して敵意を剥き出しにしてくる女性達に、ナツは戸惑いの声を上げる。
「まぁまぁ、その辺にしておきたまえ」
「そうだ、彼とて悪気があった訳じゃないんだからな」
『あ~ん、優し~!!』
男達はナツの前まで移動すると、色紙に自分のサインを書いたナツに渡した。
「僕達のサインだ」
「友達に自慢するといい」
「いらん」
ナツの言葉を聞いた女性達は、またしても目の色を変えた。
女性達にボコボコに伸されたナツは、近くのゴミ捨て場に捨てられた。
「人違いだったね」
「ナツ、大丈夫ですか?災難でしたね」
そこでようやく、女性達のせいで近づけなかったウミ達がナツに合流する。
「さて、君達の熱い歓迎に感謝するけど...僕達はこの先の港に用があるのでこれで...」
『え~!!もう行っちゃうの!!?』
「
「夜は船でパーティをやるよ、みんな参加してね」
「なんだ、アイツは」
「本当、いけ好かないわよね」
ナツの問いに答えたのは横にいたウミではなく、後ろにいたルーシィだった。
「私の連れが世話になったわね」
「私からもありがとうね」
「はぁ?」
ルーシィとマキがナツに感謝の言葉を告げるが、何故感謝されたのかナツには分からなかった。
☆★☆★☆★
2人はお礼を兼ねて、ナツ達を近くのレストランでご馳走していた。
「あたしルーシィ、宜しくね」
「私はマキよ、宜しく」
「私はウミと申します、宜しくお願い致します」
ルーシィ達が自己紹介しあう中、ナツ達は目の前のご馳走にありついていた。
「あはは...ナツとハッピー、あとリンだっけ?分かったからゆっくり食べなって」
「色々と飛んできてるわよ」
――てかっ、お色気代1000Jパーだわ、これ...
胸中で少し後悔していたルーシィに、ウミが質問する。
「ちなみにですが、あなた達が言っているお礼って言うのは、あの男達が使っていた
「へぇー、あなたは気づいてたのね」
質問を聞いたマキは、ウミに感心し話を続ける。
「そうよ、あの
マキはナツ達に、
「その魔法は、人々の心を術者に引きつける魔法なのね。何年か前に発売が禁止されてるんだけど...」
「あんな魔法で女の子達の気を引こうだなんてやらしい奴よね」
「えぇ、私も同意見です。あんな破廉恥な...」
ルーシィとマキの
「でも、ナツが飛び込んできたお陰でルーシィの
「だから、ありがとうってこと」
「なぶぼご」
マキの説明で、ナツ達もようやくお礼の意味を理解する。
「それにしても、マキはよく
ウミの質問に、なんて事は無いようにマキは答えた。
「こう見えても一応、私達は魔導士なの。だから私にはあのタイプの魔法は効かないのよ」
「ほぼぉ」
口の中がパンパンになるまで頬張っているせいか、ナツが合間合間に相槌を打つが何を言ってるのか分からなかった。
「まだギルドに入ってないんだけどね。あっ、ギルドって言うのはね」
すると今度は、ルーシィがギルドについて説明を始める。
「魔導士達の集まる組合で、魔導士達に仕事や情報を仲介してくれる所なの。魔導士ってギルドで働かないと一人前って言えないものなのよ」
先度まで淡々と説明をしていたルーシィが、興奮気味に説明を続ける。
「でもね!!でもね!!ギルドってのは世界中にいっぱいあって、やっぱ人気あるギルドはそれなりに入るのは厳しいらしいのね」
凄い勢いで話始めるルーシィを前に、ナツ達は食事する手を止める。
「あ、あのルーシィ...」
余りの勢いに、ウミはルーシィを落ち着かせようとする――しかし。
「あたし達の入りたいトコはね、もうすっごい魔導士がたくさん集まる所で..ああ..どーしよ!!入りたいけど厳しいんだろうなぁ..」
「いあ...」
ルーシィの迫力でナツは食事の手を止め、呆然とする。
テンションの高いルーシィを、止める事が出来ないと思ったがマキが静止の声を掛ける。
「落ち着きなさいルーシィ、あんたのテンションに誰もついていけてないわよ」
「えっ?あー、ごめんねぇ。魔導士の世界の話なんて分からないわよねー」
マキに指摘され、ようやくルーシィは自分の失態に気付く。
「でも、絶対そこのギルドに入るんだぁ」
「そうね、あそこなら大きい仕事もらえそうだからね」
ルーシィの言葉に、マキも同意する。
「ほぉか...」
「入れるといいですね、そのギルドに」
ナツは引き気味に返事をし、ウミは2人の事を応援する。
「あっ!」
そこで何かを思い出したのか、ルーシィが声を上げた。
「そういえば、あんた達は誰かを探してたみたいだけど...」
「確かに...、あの男と誰かを間違えてたみたいだったわね...」
ルーシィの質問を聞いたマキは、ナツが乱入してきた時の事を思い出した。
「あい、イグニール」
「それとティアマットだにゃ」
ルーシィの質問に、ハッピーとリンが答える。
「
「
「火の竜と水の竜って言うから、てっきりイグニールとティアマットかと思ってたのにね」
3人の話を聞いていたルーシィとマキは、呆れるしかなかった。
「見た目が
「意味わかんない...」
呆れていた2人だったが、ナツの口から告げられる思いもよらない言葉によって表情が一変する。
「ん?人間じゃねぇよ。イグニールとティアマットは本物の
『は?』
「あい、本物のドラゴンだよ」
『.................!!!!』
後ろに仰け反り、目を見開く程に驚愕するルーシィとマキ。
この魔法の世界でもドラゴンは滅多に目撃されない、とても珍しい生き物なのだ。
『そんなの街の中にいるハズないでしょー!!!』
ルーシィ達の突っ込みで、ハッ!とナツ達も目を見開く。
「オイイ!!!今気づいたって顔すんなー!!!」
その様子に我慢が出来なかったのか、ルーシィの突っ込みがまたも炸裂する。
「だから私が、何度も説明したではありませんか...」
ウミが頭を抑えながら、そう呟いた。
「あんたも苦労してるのね」
頭を抱えるウミに、マキは同情する。
「さて、あたし達はそろそろ行くけど...ゆっくり食べなよね」
ルーシィは机の上にお金を置いて、マキと一緒に入り口に向かった。
「ありがとうございましたー!ああ゛!」
店員が挨拶した後、急に口をあんぐりと開け変な声を上げる。
「何よいきなり...ヴェエ!!」
不審に思ったマキは、店員が見ている先に視線を向けると独特な声を上げる。
「ん?」
不思議に思ったルーシィも、店員とマキが見ている方に視線を向ける。
「ああ゛」
視線を向けたルーシィも、店員やマキ同様に声を上げた。
――なぜなら
「ご馳走様でしたっ!!!!」
『でしたっ!!!!』
ナツ達が額を床に着け、土下座の姿勢で感謝を告げていたからだ。
「きゃー、やめてぇっ!!!」
「そうよっ!!!恥ずかしいからやめなさい!!!」
土下座するナツ達を見て、店内はざわついていた。
「い..いいのよ..あたし達も助けてもらったし..おあいこでしょ?ね?」
「そ..そうよ...だから頭上げなさいよ」
これ以上騒ぎにならない様に、ルーシィとマキは頭を上げさせようとする。
「あまり助けたつもりがないトコがなんとも...」
「はい...歯がゆいです」
助けた自覚が無いせいで、ナツ達は頭を上げられなかった。
「そうだ!!」
ナツはポンと手を叩き、何かを思いついた。
「これやるよ」
『いらんわっ!!!!』
ナツは
☆★☆★☆★
店を出たマキは、一度ルーシィと別れて誰もこないであろう裏路地に移動していた。
『それじゃあ今、ハルジオンの街にいるのね?』
「そうよママ。今はいないけど、ルーシィも一緒よ」
遠く離れた者と会話する為の魔力の結晶、《通信用
『2人共、
「うん、やっぱり私達の憧れだからね」
『そう...余り無茶しないようにね。お父さんと一緒に応援してるわよ』
「うん、ありがとうママ」
自分を応援してくれる両親に、マキは感謝の言葉を告げる。
その時、マキは自分に向けられている嫌な視線に気づいた。
『マキ?どうかしたの?』
「ううん、なんでもない。そろそろ切るわね」
『えぇ、体に気を付けなさいね』
「分かってる、じゃあねママ」
マキは通信を切ると、携帯用の通信ラクリマをしまい視線の主に話しかける。
「いるのは分かってるわ、出て来なさい」
マキが声を掛けると、物陰から
「ほう、よく気付いたな」
「私はこれでも魔導士なのよ。気づくに決まってんでしょ!だからチャームなんか私に効かないわよ」
「やっぱり魔導士だったか、目が合った時に魔導士だと気付いていたんだ。良いさ、パーティに来てくれればな」
「行く訳ないでしょ!アンタ達みたいなえげつない男のパーティなんて」
えげつないという言葉に、
「えげつない?俺達が?」
「
「あんなの只のセレモニーだろ、俺達はパーティの間はセレブな気分でいたいだけだからな」
「意味わかんない...」
踵を返し、その場から離れようとするマキ。
「お前...
しかし、
「
「ある!!!」
その
「実は、俺がその片割れの1人なんだよ」
「あんた
「そうだ、入りたいならマスターに話を通してやる」
「その代わり、パーティに出て欲しいんだ」
「パーティに出れば
「もちろんだ、その代わり
「わ、分かったわ...」
「それじゃ、パーティで会おう」
そう言うと、
「はっ!!!余りの出来事に意識飛んでたわ!!!」
しばらくしてようやく、マキは放心状態から回復した。
「こんな事してる場合じゃなかった、早くルーシィに合流しないと」
裏路地から出たマキは、ルーシィが待っている広場に向かった。
ベンチの前で、立っているルーシィの後ろ姿を見つけたマキは急いで駆け寄った。
「ルーシィ!!」
「あっ!!マキ!!」
マキの声に反応し、ルーシィは振り返る。
「あのね...ルーシィ...」
「ねぇ!!この後なんだけどさ、この街出るまで別行動しない!?」
「え...えぇ、良いわよ」
「本当!?実はどうしても外せない急用が出来たんだ!!じゃあ、また後でね!!!」
そう言うと、ルーシィは何処かに走り去ってしまった。
「何よ...意味わかんない...」
ルーシィの勢いに押された形になったが、今のマキにとって別行動は好都合である。
「
大声を上げて驚くか、驚きすぎて言葉を失うか、もしくは喜びすぎてはしゃぎだすか。
マキは色々と想像し、可笑しそうに笑う。
「さてと、
☆★☆★☆★
時刻は夜。
食事を終えたナツ達は、街を一望できる場所で夜風に当たっていた。
「ぷはぁー!食った食った!!」
「あい」
「ルーシィのお陰で、沢山食べれましたね」
お腹をさすり、ナツは満足そうに言う。
その時、沖の方に一隻の船が漂っているのをリンが見つける。
「そういえば、
「うぷ...気持ちワリィ...」
船を視野に入れたナツは、実際に乗っていないにも関わらず乗り物酔いを起こした。
「想像しただけで、酔うのはやめてくださいよ」
流石のウミも、想像で乗り物酔いになる事はないようだった。
「見て見て~!!あれが
「あ~ん、私もパーティ行きたかったなぁ」
「
「知らないの?今、この街に来てるすごい魔導士なのよ。あの有名な
『!!!』
女性達から聞こえた
「
ナツはもう一度、船に視線を向ける。
「うぷ」
そして、また気持ち悪くなる。
「......
☆★☆★☆★
「マキか...いい名前だな」
「どうも」
その船の一室で、
「他の女の子達を放っておいて良いの?」
「別に構わないさ、そっちはあいつに任せてるからな」
そう言うと、
「ひとまずは、俺達の出会いに乾杯といこうか」
普段のマキなら強気な口調で否定するが、今回はやんわりと断った。
「悪いけど、私ワインは余り好きじゃないの」
「おっと...それは残念。悪いが今はこれしか無いんだが...そうか...」
マキに断られた事で、
「しょうがない娘だなぁ、素直に飲んでいれば痛い目みずに済んだのに...」
「え?」
「お――さすが
「こりゃ久々の上玉だなぁ」
マキの後ろにあったカーテンが開き、屈強な男達がぞろぞろと出てきた。
その内の2人が、マキの両腕を抑えている。
「な、何なのアンタ達!!?」
いきなり現れた男達に、マキは動揺を見せる。
男達を良く見ると、何人かは眠っている女性達を抱えていた。
「連れていくぞ」
何の説明をする事なく、
「ちょっと!!!離しなさいよ!!!」
暴れて男達から逃げようとするが、マキの力ではびくともしなかった。
「何処に連れて行く気よ!!」
「直ぐに分かるさ、さぁ着いたぞ」
最後にマキも、男に引きづられるように中に入って行く。
「ここに一体何が...」
「な、何なのよコレ!!!アンタ達何!!?」
何かあるのか警戒するマキの耳に、聞き覚えのある声が聞こえた。
「え...」
男達に連れられ中に入ったマキの目に入ったのは、自分と同じように男達に拘束されたルーシィの姿だった。
「ルーシィ!!?」
別行動した筈のルーシィが、自分と同じようにパーティに参加してる事にマキは驚く。
「マキ!!?何でここに!!?」
それはルーシィも同じようで、目を見開いて驚いている。
最初からこの部屋にいたのか、ルーシィの他に
「ちょっと!!!どういう事か説明しなさいよ!!!」
マキが怒鳴り声を上げて、
「ようこそ我が奴隷船へ、
「ボスコ...って、ちょっと...!!!
「言ったろ?奴隷船だと。初めから商品にするつもりで、こいつにお前達を連れ込んだんだからな。あきらめろ」
『.........!!!』
「
「この嬢ちゃん達は
「へっへっへっへ」
この後自分達の身に起こる事を想像し、ルーシィ達は恐怖する。
「や...やだ...嘘でしょ...」
「何なのよコイツ等..こんな事をする奴らが...」
恐怖するルーシィ達の反応を楽しむように、
「ひぅっ!!」
太腿を撫でられた事によって、ルーシィは小さい悲鳴を上げる。
太腿を撫でていた
「ん?」
腰まで手を這わせていた
「ふーん、
「星霊?なんですかいそりゃ、あっしら魔法の事はさっぱりで」
「いや、気にする事はない。この魔法は契約者以外は使えん、つまり俺達には必要ないって事さ」
「そっちの赤髪の女も魔導士だ、ちゃんと抑えとけよ」
両手を抑えられている事で、何もできない悔しさでルーシィ達は身体を震わせた。
「何なのよコイツ等...」
「こんな事をする奴らが...これが...これが...」
『これが
憧れていただけに、目の前の男達が
悔しさと恐怖で体を震わせ、2人は涙が止まらなかった。
「まずは、奴隷の焼印を押させてもらうよ。ちょっと熱いけど我慢してね」
高温に熱した焼印を持った
「魔法を悪用して...人を騙して...奴隷商ですって......最低の魔導士じゃない...」
悔し涙を流しながら、ルーシィがそう呟いたその時。
バキッ、バキッ。
天井に2つ穴が開き、何かがルーシィ達の前に落ちてきた。
ズシィン!と音を立てて着地したのは、ナツとウミだった。
「ひ..昼間のガキ!!」
「ナツ!!?」
「ウミ!!?」
その時、波の影響で船が揺れる。
「おぷ..駄目だやっぱ無理」
「情けないですよ..ナツ..うぷ..」
格好良く登場したにも関わらず、2人は船の揺れで早々に船酔いを起こす。
「え―――っ!!?かっこわる―――!!!」
余りの出来事に、ルーシィは突っ込みを入れる。
「な..何だこりゃ一体...!!?」
「何で空からガキ共が降って来るんだ!!?」
「しかも酔ってるし」
「ルーシィ、何してるの?」
「マキちゃんも、こんな所でどうしたの?」
「ハッピー!!?」
「リンも!!?」
ナツ達が開けた穴から、顔を覗かせる羽根を生やしたハッピー達の姿にルーシィ達は驚く。
「騙されたのよ!!!
ピクっと、ナツとウミが反応する。
「てか..アンタ達羽根なんてあったけ?」
マキはハッピー達に羽根について質問するが、ハッピー達は質問に答えるより先にルーシィ達を逃がす事を優先する。
「細かい話は後回しっぽいね」
「行くっにゃ――!!」
ハッピーはルーシィを、リンはマキを尻尾で捕まえると、そのまま入ってきた穴から外に飛び出した。
「逃がすかぁっ!!!!」
ハッピー達に向け、
「おっと!」
「よっと!」
それを難なく、ハッピー達は避ける。
「ちっ、あの女達を逃がすなっ!!!評議員共に通報されたらやっかいだ!!!」
「はいっ!!!」
ドン、ドンドン、ドドン。
「わっ!銃だ!!」
『きゃあああっ!!!』
ハッピー達は飛びながら、飛んで来る銃弾を避ける。
「ルーシィ、聞いて」
「マキちゃんも聞いて欲しいんだけど...」
『何よこんな時に!!』
こんな大変な時に話とは何だと、ハッピー達に顔を向けたルーシィ達の目に飛び込んできたのは...
『変身解けた』
羽根が消えた、ハッピー達の姿だった。
『くそネコ―――!!!』
羽根が消えたハッピー達は、重力に従ってそのまま海に落ちた。
ザパァァァァァン!!!
海に落ちたマキはハッピーとリンを回収し、海面に顔を出した。
そんな中、ルーシィだけは海中を泳いで移動していた。
――あんなのが
移動するルーシィは、何かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡す。
その時、視界の端に何かが光ったのをルーシィは見逃さなかった。
――あった!!!浅いトコで引っ掛かってくれた♡
ルーシィが探していたのは、先程捨てられた
「ぷはっ!!!」
ルーシィは海上に顔を出すと、鍵を構える。
「見つかった!?」
「もちろん!!さぁ、行くわよ!」
ルーシィは、鍵を海に突き刺す。
「開け!!宝瓶宮の扉!!!アクエリアス!!!」
渦巻が発生し、中から水瓶を持った人魚が現れる。
『すげぇ―――!!!』
突如現れた星霊に、ハッピー達は興奮する。
「あたしは星霊魔導士よ、
ルーシィは船を指差し、アクエリアスに指示する。
「さぁ、アクエリアス!あなたの力で船を港まで押し戻して!!」
「ちっ」
「今『ちっ』って言ったかしらアンタ―!!!ねぇ!?」
「今そんなとこに喰いついてる場合じゃないでしょ!!!」
アクエリアスの舌打ちに反応するルーシィに、マキがさらに突っ込みを入れる。
「うるさい小娘だ。1つ言っておく、今度鍵落したら...殺す」
『ご..ごめんなさい...』
余りの迫力に、ルーシィだけでなくハッピーやリンも謝罪する。
「オラァッ!!!」
アクエリアスが起こした大津波で、船を港まで押し戻す。
その際、ルーシィ達も一緒に巻き込まれてしまう。
「あたしまで一緒に流さないでよォォォォ!!!」
ドゴォンと凄い音を立てながら、船は岸に乗り上げた。
「あんた何考えてんのよ!!!普通あたしまで流す!!?」
「不覚....ついでに船まで流してしまった」
「あたしを狙ったのかー!!!」
「しばらく呼ぶな、一週間彼氏と旅行に行く、彼氏とな」
「2回言うなっ」
アクエリアスは消えたが、最後までルーシィの突っ込みが止まらなかった。
「なーんて勝手な奴なのかしら!!!ムキ―」
「あまり関係良好じゃないんだね」
☆★☆★☆★
「くそっー体何が...」
頭を抑え、辺りを見渡す
「ナツ――!!!ウミ――!!!だいじょ...」
扉を開け、中に入ってきたルーシィ達だったが、ナツとウミの迫力に言葉を失う。
「小僧共...人の船に勝手に乗ってきちゃイカンだろぉ。あ?」
「オイ!さっさとつまみ出せ」
「はっ!!」
ナツ達が狙われた事で、ルーシィ達が動こうとする。
「いけない!!!ここはあたしが」
「援護するわ!!」
ルーシィは精霊魔法を、マキも自分の魔法を使い戦おうとする。
「大丈夫」
しかしそれを、ハッピーが止める。
「言いそびれたけど、ナツも魔導士だから」
「もちろん、ウミちゃんもね」
「え――――っ!!?」
「嘘でしょ!!?」
ナツとウミの2人が魔導士と聞いて、ルーシィ達は驚愕する声を上げた。
「おまえが
ナツは着ていた上着を脱ぎながら、
その横で、ウミも同じように上着を脱いだ。
「それがどうした!?」
「よぉくツラ見せろ」
そんな会話をしてる間も、ナツ達に男達が迫る。
「俺は
「同じく、
ナツはぶん殴る事で、ウミは蹴りを入れる事で男を倒す。
「な!!!!」
「え?」
「は?」
ナツ達が
「
その時、ナツの肩に赤色の、ウミの肩に青色の妖精をモデルにした紋章が入っている事に、その場の全員が気づいた。
「な...!!!あの紋章!!!本物だぜボラさん!!!」
「バ..バカ!!!その名で呼ぶな!!!」
ボラと言う名前に、リンは聞き覚えがあった。
「ボラ...
「聞いた事があるわ...魔法で盗みを繰り返して通報されたって」
リンの話を聞いたマキも、ボラについて思い出した。
「おめぇが悪党だろうが、善人だろうが知った事じゃねぇが
「えぇ、私達を馬鹿にするのは許せませんね」
「ええいっ!!!ゴチャゴチャうるせぇガキだ!!!!」
「これでも食らいやがれ!」
ナツは
「ナツ!!!」
「ウミ!!!」
2人の元に行こうとするルーシィ達だったが、それをハッピーとリンが止める。
「まずい...」
炎の中から、ナツの声が聞こえる。
「何だコレ、お前本当に炎の魔導士か?こんなまずい炎は初めてだ」
「下衆が放つ魔法です、美味しい筈がありませんよ、ナツ」
そう言いながら、ナツは炎を食べ、ウミは水を飲み込む。
『なぁ!!!?』
その場にいる全員が、凄い勢いで水を飲み込むウミと、炎を食べるナツに驚いた。
『ふ――、ご馳走様でした』
「な..な..何だコイツ等は―――っ!!!?」
「火....!!?」
「火と水を食っただと!!?」
化け物を見る目で、男達はナツ達を見る。
「ナツには火は効かないよ」
「ウミちゃんにも、水は効かないしね」
「こんな魔法見た事ない!!!」
ルーシィは2人の使う魔法に、驚きを隠せなかった。
「食ったら、力が湧いてきた!!!」
「行きますよ!!ナツ!!」
「おう!!」
ナツとウミは、空気を吸い込み口の中に魔力をため込む。
「火竜の!!」
「水竜の!!」
『咆哮!!!』
2人の口から放たれた炎と水のブレスが、ボラ達を襲う。
ドガァァァァァン!!!
爆発に包まれ、殆どの者達が黒焦げやびしょぬれになっていた。
「ボ...ボラさん!オレぁコイツラ見た事あるぞ!!!桜色の髪に鱗みたいなマフラー...。そして..腰まで伸ばした水色の髪...間違いねぇ!!!コイツラが...本物の..双竜...」
生き残った男の1人がナツ達の正体に気づき、涙ながら話すが時すでに遅かった。
「
ルーシィはナツ達が
「よーく覚えとけよ、これが
「ヒッ!レッドシャワー!!」
恐怖したボラは、炎の散弾をナツに放った。
「ウオーッ!」
ナツは足に力を込め、ボラの元まで跳躍し炎を纏った拳で力いっぱい殴った。
「火と水を食べたり、火で殴ったり...本当にこれ...魔法なの!!?」
「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う。これは自らの体を竜の体質へと変換させる
「なにそれ!!?」
ハッピーの説明に、ルーシィはさらに驚愕する。
「元々は竜迎撃用の魔法だからね」
「......あらま」
「
「竜が竜退治の魔法教えるってのも、変な話ね」
そう呟いたマキに、ぐわばっと目を見開いたハッピー達は指を突きつけた。
「疑問に思ってなかったのね」
ナツとボラが戦っている最中、同じように生き残った
「本物が相手なんて冗談じゃね、早くここから逃げねぇと...」
「何処に逃げるつもりですか」
「私達の名前だけでなく、
「ま、待ってくれ!ほんの出来心だったんだ!だから見逃してくれ!」
「見逃すわけがないでしょう、あなたには本物の
ウミはそう言うと、手のひらを天に翳し詠唱を始める。
「この場にある全ての眷属達よ、ウミ・ソノダの名の元に命ず!」
ウミを中心に、水が集まっていく。
「我が求め、我が願いに応え、その力を世界に示せ!」
ウミ達の頭上に、巨大な水色の魔法陣が展開される。
「セイクリッド・クリエイト・ウォーター!!!」
頭上から滝が降ってきたような量の水が、
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
頭上から放出された大量の水は、
「何よあの魔法...」
ハッピー達が抱えて飛ぶ事によって、ウミの魔法に巻き込まれるのを免れたルーシィ達は、その威力と規模に驚愕する。
「あれがティアマットがウミちゃんに教えた滅竜魔法の1つにゃ」
「すごい...」
そして、ウミが決着をつけた頃、ナツも決着を着けようとしていた。
「ちくしょう!」
ボラは、巨大な火の玉をナツに向かって放つ。
それをナツは正面から受け止め、炎を吸収する。
「これならそこそこ食えるな、おいてめぇブスブスの燻製にしてやるぜ」
「燻製イヤん!」
「ぶっ飛べ!」
ナツは両手を胸の前で拳を打ち合わせると、赤い魔法陣を展開させる。
「火竜の鉄拳!」
「ウワッ!」
炎を纏った拳で殴られたボラは、何軒かの民家を巻き添えにして吹っ飛んだ。
「ナツ、燻製は炎じゃなくて煙で出来るんだよ」
ハッピーの突っ込みに誰もは反応せず、地面に降りたルーシィ達は辺りを見渡していた。
「すごい...すごい...けど、やりすぎよォォォッ!!!!」
ナツ達が暴れすぎたせいで、幾つもの民家が崩壊しあちこちで煙が上がっていた。
「み..港が滅茶苦茶――!!!」
『あい』
『あいじゃないっ!!!』
ルーシィとマキが、ハッピー達に突っ込みを入れる。
「こ...この騒ぎは何事かね――っ!!!」
「軍隊!!!」
騒ぎを聞きつけた軍隊が、ルーシィ達の前に現れた。
「やべ!!!逃げんぞ」
「戦略的撤退です!!!」
ナツがルーシィを、ウミがマキの手を握ってその場から離れる。
「何であたし達まで――!!!?」
「ちょっと!!何巻き込んでるのよ!!」
「だって!
ナツの言葉に、2人は呆然とする。
「来いよ」
ナツの言葉を聞いた、ルーシィ達の返事は決まっていた。
『うん!!!!』
ルーシィ「ギルドに入るにはまず面接!!第一印象が大事だからね!!」
マキ「確かにそうね」
ルーシィ「あ~ああ!!ううん!!こんにちはルーシィと申します」
マキ「それは固すぎるんじゃない?」
ルーシィ「やっほ~ルーシィでぇ~すぅ」
マキ「それじゃあ、フランクすぎるでしょ」
次回!!『総長(マスター)あらわる!!』
ルーシィ「もっと元気よく、かつ印象的に!!俺が!!ルーシィだぁ!!」
マキ「って!!それじゃあアンタのキャラが壊れてるでしょうが!!!」
はい!!如何だったでしょうか?
ミューズの3人、ウミとリンとマキが登場しました!!
今回はウミしか魔法を使っていませんが、ウミの魔法は水の滅竜魔導士。
ナツの相棒という立ち位置にするなら、やはり同じ滅竜魔導士かなと思い、水の滅竜魔導士にしました。
マキの魔法に関しては、また次の機会とさせて頂きます。
まぁ、タグで分かる人はいるかもしれませんが...
そしてリンですが、まぁネコキャラなので単純にエクシードにしました。
今後、ナツ達の活躍にご期待ください!!
それでは次回、第2話もしくは異世界から帰還せし、激獣拳使いの幼馴染でお会いしましょう!!